ドラゴンのおんなのこは強くて可愛くなくちゃつとまりません!

はやしかわともえ

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第一話

侵入

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僕たちは真っ白な部屋にいた。
アレクが落ち着かないのか、僕の隣の席でモゾモゾしている。

『おい、クー。ここって!』

『アレク、静かにして』

そう、ここは迷宮社本社のビルの中だ。
一階にいる受付のお姉さんに、世界統一について詳しいことを知りたいと伝えたら、ここに通してもらえた。言ってみるものだ。
それに、僕は嘘は言っていない。さて、なにか手がかりみたいな物を見つけられるといいんだけど。

しばらくするとおじさんと若い女性がやってきた。格好からして、社長さんとその秘書って感じかな。
僕達は立ち上がる。

「お話を聞かせて頂けて光栄です」

僕は笑った。
何もわからない子供だと思わせておくほうがやりやすい。おじさんは額の汗をハンカチで拭いながら言った。確かにここは暑い。

「クーさんでしたっけ?
わざわざ泰からこのためにいらしたんですか?」

僕は頷いた。

「はい。世界統一というものがどういうものか知りたくて」

おじさんとお姉さんが顔を見合わせる。どうやら困っているようだ。

「いやぁ、我々もよくわからんのですわ。
代表がいきなり男を連れてやって来ましてね」

「男?」

アレクが鋭く聞き返した。秘書さんが答えてくれる。

「アクア様が言うには、彼とはたまたま出会ったそうなんです。お話したら意気投合したとかで」

「いきなりアクアさんに社の代表に戻りたいと言われて、みんな参っとります」

おじさんはまた額の汗を拭いた。

「みなさんは、世界統一についてはどう思われてるんですか?」

「まぁ、無理でしょうな。
そんなもの、夢物語ですよ。
一部のラキタ教徒が真に受けてそう言ってるだけです」

「貴重なご意見、ありがとうございました」

お礼を言って部屋を出ようとしたら呼び止められた。

「クーさん、さっき言っていた男は熱心なラキタ教徒らしいですよ」

「情報ありがとうございます」

僕達は迷宮社を後にした。

「クー、お前すごいな。
俺より大人じゃん」

「アレク、とりあえずあさみさんのとこに戻ろう」

「?おう」

僕達はにこにこえがお園に戻った。

「クーちゃん、アレク!
おかえりなさい」

あさみさんが小さな子供を抱えている。
もしかして保護した子かな?

「二人共一緒だったのね。神殿には行けた?」

僕は大まかなことを話した。

「いつかと代表のアクアは病院にいるよ」

「まぁ。助けられたのね」

「まだ二人共、氷の中にいるんだ。
新しい弾を作らないと氷が溶かせないんだよ」

「そうなの?」

「クーのやつすごいんだぜ!大人顔負け!」

アレクが興奮気味に言う。

「二人共、危ないことをして」

やっぱり。あさみさんは心配をしてくれてると思った。
だからこそ正直に言いたい。

「あさみさん、僕ね」

あさみさんは柔らかく笑った。

「わかってるわ、ラキタ教について調べてみるのよね。
ここのパソコンを自由に使ってくれて構わないし、この街には大きな図書館もあるから、きっと役に立つはずよ」

「ありがとう!」

それから僕達は掃除をしたり食事を作ったり、契約上のお仕事をした。
あさみさんが抱えていた子は突然の仕事で預かり先がなく困っていたお母さんが連れてきたらしい。
あさみさんは本当にこの街のお母さんだ。

一息ついて、僕はトキに電話をかけた。
お金が端末に沢山振り込まれている。びっくりした。

「もしもし?」

「トキ?お金ありがとう」

「あぁ。逸花が病院にいるって聞いたからな。
それで払っておいてくれ」

「分かった、あのね」

僕は火焔弾のストックが切れたことを話した。

「いいか、クー。
龍星の特性をよく理解しろ。
お前の工夫次第で攻撃力が何倍も跳ね上がるように俺は作った。
お前なら必ず使いこなせるよ」

トキの力強い言葉に励まされる。

「クー、俺も近いうちにそっちに行く。
それまで気をつけるんだぞ」

「うんー!」

いつも僕の周りには僕を支えてくれる人がいてくれる。

(それって、当たり前じゃないんだよね)

僕が大事にしないといけない人達だ。

(よし、明日は図書館だ)

僕は龍星のメンテナンスを始めた。
トキの言葉を聞いて、新しい弾を作ってみたくなったからだ。
今、僕にできることをしよう。
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