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出発!!
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今は早朝5時である。
千尋と加那太は既にプラフェスタに出掛ける準備をしている。ついにこの日がやってきた。
加那太はここのところ、プラフェスタのことばかり考えては、ニコニコしたりソワソワしていた。千尋に何度「落ち着け」と注意されたことか。こうしてみると、子供の時からなにも変わらないなと加那太は改めて思うのだ。
色々なことが二人の内外で起こったはずなのに、二人はまだこうしてそばに居る。
こうなってくると、もはや運命なのかもしれない。加那太はそっと千尋を見た。
千尋は水筒に飲み物を注いでいる。自分のものにはブラックのホットコーヒー、加那太のにはたっぷりの氷と麦茶だ。
足りない食料は途中で買い足すことになった。
なんだか加那太はわくわくしてしまう。
噂に聞いたところ、プラフェスタの物販がとにかく並ぶらしい。今年は特に規模が大きく混雑が予想されると公式サイトが言ったくらいだ。
徹夜で並ばないようにという注意もあった。
ここから会場まで、車で約二時間半。
それなら早めに行こうということになったのである。
「加那。その服、いいじゃないか」
千尋が加那太を見て満足そうに言う。千尋に見繕ってもらった服は、普段の加那太なら絶対に着ないものだった。
「変じゃない?」
白いトップスに紺の袖なしの上着、下はカーキのパンツを履いている加那太は麦わら帽子を被りながら千尋に尋ねた。
「可愛い」
「もー、可愛いは禁止!」
可愛いが地雷ワードなのは相変わらずの加那太である。だが、千尋になら言われてもいいかなという勝手な線引きをしている。
「さて、と。支度できたか?加那。お前、日焼け止め塗ったか?」
「あ…忘れてた」
千尋が優しく日焼け止めクリームを塗ってくれた。
「お前はせっかく色白いんだし、可愛くしてろ」
「分かったよ」
むすっとしながら答えると、千尋に優しく頭を撫でられる。
「じゃ、早速行くか」
「うん!」
加那太が朝食用の弁当を持ち、千尋が水筒と身の回りの物を持って、車に向かった。
後部座席にそれらを載せ、忘れ物がないか確認する。どうやらないようだ。
「よし、出発するからな」
「はーい!」
車がゆっくりと走り出した。
千尋がカーラジオを入れる。ナビにも目的地を入れた。久しぶりの遠出に加那太はわくわくしてきた。多少の渋滞も楽しめそうである。
「楽しみだねー」
「あぁ。多分道が混むだろうからトイレは早めにな」
「はーい」
高速に入り、車は更に加速している。
まだ周りにあまり車はいないが、それも今だけだろう。皆、夏休みだ。
しかも今日は天気がよく気温は40℃に迫ると聞いている。
酷暑日だ。アイスが食べたいなと加那太は早速思っている。
確かプラフェスタのフードコート内でコラボメニューが食べられたはずだ。
加那太は自分のスマートフォンで確認した。
やはり間違いない。
「なんかあったか?」
千尋が横目で聞いてくる。
「うん、コラボメニューなんだけどアイスがあるから食べたいなって」
「あれ?アイスだけだっけか?」
千尋が首を傾げている。コラボメニューは多岐に渡って展開している。加那太は改めて情報を見直した。
「えーと、カレープレートとかもあるね。千尋、食べられる?」
「多分な。せっかく行くのに食べられなかったら俺が可哀想だろ?」
「確かに」
二人で笑い合った。やはり千尋と一緒にいるのは楽しい。加那太は千尋が好きだなと改めて思うのだった。
千尋と加那太は既にプラフェスタに出掛ける準備をしている。ついにこの日がやってきた。
加那太はここのところ、プラフェスタのことばかり考えては、ニコニコしたりソワソワしていた。千尋に何度「落ち着け」と注意されたことか。こうしてみると、子供の時からなにも変わらないなと加那太は改めて思うのだ。
色々なことが二人の内外で起こったはずなのに、二人はまだこうしてそばに居る。
こうなってくると、もはや運命なのかもしれない。加那太はそっと千尋を見た。
千尋は水筒に飲み物を注いでいる。自分のものにはブラックのホットコーヒー、加那太のにはたっぷりの氷と麦茶だ。
足りない食料は途中で買い足すことになった。
なんだか加那太はわくわくしてしまう。
噂に聞いたところ、プラフェスタの物販がとにかく並ぶらしい。今年は特に規模が大きく混雑が予想されると公式サイトが言ったくらいだ。
徹夜で並ばないようにという注意もあった。
ここから会場まで、車で約二時間半。
それなら早めに行こうということになったのである。
「加那。その服、いいじゃないか」
千尋が加那太を見て満足そうに言う。千尋に見繕ってもらった服は、普段の加那太なら絶対に着ないものだった。
「変じゃない?」
白いトップスに紺の袖なしの上着、下はカーキのパンツを履いている加那太は麦わら帽子を被りながら千尋に尋ねた。
「可愛い」
「もー、可愛いは禁止!」
可愛いが地雷ワードなのは相変わらずの加那太である。だが、千尋になら言われてもいいかなという勝手な線引きをしている。
「さて、と。支度できたか?加那。お前、日焼け止め塗ったか?」
「あ…忘れてた」
千尋が優しく日焼け止めクリームを塗ってくれた。
「お前はせっかく色白いんだし、可愛くしてろ」
「分かったよ」
むすっとしながら答えると、千尋に優しく頭を撫でられる。
「じゃ、早速行くか」
「うん!」
加那太が朝食用の弁当を持ち、千尋が水筒と身の回りの物を持って、車に向かった。
後部座席にそれらを載せ、忘れ物がないか確認する。どうやらないようだ。
「よし、出発するからな」
「はーい!」
車がゆっくりと走り出した。
千尋がカーラジオを入れる。ナビにも目的地を入れた。久しぶりの遠出に加那太はわくわくしてきた。多少の渋滞も楽しめそうである。
「楽しみだねー」
「あぁ。多分道が混むだろうからトイレは早めにな」
「はーい」
高速に入り、車は更に加速している。
まだ周りにあまり車はいないが、それも今だけだろう。皆、夏休みだ。
しかも今日は天気がよく気温は40℃に迫ると聞いている。
酷暑日だ。アイスが食べたいなと加那太は早速思っている。
確かプラフェスタのフードコート内でコラボメニューが食べられたはずだ。
加那太は自分のスマートフォンで確認した。
やはり間違いない。
「なんかあったか?」
千尋が横目で聞いてくる。
「うん、コラボメニューなんだけどアイスがあるから食べたいなって」
「あれ?アイスだけだっけか?」
千尋が首を傾げている。コラボメニューは多岐に渡って展開している。加那太は改めて情報を見直した。
「えーと、カレープレートとかもあるね。千尋、食べられる?」
「多分な。せっかく行くのに食べられなかったら俺が可哀想だろ?」
「確かに」
二人で笑い合った。やはり千尋と一緒にいるのは楽しい。加那太は千尋が好きだなと改めて思うのだった。
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