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ミニスカ女子との浮気現場を発見しました。
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誰もいないはずの部屋で物音が聞こえる。
スカーレットは聖夜祭の日だというのに仕事に疲れて家に帰ってきたときに異変に気付いた。誰もいないはずの自宅に今日と言う日に限って物音が聞こえたのだ。
リズムを刻んでいる音はまるでベッドが軋むような音だ。
(どうしよう? これは警備隊に連絡した方が良いのかな)
もしかしたら強盗かもしれないし、相手が凶器を持っていないとも限らない。だから、いったん警備隊に連絡した方が良いかもしれないと思って、魔道具を取り出すが、目の前の強盗がいる部屋を開けられないようにものをドアの前に置いておこうと思った。
(そうだ。強盗が出てこれないようにタンスが良い)
そう言って前の前に重いものを置いて閉じ込めようとしたその時。
部屋の中からひと際大きな声が聞こえてきた。
「あっ!」
(喘ぎ声?)
明らかにそうとしか聞こえない声を聞こえて来て、スカーレットは戸惑った。強盗がスカーレットの家に入ってきてまですることがそんなくだらないことなのかと思ったからだ。
だとしたら掃除だけでなくベッドの洗濯もしなければいけないから大変だ。というか人のベッドでそんなことをするなよと言いたくなる。
だけど、そんな考えはすぐに吹き飛ばされる。
「俺ももう……」
その声は明らかにスカーレットの知っている人間のものだった。
(グレイ?)
グレイはスカーレットの付き合っている彼氏のことだ。
密室。
私の寝室。
彼氏の声。
女の喘ぎ声。
決定だ。
いつの間にかスカーレットは扉を吹き飛ばして、中にいる人間に突撃した。
「ちょっとグレイ! あなた何やってるのよ!」
「なっ! スカーレット! どうしてここにいるんだよ!」
スカーレットが部屋に突入すると、そこには裸で抱き合っている女とグレイがいた。明らかにシテいる。完全にしている。
(私のことを裏切ったのね!)
「許せない! 私のベッドで何やっているの!」
「ち、違うんだ。これには訳が!」
「そんなの知らないわよ。速く出て行って。あなたとは別れる。二度と顔を見せないでよ! この最低男」
そうやって、彼氏の服を持ち上げて、窓からそれを投げ捨てた。そして、女の服もそのまま一緒に捨てようとしていた時に、気づいた。
(これ、ミニスカートだ)
グレイは以前スカーレットにミニスカートなんて穿かないで欲しいと言ってきたことがある。スカーレットは一応のその言うことを聞いていたのに、なぜ浮気相手はミニスカートなんて穿いているんだろうと疑問に思う。
(わたし、ミニスカ女に彼氏を寝取られたんだ)
そう気づいて、スカーレットの目には自然と涙が溢れてきた。
そして、そのスカーレットを一気に捨てる。こんなものいらないと言わんばかりに窓の外に向かって投げ捨てる。
「じゃあね。さっさと出ていってよ」
スカーレットはこんななまなましい場所にはいたくなかった。だから、自分の家から出ていった。
(最低最低最低)
彼氏がそんなことをする人間だとは思っていなかった。しかもミニスカ女子に寝取られるなんて思ってもいなかった。
自然と涙があふれていく。
周りには幸せそうなカップルが街を歩いているのに、自分はどうしてこんな風にみじめな思いをしなければいけないのか。
どうしてが溢れて来て、だけど、そんなものに答えなんて出なくてただただ辛いだけだった。
その時。
「おい、そこの女。ちょっといいか?」
「気軽に話しかけないでよ!」
今はナンパなんて気分じゃないと思わず怒鳴りつけてしまう。
(はは、バカだな、私は。ナンパなんて言葉を掛けたら負けなのに)
「おい、お前。この俺に対してどんな口を聞いている!」
「うるさいわね、だから今はナンパなんて気分じゃないって! ……え?」
ナンパだと思って振り払った手の持ち主を見ると、そこには金髪を携えた美しい男の人がいた。
「あなたはエリオット皇太子さま!」
「ふん、ようやく気付いたか」
スカーレットは気づかない。この出会いが彼女の運命を大きく変えるということを。
スカーレットは聖夜祭の日だというのに仕事に疲れて家に帰ってきたときに異変に気付いた。誰もいないはずの自宅に今日と言う日に限って物音が聞こえたのだ。
リズムを刻んでいる音はまるでベッドが軋むような音だ。
(どうしよう? これは警備隊に連絡した方が良いのかな)
もしかしたら強盗かもしれないし、相手が凶器を持っていないとも限らない。だから、いったん警備隊に連絡した方が良いかもしれないと思って、魔道具を取り出すが、目の前の強盗がいる部屋を開けられないようにものをドアの前に置いておこうと思った。
(そうだ。強盗が出てこれないようにタンスが良い)
そう言って前の前に重いものを置いて閉じ込めようとしたその時。
部屋の中からひと際大きな声が聞こえてきた。
「あっ!」
(喘ぎ声?)
明らかにそうとしか聞こえない声を聞こえて来て、スカーレットは戸惑った。強盗がスカーレットの家に入ってきてまですることがそんなくだらないことなのかと思ったからだ。
だとしたら掃除だけでなくベッドの洗濯もしなければいけないから大変だ。というか人のベッドでそんなことをするなよと言いたくなる。
だけど、そんな考えはすぐに吹き飛ばされる。
「俺ももう……」
その声は明らかにスカーレットの知っている人間のものだった。
(グレイ?)
グレイはスカーレットの付き合っている彼氏のことだ。
密室。
私の寝室。
彼氏の声。
女の喘ぎ声。
決定だ。
いつの間にかスカーレットは扉を吹き飛ばして、中にいる人間に突撃した。
「ちょっとグレイ! あなた何やってるのよ!」
「なっ! スカーレット! どうしてここにいるんだよ!」
スカーレットが部屋に突入すると、そこには裸で抱き合っている女とグレイがいた。明らかにシテいる。完全にしている。
(私のことを裏切ったのね!)
「許せない! 私のベッドで何やっているの!」
「ち、違うんだ。これには訳が!」
「そんなの知らないわよ。速く出て行って。あなたとは別れる。二度と顔を見せないでよ! この最低男」
そうやって、彼氏の服を持ち上げて、窓からそれを投げ捨てた。そして、女の服もそのまま一緒に捨てようとしていた時に、気づいた。
(これ、ミニスカートだ)
グレイは以前スカーレットにミニスカートなんて穿かないで欲しいと言ってきたことがある。スカーレットは一応のその言うことを聞いていたのに、なぜ浮気相手はミニスカートなんて穿いているんだろうと疑問に思う。
(わたし、ミニスカ女に彼氏を寝取られたんだ)
そう気づいて、スカーレットの目には自然と涙が溢れてきた。
そして、そのスカーレットを一気に捨てる。こんなものいらないと言わんばかりに窓の外に向かって投げ捨てる。
「じゃあね。さっさと出ていってよ」
スカーレットはこんななまなましい場所にはいたくなかった。だから、自分の家から出ていった。
(最低最低最低)
彼氏がそんなことをする人間だとは思っていなかった。しかもミニスカ女子に寝取られるなんて思ってもいなかった。
自然と涙があふれていく。
周りには幸せそうなカップルが街を歩いているのに、自分はどうしてこんな風にみじめな思いをしなければいけないのか。
どうしてが溢れて来て、だけど、そんなものに答えなんて出なくてただただ辛いだけだった。
その時。
「おい、そこの女。ちょっといいか?」
「気軽に話しかけないでよ!」
今はナンパなんて気分じゃないと思わず怒鳴りつけてしまう。
(はは、バカだな、私は。ナンパなんて言葉を掛けたら負けなのに)
「おい、お前。この俺に対してどんな口を聞いている!」
「うるさいわね、だから今はナンパなんて気分じゃないって! ……え?」
ナンパだと思って振り払った手の持ち主を見ると、そこには金髪を携えた美しい男の人がいた。
「あなたはエリオット皇太子さま!」
「ふん、ようやく気付いたか」
スカーレットは気づかない。この出会いが彼女の運命を大きく変えるということを。
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