ボイロの脚本家たち

唐草太知

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ボイスロイド劇場

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俺は不登校だった。
学校に馴染めなかった。
そんな時に・・・世界が広がった気がした出来事があった。
「なんだこれ」
それはボイスロイド劇場というものだった。
美少女のキャラが喋ってる。
最初、声優さんが話してるのかと思ったがそうじゃない。機械なのだ。
自分で好きに喋らして、好きに物語を作る。
それが酷く新鮮で、何だか面白かった。
俺も作ってみたいって思った。
絵は描けなくてもいい。
他の人が書いてくれる。
必要なのは物語を作る才能だ。
それさえあれば、それなりに形になる。
演出とか、そういうのを考えたらある程度の知識は必要だ。でも、俺にはそんな才能や知識はない。
だけど、そんな俺でも輝けるんじゃないか。
そんな気がした。


だけど動画はあまり伸びなかった。
最初だもんな・・・そういうもんだ。
でも暫く続けてみても、結果はあまりよくない。
そろそろ疲れも見え始める。
学校に行かないといけないのかな。
そんなことを思ってた時だった。
メッセージが届く。
それは一緒に動画を作りませんかという内容だった。
正直、俺一人では限界を感じていたのでありがかたった。何でも俺の数少ない動画のファンらしく、一緒に作りたいとのこと。俺はファンに会えるということもあって喜んで向かうことにした。
指定された場所はお洒落な喫茶店。
こんな場所に来るなんてどんな人なんだろう。
最初は何だか紳士な男性をイメージしていた。
白髭に、シルクハット。
なんて、そんなイギリス紳士みたいな。
ありえないか。
なんて一人で笑ってた。
いざ、喫茶店に入ると驚く。
なんとそこに居たのはカワイイ女の子だったからだ。
「初めまして、花林です」
「君が・・・俺のファン?」
「はい、貴方のファンです」
まいったな俺の方が君のファンになりそうだ。
なんて、そんなことを思うのだった。
それが彼女との出会い。
俺がボイスロイド劇場で有名になる話だ。
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