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勇者選別テスト①
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航はPCと格闘している。だが、今日は金曜日。ゲームで遊ぶために、絶対に定時で上がらなくてはいけない。
「どうする?今日飲みに行く?」
同僚にこう誘われたが、それは軽やかに断った。
もちろん平介もである。
「えー、横田くんたちが来てくれれば女の子が盛り上がるのに」
今日は何故だか同僚がしつこい。困ったなぁと航が思っていると、平介がこう言った。
「俺たち彼女がいるんで」
「え!!」
「ね、そうですよね。先輩」
なんとか話を合わせてくれという視線に、航は応えた。
「そうなんです。ダブルデートしてて」
「なにそれ!私、横田くん狙ってたのに!」
年上の女性社員の爆弾発言に束の間だが部署内は騒然となった。
✢
「平介、無茶振りにも程があるぞ」
航は夕飯を食べて、いつものルーティンをこなした。ゲームを起動すると平介が既にいる。今日は黄色のふわふわしたワンピースを着ていた。
「すみません、だって他に逃げ切れる言い訳ありました?」
航はしばらく考えてみた。
「すまん、なかったな」
「でしょう?ってか先輩狙ってる女性社員多すぎません?」
「いや、それはお前もだから」
「なんなんでしょうねー。生活力がありそうに見えるんでしょうか」
「え、働きながら彼女の分まで家事するとかやだぞ」
「同意しかないです」
2人は同時にため息を吐いた。
「切り替えましょう」
「だな」
「コウテツで今日からイベントが始まるみたいなんです」
昼過ぎにメンテナンスの通知がスマートフォンに来ていた。こういう情報は平介に聞いたほうが早い。
「どんなイベントなんだ?」
「トーナメントの優勝者に宝刀をくれるんです」
宝刀という言葉に航は身を乗り出してしまった。
「すごいじゃないか。さぞかしレアなんだろうな」
「はい、もちろんレアですよ。エントリーしに行きますか?」
「あぁ、そりゃあ行くだろ。コウテツの思い出が増えるしな」
「ふふ。鉱脈掘りまくりましたしねえ」
2人は早速エントリーしようと町の中心に向かった。
「君たちがワタルとクランニかい?」
急に見知らぬ男に声を掛けられて、2人は戸惑った。
「急に話しかけてすまない。私はこのコウテツの町長、シドーだ。ルチエール姫から君たちの活躍は聞いている。どうか大会に参加して欲しい」
「シドーさん、この大会ってもしかして…」
平介は何かに気が付いたようだ。
「今は話せないんだ。すまないね。エントリーはここから出来る」
シドーに見守られて2人は大会にエントリーを済ませた。
「君たちの力、見極めさせてもらう」
「面白いもん期待してるからな!」
シドーの後ろにいたのは赤い和装の龍人だった。
「えー!本物の龍人さん!?」
平介のテンションが爆上がりしたのだった。
「どうする?今日飲みに行く?」
同僚にこう誘われたが、それは軽やかに断った。
もちろん平介もである。
「えー、横田くんたちが来てくれれば女の子が盛り上がるのに」
今日は何故だか同僚がしつこい。困ったなぁと航が思っていると、平介がこう言った。
「俺たち彼女がいるんで」
「え!!」
「ね、そうですよね。先輩」
なんとか話を合わせてくれという視線に、航は応えた。
「そうなんです。ダブルデートしてて」
「なにそれ!私、横田くん狙ってたのに!」
年上の女性社員の爆弾発言に束の間だが部署内は騒然となった。
✢
「平介、無茶振りにも程があるぞ」
航は夕飯を食べて、いつものルーティンをこなした。ゲームを起動すると平介が既にいる。今日は黄色のふわふわしたワンピースを着ていた。
「すみません、だって他に逃げ切れる言い訳ありました?」
航はしばらく考えてみた。
「すまん、なかったな」
「でしょう?ってか先輩狙ってる女性社員多すぎません?」
「いや、それはお前もだから」
「なんなんでしょうねー。生活力がありそうに見えるんでしょうか」
「え、働きながら彼女の分まで家事するとかやだぞ」
「同意しかないです」
2人は同時にため息を吐いた。
「切り替えましょう」
「だな」
「コウテツで今日からイベントが始まるみたいなんです」
昼過ぎにメンテナンスの通知がスマートフォンに来ていた。こういう情報は平介に聞いたほうが早い。
「どんなイベントなんだ?」
「トーナメントの優勝者に宝刀をくれるんです」
宝刀という言葉に航は身を乗り出してしまった。
「すごいじゃないか。さぞかしレアなんだろうな」
「はい、もちろんレアですよ。エントリーしに行きますか?」
「あぁ、そりゃあ行くだろ。コウテツの思い出が増えるしな」
「ふふ。鉱脈掘りまくりましたしねえ」
2人は早速エントリーしようと町の中心に向かった。
「君たちがワタルとクランニかい?」
急に見知らぬ男に声を掛けられて、2人は戸惑った。
「急に話しかけてすまない。私はこのコウテツの町長、シドーだ。ルチエール姫から君たちの活躍は聞いている。どうか大会に参加して欲しい」
「シドーさん、この大会ってもしかして…」
平介は何かに気が付いたようだ。
「今は話せないんだ。すまないね。エントリーはここから出来る」
シドーに見守られて2人は大会にエントリーを済ませた。
「君たちの力、見極めさせてもらう」
「面白いもん期待してるからな!」
シドーの後ろにいたのは赤い和装の龍人だった。
「えー!本物の龍人さん!?」
平介のテンションが爆上がりしたのだった。
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