いちゃらぶSS

はやしかわともえ

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花嫁さんは美少年?

イヴとお誕生日⑥

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「トウマ、お誕生日おめでとう」

あれから三人には風呂に入ってもらい、レイラはその間、夕飯の仕上げに取り掛かった。
こうして無事にトウマの誕生日パーティが始まった。

「ありがとう、みんな」

トウマはすこし照れているのか顔が赤い。

「さあ、蝋燭の火を消して」

「うん」

ラウに言われてトウマは火を吹き消した。

ラウが拍手をしている。レイラもそれに倣った。イヴもだ。

「さて、プレゼントを渡さなくてはね」

ラウが彼に、綺麗にラッピングされた包みを渡す。

「トウマ、これは俺から」

「ありがとう」

レイラも包んである青い袋を取り出す。

「イヴもあるよ、プレゼント」

「え?」

イヴは後ろに隠していた包みを取り出した。

「トウマ、いつも大好きだよ」

にっこり笑ってイヴが言う。
トウマはその瞬間真っ赤になった。
包みをなんとか受け取っている状態だ。

「トウマ、開けてごらん」

ラウに優しく言われてトウマは頷いた。

「わあ」

ラウからはたっぷりのピースが入っているジグソーパズル。レイラからは分厚い小説。そしてイヴからは手袋だった。
トウマが嬉しそうにしているのが見られてレイラも嬉しくなる。それはみんなが思っていることだろう。

「ありがとう、みんな」

にっこり笑ったトウマの顔が可愛らしくてレイラは彼の肩に手を置いた。

「さあ、御馳走が冷めないうちに食べよう」

みんなでいただきますをする。

今日レイラが作ったものは、普段なかなか食べられない肉料理ばかりだった。
トウマもイヴもそれに喜んでくれた。

「美味しい!」

「レイラ様、ありがとう」

二人が美味しそうに料理を食べている姿をラウとレイラは見守った。

「ラウ様も召し上がってください、あ、シャンパンを開けましょうか?」

レイラが慌てて立ち上がろうとするとラウにやんわり止められた。

「レイラさん、後で二人で」

そう言われてレイラは頷いた。
なんだかいろいろ期待してしまう自分がいる。
はしたないと思いながらレイラはなんとか自分を落ち着かせた。

「れいら、ケーキは食べちゃいけない?」

イヴにそう問われてレイラはハッとした。
今日は特別な日なのだからケーキも食べていいはずだ。

包丁を持ってきてケーキを四等分にする。

「はい、トウマ、イヴ」

「やったあ」

皿にそれぞれケーキを載せてやると二人は歓声を上げた。

「ラウ様はどうされますか?」

「もちろん頂きます」

レイラはくすりと笑った。甘党のラウらしい。
彼の皿にケーキを載せる。

「美味しそうなケーキですね」

そう言いながらフォークでケーキを口に運ぶ。

「美味い」

「うん、美味しいね兄さん」

レイラもようやくホッとした。
ケーキを初めて作ったため出来栄えが心配だったのだ。

「れいらも食べよう」

「ああ」

こうしてパーティは無事終わりを告げた。

「お疲れ様でした」

「そんな、ラウ様こそ」

レイラとラウはシャンパンを開けて二人で飲んでいた。
レイラはあまり酒に強くない。もうすっかり酔いが回ってしまっている。

「レイラさん、酔っていますか?」

彼にグラスを預けてレイラはソファの背もたれにもたれかかった。
このまますっと寝てしまいそうだ。
今日はなかなかハードだった。
ラウがレイラの髪の毛を優しくすいてくれる。
ラウが何か言っているがもうレイラには聞き取れない。
目を閉じると意識はもう保てなかった。
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