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11・新たなデーモン
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「♪~」
「ティス、ノリノリだなあ」
一行は探りながら地下室を歩いている。もちろん光を宿すデーモン、マロンを遊技は召喚している。
「なんかここ、すごく広いね」
ノカの呟きは最もだ。ティスがくるっとこちらに顔を向けた。
「私の見立てによれば、ここに何かがいるのは間違いありません」
「兄者、その何かとは・・・」
ジャスが唸るとティスが頷いた。
「そう、私たちの同胞であるのは間違いありません。そのデーモンがこの魔空間を作っています」
「そのデーモン、相当強いんじゃない?」
ノカが不安げに言う。
「大丈夫。ジャスくんもティスも十分強いデーモンだよ」
遊戯が笑うとノカもほっとしたように笑った。
「とりあえずこっちから気配がある。行ってみよう」
ノカが指を差す。一行は更に奥へ進んだ。
「う・・・急に寒くなった」
「嫌な空気だな」
「・・・しくしく」
ぞわっと背筋を駆け抜けるような寒気に一行は固まった。マロンがすかさずあたりを照らす。照らされた先にいたのは、青白い肌の女性だった。頭には角、背には禍々しい翼を持つ。間違いなくデーモンだ。
「彼女が?」
「うん、遊技ちゃん」
「ああ」
遊戯と遊技の二人は前へ出た。ジャスとティスも身構える。
「あなたたちはどうしてここに?私の主人様はもういないというのに」
「君の主人はデーモンテイマーだったんだね」
「そうです。彼は常に力を求めていました。私が弱いと罵り一方的に殴られ」
どうやら主人から暴力を振るわれていたらしい。そういった話は珍しい話ではない。
「人間ユルサない・・・!」
彼女を纏う空気が変わる。それに伴い、彼女の雰囲気が一変した。ごおおおおと風が吹きすさぶ。
「ティス、力を受け流して」
「承知しました」
遊戯の判断にティスが従う。まるで柳のようにあっさりと力を受け流され、女性デーモンは恐ろしくなったのか後ずさった。
「な…私の力が効かない?」
「君、すごく強いね」
「あ・・・」
遊戯は彼女のそばにずいと近寄った。
「もちろん強いって大事だけど、ただ力任せなだけじゃダメなんだよ」
「く・・もう一度」
「ジャス、頼むぞ」
遊技がジャスに指示を出す。ジャスは力を力で押しつぶした。
「そんな・・力比べでも敵わないの?」
「君、名前はなんていうんだ?」
「サシャ」
「そうか。お前はずっとここにいるつもりなのか?」
「それは・・・」
遊技は笑った。
「なら俺たちと一緒に来ないか?」
「え?」
サシャは戸惑ったように遊戯たちを見つめる。
「そうだね、遊戯さん達といれば安心かな。ここの浄化も出来るし丁度いいんじゃないかな」
ノカが頷く。
「主人様が亡くなったのは私のせい」
うううとサシャが泣き出す。
「遊戯様、使役されているデーモンは主人に逆らえるのですか?」
ティスに尋ねられて遊戯は考えた。
「多分契約が外れてたんじゃないかな。使役は信頼が大事だし」
「やはり。サシャさん、お二人はとても良いデーモンテイマーですよ」
「私の罪を償えるのなら」
サシャがきゅっと拳を握る。
「遊戯、お前が連れて行けばいい。サシャ、いいよな?」
「はい。もちろんです」
遊戯はデーモンを使役するために呪文の詠唱を唱え始めている。
「デーモン、サシャを僕、遊戯の中に取り入れる。サシャ、中へ」
サシャの周りを魔法陣が取り囲む。サシャは無事遊戯の中に取り込まれた。
「ティス、ノリノリだなあ」
一行は探りながら地下室を歩いている。もちろん光を宿すデーモン、マロンを遊技は召喚している。
「なんかここ、すごく広いね」
ノカの呟きは最もだ。ティスがくるっとこちらに顔を向けた。
「私の見立てによれば、ここに何かがいるのは間違いありません」
「兄者、その何かとは・・・」
ジャスが唸るとティスが頷いた。
「そう、私たちの同胞であるのは間違いありません。そのデーモンがこの魔空間を作っています」
「そのデーモン、相当強いんじゃない?」
ノカが不安げに言う。
「大丈夫。ジャスくんもティスも十分強いデーモンだよ」
遊戯が笑うとノカもほっとしたように笑った。
「とりあえずこっちから気配がある。行ってみよう」
ノカが指を差す。一行は更に奥へ進んだ。
「う・・・急に寒くなった」
「嫌な空気だな」
「・・・しくしく」
ぞわっと背筋を駆け抜けるような寒気に一行は固まった。マロンがすかさずあたりを照らす。照らされた先にいたのは、青白い肌の女性だった。頭には角、背には禍々しい翼を持つ。間違いなくデーモンだ。
「彼女が?」
「うん、遊技ちゃん」
「ああ」
遊戯と遊技の二人は前へ出た。ジャスとティスも身構える。
「あなたたちはどうしてここに?私の主人様はもういないというのに」
「君の主人はデーモンテイマーだったんだね」
「そうです。彼は常に力を求めていました。私が弱いと罵り一方的に殴られ」
どうやら主人から暴力を振るわれていたらしい。そういった話は珍しい話ではない。
「人間ユルサない・・・!」
彼女を纏う空気が変わる。それに伴い、彼女の雰囲気が一変した。ごおおおおと風が吹きすさぶ。
「ティス、力を受け流して」
「承知しました」
遊戯の判断にティスが従う。まるで柳のようにあっさりと力を受け流され、女性デーモンは恐ろしくなったのか後ずさった。
「な…私の力が効かない?」
「君、すごく強いね」
「あ・・・」
遊戯は彼女のそばにずいと近寄った。
「もちろん強いって大事だけど、ただ力任せなだけじゃダメなんだよ」
「く・・もう一度」
「ジャス、頼むぞ」
遊技がジャスに指示を出す。ジャスは力を力で押しつぶした。
「そんな・・力比べでも敵わないの?」
「君、名前はなんていうんだ?」
「サシャ」
「そうか。お前はずっとここにいるつもりなのか?」
「それは・・・」
遊技は笑った。
「なら俺たちと一緒に来ないか?」
「え?」
サシャは戸惑ったように遊戯たちを見つめる。
「そうだね、遊戯さん達といれば安心かな。ここの浄化も出来るし丁度いいんじゃないかな」
ノカが頷く。
「主人様が亡くなったのは私のせい」
うううとサシャが泣き出す。
「遊戯様、使役されているデーモンは主人に逆らえるのですか?」
ティスに尋ねられて遊戯は考えた。
「多分契約が外れてたんじゃないかな。使役は信頼が大事だし」
「やはり。サシャさん、お二人はとても良いデーモンテイマーですよ」
「私の罪を償えるのなら」
サシャがきゅっと拳を握る。
「遊戯、お前が連れて行けばいい。サシャ、いいよな?」
「はい。もちろんです」
遊戯はデーモンを使役するために呪文の詠唱を唱え始めている。
「デーモン、サシャを僕、遊戯の中に取り入れる。サシャ、中へ」
サシャの周りを魔法陣が取り囲む。サシャは無事遊戯の中に取り込まれた。
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