14 / 16
3
紗輝の長い1日3
しおりを挟む
遊園地に入った俺たちは、手始めにお化け屋敷にいってみることにした。
まぁ、一番待ち時間が短かったからね。
「まりん、お化け屋敷初めてー!
怖いのかなぁー!」
「紗輝くん、すごく怖くなってきたぞ」
平気そうなまりんちゃんと、すごく怯えているセンセの対比がなんだかおかしい。
「俺が出口まで引っ張ってってあげる。
怖かったら目閉じてなよ」
センセと手を繋げるチャンスを逃す俺じゃない。
「紗輝くん、絶対離さないでくれよ」
「うん、約束する」
センセ可愛いー!
「まりんもいるから大丈夫よー」
「ありがとうな、まりんちゃん」
中に入ってみると、そういう演出なのか空気がひんやりしていた。
なにより暗い。
これは、結構怖いかも。
まりんちゃんも俺の背中にしがみついている。
センセといえば、恐る恐る周りを見回している。
「こ、怖いな紗輝くん。
なにか出そうだ」
ガタン、となにかが倒れる音がする。
「きゃあ!」
まりんちゃんは悲鳴をあげて俺にぎゅっと抱き付いてきた。
「センセ、大丈夫?」
センセは固まっている。
あー、こりゃ早く出口まで行かないと。
二人の腕を掴んで俺は歩き出した。
怖くない訳じゃないけど、出口まで連れていく約束してるからね。
日の光が見えたときはさすがにホッとした。
「センセ、出口だよ」
「ありがとうな、紗輝くん」
「まりん、喉乾いたー」
「どこかで休憩しようか」
「だね」
ガイドマップを見て確認すると、近くにフードコーナーがあるようだった。
そこに向かうことにする。
センセとまだ手を繋いでいるわけだけど、離さなきゃやっぱダメだよね?!
「ね、センセ、手」
センセはすぐ気がついて真っ赤になった。
でも繋いだ手はそのままだ。
「繋いでてもいいですかね?」
俺の言葉にセンセは頷いてくれた。
フードコーナーでジュースを買う。
冷たいジュースが美味しい。
「ね、次はどうしよう?」
「まりん、ジェットコースターに乗りたいな!」
「!!」
センセ、顔がひきつってる。
高いとこ苦手だったような。
「センセ、大丈夫?
ジェットコースターやめとく?」
「いや、乗るぞ。
俺だってジェットコースター乗ってみたいんだ」
「わかった」
センセ、チャレンジャーだな。
ジェットコースターはここの一番人気のアトラクションだ。
なんていったって、二回もループする特別仕様だ。
列に三人で並ぶ。
その間もジェットコースターに乗っている人たちの歓声と悲鳴が何度も聞こえた。
「すごい叫んでるな、みんな」
センセの顔が少し青い。
大丈夫かな?
「真ちゃん、怖くないおまじない教えてあげるー」
「本当か!」
二人は楽しそうにおまじないをやり始める。
仲いいよね。
「ほら、紗輝くんもやるんだぞ」
「はーい」
三人で話しながら並んでいたらもう少しで順番がやってきそうだ。
「楽しみだねー」
まりんちゃんは目をきらきらさせている。
センセも覚悟を決めたようだ。
「紗輝くん、もし俺の身に何かあったら頼むな」
そういう覚悟だった。
俺はおかしくなって笑ってしまう。
「同じジェットコースターに乗ってたら俺にもなにか起きるからね?」
「ホントだ!大変だ!」
センセは焦り始めたけど順番が来て、乗るように促される。
コースターの中でセンセはぎゅっと固まっているようだ。
「ほら、センセ。ここシャッターチャンスあるから」
後ろから言ってもセンセはぴくりともしない。
「紗輝ちゃん、真ちゃん大丈夫かな?」
センセの隣りに座っているまりんちゃんが心配している。
そんなことを言っている間にコースターは走りだす。
うわ、思ったより早い。
体が座席に押し付けられる。
ガタガタガタガタとコースターはじりじり上がっていく。
周りを見ると高くてくらっとした。
目の前を見るとカメラがある。
落ちる直前に撮られるやつだ。
「センセ!シャッターチャンスきたよ!」
「紗輝くん、俺はもうだめだ」
それからジェットコースターはあっという間だった。
センセはぐったりしてしまっている。
「大丈夫?センセ」
地上をふらふらしながら歩いていたセンセがようやく顔をあげる。
「紗輝くん、怖かった!!」
涙目のセンセが可愛いとは言えず、俺はそっと目元の涙を拭っておいた。
「ねぇねぇ、まりんお腹空いた!」
腕時計を見ると、もう12時を回っている。
「俺もどこかで座りたいな」
センセもこう言ってるし、レストランはどこだっけ?
ガイドマップを見るとレストランは水族館の中にあるようだ。
「じゃあ、お昼食べたら水族館みよっか」
二人は楽しそうに頷く。
やっぱり来てよかったなぁ。
まぁ、一番待ち時間が短かったからね。
「まりん、お化け屋敷初めてー!
怖いのかなぁー!」
「紗輝くん、すごく怖くなってきたぞ」
平気そうなまりんちゃんと、すごく怯えているセンセの対比がなんだかおかしい。
「俺が出口まで引っ張ってってあげる。
怖かったら目閉じてなよ」
センセと手を繋げるチャンスを逃す俺じゃない。
「紗輝くん、絶対離さないでくれよ」
「うん、約束する」
センセ可愛いー!
「まりんもいるから大丈夫よー」
「ありがとうな、まりんちゃん」
中に入ってみると、そういう演出なのか空気がひんやりしていた。
なにより暗い。
これは、結構怖いかも。
まりんちゃんも俺の背中にしがみついている。
センセといえば、恐る恐る周りを見回している。
「こ、怖いな紗輝くん。
なにか出そうだ」
ガタン、となにかが倒れる音がする。
「きゃあ!」
まりんちゃんは悲鳴をあげて俺にぎゅっと抱き付いてきた。
「センセ、大丈夫?」
センセは固まっている。
あー、こりゃ早く出口まで行かないと。
二人の腕を掴んで俺は歩き出した。
怖くない訳じゃないけど、出口まで連れていく約束してるからね。
日の光が見えたときはさすがにホッとした。
「センセ、出口だよ」
「ありがとうな、紗輝くん」
「まりん、喉乾いたー」
「どこかで休憩しようか」
「だね」
ガイドマップを見て確認すると、近くにフードコーナーがあるようだった。
そこに向かうことにする。
センセとまだ手を繋いでいるわけだけど、離さなきゃやっぱダメだよね?!
「ね、センセ、手」
センセはすぐ気がついて真っ赤になった。
でも繋いだ手はそのままだ。
「繋いでてもいいですかね?」
俺の言葉にセンセは頷いてくれた。
フードコーナーでジュースを買う。
冷たいジュースが美味しい。
「ね、次はどうしよう?」
「まりん、ジェットコースターに乗りたいな!」
「!!」
センセ、顔がひきつってる。
高いとこ苦手だったような。
「センセ、大丈夫?
ジェットコースターやめとく?」
「いや、乗るぞ。
俺だってジェットコースター乗ってみたいんだ」
「わかった」
センセ、チャレンジャーだな。
ジェットコースターはここの一番人気のアトラクションだ。
なんていったって、二回もループする特別仕様だ。
列に三人で並ぶ。
その間もジェットコースターに乗っている人たちの歓声と悲鳴が何度も聞こえた。
「すごい叫んでるな、みんな」
センセの顔が少し青い。
大丈夫かな?
「真ちゃん、怖くないおまじない教えてあげるー」
「本当か!」
二人は楽しそうにおまじないをやり始める。
仲いいよね。
「ほら、紗輝くんもやるんだぞ」
「はーい」
三人で話しながら並んでいたらもう少しで順番がやってきそうだ。
「楽しみだねー」
まりんちゃんは目をきらきらさせている。
センセも覚悟を決めたようだ。
「紗輝くん、もし俺の身に何かあったら頼むな」
そういう覚悟だった。
俺はおかしくなって笑ってしまう。
「同じジェットコースターに乗ってたら俺にもなにか起きるからね?」
「ホントだ!大変だ!」
センセは焦り始めたけど順番が来て、乗るように促される。
コースターの中でセンセはぎゅっと固まっているようだ。
「ほら、センセ。ここシャッターチャンスあるから」
後ろから言ってもセンセはぴくりともしない。
「紗輝ちゃん、真ちゃん大丈夫かな?」
センセの隣りに座っているまりんちゃんが心配している。
そんなことを言っている間にコースターは走りだす。
うわ、思ったより早い。
体が座席に押し付けられる。
ガタガタガタガタとコースターはじりじり上がっていく。
周りを見ると高くてくらっとした。
目の前を見るとカメラがある。
落ちる直前に撮られるやつだ。
「センセ!シャッターチャンスきたよ!」
「紗輝くん、俺はもうだめだ」
それからジェットコースターはあっという間だった。
センセはぐったりしてしまっている。
「大丈夫?センセ」
地上をふらふらしながら歩いていたセンセがようやく顔をあげる。
「紗輝くん、怖かった!!」
涙目のセンセが可愛いとは言えず、俺はそっと目元の涙を拭っておいた。
「ねぇねぇ、まりんお腹空いた!」
腕時計を見ると、もう12時を回っている。
「俺もどこかで座りたいな」
センセもこう言ってるし、レストランはどこだっけ?
ガイドマップを見るとレストランは水族館の中にあるようだ。
「じゃあ、お昼食べたら水族館みよっか」
二人は楽しそうに頷く。
やっぱり来てよかったなぁ。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
上司、快楽に沈むまで
赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。
冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。
だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。
入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。
真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。
ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、
篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」
疲労で僅かに緩んだ榊の表情。
その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。
「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」
指先が榊のネクタイを掴む。
引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。
拒むことも、許すこともできないまま、
彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。
言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。
だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。
そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。
「俺、前から思ってたんです。
あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」
支配する側だったはずの男が、
支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。
上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。
秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。
快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。
――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。
【完結】 男達の性宴
蔵屋
BL
僕が通う高校の学校医望月先生に
今夜8時に来るよう、青山のホテルに
誘われた。
ホテルに来れば会場に案内すると
言われ、会場案内図を渡された。
高三最後の夏休み。家業を継ぐ僕を
早くも社会人扱いする両親。
僕は嬉しくて夕食後、バイクに乗り、
東京へ飛ばして行った。
BL 男達の性事情
蔵屋
BL
漁師の仕事は、海や川で魚介類を獲ることである。
漁獲だけでなく、養殖業に携わる漁師もいる。
漁師の仕事は多岐にわたる。
例えば漁船の操縦や漁具の準備や漁獲物の処理等。
陸上での魚の選別や船や漁具の手入れなど、
多彩だ。
漁師の日常は毎日漁に出て魚介類を獲るのが主な業務だ。
漁獲とは海や川で魚介類を獲ること。
養殖の場合は魚介類を育ててから出荷する養殖業もある。
陸上作業の場合は獲った魚の選別、船や漁具の手入れを行うことだ。
漁業の種類と言われる仕事がある。
漁師の仕事だ。
仕事の内容は漁を行う場所や方法によって多様である。
沿岸漁業と言われる比較的に浜から近い漁場で行われ、日帰りが基本。
日本の漁師の多くがこの形態なのだ。
沖合(近海)漁業という仕事もある。
沿岸漁業よりも遠い漁場で行われる。
遠洋漁業は数ヶ月以上漁船で生活することになる。
内水面漁業というのは川や湖で行われる漁業のことだ。
漁師の働き方は、さまざま。
漁業の種類や狙う魚によって異なるのだ。
出漁時間は早朝や深夜に出漁し、市場が開くまでに港に戻り魚の選別を終えるという仕事が日常である。
休日でも釣りをしたり、漁具の手入れをしたりと、海を愛する男達が多い。
個人事業主になれば漁船や漁具を自分で用意し、漁業権などの資格も必要になってくる。
漁師には、豊富な知識と経験が必要だ。
専門知識は魚類の生態や漁場に関する知識、漁法の技術と言えるだろう。
資格は小型船舶操縦士免許、海上特殊無線技士免許、潜水士免許などの資格があれば役に立つ。
漁師の仕事は、自然を相手にする厳しさもあるが大きなやりがいがある。
食の提供は人々の毎日の食卓に新鮮な海の幸を届ける重要な役割を担っているのだ。
地域との連携も必要である。
沿岸漁業では地域社会との結びつきが強く、地元のイベントにも関わってくる。
この物語の主人公は極楽翔太。18歳。
翔太は来年4月から地元で漁師となり働くことが決まっている。
もう一人の主人公は木下英二。28歳。
地元で料理旅館を経営するオーナー。
翔太がアルバイトしている地元のガソリンスタンドで英二と偶然あったのだ。
この物語の始まりである。
この物語はフィクションです。
この物語に出てくる団体名や個人名など同じであってもまったく関係ありません。
美澄の顔には抗えない。
米奏よぞら
BL
スパダリ美形攻め×流され面食い受け
高校時代に一目惚れした相手と勢いで付き合ったはいいものの、徐々に相手の熱が冷めていっていることに限界を感じた主人公のお話です。
※なろう、カクヨムでも掲載中です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる