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ユマのバレンタイン6
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この前のデートの反省を活かして、僕は待ち合わせまでコーヒーショップで時間を潰すことにした。
(いつも早く来すぎてるよ)
目の前のアイスコーヒーはもう氷が溶け始めている。
店の中が暖かいからだ。
チョコ大丈夫かな?
やっぱり早めに店を出たほうがいいかも。
ピロン、とスマホが鳴る音。
なんだろ?
僕がもぞもぞポケットからスマホを取り出すとソウジロウからだった。
「ユマ、俺はもう着いている。待ってる」
(ソウジロウ、もう来てる!)
僕は慌てて立ち上がった。
リュックを掴んで店を出る。
待ち合わせの場所にいくと、ソウジロウが驚いたような顔をした。
でもそれは、すぐ笑顔に変わる。
「ごめん、ソウジロウ!おまたせ!」
「おい、ユマ、おめぇおせえじゃねえか」
チョップにも言われる
「ごめん、チョップ」
ソウジロウはチョップを撫でた。
「行こう」
ソウジロウが手を差し出してくる。
え、これって?
僕が躊躇していたら、ソウジロウから握ってくれた。
なにそれ!かっこいい!!
でも、歩きながらだんだん恥ずかしくなってくる。
「ソウジロウ、もう手いいよ」
小声で呟くと、ソウジロウはにや、と笑って更に指を絡めてきた。
知ってる、恋人つなぎってやつだ。
僕は余計顔が熱くなった。
「ソウジロウ、どこ行くの?」
「付いてきてくれ」
ただそれだけ言って、彼はずんずん歩く。
そこはこの前行った百貨店だった。
チョコフェスはまだやっているようで、広告のポスターが貼られている。
本番は明日だもんなぁ。
「ユマは甘いのが好きだろう」
「うん」
ソウジロウに引っ張られてエスカレーターに乗る。
「ここにあるカフェでチョコフェスとコラボをしているようなんだ」
「そうなんだ!」
カフェは平日のせいか空いていた。
ソウジロウがメニューを見せてくる。
「これだ、確か」
ソウジロウが指で示したのはホットチョコレートだった。あの有名店のチョコで作られているらしい。
他にもガトーショコラや、チョコを隠し味に使ったカレーライスなどいろいろある。
「いろいろあるね」
「ユマのお姉さんは、ここにも来たらしい」
ん?
それは僕も知らなかった。
友達と来た時かな、と考えていると、メニューが運ばれてくる。
とりあえず頼んだのは、ホットチョコレートだ。上にマシュマロがでーん、とのっている。
「うわ、すごいね」
「ああ」
二人で同時に口を付けて熱い、とマグカップを離した。口の中に広がるチョコが幸せだ。
「美味しい!」
「あぁ!」
この後どこにいこうか、二人で話しながらホットチョコレートを飲んだ。
楽しい。
「映画でもいくか?」
ぽつり、とソウジロウが言ったので僕は頷いた。今日は外を散策するには寒すぎる。
そういえばチョコを持っていたんだった。
「あのね、ソウ」
ソウジロウはなんだ?と言うように首をかしげる。
「チョコ、持ってきたんだ」
がさがさとリュックを漁ってチョコを取り出す。
朝慌ててラッピングした。
それをソウジロウに見せると、彼は顔をほころばせた。
「あんまり甘くないようにビターにしたよ」
「ありがとうな」
ソウジロウがチョコをカバンに大事そうにしまってくれて、なんだかくすぐったい。
ホットチョコレートもとても美味しかった。
行こうか、とソウジロウが言ったので、僕も立ち上がった。
(いつも早く来すぎてるよ)
目の前のアイスコーヒーはもう氷が溶け始めている。
店の中が暖かいからだ。
チョコ大丈夫かな?
やっぱり早めに店を出たほうがいいかも。
ピロン、とスマホが鳴る音。
なんだろ?
僕がもぞもぞポケットからスマホを取り出すとソウジロウからだった。
「ユマ、俺はもう着いている。待ってる」
(ソウジロウ、もう来てる!)
僕は慌てて立ち上がった。
リュックを掴んで店を出る。
待ち合わせの場所にいくと、ソウジロウが驚いたような顔をした。
でもそれは、すぐ笑顔に変わる。
「ごめん、ソウジロウ!おまたせ!」
「おい、ユマ、おめぇおせえじゃねえか」
チョップにも言われる
「ごめん、チョップ」
ソウジロウはチョップを撫でた。
「行こう」
ソウジロウが手を差し出してくる。
え、これって?
僕が躊躇していたら、ソウジロウから握ってくれた。
なにそれ!かっこいい!!
でも、歩きながらだんだん恥ずかしくなってくる。
「ソウジロウ、もう手いいよ」
小声で呟くと、ソウジロウはにや、と笑って更に指を絡めてきた。
知ってる、恋人つなぎってやつだ。
僕は余計顔が熱くなった。
「ソウジロウ、どこ行くの?」
「付いてきてくれ」
ただそれだけ言って、彼はずんずん歩く。
そこはこの前行った百貨店だった。
チョコフェスはまだやっているようで、広告のポスターが貼られている。
本番は明日だもんなぁ。
「ユマは甘いのが好きだろう」
「うん」
ソウジロウに引っ張られてエスカレーターに乗る。
「ここにあるカフェでチョコフェスとコラボをしているようなんだ」
「そうなんだ!」
カフェは平日のせいか空いていた。
ソウジロウがメニューを見せてくる。
「これだ、確か」
ソウジロウが指で示したのはホットチョコレートだった。あの有名店のチョコで作られているらしい。
他にもガトーショコラや、チョコを隠し味に使ったカレーライスなどいろいろある。
「いろいろあるね」
「ユマのお姉さんは、ここにも来たらしい」
ん?
それは僕も知らなかった。
友達と来た時かな、と考えていると、メニューが運ばれてくる。
とりあえず頼んだのは、ホットチョコレートだ。上にマシュマロがでーん、とのっている。
「うわ、すごいね」
「ああ」
二人で同時に口を付けて熱い、とマグカップを離した。口の中に広がるチョコが幸せだ。
「美味しい!」
「あぁ!」
この後どこにいこうか、二人で話しながらホットチョコレートを飲んだ。
楽しい。
「映画でもいくか?」
ぽつり、とソウジロウが言ったので僕は頷いた。今日は外を散策するには寒すぎる。
そういえばチョコを持っていたんだった。
「あのね、ソウ」
ソウジロウはなんだ?と言うように首をかしげる。
「チョコ、持ってきたんだ」
がさがさとリュックを漁ってチョコを取り出す。
朝慌ててラッピングした。
それをソウジロウに見せると、彼は顔をほころばせた。
「あんまり甘くないようにビターにしたよ」
「ありがとうな」
ソウジロウがチョコをカバンに大事そうにしまってくれて、なんだかくすぐったい。
ホットチョコレートもとても美味しかった。
行こうか、とソウジロウが言ったので、僕も立ち上がった。
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