いちゃらぶSS

はやしかわともえ

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その他

千晶さんと加那さんが仲良くなるお話(クロスオーバー)②

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「千晶ー、ご飯おかわりもらってもいいか?」

「この肉野菜炒め、そんなに美味しいですか?」

「おう。すげー美味い。めちゃくちゃ飯が進む」

「良かった」

千晶がそう言って笑うと真司が千晶の頭を優しく撫でてくれる。

(俺、今最高に幸せだ)

千晶はそんなことを思いながら真司から茶碗を受け取り、ご飯をよそう。

「はい、真司さん」

「ありがとうな」

(ずっとこうしていけたらいいな)

ハンドルネーム、『あき』こと斉藤千晶は同じ会社の先輩で、パートナーである山下真司と共にアパートで暮らしている。
真司が一緒にこの部屋に住むようになって、毎日がとても楽しくなった。

今日も二人で一緒に夕飯を食べている。
千晶は料理が得意だ。実家を出て一人で暮らし始めてから自炊を始めた。
はじめはおぼつかなかった手付きも今ではすっかり手慣れたものだ。


飼い猫のナキは真司の足の上から動かない。これもいつも通りである。
彼女はこの家のお姫様なので、千晶も今は黙認している。(前まではよく嫉妬していた)


千晶は甘いものと可愛いものに目がなく、つい最近になって趣味でスイーツブログなるものを立ち上げたのだった。
デザインもなるべくシンプルかつ可愛らしいものを選んだつもりだ。

スイーツはコンビニのものから本格的な菓子店のものまで、自分が気になった様々なスイーツを実際に食べて、食感や味などの細かい事柄から値段を含めて忖度ない感想をブログに綴っている。

もちろんスイーツの写真も載せる。店の写真を許可を取って載せることもあった。

そんな千晶のブログはとても人気になった。
最近はコメントを読む楽しみも増えた。
もちろん中にはアンチと思われるコメントもある。
一番最初にそれを読んだときはとても傷付いて、千晶は泣いた。

その時はブログをやめようか本気で悩んだが、真司が千晶を励ましてくれたのである。

『俺は千晶のブログ、大好きだから』と。
だから、今の千晶は真司のためにスイーツブログを書いているのだ。
真司とはそのブログの話題で盛り上がったりできるので、いい話の種になっている。
二人でスイーツを買いにコンビニに行くようにもなった。

「なあ千晶。メール来てるぞ」

「あ、ありがとうございます」

真司に言われて千晶はスマホを確認した。相手はハンドルネーム『かな』を名乗る人からである。
自分のブログにジャンル違いを承知で、好きなロボットアニメについて語ったところ、そのひとから長文コメントが届いたのである。

『かな』からのコメントは千晶とはまた違った視点でそのアニメの良さを改めて実感できる内容だった。
それに千晶はとても感激して、すぐに『かな』にメールを送ったのである。
それから二人はますます親しくなったのだ。

「もしかしてかなさんか?」

「うん、そうみたいです」

真司には『かな』のことを真っ先に話していた。
前に千晶と同じブロガー同士のオフ会にも行ったことのある真司である。
『かな』の長文コメントを読んで関心を持ってくれていた。

「かなさんって男性か?」

首を傾げる真司に千晶が笑って答える。

「そうですよ。『かな』さんが今度お茶しましょうって言ってくださって勝手に準備してます」

「よかったな、千晶」

「真司さんも一緒に行きませんか?
約束してるお店、スコーンがめちゃくちゃ美味しいんですよ」

「え?俺もか?」

千晶は『かな』に了承の返事を送ったのだった。
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