フツメン高校生から超絶美人なお姫様に転生して国を開拓する話

はやしかわともえ

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出会い

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僕は七歳になっていた。
この七年間、すごく密度が濃かった。
僕はすぐ、文字の読み書きをマスターして、城の図書室でありとあらゆる本を読み漁った。
この国の知識がとにかく欲しかった。
僕をここまで育ててくれたみんなに恩返しがしたい。そう思うようになっていたからだ。

「逸花?また御本を読んでいたの?」

「はい、おばあさま」

僕はなるべく小さい女の子のように話すことを心がけていた。

「偉いねぇ、逸花は。
それなのに同盟国のトキ王子ときたら」

「トキ王子様?」

「いや、いいんだよ。逸花は知らなくても」

おばあちゃんが言っているトキ王子。
最近侍女の間でも噂になっている。
確か、僕より七つ上の十四歳だ。
なかなかのワルらしいとは聞いている。

一応同盟国の王子なんだし、挨拶くらいはしておいてもいいんじゃないだろうか。
僕は夜になるのを待った。

僕の能力【神の愛】はとても便利な代物だった。
この力を使って新しいスキルが簡単に身につく。だって運MAXだよ?苦手なことなんか出てくるわけがない。
しかもどれも完璧に極めた状態で身につけられた。
そんな僕の今のスキルを見せてあげよう。

逸花

【神の愛】攻撃を受けない、運MAX

【神速】必ず先制

【調合】あらゆるアイテムを作れる

いろいろなスキルを覚えてみたけれど、結局この3つに落ち着いた。
これから必要があれば増やしていけばいいだろう。慌てることはない。


そのあと、本を読んでいたらあっという間に夜になっていた。

「逸花、ご飯にしましょう」

「はーい」

お母さんに呼ばれて、僕は食堂に向かった。
今日の夕飯はなんだろう?
僕はなかなか食いしん坊だった。

「逸花、沢山食べてね」

お母さんに言われて、僕は頷いた。

夕飯を済ませて、僕は城の中庭にいた。
服もピンクのワンピースから、綿のシャツとパンツに着替えた。帽子も被って、金髪を隠す。
変装完了だ。

僕はスキル【調合】で作った道具、「移動玉」を投げた。
これがあれば一瞬で目的地に辿り着ける。

チートなアイテムだから使いみちには慎重になる。素材は城にあった。ラッキー。
気が付くと同盟国、ドラムにいた。
僕は今までもこうして夜にあちこちの国を渡り歩いていた。
この国、ドラムに来たのも初めてではない。

さて、トキ王子を探そうか。
僕は適当に歩き出した。

なんとなく歩いていれば出会えそうな気がする。

「おい」

いきなり背中に何かを突きつけられる。固い感触だった。銃かもしれない。
僕は両手を上げた。彼は、ああと何か気がついたように僕から離れた。

「怖がらせたなら謝る。
でも、お前みたいなチビ助がこんな時間に歩き回るな。俺みたいになっちまうぞ」

彼はそう言って笑った。
その悪戯っぽい笑顔に僕は惹きつけられていた。
この人、もしかして?

「トキ王子様?」

僕が声をかけると、トキは驚いたようだった。

「お前、女の子か?
危ないよ?なにしてるんだよ?」

「トキ王子様に会いに来ました」

ドキドキしながら言う。
トキはそんな僕を見て固まった。

「や、女の子から会いに来てくれるのめちゃくちゃ嬉しいけどさ。でも夜はだめだぜ?」

「わかりました」

それならもっと正攻法で会いに来よう。
それにしても。

トキ、めちゃくちゃいい人じゃん!
ドキドキが収まらなかった。
これが恋ってやつなんだろうか。
初めて会ったのに、早すぎない?

「トキ様、私、帰ります」

「送ろうか?」

僕は首を振った。
離れた場所でまた移動玉を投げる。
もう、泰に着いていた。

ネグリジェに着替えてベッドに横になる。
僕は考えていた。
トキにまたすぐ会えるかな。
そういえば来月、ドラム国で式典があるんだっけ?
カレンダーを確認する。
もうすぐだ。

トキと早く話がしたい。
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