チロはオレの猫

まめ

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 あ、すっごく気持ちいい……もっとそこ触って。
 そうそう乳首は強めの刺激がいい。ぴちゃぴちゃ聞こえる音、たまんなくエロいね。なめるだけじゃヤダ、噛んでよお……はァ、痛いのもスキなんだ。あ……あ……っ、ひゃん!ちょっと加減しろよお、高い声でちゃうじゃん。あんっ、ぁ、ァ、いい……イイよぉ、もっとぉ……して♡
 ケツ?ああ、ちょっと緩いかも。自己開発に目覚めちゃって……あはっ、オレ?処女だよ。入れたいって?いいよ……ゆっくり、やさしくしろよ。ん?んんっ?

 オレは、自分の中に太いものが入ってくる圧迫感で目が覚めた。

「え?何?夢じゃない?」

 ふわふわとエロい夢を見ていたはずが、オレは暗闇の中で誰かに組み敷かれていた。
 ぐいと、腰を押しつけられると、さらに内臓が圧迫される。これ入ってる。オレのケツに誰かのちんぽが入ってる。やだ、怖い。やっぱり夢だろ?いや、夢なんかじゃない。
 そいつは二三回腰を降ると、ぴくぴくっと体を強ばらせて、すぐイった。情けない声が聞こえた。

「ふにゃぁぁぁん」

「え?おまえチロかよ!」

 20年共に暮らした愛猫の声を、オレが間違うはずはない。
 オレはチロのちんぽを入れたまま、逃げないようにだいしゅきホールドをかました。

「にゃっ、にゃっ、ともちゃん放してにゃー!」

「いやダメだ。ずっと探してたんだぞ。チロ、今までどこに行ってたんだ」

「ぼく、二十年生きたから、猫又になったんにゃ。もうかわいくないんにゃ。お化けにゃー。ともちゃんのこと大好きにゃ。嫌われたくないにゃー。ふにゃぁぁぁん!」

「事情はなんとなく理解したけど、なんでオレとセックスしてんだよ?」

「ともちゃんが大好きなんにゃー」

 オレは、暗闇の中、チロのちんぽをはめたまま、胸の上で泣く猫又を撫でてやる。ああ、昔からチロはバカだったけど、猫又になっても相変わらずバカだった。こいつこの後どうするつもりなんだ。――オレは高い木に登って降りられなくなって、情けない声で助けを求めるチロを思い出した。
 それにしても、チロ、言葉喋れるようになったのか……。動じることのない、オレの柔軟な対応力プライスレスじゃね?

 
――チロがいなくなったのは三ヶ月前、寒い冬のことだった。

 オレはいつものように、足の股の間にチロを挟んでぬくぬくして寝たんだ。朝になったらチロはいなかった。とは言っても、猫だから。いつも気まぐれに散歩に出ては、腹がへったら帰ってきて猫缶をねだるのがいつものパターン。
 猫缶を三種類並べて、今日はどれにする?って効くと、チロが食べたい缶をたしたしって叩く。
 いっしょにオレも飯にして、なかよくごはんタイムだ。寝るのもいっしょ。たまに散歩もいっしょにしたりして、一人と一匹でゆるく暮らしてたんだ。
 オレの両親はとうの昔に事故でこの世を去り、育ててくれたじいちゃんは、三年前に病気で亡くなった。残された家族はチロだけだった。

 待てども待てども帰ってこないチロ。もう二十才の、いつ寿命が来てもしかたない、長生きの雄の三毛猫。
 猫は死期を悟ると姿を消すとは聞くが、オレはそんな簡単にあきらめきれなかった。
 電柱に、迷い猫の貼り紙をしたり、インターネットのSNSで情報を探したり、いろいろしたのに、見つからないままで――なあ、チロ、今までどこにいたんだよ。

「……チロ、三ヶ月もどこにいたんだ?」

「猫の国にゃ。猫又になる修行があるんにゃ」

「どこや……それ。。。なあ、帰ってきて、普通にあいさつしようとは思わなかったの?」

「もうぼくお化けだから、ともちゃんに嫌われるんにゃ。ともちゃん、小さいころからお化け嫌いだったにゃ。ゲ○ゲの鬼太郎を視るときも、怖いからって、ぼくを抱く手が震えてたにゃ。」

 オレは、チロの萎えたちんぽをずるりと抜いて立ち上がり、部屋の灯りをつけた。
 そこには、髪の毛が三毛猫風に三色に分かれた、猫耳と二又に分かれたふわふわしっぽを持つ獣人がいた。背はオレより高く、細マッチョの引き締まった身体、小麦色の肌。下がり眉に、まつ毛バシバシのたれ目が愛嬌がある。控えめに言っても、憎いくらいのくっそイケメン!

「お化けどころか、めっちゃカッコいいやん、チロ」
  
「ぼく、修行したけど、耳としっぽをしまえなかったんにゃ。また、ともちゃんと暮らすの楽しみにしてたのに!こんな人間いないの知ってるんにゃ!」

「オレ、チロがいなくなって、さみしかったんだぜ……どんな姿でもチロはチロだよ。もうどこにも行かないで、そばにいてくれよ……」

「にゃ……、ともちゃんと、いっしょが、いいにゃ……」

 三ヶ月ぶりに帰宅した愛猫は、獣人化していました。ちんまりした日本猫だったのに、彫りの深いイケメンになって。


 
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