俺のカワイイ先生2

はやしかわともえ

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紗輝の長い1日4

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レストランは春休みのせいか、とても混んでいた。名前を書いて待つシステムらしい。
センセが名前を書いてくれて俺達は座って待つことにした。

「ありがと、センセ」

「ん、いや」

センセがにこ、っと笑うとドキッとする。可愛いなぁ。

「ねぇねぇ、紗輝ちゃん。紗輝ちゃんって真ちゃんが好きなんだ?」

「へ」

俺の隣にいたまりんちゃんがひそひそ言う。


「それならまりんが協力してあげる!任せといて!」

「え」

ふふーん、とまりんちゃんは得意そうだ。何をするつもりなんだろう。
正直、心強いとは言えない。

名前を呼ばれて席に案内される。


「む、何にしよう」

目をキラキラさせてまりんちゃんとセンセはメニューを見ている。

「まりん、チョコレートパフェ食べたいなー」


「あ、俺も食べたい」

「だよねー」

二人でキャッキャとはしゃいでいる。
成人男性がチョコレートパフェって、なんなの。天使?
ひとり心の中でセンセを崇めていると、センセがメニューを渡してきた。


「すまない、紗輝くんも決めないとな」

可愛い。
もうこれだけでお腹いっぱいだよ。

「あ、じゃ俺は豚骨ラーメンで」

「なにー!?」

センセのメニューへの食いつきがすごい。

「え、センセ?どうしたの?」

わかってるけど一応尋ねる。

「ここはラーメンもあるのか!!」

うん、センセがラーメンも大好きなのはよく知ってた。

「真ちゃん、そんなに食べられるのー?」

まりんちゃんも呆れている。

「大丈夫だ、俺は甘いものは別腹だからな!」

女子か。
なんだかんだメニューを決めて俺達は注文を済ませた。

「むふぅ、水族館楽しみだな!」

「まりん、イルカさんみたいなあ」

「だね。イルカショーは、早めに行って場所とろっか」

水族館のパンフレットを見ながら順路を確認している内に頼んだものが来た。

「真ちゃーん、はい。あーん」

まりんちゃんがセンセにパフェをすくって差し出す。

「あーん」

笑顔で応じるセンセ強いな!

「ほら、今度は真ちゃんが紗輝ちゃんにやるんだよ」

え、なにそれ。まりんちゃんは本当に俺に協力してくれようとしているらしい。
でもセンセは照れているようでうつむいた。

「む、紗輝くんは嫌かもしれないし」

ごにょごにょ、とセンセはいう。
可愛い。

「ほら。真ちゃん、はやくー」

まりんちゃんは容赦ないな。
センセはぎゅっとスプーンを握りしめた。

「あ、センセ、無理はしなくても」

俺が言ってもセンセの耳には届いていないようだ。チョコレートパフェの生クリーム部分を大きくすくう。

「さ、紗輝くん、食べてくれ」

ぎゅっと目を閉じながらやられるそれはかなりぐっと来た。身を乗り出して食べる。

「む、甘いね。美味しい」

「ホントか!!」

センセはぱぁぁと笑って続きを食べ始める。
まりんちゃんはふふん、と胸を張ってみせた。まりん大明神様だ。

ラーメンもとても美味しかった。
お腹がいっぱいだ。
腕時計を見るとイルカショーの場所取りには良さそうな時間だ。

「じゃ、いこっか」

俺達は屋外のプールへ向かった。
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