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冬のバーゲンと拾い物
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「キュウー」
「エメラルド、寒いの?」
レヴェルとエメラルドは雪の中を歩いていた。キリ村の冬は厳しい。だが、そのかわり楽しいイベントが沢山ある。2人は村の周りを危険がないか見回っていたのだ。
「キュキュ?」
「え?フラワータウンに行くのかって?そうだよ。明日はバーゲンの日なんだからね!」
「キュイ!」
「え?一緒に来たいの?」
「キュウ」
「分かった。ライダにも聞いてみるね」
エメラルドは嬉しかったのかぴょん、と飛び跳ねた。
その風圧にレヴェルが飛ばされそうになる。ドラゴンの力はやはり凄まじい。レヴェルはなんとか堪えた。
「エメラルド、君はドラゴンなんだから」
「キュイ」
エメラルドがしょぼんとした。しょげているドラゴンなどなかなか見られないが、レヴェルは見慣れている。
「ほら、エメラルド。獲物だよ」
「キュ」
レヴェルの声にエメラルドも限りなく気配を消した。向こう側の茂み(雪が積もっている)にイノシシ型の魔獣がいる。しかも群れでだ。エメラルドはあの魔獣の肉が好きだった。
「エメラルド、1人で獲ってこれるよね?」
「キュイ!」
エメラルドは音もなく飛び上がり、地上に向けて激しい火球を放った。後は簡単だ。丸焦げになった魔獣をエメラルドが食すのである。
「エメラルド、美味しい?」
「キュウ!」
口の周りに血液をつけたままエメラルドが答える。レヴェルはもう見慣れているが、貴族の婦人が見れば失神ものである。
「キュルル」
「お腹いっぱいなんだ。でもライダのご飯は別腹なんだもんね」
「キュウ!」
ぺろっとエメラルドが口の周りに付いた血液を舐め取った。
「さ、魔獣ももういないみたいだし、帰ろ」
「キュイ!」
✢
「ライダ!ただいまー」
「キュウ!」
自宅の庭でライダが洗濯物を干している。寒いが天気は良いのでよく乾くだろう。
「お帰り、2人とも」
「あのね、エメラルドも一緒にフラワータウンに行きたいんだって」
「そうか。なら飯はたっぷり持っていかないとな」
「キュルル!」
飯という単語にエメラルドが食いつく。
「何かリクエストはあるか?材料を買ってくる」
レヴェルとエメラルドはお互いを見て頷きあった。
「この間のお祭りで食べたやつ!/キュウ!」
「あぁ、あの鶏の照り焼きサンドか。今、エメラルドが言ったことも分かった気がする」
「キュウ」
「そうか、分かってるか」
ライダがよしよしとエメラルドを撫でる。
「ならちょっと材料を買いに行ってくる。レヴィ、家の掃除をしておいてくれないか?」
「はーい」
「キュル?」
エメラルドもお手伝いがしたいらしい。ライダが笑った。
「エメラルド、お前も来るか?」
「キュウ!」
「2人とも行ってらっしゃい!」
レヴェルはライダとエメラルドを見送った。自宅に入ると綺麗な部屋がある。ライダが掃除をするとピカピカになるのだ。レヴェルはそれを崩さないように慎重に掃除をした。数十分程が経ち、ライダとエメラルドが帰ってくる。エメラルドの背中に段ボールが載っていた。肉を相当買ってきたらしい。
「よし、これから仕込むぞ。楽しみにしていてくれ」
「やった!楽しみ!」
「キュル!」
✢
次の日になっている。レヴェル、ライダ、エメラルドは出掛けた。冬のバーゲンに行くのはこれが初めてである。レヴェルはわくわくしていた。
「レヴィは何が欲しいんだ?」
「うん、小さくていいんだけど窯が欲しいんだよね」
「なるほど。キリ村の冒険者も毎回フラワータウンに武具の整備を頼みに行ってるんだもんな。窯があれば出来る仕事が増えるな」
「そうなの。後、ガラスが作りたいんだよね」
「ガラスか、難しそうだな」
「ふふ、時間ならあるしやりがいあるかなって」
「楽しみだな」
レヴェルは頷いた。しばらく歩きいつもの場所で休憩する。エメラルドはよほど腹が減ったらしい。バクバク、サンドイッチを食べていた。
✢
フラワータウンが見えてくる。バーゲンセールのこともあってか人が沢山いた。バーゲンセールはフラワータウンの商店街、全店舗で行われる大規模なものだ。
エメラルドはいつの間にか飛び去っていた。街にいると騒がれると思ったのだろう。2人は特に心配しなかった。
「窯はあそこに売っていそうだな」
ライダが指で示す。
「行ってみよう」
2人は店内に入った。早速店の主人がやってくる。
「いらっしゃい。何が見たいのかな?」
「えーと、窯なんですけど、キリ村まで取り付けに来てもらえますか?」
「もちろんですよ。工事費が別にかかりますが」
レヴェルは気になっていた小さな窯を指で示した。それでも十分な火力が出ると主人から説明されたからだ。
「これはおいくらですか?」
「はい、そちらは取り付け費含めて金貨35枚です」
レヴェルはドキッとした。予算オーバーである。
「じゃあそれで」
ライダがそう言ったのでレヴェルはえ、と叫んでしまった。
「ライダ?!」
「いいんだ。安いだろ」
「ありがとうございます。現金一括でお支払いですか?」
「はい」
ライダがサクサク金貨を取り出して払っている。レヴェルは彼の度胸に驚いてしまった。
「いい買い物したな」
「良かったの?」
ライダが言うにはあの窯は型落ちで半額以下の値になっていたらしい。
「そうだったんだ…ありがとう、ライダ。今度は俺がお金を出すからね?」
「あぁ」
ライダはミシンが欲しかったらしい。迷いに迷って金貨15枚のものを買った。
「ありがとう、レヴィ。さ、飯食って帰るか」
レヴェルはハッとなった。
「エメラルドは?」
「あいつ、シイナの家を探しに行ったんじゃないか?」
「えぇ?!」
「エメラルドはもう大人だ。帰ってきたいときに帰ってくるさ」
「そうだね」
2人は近くの定食屋に入り食事を摂った。
✢
あれからもう、9年が経過している。レヴェルとライダは変わらず仲良く暮らしていた。レヴェルは武具の整備が出来るまでに成長していた。ライダも一点物の服を作るということで話題になっている。
「レヴィ、飯だぞ」
「はーい、ありがとう、ライダ」
レヴェルは自宅に入ろうとして気が付いた。ちょん、とたまごが地面に置かれている。レヴェルはもしかしてと近付いた。触るとほんのり温かい。レヴェルはたまごを抱きかかえて自宅に入った。
「ライダ!エメラルドがドラゴンのたまごを持ってきてくれたよ!」
「エメラルドが?すごいな」
「キュルル」
外からエメラルドの声がする。レヴェルは弾けるように外に出ていた。
「エメラルド!ずっと何してたの?」
「キュウ」
「修行してたの?すごい!たまごは森で拾った?」
「キュルル」
「そうだったのか。シイナも大きくなってきたしそろそろキリ村に1人で来るかもしれないな」
「楽しみだね、エメラルド」
「とりあえず飯にしよう。エメラルド、サンドイッチ作ってやるからな」
「キュウ!」
レヴェルはクッションの上にたまごを置く。また新しい命を迎えられることにわくわくしながら。
おわり
「エメラルド、寒いの?」
レヴェルとエメラルドは雪の中を歩いていた。キリ村の冬は厳しい。だが、そのかわり楽しいイベントが沢山ある。2人は村の周りを危険がないか見回っていたのだ。
「キュキュ?」
「え?フラワータウンに行くのかって?そうだよ。明日はバーゲンの日なんだからね!」
「キュイ!」
「え?一緒に来たいの?」
「キュウ」
「分かった。ライダにも聞いてみるね」
エメラルドは嬉しかったのかぴょん、と飛び跳ねた。
その風圧にレヴェルが飛ばされそうになる。ドラゴンの力はやはり凄まじい。レヴェルはなんとか堪えた。
「エメラルド、君はドラゴンなんだから」
「キュイ」
エメラルドがしょぼんとした。しょげているドラゴンなどなかなか見られないが、レヴェルは見慣れている。
「ほら、エメラルド。獲物だよ」
「キュ」
レヴェルの声にエメラルドも限りなく気配を消した。向こう側の茂み(雪が積もっている)にイノシシ型の魔獣がいる。しかも群れでだ。エメラルドはあの魔獣の肉が好きだった。
「エメラルド、1人で獲ってこれるよね?」
「キュイ!」
エメラルドは音もなく飛び上がり、地上に向けて激しい火球を放った。後は簡単だ。丸焦げになった魔獣をエメラルドが食すのである。
「エメラルド、美味しい?」
「キュウ!」
口の周りに血液をつけたままエメラルドが答える。レヴェルはもう見慣れているが、貴族の婦人が見れば失神ものである。
「キュルル」
「お腹いっぱいなんだ。でもライダのご飯は別腹なんだもんね」
「キュウ!」
ぺろっとエメラルドが口の周りに付いた血液を舐め取った。
「さ、魔獣ももういないみたいだし、帰ろ」
「キュイ!」
✢
「ライダ!ただいまー」
「キュウ!」
自宅の庭でライダが洗濯物を干している。寒いが天気は良いのでよく乾くだろう。
「お帰り、2人とも」
「あのね、エメラルドも一緒にフラワータウンに行きたいんだって」
「そうか。なら飯はたっぷり持っていかないとな」
「キュルル!」
飯という単語にエメラルドが食いつく。
「何かリクエストはあるか?材料を買ってくる」
レヴェルとエメラルドはお互いを見て頷きあった。
「この間のお祭りで食べたやつ!/キュウ!」
「あぁ、あの鶏の照り焼きサンドか。今、エメラルドが言ったことも分かった気がする」
「キュウ」
「そうか、分かってるか」
ライダがよしよしとエメラルドを撫でる。
「ならちょっと材料を買いに行ってくる。レヴィ、家の掃除をしておいてくれないか?」
「はーい」
「キュル?」
エメラルドもお手伝いがしたいらしい。ライダが笑った。
「エメラルド、お前も来るか?」
「キュウ!」
「2人とも行ってらっしゃい!」
レヴェルはライダとエメラルドを見送った。自宅に入ると綺麗な部屋がある。ライダが掃除をするとピカピカになるのだ。レヴェルはそれを崩さないように慎重に掃除をした。数十分程が経ち、ライダとエメラルドが帰ってくる。エメラルドの背中に段ボールが載っていた。肉を相当買ってきたらしい。
「よし、これから仕込むぞ。楽しみにしていてくれ」
「やった!楽しみ!」
「キュル!」
✢
次の日になっている。レヴェル、ライダ、エメラルドは出掛けた。冬のバーゲンに行くのはこれが初めてである。レヴェルはわくわくしていた。
「レヴィは何が欲しいんだ?」
「うん、小さくていいんだけど窯が欲しいんだよね」
「なるほど。キリ村の冒険者も毎回フラワータウンに武具の整備を頼みに行ってるんだもんな。窯があれば出来る仕事が増えるな」
「そうなの。後、ガラスが作りたいんだよね」
「ガラスか、難しそうだな」
「ふふ、時間ならあるしやりがいあるかなって」
「楽しみだな」
レヴェルは頷いた。しばらく歩きいつもの場所で休憩する。エメラルドはよほど腹が減ったらしい。バクバク、サンドイッチを食べていた。
✢
フラワータウンが見えてくる。バーゲンセールのこともあってか人が沢山いた。バーゲンセールはフラワータウンの商店街、全店舗で行われる大規模なものだ。
エメラルドはいつの間にか飛び去っていた。街にいると騒がれると思ったのだろう。2人は特に心配しなかった。
「窯はあそこに売っていそうだな」
ライダが指で示す。
「行ってみよう」
2人は店内に入った。早速店の主人がやってくる。
「いらっしゃい。何が見たいのかな?」
「えーと、窯なんですけど、キリ村まで取り付けに来てもらえますか?」
「もちろんですよ。工事費が別にかかりますが」
レヴェルは気になっていた小さな窯を指で示した。それでも十分な火力が出ると主人から説明されたからだ。
「これはおいくらですか?」
「はい、そちらは取り付け費含めて金貨35枚です」
レヴェルはドキッとした。予算オーバーである。
「じゃあそれで」
ライダがそう言ったのでレヴェルはえ、と叫んでしまった。
「ライダ?!」
「いいんだ。安いだろ」
「ありがとうございます。現金一括でお支払いですか?」
「はい」
ライダがサクサク金貨を取り出して払っている。レヴェルは彼の度胸に驚いてしまった。
「いい買い物したな」
「良かったの?」
ライダが言うにはあの窯は型落ちで半額以下の値になっていたらしい。
「そうだったんだ…ありがとう、ライダ。今度は俺がお金を出すからね?」
「あぁ」
ライダはミシンが欲しかったらしい。迷いに迷って金貨15枚のものを買った。
「ありがとう、レヴィ。さ、飯食って帰るか」
レヴェルはハッとなった。
「エメラルドは?」
「あいつ、シイナの家を探しに行ったんじゃないか?」
「えぇ?!」
「エメラルドはもう大人だ。帰ってきたいときに帰ってくるさ」
「そうだね」
2人は近くの定食屋に入り食事を摂った。
✢
あれからもう、9年が経過している。レヴェルとライダは変わらず仲良く暮らしていた。レヴェルは武具の整備が出来るまでに成長していた。ライダも一点物の服を作るということで話題になっている。
「レヴィ、飯だぞ」
「はーい、ありがとう、ライダ」
レヴェルは自宅に入ろうとして気が付いた。ちょん、とたまごが地面に置かれている。レヴェルはもしかしてと近付いた。触るとほんのり温かい。レヴェルはたまごを抱きかかえて自宅に入った。
「ライダ!エメラルドがドラゴンのたまごを持ってきてくれたよ!」
「エメラルドが?すごいな」
「キュルル」
外からエメラルドの声がする。レヴェルは弾けるように外に出ていた。
「エメラルド!ずっと何してたの?」
「キュウ」
「修行してたの?すごい!たまごは森で拾った?」
「キュルル」
「そうだったのか。シイナも大きくなってきたしそろそろキリ村に1人で来るかもしれないな」
「楽しみだね、エメラルド」
「とりあえず飯にしよう。エメラルド、サンドイッチ作ってやるからな」
「キュウ!」
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