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一章・素朴チャーハン
七色のオウム
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「カルマ、おいで」
炎さんが僕を抱き寄せる。僕にはわけがわからないままだ。
「カルマ、まさかお前が選ばれるとは」
父さんが汗をハンカチで拭いている。ここまで全力で走ってきたみたいだ。
「今の鳥はなに?」
僕の質問に二人は黙ってしまった。そして父さんが困ったように言う。
「あれはこの国の姫君だ」
「はい?」
「姫君は多量の魔力を有しておられるからな。変身などはお手の物のようだ」
僕は困った。それってつまり、姫君が僕の体の中にいるってことだ。
「わぁ、お姫様!早く出て来て!!」
「嫌じゃ」
うわ、はっきり声が聞こえたよ。父さんたちにも聞こえたらしい。困ったなぁ。
「妾はお前が気に入った。なあに、悪いようにはせん。特級の料理人にお前をのし上がらせてやろう」
なんかこの人、怖いこと言ってますけど。
「カルマ、スマートフォンが鳴っているが」
「え?」
僕はズボンのポケットからスマートフォンを取り出して操作した。
あちらこちらの企業からスカウトのメールが来ている。
「お前が鉄人に勝ったのは事実。こうなるのも当然だ」
炎さんがそう言って頭を撫でてくれた。
僕は炎さんが大好きだ。そっと彼に寄りかかった。炎さんの手が僕の腰をそっと撫でる。
「カルマ、お前の人生だ。好きにしなさい」
父さんがそう言ってくれて、僕は決意した。
「僕、姫君の言った特級の調理師になりたい」
「そうか。なら残り2日あるフェスティバルで鉄人に勝ち続けなさい。その後に修行が待っている。厳しい道だよ」
父さんが言っていることは真実だ。特級になるのは相当大変なんだ。
「それならカルマが独り立ち出来るようになるまで、俺が一緒に行きましょう」
「炎くん、息子を頼むよ」
「はい。お任せください」
僕は嬉しかった。炎さんとこれから一緒にいられるし、料理を極められるチャンスも貰えた。
今の僕じゃ特級なんて到底無理だろうけど、出来ることを増やしていこう。
✣✣✣
「カルマ」
僕はソファに座ってじっとしていた。
ここは炎さんの家だ。僕は彼を見上げた。
「自宅で過ごさなくてよかったのか?」
炎さんが僕を抱き締めてくれる。
「うん、だって絶対に寂しくて泣いちゃうし、それに炎さんと…その…シたかったから」
僕と炎さんはずっと両思いだった。
でも僕はまだ学生だったから炎さんは我慢する形になってしまった。
キスとかハグはしていたけれど、今日はちゃんとシたい。
「カルマ、そんなに焦らなくても」
「炎さんはシたくない?」
「いや…」
僕は急に恥ずかしくなってきた。炎さんの体の熱が伝わってくる。いつの間にか後頭部を優しく掴まれてキスされていた。
いつもとは違う、深くて蕩けそうになるキスだ。
「っふ…ン…っ…ん…」
「カルマ、好きだよ」
唇の端から唾液が垂れる。それを炎さんの舌が舐め取って、そのまま僕の口内に侵入してきた。
気持ち良くて涙が溢れる。
「ん、っ…ンん!!」
炎さんのされるがままになっていたら、ソファに押し倒された。
「炎さん…ぎゅってして」
お願いしたら優しく抱き締められた。する、と炎さんの手が僕の服の中に入る。
温かい大きな手の感触に僕は乱れたのだった。
炎さんが僕を抱き寄せる。僕にはわけがわからないままだ。
「カルマ、まさかお前が選ばれるとは」
父さんが汗をハンカチで拭いている。ここまで全力で走ってきたみたいだ。
「今の鳥はなに?」
僕の質問に二人は黙ってしまった。そして父さんが困ったように言う。
「あれはこの国の姫君だ」
「はい?」
「姫君は多量の魔力を有しておられるからな。変身などはお手の物のようだ」
僕は困った。それってつまり、姫君が僕の体の中にいるってことだ。
「わぁ、お姫様!早く出て来て!!」
「嫌じゃ」
うわ、はっきり声が聞こえたよ。父さんたちにも聞こえたらしい。困ったなぁ。
「妾はお前が気に入った。なあに、悪いようにはせん。特級の料理人にお前をのし上がらせてやろう」
なんかこの人、怖いこと言ってますけど。
「カルマ、スマートフォンが鳴っているが」
「え?」
僕はズボンのポケットからスマートフォンを取り出して操作した。
あちらこちらの企業からスカウトのメールが来ている。
「お前が鉄人に勝ったのは事実。こうなるのも当然だ」
炎さんがそう言って頭を撫でてくれた。
僕は炎さんが大好きだ。そっと彼に寄りかかった。炎さんの手が僕の腰をそっと撫でる。
「カルマ、お前の人生だ。好きにしなさい」
父さんがそう言ってくれて、僕は決意した。
「僕、姫君の言った特級の調理師になりたい」
「そうか。なら残り2日あるフェスティバルで鉄人に勝ち続けなさい。その後に修行が待っている。厳しい道だよ」
父さんが言っていることは真実だ。特級になるのは相当大変なんだ。
「それならカルマが独り立ち出来るようになるまで、俺が一緒に行きましょう」
「炎くん、息子を頼むよ」
「はい。お任せください」
僕は嬉しかった。炎さんとこれから一緒にいられるし、料理を極められるチャンスも貰えた。
今の僕じゃ特級なんて到底無理だろうけど、出来ることを増やしていこう。
✣✣✣
「カルマ」
僕はソファに座ってじっとしていた。
ここは炎さんの家だ。僕は彼を見上げた。
「自宅で過ごさなくてよかったのか?」
炎さんが僕を抱き締めてくれる。
「うん、だって絶対に寂しくて泣いちゃうし、それに炎さんと…その…シたかったから」
僕と炎さんはずっと両思いだった。
でも僕はまだ学生だったから炎さんは我慢する形になってしまった。
キスとかハグはしていたけれど、今日はちゃんとシたい。
「カルマ、そんなに焦らなくても」
「炎さんはシたくない?」
「いや…」
僕は急に恥ずかしくなってきた。炎さんの体の熱が伝わってくる。いつの間にか後頭部を優しく掴まれてキスされていた。
いつもとは違う、深くて蕩けそうになるキスだ。
「っふ…ン…っ…ん…」
「カルマ、好きだよ」
唇の端から唾液が垂れる。それを炎さんの舌が舐め取って、そのまま僕の口内に侵入してきた。
気持ち良くて涙が溢れる。
「ん、っ…ンん!!」
炎さんのされるがままになっていたら、ソファに押し倒された。
「炎さん…ぎゅってして」
お願いしたら優しく抱き締められた。する、と炎さんの手が僕の服の中に入る。
温かい大きな手の感触に僕は乱れたのだった。
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