レベル0の俺がレベル100のあいつに勝つ方法

はやしかわともえ

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鉱山の町

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コウテツの町に行くには、暗く入り組んだトンネルを抜けなくてはならない。足場も悪く、白骨化した死体が奥にはゴロゴロしていると航と平介はトンネルに行くまでにかなり脅かされた。

「平介、行けるか?」

2人はトンネルの入り口前に立っている。中から恐ろしそうな気配を感じる。

「先輩、気を引き締めて行きましょう!」

平介がアーツメイジを召喚する。辺りを照らすためだろう。2人は中に足を踏み入れた。

「アーツメイジ、光を!」

平介の指示通り、アーツメイジは光を放った。一気にトンネル内が明るくなる。

「わぁあ」

「すごいな」

アーツメイジの光に反射するように、周りの石が光りだす。航は転がっていた光る石を持ち上げた。

「平介、これ調べられるか?」

「はい。ライブラリおいで」

ライブラリが召喚され、石の解析を始める。
すぐに解析は済んだようだ。ライブラリがウインドウを表示させる。

【特殊な鉱石であるミマハルド石の可能性】

「特殊な鉱石かぁ」

「やっぱり、ライブラリは慎重な子なので断定しませんね。少し採掘してみましょうか」

「あぁ。ライブラリ、ありがとうな」

ライブラリは照れてるのかボディであるきゅうを震わせた。2人はピッケルを装備する。標準装備として備わっているものだ。2人は鉱脈を探してみた。すぐそばに見つける。2人はピッケルを振り上げて下ろした。

「えいっ!」

ピキッと岩が割れ、鉱石を入手することが出来た。ミマハルド石とアイテム欄に書かれている。

「これで新しい装備が作れるといいですね!」

「だな。鉱脈ってまた復活するのか?」

「はい。時間が経てば自然と回復するはずです」

航は周りにいる小型モンスターの気配を感じていた。

「あ、石があの子たちのご飯かもしれないですしね」

平介もすぐに察してくれる。こういうところが航は好きだった。

「よし、コウテツに行こう」

「はい!」

2人は出口を目指して歩き始めた。何度か行き止まりに突き当たったが、こまめにマッピングをしながら根気強く進む。

「ここは…」

いつの間にかトンネルの最奥に来ていた。真ん中に大きな宝箱がある。

「怪しすぎる…」

「ライブラリ」

平介がライブラリを呼び寄せる。罠の有無を確認するためだろう。ライブラリが解析を始めるが上手くいかなかったらしい。

【失敗しました】と表示された。

「先輩、どうしましょう?」

「そうだな、ここは大人しく退こう。ライブラリがもっと強くなれば分かるようになるかもしれないんだしな」

「ですね!」

2人がくるり、と引き返そうとすると、パカリという音がした。振り返ると宝箱から足が生えている。

「え…」

「ぎぎ」

宝箱は泣いているようだ。涙をボロボロ零している。その涙は宝箱の口に入っていく。口には鋭い牙が生えていた。

「ぎ…がぶ」

「平介、あいつも連れて行ってやろうぜ」

「分かりました。ハンド!」

平介が出現させた巨大な手で、宝箱が揉まれる。結果、宝箱は仲間になった。
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