男子高校に入学したらハーレムでした!

はやしかわともえ

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アシスタント

夏休みボケがようやく解れてきた矢先のある日曜日、樹はワンボックスカーの後部座席に乗っていた。
周りにはエレキギターやベースなどの楽器に始まり、アンプやエフェクターなんかの機材も置かれている。
今日の樹は、ライブの準備係だ。

「悪いな、樹。急に呼び出しちまって」

助手席に座っているのは健悟だ。
運転をしているのは彼の仲間らしい。健悟の所属するバンドのメンバーのプロフィールを樹はネットで調べたのだ。
皆、健悟より年上で実力も申し分ない。
その中で、健悟が輝けるのは、やはり健悟がすごいからだろう。

「いえ、俺、こうゆうの興味ありますし」

プロデューサーになりたいなら裏方の仕事の把握もしておかねばならない。

「克樹は連れてこなくて良かったのか?」

そう尋ねられて、樹は苦笑いした。

「かっちゃん、この前の課題なかなか出来なかったみたいで補習してます」

「あいつ…またか」

健悟がため息をついている。

「克樹はもう少し頑張ればいいのにな。アイドルとして不足はないと思うけど」

「俺もそう思います」

そんなことを話しているうちに、ライブハウスが見えてくる。思っていたよりも小さかった。
当然チケットは売り切れているのだそうだ。

「樹、今日は頼むな」

「はい!」

樹は車から機材を慎重に運んだ。
思ったより重労働で息切れしてくる。
自分には克樹のようなパワープレイは向いていないようだ。もっと鍛えなければと思う。

「樹、次でラストだ。頑張れよ」

「はい」

最後にエフェクターをエレキギターに繋いだ。

「よーし、リハやるぞー」

樹はリハーサルの様子を舞台袖から見守った。
本番さながらの緊張感に思わず鳥肌が立ってしまう。

(すごい)

リハーサルも終わり、開場まで間もなくとなっていた。

「樹、リハ見てどうだった?」

ペットボトルの水を飲みながら健悟が尋ねてくる。

「本番が楽しみになりました」

思ったままのことを言うと、健悟が笑う。

「樹、しっかり見とけよ?」

「はい!」

客席はスタンド形式だった。
会場には沢山の人が来ている。
ほとんどが女性のようだった。

ついに健悟達がステージに現れた。
歓声が響く。
リハーサルもすごかったが、更にそれを上回る熱気に樹は感激した。

(櫻木先輩、かっこいい)

ライブはあっという間に終わり、ファンからのアンコールが始まる。
舞台が急に暗転する。

明かりが点くと、そこには健悟を含むメンバーがいた。
健悟がマイクを持って話し出す。

「これから歌う曲は俺の後輩と作った曲だ。
俺のキャラとは真逆だけど、結構気に入ってる。聞いてくれ」

静かに演奏が始まる。それは樹が健悟と初めて組んだときに作ったバラードだった。
まさかここで歌ってくれるとは思わず、樹は感激していた。
優しく置くように健悟が旋律を刻む。
曲が終わると割れるような拍手が起きた。

こうしてライブは大盛況で終わった。
感想 1

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