レベル0の俺がレベル100のあいつに勝つ方法

はやしかわともえ

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エリアボス②

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「グランフレア!火球!!」

「ポイズンキーック!!」

平介とエマのW攻撃が決まる。そこにホームズの炎魔法と、航の強烈な斬撃が入り、とうとうチョウチンアンコウは倒れた。チョウチンアンコウが消えて、宝箱が現れる。

「やったぁ!お宝!」

「エマちゃん、待って!」

宝箱に飛びつこうとしたエマを平介が制止する。

「ライブラリ、もう一度お願い」

ライブラリが解析を始める。しばらくして結果が出たようだ。

【報酬の可能性強】と。平介はそんなライブラリをよしよしと撫でた。

「ありがとう、ライブラリ」

「ねぇ!開けていいの!?」

「いいよ」

エマが宝箱を開けると、魚が山盛りに入っている。見てみると【金のアジ】だ。

「あ、俺もそれ持ってるぞ。この間エルフの谷で」

航がそう言うと、ホームズが叫んだ。

「えぇ!アジを川で釣ったの?」

「そういや、アジは海の魚だったな。ほら」

航がアジを差し出すと、本当だとホームズが頷いた。

「確か金のアジは特定のクエストで使えるんです」

ぽむ、と平介が手を打つ。

「へぇ、それなら持っていて損はないか」

航がひとまずアイテムを受け取ることになった。

「もっと金銀財宝をイメージしてたのに!」

エマが膨れている。

「エマ、チョウチンアンコウが金銀財宝を持ってるわけないだろ?」

「それもそうね。ならモンスター牧場に急ぎましょう!」

一行は再び歩き出した。


モンスター牧場に入ると敷地が広々としている。

「先輩!見て下さい!モンスターがいっぱいいますよ!」

「本当だな。襲いかかってこないのか?」

「食べるものに困ってないですしね」

「なるほど」

平介に腕を掴まれて、早く早くと引っ張られる。

「先輩とやりたかったんです!アシモくんレース」

「なんだそりゃ?」

「アシモはすごく足が早い鳥型のモンスターなんだ」

ホームズがサクッと説明してくれる。

「へえ。そんなモンスターがいるんだな」

「珍しいモンスターだからね。間近で見られるのはここくらいかもしれないよ」

歩いていくと、アシモくんレース開催会場と書かれている看板が立っていた。

「あれ?」

平介が看板に近寄り声を上げた。

「どうした?平介」

「先輩、アシモくんレース、お休みみたいなんです」

「えぇ?なんでまた」

「そこの方々!!」

タタタと走ってきたのは小太りの中年男性だった。赤い質の良いスーツを着ていてとても目立つ。

「腕の立つ方々だと思い、声を掛けさせて頂きました。私、この牧場のオーナーをしていますブロンズと申します。アシモが先日から行方不明になっていまして、とうとう昨日には全てのアシモが…」

うぅう、とブロンズが泣き出した。

「分かりました。俺たちがアシモを探してみます!」

「うん!なんだか悪者の気配がするよ!」

平介(クランニ)とエマはやる気満々なようだ。

「まぁ平介がそう言うなら探してみるか」

「エマの勘は特別当たるしね」

航と平介(クランニ)の頭上に【クエストが開始されました】という表示が出る。

「まずは手がかりを探さないと」

「アシモは特殊な魔力を持つモンスターです。その気配を辿れば容易かと思われます」

「なるほど、それなら!」

平介は召喚した。
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