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その他
千晶と生配信②
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風呂から出た千晶は慌ててPCを立ち上げた。これでチャットの管理ができる。千晶はアシスタントを陰ながら務めることになっている。加那太に準備の進捗をメッセージで尋ねた所、予定より5分程遅れるとのことだった。生配信あるあるだなと千晶は思う。
加那太のチャンネルを開くとサムネイル画面で止まっている。
それにしても…と千晶は画面を見て驚いてしまった。待機人数が100人を超えているのだ。
加那太はゲーム界隈ではちょっとした有名人だと前に千尋が言っていたのを思い出す。
チャットが流れていくのを目で追いながら、千晶は加那太のメッセージを待った。ピロン、とスマートフォンが千晶に知らせる。
いよいよか、と千晶はPCの画面を見つめるのだった。
『みんな、聞こえてる?』
ゲームのBGMに乗って加那太の声か響く。チャットが流れるのが早すぎて、千晶は一生懸命追った。
加那太もチャットを見ているのか黙る。
チャットには加那太の声が可愛いというものや女の子?という疑問を持つものが大半だった。他のものはお疲れ様とか、こんばんはという挨拶関連だ。千晶は音声に問題はないと、いつものスマートフォン早打ちでメッセージを送った。
『あ、聞こえてるって。
よかったー。あ、僕は男だからね。KAっていいます。今日はお友達のあきくんにお手伝いしてもらってます。あきくん、なにかあったら指示よろしくね!』
加那太は今日、特に難しいと思われるステージでソロ狩猟をする予定だった。だがチャット欄は一緒に戦いたいというもので埋まっている。
千晶はどうしたものか迷った。
加那太の判断に任せることにする。
『みんな、僕とチーム組みたいって思ってくれるんだ?』
加那太が驚いているのが分かり、千晶は笑ってしまった。
そうでなければ配信を見ようとは思わないだろう。
『分かった。じゃあ一戦だけソロでやらせて。
その後みんなとやります!』
チャット欄が流れるのが相変わらず早い。しかも視聴人数が300人に増えている。ゲームの人気も高いからだろうが、加那太の知名度もなかなかのものだ。
「かなさん、すごいな」
後ろから真司がやってきて言う。彼はスマートフォンで配信を見ている。
「はい。大人気ですね」
「かなさん、ゲーム上手いもんな。そりゃ人気出るだろ」
加那太はクエストを開始している。特定の大型モンスターを狩猟するというものだ。
『来た…おびき寄せるよ』
加那太が静かに呟くと、モンスターが一目散にこちらに向かって駆け寄ってくる。すごい迫力だ。
加那太はそれを華麗に躱してざくりと太刀を振り下ろす。そして更にもう一撃。
流れる様なコンボに千晶も画面に釘付けになった。
太刀はいくら体を鍛えているハンターでも重たい。一撃は重たいが、隙も大きいのだ。
加那太は太刀で切りつけては相手の攻撃を躱す、というヒットアンドアウェイ方式で攻めていくようだった。
「敵の攻撃パターンが分かるのか?」
真司が呟く。千晶も同じことを思っていた。
『尻尾頂き!』
加那太がモンスターの尻尾を切り落とす。モンスターは苦しそうに喘いでいる。これは絶好の機会だ。加那太は更に斬撃を加える。
千晶はハッとなって、チャット欄を目で追った。特に荒れるような気配もない。みんな、加那太のプレイに見惚れている。
『え、捕獲してほしいの?』
確かにチャット欄にそのような希望が出ている。千晶は加那太がどうするのか見守った。
『いいよ。その方が素材もらえるもんね』
加那太はモンスターを華麗に捕獲してみせた。ここまで約15分あまり。チャット欄が沸く。
「かなさん、すごい」
それから2戦ほど視聴者と共に加那太はクエストをこなし、初の生配信は終わりを告げたのだった。
加那太のチャンネルを開くとサムネイル画面で止まっている。
それにしても…と千晶は画面を見て驚いてしまった。待機人数が100人を超えているのだ。
加那太はゲーム界隈ではちょっとした有名人だと前に千尋が言っていたのを思い出す。
チャットが流れていくのを目で追いながら、千晶は加那太のメッセージを待った。ピロン、とスマートフォンが千晶に知らせる。
いよいよか、と千晶はPCの画面を見つめるのだった。
『みんな、聞こえてる?』
ゲームのBGMに乗って加那太の声か響く。チャットが流れるのが早すぎて、千晶は一生懸命追った。
加那太もチャットを見ているのか黙る。
チャットには加那太の声が可愛いというものや女の子?という疑問を持つものが大半だった。他のものはお疲れ様とか、こんばんはという挨拶関連だ。千晶は音声に問題はないと、いつものスマートフォン早打ちでメッセージを送った。
『あ、聞こえてるって。
よかったー。あ、僕は男だからね。KAっていいます。今日はお友達のあきくんにお手伝いしてもらってます。あきくん、なにかあったら指示よろしくね!』
加那太は今日、特に難しいと思われるステージでソロ狩猟をする予定だった。だがチャット欄は一緒に戦いたいというもので埋まっている。
千晶はどうしたものか迷った。
加那太の判断に任せることにする。
『みんな、僕とチーム組みたいって思ってくれるんだ?』
加那太が驚いているのが分かり、千晶は笑ってしまった。
そうでなければ配信を見ようとは思わないだろう。
『分かった。じゃあ一戦だけソロでやらせて。
その後みんなとやります!』
チャット欄が流れるのが相変わらず早い。しかも視聴人数が300人に増えている。ゲームの人気も高いからだろうが、加那太の知名度もなかなかのものだ。
「かなさん、すごいな」
後ろから真司がやってきて言う。彼はスマートフォンで配信を見ている。
「はい。大人気ですね」
「かなさん、ゲーム上手いもんな。そりゃ人気出るだろ」
加那太はクエストを開始している。特定の大型モンスターを狩猟するというものだ。
『来た…おびき寄せるよ』
加那太が静かに呟くと、モンスターが一目散にこちらに向かって駆け寄ってくる。すごい迫力だ。
加那太はそれを華麗に躱してざくりと太刀を振り下ろす。そして更にもう一撃。
流れる様なコンボに千晶も画面に釘付けになった。
太刀はいくら体を鍛えているハンターでも重たい。一撃は重たいが、隙も大きいのだ。
加那太は太刀で切りつけては相手の攻撃を躱す、というヒットアンドアウェイ方式で攻めていくようだった。
「敵の攻撃パターンが分かるのか?」
真司が呟く。千晶も同じことを思っていた。
『尻尾頂き!』
加那太がモンスターの尻尾を切り落とす。モンスターは苦しそうに喘いでいる。これは絶好の機会だ。加那太は更に斬撃を加える。
千晶はハッとなって、チャット欄を目で追った。特に荒れるような気配もない。みんな、加那太のプレイに見惚れている。
『え、捕獲してほしいの?』
確かにチャット欄にそのような希望が出ている。千晶は加那太がどうするのか見守った。
『いいよ。その方が素材もらえるもんね』
加那太はモンスターを華麗に捕獲してみせた。ここまで約15分あまり。チャット欄が沸く。
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