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カレー
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翡翠は自分の手で唇に触れた。先程、境と初めてしたキスの感触がまだ残っている。
それにものすごくドキドキしてしまう。境に抱きしめてもらうだけでも十分嬉しいのに、キスはさらにその上をいく。
それなら、セックスしたらどうなるんだろう、と翡翠は戦いている。
もちろん翡翠に性交の経験はない。
今、翡翠は境の家のシャワーを借りていた。
夕飯を食べてからまた、ゲームの練習をすることになっている。
翡翠は体の泡を洗い流して、シャワールームを出た。
タオルで体を拭き、持ってきた下着とパジャマを身に着ける。
髪を乾かして居間に戻ると、境がキッチンで作業していた。
「お、パジャマ翡翠くんレア」
「なにか作ってるんですか?」
「カレーだよ」
確かに言われてみればスパイスの香りがする。
「え、カレールウじゃないんですね」
「料理楽しいなって、コーヒーと同じくらいの時にハマった」
境の言葉に翡翠はいちいちときめいてしまう。
なんだかいいな、と。
「翡翠くん、辛いのいける?いけないならココナツミルク入れるけど」
どうやら辛さも思いのままらしい。
「あまり辛いのはちょっと…。俺、カレーは普段甘口を食べてるから」
言ってしまってから子供っぽかったかなと思い、翡翠は恥ずかしくなった。だが境は気にしていないようだ。
「オッケ、甘口ねー。翡翠くんの口に合えばいいんだけど」
境がおたまで白米の上に出来上がったカレーをかける。
匂いからして、なんとも美味しそうだ。
翡翠はるんるんしながら皿を運んだ。
サラダもあるらしい。
「いただきます」
手を合わせて一口食べると、マイルドだが辛味がやってくる。
「おいひい」
翡翠がじゃがいもを咀嚼していると、境が話しかけてくる。
「翡翠くんは将来農家継ぐの?」
翡翠はじゃがいもを飲み込んで頷いた。
農家を継ぐ話は配信で何度かしている。
「はい。おじいちゃんが今専業でやっていて、俺も小さい頃から一緒に手伝ってたんです」
「へー、偉いなー。翡翠くんがやるならおじいさんも安心だね」
翡翠は思わず噴き出してしまった。
境には正直に話そうと思う。
「俺、ミニトマトとキュウリの葉がようやく見分けが付くようになったんですよ」
「あー、植えるなら今の時期かー」
「だからこの前、その話したらおじいちゃんに呆れられちゃって」
「本当に仲良しなんだね」
「はい。おじいちゃんは俺の師匠なんです!」
「翡翠くんは大学を卒業したら地元に帰るんだよね?」
「はい、そのつもりです」
翡翠の言葉に境は考えているようだ。しばらく考えて彼は手で顔を抑えて呻く。具合が悪くなったのかと、翡翠は慌てた。
「境さん?大丈夫ですか?」
「翡翠くんと恋人になりたい。例え遠距離でも我慢する」
「境さん…」
境の言葉が純粋に嬉しい。翡翠は頷いていた。境と恋人になりたいと自分も思っていた。
「嬉しいです」
境と目を合わせられなかった。
顔が火照って仕方ない。
「翡翠くん、今度デートしよ!」
「へ?」
その言葉は嬉しいが、相手は人気俳優だ。
翡翠は彼を窺った。
「美味しい焼肉食べに行こ!」
「焼肉…」
ついこの間もわたなべに連れて行ってもらったが、焼肉は何回食べても美味いので嬉しい。
ただホテルに入るというよりはいいだろう。
「境さんの事務所は恋人とかうるさくないんですか?」
自分は構わないが境に迷惑がかかるのは困る。
だが境の反応はあっさりしたものだった。
「大丈夫。俺、もう32よ?
大人だもん、そろそろ身を固めないと」
そんなものなのかと翡翠は驚いた。
まだ18歳の翡翠では分からない次元だ。
「あの、境さん。よろしくお願いします」
「こちらこそ。出来れば下の名前で呼んでほしいなぁ」
「だ、大輔さん…」
翡翠の言葉に、境は笑ってくれた。
それが嬉しい。
「大輔さん、キスしていいですか?」
「翡翠くんは積極的だね」
「はしたないですか?」
翡翠は心配になったが、境は首を振る。
「そんな翡翠くんも大好きだから」
その言葉に心がじんわりと温かくなった。
それにものすごくドキドキしてしまう。境に抱きしめてもらうだけでも十分嬉しいのに、キスはさらにその上をいく。
それなら、セックスしたらどうなるんだろう、と翡翠は戦いている。
もちろん翡翠に性交の経験はない。
今、翡翠は境の家のシャワーを借りていた。
夕飯を食べてからまた、ゲームの練習をすることになっている。
翡翠は体の泡を洗い流して、シャワールームを出た。
タオルで体を拭き、持ってきた下着とパジャマを身に着ける。
髪を乾かして居間に戻ると、境がキッチンで作業していた。
「お、パジャマ翡翠くんレア」
「なにか作ってるんですか?」
「カレーだよ」
確かに言われてみればスパイスの香りがする。
「え、カレールウじゃないんですね」
「料理楽しいなって、コーヒーと同じくらいの時にハマった」
境の言葉に翡翠はいちいちときめいてしまう。
なんだかいいな、と。
「翡翠くん、辛いのいける?いけないならココナツミルク入れるけど」
どうやら辛さも思いのままらしい。
「あまり辛いのはちょっと…。俺、カレーは普段甘口を食べてるから」
言ってしまってから子供っぽかったかなと思い、翡翠は恥ずかしくなった。だが境は気にしていないようだ。
「オッケ、甘口ねー。翡翠くんの口に合えばいいんだけど」
境がおたまで白米の上に出来上がったカレーをかける。
匂いからして、なんとも美味しそうだ。
翡翠はるんるんしながら皿を運んだ。
サラダもあるらしい。
「いただきます」
手を合わせて一口食べると、マイルドだが辛味がやってくる。
「おいひい」
翡翠がじゃがいもを咀嚼していると、境が話しかけてくる。
「翡翠くんは将来農家継ぐの?」
翡翠はじゃがいもを飲み込んで頷いた。
農家を継ぐ話は配信で何度かしている。
「はい。おじいちゃんが今専業でやっていて、俺も小さい頃から一緒に手伝ってたんです」
「へー、偉いなー。翡翠くんがやるならおじいさんも安心だね」
翡翠は思わず噴き出してしまった。
境には正直に話そうと思う。
「俺、ミニトマトとキュウリの葉がようやく見分けが付くようになったんですよ」
「あー、植えるなら今の時期かー」
「だからこの前、その話したらおじいちゃんに呆れられちゃって」
「本当に仲良しなんだね」
「はい。おじいちゃんは俺の師匠なんです!」
「翡翠くんは大学を卒業したら地元に帰るんだよね?」
「はい、そのつもりです」
翡翠の言葉に境は考えているようだ。しばらく考えて彼は手で顔を抑えて呻く。具合が悪くなったのかと、翡翠は慌てた。
「境さん?大丈夫ですか?」
「翡翠くんと恋人になりたい。例え遠距離でも我慢する」
「境さん…」
境の言葉が純粋に嬉しい。翡翠は頷いていた。境と恋人になりたいと自分も思っていた。
「嬉しいです」
境と目を合わせられなかった。
顔が火照って仕方ない。
「翡翠くん、今度デートしよ!」
「へ?」
その言葉は嬉しいが、相手は人気俳優だ。
翡翠は彼を窺った。
「美味しい焼肉食べに行こ!」
「焼肉…」
ついこの間もわたなべに連れて行ってもらったが、焼肉は何回食べても美味いので嬉しい。
ただホテルに入るというよりはいいだろう。
「境さんの事務所は恋人とかうるさくないんですか?」
自分は構わないが境に迷惑がかかるのは困る。
だが境の反応はあっさりしたものだった。
「大丈夫。俺、もう32よ?
大人だもん、そろそろ身を固めないと」
そんなものなのかと翡翠は驚いた。
まだ18歳の翡翠では分からない次元だ。
「あの、境さん。よろしくお願いします」
「こちらこそ。出来れば下の名前で呼んでほしいなぁ」
「だ、大輔さん…」
翡翠の言葉に、境は笑ってくれた。
それが嬉しい。
「大輔さん、キスしていいですか?」
「翡翠くんは積極的だね」
「はしたないですか?」
翡翠は心配になったが、境は首を振る。
「そんな翡翠くんも大好きだから」
その言葉に心がじんわりと温かくなった。
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