100万ℓの血涙

唐草太知

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俺は酒場で目を覚ます。
セピア色だった世界から彩りのある世界へと引き戻される。
「おはよう、クルバス」
「ギルシュバイン・・・」
「監禁されてると思ったか?」
「少しな」
「ふっ」
ギルシュバインは笑う。
「もう・・・そこは触っちゃダメですよぉ・・・あん」
レスキィは変な声を出してる。
「幸せそうだな、こいつ」
俺はため息を吐く。
「いいじゃないか、彼女が居るから空気が軽くなってるのかもしれないぞ?」
「そうか?」
「お前はいい意味でも、悪い意味でも、痛みを堪える癖があるからな。辛い旅の方が正しいと勘違いすることがある」
「俺は別に・・・」
「言い切れるか?エナトリアが苦しんでるのだから俺は旅を楽しんではいけないと・・・本当に違うと言い切れるか?」
「・・・」
「クルバス、お前は旅を楽しんでいいんだ。
そのついでに、エナトリアを救っても別に誰も怒りはしないさ。もしも怒るやつが居るのならば、代わりに僕が怒るさ」
「ギルシュバイン・・・」
「んぁ・・・?」
レスキィが目覚める。
「起きたか、涎が酷いな」
「え!?」
レスキィは慌てて手で口元を擦る。
「冗談だ」
俺は笑う。
「酷いですよ、もぅ」
「ふっ」
ギルシュバインも笑っていた。
「さて、そろそろ出発するか。二日酔いなら置いてくぞ」
「大丈夫です、自分は平気です」
「残ってもいいんだぞ」
「嫌ですよ、置いて行かれるのは」
「そうか」
「僕も出るかな」
「ギルシュバイン、お前とはここで分かれると思ったが」
「僕が居なくても会社は回るからね。今は君の傍に居たい」
「うるさい奴が来たな」
「僕だって少しは役に立つさ」
「まぁ、よろしく」
「あぁ、こちらこそ」
俺とギルシュバインは握手する。
酒場を出た後、街を出る。
そして、街道を歩くのだった。
辺り一面に広がる草原を横目に、
俺たちは道路を歩く。
デコボコになっておらず、綺麗なものだった。
恐らくは馬車が通るために整備してあるのだ。
「それで何処に向かうんだ?」
ギルシュバインに尋ねられる。
「そう・・・だな。
ここに行きたいって用事は実はすでにあるんだ」
「何処ですか、美味しい店ですか?」
「レスキィ、腹減ってるのか?」
「いや・・・ただ美味しいものがあったら嬉しいなって」
「まぁ・・・あるんじゃないか?」
「本当ですか、何だろう、気になるなぁ」
「あんまり期待しないでくれ、ハードルを上げられると、その、なんだ、困る」
「大丈夫ですよ、不味くても旅の思い出には違いないです」
レスキィは微笑む。
「そうか」
そう言われて俺は安心する。
「不安というのは唐突にやってくる。
それはまさに病と似ている」
瘦せこけた男が近づいてくる。
「幻惑魔導士デンジャッタ」
俺は剣を構える。
ギルシュバインは斧を、
そしてレスキィは弓を構えるのだった。
「何のようだ」
「いえね、この道を必ず通るのではないかと思って待っていたんです。もしも間違っていたらどうしようと悩んでたんですが・・・貴方の顔を見て安心しました」
「また、俺たちの誰かを騙すのか?」
「騙すなどと人聞き悪い。事実を申し上げたまでです。
旅が辛いモノになると・・・それは間違ってましたか?」
「あぁ、今はそれなりに楽しいぜ」
「そうですか・・・勇者エナトリアも可哀そうに。存在を忘れられ、旅に夢中になってるなんて・・・1人悲しんでることでしょう」
「お前がエナトリアを口にするな!」
俺は剣で突き刺そうとする。
「クルバス、罠だ!」
「なに?」
俺が突き刺したのは何か香水のような入れ物だった。
「感じるでしょう、あの者の声が」
ぷしゅぅと空気が抜けるような音がする。
すると、容器が壊れて霧が噴出する。
酷く甘ったるい香りがして脳がくらくらする。
「くそ・・・」
俺はふらふらする。
しかも、霧の所為で辺りがよく見えない。
仲間の存在が確認できなくなった。
「不安ですか・・・仲間が見えなくなって」
「誰が!」
俺は剣を振るう。
しかし、当たることは無かった。
「怖いですねぇ、剣に当たったら怪我してしまいそうだ」
「出て来い、デンジャッタ。お前の臓物で地面に名前を書いてやる!」
「勇者の片割れよ、あっしのことを恐れてるんでしょう」
「なんだと」
「大した魔力も持たず、岩をも砕く腕力の無いあっしに恐れを感じてる・・・だから殺したくてしょうがない」
「違う、お前たちが居なければ世界は・・・エナトリアは不幸にならなかったからだ。これは怒りだ、恐れではない」
「素直になってください、本当は怖いはずだ・・・いや違う。
恐れてるのはあっしではなく自分自身だ」
「俺・・・だと?」
「あっしが真実を知ってるから、そのことを口にされるのが怖い。
だから口封じをしたくて必死になってる・・・違いますか、勇者の片割れクルバス」
「違う、絶対に違う!」
「本当に?」
霧の中から急にずいと、デンジャッタは顔を出す。
「貴様」
俺は剣を向ける。
そして、その首を落とそうと今まさに手をかけようとした時だった。
「本物を・・・すでに殺したのではないですか?」
「・・・」
俺はピタと刃を止める。
「クルバス・・・貴方はこう考えてる。
自分は恋人だったし、他の誰よりもエナトリアのことを理解してると。だが、それは思い込みに過ぎないのではないかと」
「違う・・・」
俺は否定する。
「本当にそうですか、違うと言い切れますか」
「違う、違う!」
俺は強く否定する。
けれど、心のモヤが晴れない。
「もしかしたら、その聖剣で本物のエナトリアをすでに殺してるのではないですか?偽物だと思っていたエナトリアが実は・・・本物だったと何故違うと言い切れるのですか?」
「違う、俺は誰よりも彼女の事を理解している。
俺が、俺だけが本物を知ってるんだ!」
「認めるのが怖いだけではないですか?本物をすでに殺してしまえば、貴方の旅は茶番に過ぎなくなる。何故ならすでに本物を殺してるのですからね。貴方の行動は酷く滑稽だ、本物を殺してるのにも関わらず、何処かに本物が居るかもしれないと思い込み、有象無象の偽物を殺して歩く。貴方の旅は実は遠回りしてるのではないですか?真実に到達する時間を稼ぎ・・・あわよくばうやむやに出来るのではないかと」
「違うって言ってるだろうが!」
俺は怒鳴り散らす。
「そうですね・・・あの少女の名前は確か・・・レスキィと言いましたか。彼女が死ねば、秘密はクルバス、貴方だけの物だ」
「なんだと?」
「無理やりついてくるあの子だけはどうしようもない、ギルシュバインはエナトリアが本物を含めて偽物も全て死んでも構わないと言っていた。レスキィさえ死ねば、誰も真実に辿り着こうとは思わない。ギルシュバインだけなら、いつでも旅は中断できますからね。辛くなったから後は頼む、こう言えばいい。でも、あの子は勇者である君の最後を見届けたいと思ってる。それは一見すると最後までついて来てくれる責任感のある優しさと思えることだ。普通ならね、でもクルバス。君は違うはずだ。本物のエナトリアはすでに死んでると、知られては困るからだ!」
「黙れ!」
俺は剣を振るう力が段々と弱くなる。
デンジャッタの言葉を全て否定しきれないからだ。
「それは・・・悪いことではないのですよ」
「なに?」
「今はまだ・・・本物のエナトリアを殺したかもしれないとあの2人は知らないのです」
「それは、どういう意味だ?」
「この霧の中は秘密が保証される、あの二人には聞こえてないのですよ。あっしとクルバス・・・2人きりの世界だ」
「・・・」
「あっしとクルバスだけで話が展開してる。
今、あの2人は一生懸命貴方を探してるに過ぎない」
「俺を・・・?」
「はい、心配なんでしょう。まぁ、それが余計なお世話なのだと、あの者たちは知らないでしょうが」
「俺に・・・どうしろって言うんだ?」
俺は酷く情けないことを口にする。
幻惑魔導士の言う通り、俺は迷ってる。
本当に、この旅を続けてもいいのだろうかと。
「別に難しいことは必要ありません、ただ黙っていればいい」
「黙っていればいい?」
「そうすれば、あの2人は真実に気づかず、旅を続けることでしょう」
「でも、いつの日か気づくんじゃないのか。
俺が本物を殺したかもしれないと・・・そんな事実に」
「いえ、そんなことになりません」
「それは・・・どうして」
「全て、あっしに任せてください」
「デンジャッタに?」
「旅を続けてる道中、不幸にも重騎士ギルシュバインは山道を歩いてる時に地面が崩れて奈落の底に落下してしまった。その彼を追いかけるように、弓兵レスキィは崖に飛び込んでしまった。この高さでは到底助からないでしょう、そんな悲しい不幸を乗り越えて、クルバスは旅を再開する。そして、旅の果てに偽勇者エナトリアを滅ぼした、そして、今。英雄が誕生した、そう。勇者クルバスが」
「俺に・・・仲間を売れと?」
「そうは言ってません、ただ道中に不幸な出来事が起きただけです。
たまたま、クルバスがその不運に巡り合わなかったというだけです」
「エナトリアを殺して俺が英雄になれるのか?」
「今、彼女が魔王様を殺した人間だとは誰も知りません。
仮に知っていたとしても、現状脅威であることに変わりありません。
こちらで兵を整えて、エナトリア達を殺し尽くします。
そうすれば、残った貴方は英雄として世界に受け入れられる。
そういう話です」
「お前は称賛されないが、いいのか?」
「あっしは、名声や富にこだわりはありません。
ただ、クルバスが困ってるから力になれたらなと純粋な優しさで申し上げてるだけなのです。どうですか、話を聞いてみたいと思ってくれましたか?」
「俺が・・・勇者」
城に帰り、門をくぐる。
そこでは多くの人が俺の事を待ち望んでいた。
勇者の凱旋だと。
俺の名前を若く美しい女性たちが色のついた声で呼んでくれる。
しかも、無駄にセクシーな格好で。
肌面積が下着と大差ないではと思わせるほどだった。
旗には俺の名前が書いてあって、俺に気づいてくれたくて必死になってる少年たち。勇者だともてはやされて調子に乗ってるなどと悔しそうな顔をする大人の男性たち。
その姿を見て、俺は承認欲求が爆上がりなのが想像できた。
「クルバス、何処だ!」
ギルシュバインの声が聞こえる。
「クルバスさん、聞こえますか!」
今度はレスキィだ。
「みん・・・な?」
「時間切れですか、霧が晴れる」
「デンジャッタ、何処へ行く。俺を勇者にするという話は?」
「今はまだ・・・その時ではない。
時が来れば・・・迎えに行く・・・君の仕事はその時否定しなければ良い。ただ・・・あっしを受け入れればそれですべてが終わる」
そう言い残して、デンジャッタは姿を消すのだった。
「待ってくれ、行かないでくれ」
俺は手を指し伸ばす。
「大丈夫ですか、クルバスさん」
けれど、その手を受け取ったのは幻惑魔導士ではなく、
彼女だった。
「あ・・・レスキィ」
「不安だったんですね」
ぎゅっと抱きしめられる。
「そういうんじゃないんだ」
俺は彼女を突き放す。
「いいんですよ、自分に甘えても」
「そうじゃないって」
「恥ずかしいですか?」
「違うって言ってるだろ」
「おーい、クルバス」
ギルシュバインが近づく。
「お前か」
「危なかった、幻惑魔導士の霧のせいで分断された。
危うく、個別に撃退されるところだった。
クルバス、お前出くわさなかったか?」
「あぁ・・・出会わなかった」
俺は嘘をついた。
本当は幻惑魔導士に会っていたのに。
「そう・・・か・・・それじゃレスキィは?」
「えっと、自分も会ってないです」
「それじゃ、何だったんだ一体」
ギルシュバインは頭を掻く。
「いいじゃないか、戦わなかったんだから。
疲れなくてさ」
「それはそうだが・・・何だかモヤっとするんだ」
ギルシュバインはそんなことを言う。
「いいから行こう、もしかしたら仲間の魔族を呼びに行ったのかもしれない。幻惑魔導士は戦闘力が低いからな、単独での戦闘は避けたのだろう」
俺はこの話題を続けることに不安を感じていた。
幻惑魔導士と接触したのではないかと追及されるのが怖かったからだ。
そうしたら、嘘がバレてしまう。
「そうだな、そうかもしれない。それじゃ、僕らは急いで村に向かおうか」
「自分もついて行きます」
俺は2人の後ろを歩く。
「どうした、クルバス」
「やっぱり、幻惑魔導士に何かされたのではないですか?」
2人とも俺を心配する。
「いや、少し旅の疲れが出ただけだ。
歩みを遅くしてしまうが、構わないだろうか?」
「クルバスが辛いなら、それでいいさ。
戦闘になっても休んでいて構わない。
レスキィも戦えるんだろう?それなら僕らで何とかするさ」
「自分も異論ないです」
「すまない」
俺は謝罪を述べる。
そうしてゆっくり歩く。
本当は疲れてるからではなかった。
考え事に夢中だったからだ。
先ほどの幻惑魔導士の言葉が離れない。
本物のエナトリアを殺したのではないか?
というのがもしも事実ならばと不安がぬぐえない。
その事実に気づいてしまったのならば、2人はどんな反応をするだろうか?俺を軽蔑する?それとも許してくれるだろうか?
分からない。
「クルバス、あと少し頑張ってくれ。
もう少し歩いたら、皆で休もう。ここに留まるとクルバスの言う通り、援軍が来るかもしれないからな。隠れられそうな場所を見つけたら、そこで休もう」
「分かった」
そうして俺たちは歩き続けた。
歩いてる時に、ふと岩場を見つける。
「ここなら隠れるのにちょうど良さそうだ」
「自分も賛成です」
「俺も文句ない」
「それじゃ、クルバス。先に休んでくれ。
見張りは僕とレスキィで行う。3時間ほどしたら起こすから、
そしたら今度はレスキィが寝るから、僕と2人で見張りをしよう。
僕は元気がありあまってるから、最後でいいよ」
「ギルシュバイン・・・」
「いいんだ、君が疲れてるのを見てる方が辛いからね」
「すまない」
俺は言葉に甘えて、寝させてもらう。
そうして、横になるのだった。
不思議なもので、俺は疲れてるつもりは無かったが、
一瞬で眠りにつく。
案外、疲れというのは想像とは違うらしい。
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