推しに認知されてしまいました!

はやしかわともえ

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涼は目の前の素敵な光景に目を輝かせた。可愛らしい菓子がティースタンドにこれでもかと載っている。二段になっているスタンド(1人用だからだろうか)から涼は一つケーキを取った。早速食べてみる。ふわっとベリーの香りと味が口いっぱいに広がる。

「ふわぁ、美味っ」

涼は感激した。ずっと迷っていたが来て良かったと思えたからだ。今までは値段が高くて自分には敷居が高いかなと勝手に思っていた。だが、考え過ぎだったようだ。涼は今度はスコーンに手を伸ばした。見るからにサクサクしている。
クロテッドクリームとジャムをたっぷりつけて頬張ると、バターの風味が香ばしい。

「これも美味しい…いくらでも食べられるな」

大事なのはもちろん紅茶である。涼はポットから紅茶を注いで飲んでみた。甘い風味の茶葉を選んだのだ。涼は美味しいと再び感激した。スマートフォンを開き、メモ帳に感想を打ち込む。

(もっと他のヌンティーも楽しみたいな)

涼の中に野望のようなものが膨れ上がっていた。



「涼!よく来たな、もう大丈夫なのか?」

月曜日、涼は出社している。他の社員に心配され、涼はすみませんでしたと改めて頭を下げた。

「なんだよ、お前は何も悪くねえし」

と同期は言ってくれた。涼はそれだけで救われた気持ちになる。自分のデスクに向かう前に社員たちに囲まれ、お見舞いとお菓子を沢山渡してくれた。涼が甘党なのは周知の事実である。
仕事はしばらく内勤ということになった。所謂雑用だが、涼はそれでも構わない。課長に申し訳なさそうに言われて、涼は大丈夫ですと返した。
傷がしっかり塞がれれば、また外回りに行けるようになる。涼が要らない書類をシュレッダーにかけていると、同期が来た。

「涼、疲れてないか?」

「うん。大丈夫だよ。休んでたから身体もちょっと鈍ってたし、中で働くのもいいかも」

「おいおい」

涼の言葉に同期は苦笑いだ。

「まぁお前がいてくれた方が、皆いいんだよな。多分これからもお客さんにお茶出しとかさせられるぞ」

今日も3件ほどだったがそんなことがあった。

「え、お茶淹れるの楽しいけど」

涼がぽかん、としていると同期がため息を吐かれる。

「お前が可愛いから取引先はお前に会いたくてうちに来るようになるぞ?」

「え?」

涼は言葉の意味が分からず再びぽかん、とした。

「とりあえず、お前はしばらく会社の看板なんだ。よろしく頼むぞ」

ぽんぽんと肩を叩かれて涼は大変なことになったぞ、と今更気が付いた。



「涼さん!」

涼が自宅の最寄り駅に着くと西がいた。いつも通り黒いマスクにキャップという出で立ちだ。涼は彼に駆け寄った。

「涼さん、まだ傷痛む?もう会社行ったんだ」

「家でずっと1人だとモヤモヤしちゃって。ヌンティー行くならお金も要るし」

「涼さんらしいなぁ」

西が噴き出している。

「この間行ったヌンティーがね、すごく美味しかったの」

「涼さんのブログで、それはよく伝わってきたよw」

どうやら西は既に記事に目を通していたらしい。

「西くんとも行きたいけど、バレたら大変だから家でしよう!」

「え、涼さん、お菓子作るの?」

涼はふふんと胸をのけぞらせた。

「実はこう見えてケーキやクッキーも焼けるのです」

「涼さんすごいー!」

「あとサンドイッチも作りたいな」

「サンドイッチかぁ。ツナキュウリとか?」

美味しいよね!と涼がサンドイッチに挟む食材に食いつく。西はその様子にまた噴き出していた。



「涼さんの傷、まだ目立つね…」

「ん…っ」

なんでこんなことになったのかと涼は考えてみたが、いつの間にか西に押し倒されていた。ただそれだけだ。西がす、と傷口の傍を撫でる。涼はくすぐったくて身体をよじってしまった。

「涼さん、大丈夫?」

「っ…西くんが触るからっ…」

「だって涼さん綺麗だしねぇ。これなら、きっと傷もそのうち見えなくなるだろうね」

西が涼が着ていたシャツをたくし上げる。履いていたパンツもベルトを緩められて下着ごとおろされてしまっている。

「あの…?西くん?」

「涼さん、何するのなんて聞かなくても分かるよね?」

涼はその言葉に真っ赤になっていた。

「涼さん、本当に素直だなぁ。可愛い」

する、と胸を撫でられて涼は震えていた。この間散々乳首をいじめられたことを思い出して、涼は期待に胸を高鳴らせた。

「涼さんの、もう反応してるんだ?この間のがそんなに良かった?」

西に面白がるように言われて、涼はこくり、と頷いていた。

「いい子。またしてあげるね」

西が耳元で囁いてくる。その甘い声に涼はドキドキしていた。西が乳首をきゅ、と優しく摘む。すでにそこはぷっくりと熟んでいる。

「んっ、あん…やぁ…」

あまりの快感に涼はなんとか堪えた。

「っひぃ…らめぇ」

「涼さん、こっちもしようか?」

西がもう片方の乳首を食んでくる。かり、と甘噛みされて、涼はびくん、と震えた。

「あん…あ…んん」

涼はあっという間に達してしまっていた。

「は…っは…」

「涼さん、気持ちよかった?」

「うん」

良かった、と西が笑う。

「ね、涼さん、今日はちゃんとしてみない?ずっと頑張ってくれていたんだよね?」

「あ…」

なんのことを言われているか、ようやく分かって涼は真っ赤になった。風呂に入る度ゆっくり、じっくり後ろを解していた。その成果が今、明らかになる。

「涼さん、足広げられる?」

涼はあまりの体勢に顔が更に熱くなってしまった。羞恥心というのはこういう時に使うのだと思い知ったのだ。

「涼さん、大丈夫。綺麗だよ」

「ぁ…」

西の言葉がじんわりと染み渡る。西は涼の先端から指で体液を拭い、後ろに当てた。

「涼さん、実は俺、指太くてさ」

涼さんの指細いからと困ったように付け足される。

「あ…大丈夫だと思う。西くんの手、大きいもんね」

「そうなの。ベース弾く分には構わないんだけどね」

涼に挿れるねと断って、西が奥に指を押し入れてくる。
思いのほかすんなり中に突入してきた。だがどうしても異物感はある。

「ん…んうっ…」

「涼さん苦しいね。ちょっと待ってるね」

西が指を動かさないでいてくれて、涼はホッとした。

「涼さん、少しだけ動かしてみるね」

「うん」

西が押し広げるように中で指を動かす。

「ふあっ…あん…」

「ここかな?」

「っひ!や、そこらめ!」

涼は今まで感じたことがない快感に、びっくりした。
こり、と引っかかれるように指で弄られる。その度に腰が震えてしまう。

「っふ…あん!あ!」

「涼さん、挿れるからね」

「うん」

西が指を引き抜く。そして自身を当てた。そのままズブリと中に押し入ってきた。西の余裕もなくなってきている。

「っ…あぁ…」

「ここだよね」

西が先程の所を抉ってくるのに、涼はただ喘いだ。

「気持ちいいね?大丈夫?」

「あん、きもち…っい…あ!」

「涼さん、可愛いよ。そんな涼さんが好きだよっ…」

西の呼吸も荒い。涼は西にしがみついていた。2人はほぼ同時に達していた。



「涼さん、眠たいね」

「ん…」

涼は隣で頭を撫でてくれる西に顔を向けた。

「あ…寝ちゃってた」

「いいんだよ。無理させちゃったし」

「西くん、俺として良かったの?」

「涼さんじゃなきゃむしろやだったけど」

そうなんだと涼は嬉しくなった。

「涼さん、今度ヌンティーするんだよね?」

「うん」

「スタンド買ってたもんねw」

あ…と涼は赤くなった。ポスッターにポストしていたのを今更思い出した。今時の通販はすぐに商品が届く。


「涼さんと一緒に準備していい?」

「え!そんな、俺の趣味だし」

「涼さんのこと、もっと知りたいんだよね」

涼も同じ気持ちだった。西のことをもっと知りたい。

「愛してるよ」

西の気持ちが嬉しい。涼は左手の薬指には輝いている指輪を優しく撫でて、西に抱きついた。

「俺も愛してる!」

2人は口づけ合った。

おわり
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