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三章・具材ゴロゴロミートソーススパゲティ
揉め事
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フードフェスティバルの開催されている広場までの道程には、あらゆる料理を販売している屋台が並んでいる。
今日もあちこちからいい匂いがしているな。軽く何かをつまんでもいいかもしれない。そう言おうと思って、炎さんを見上げたら、なんだか険しい表情をしている。
「炎さん?」
僕も炎さんが向けている視線の先を見た。
なんだか怒鳴り声が聞こえる。どうしたんだろう?
「カルマ、ここにいろ。様子を見てくる」
「やだ!僕も行く!!」
「俺から離れるんじゃないぞ」
「うん」
僕たちがそこに向かうと、一つの屋台が壊されていた。食材や紙皿なんかもグチャグチャに散らばっている。
ひどい。
周りの人も何事かと集まって来てしまっている。
「お前の料理、不味いんだよ!とっとと消えろ!!」
いかにもワルです、みたいな男の人がうずくまっているお兄さんに唾を吐きかけた。
ひどすぎる。
「おい、やめないか」
炎さんが前に出て男の人に制止をかけている。僕も地面に散らばっている物を集めた。
「あ?なんだ、テメーら。正義のヒーローのつもりかよ!」
「そんなにカッカすることはないだろう。これ以上やったら君のほうが危ういのでは?」
「チッ」
男の人が去っていく。よかった。
「大丈夫ですか?」
お兄さんに話しかけたら、すごく美青年で驚いた。お人形みたいな綺麗な顔立ちをしている。
「あ、あの、助けて頂き、ありがとうございます。僕の料理が不味くて…」
しゅんとお兄さんが目を伏せるとまつげがすごく長い。綺麗な人ってどこまでも綺麗なんだな。
「君は屋台で何を販売していたんだ?」
炎さんの疑問は最もだ。
「はい。僕はイタリア料理を専門にしてまして、パスタとかピッツァを提供していました」
イタリア料理、僕も大好きだ。屋台が壊れてなければ味見できたのに。
「ん…?まさか君は…」
炎さんが固まる。どうしたんだろう?
「君はマモリくんか?」
彼がニコッと笑った。僕もその名前を聞いて、ようやくピンときた。
鉄人の一人、マモリ・ミヤビ。
イタリアンを作らせたら右に出るものはいないといわれているすごい人だ。
マモリさんは立ち上がって服をはたいている。
「片付けないといけませんね」
その声には泣き声が混じっていて、僕も泣きそうになった。もし僕が同じ目に遭ったらわんわん泣いてしまうと思う。
「僕もお手伝いさせてください!」
「ありがとう」
今日のフードバトルは午後からの予定だったから時間にゆとりもあったし、ここで一人にさせたらなんだか危ないような気がした。
炎さん、マモリさん、僕の三人で壊れた屋台を少しずつばらしていく。
ばらしさえすれば大きな屋台も車に載せて運べる。
マモリさんは軽トラックで来たようだからなお良さそうだ。
「ありがとうございます。カルマくん、でしたね?」
マモリさんが僕の目をじっと見つめた。
綺麗な瞳の色に僕は見入ってしまった。
「フードバトル、頑張ってくださいね」
マモリさんに僕は頷いた。
今日もあちこちからいい匂いがしているな。軽く何かをつまんでもいいかもしれない。そう言おうと思って、炎さんを見上げたら、なんだか険しい表情をしている。
「炎さん?」
僕も炎さんが向けている視線の先を見た。
なんだか怒鳴り声が聞こえる。どうしたんだろう?
「カルマ、ここにいろ。様子を見てくる」
「やだ!僕も行く!!」
「俺から離れるんじゃないぞ」
「うん」
僕たちがそこに向かうと、一つの屋台が壊されていた。食材や紙皿なんかもグチャグチャに散らばっている。
ひどい。
周りの人も何事かと集まって来てしまっている。
「お前の料理、不味いんだよ!とっとと消えろ!!」
いかにもワルです、みたいな男の人がうずくまっているお兄さんに唾を吐きかけた。
ひどすぎる。
「おい、やめないか」
炎さんが前に出て男の人に制止をかけている。僕も地面に散らばっている物を集めた。
「あ?なんだ、テメーら。正義のヒーローのつもりかよ!」
「そんなにカッカすることはないだろう。これ以上やったら君のほうが危ういのでは?」
「チッ」
男の人が去っていく。よかった。
「大丈夫ですか?」
お兄さんに話しかけたら、すごく美青年で驚いた。お人形みたいな綺麗な顔立ちをしている。
「あ、あの、助けて頂き、ありがとうございます。僕の料理が不味くて…」
しゅんとお兄さんが目を伏せるとまつげがすごく長い。綺麗な人ってどこまでも綺麗なんだな。
「君は屋台で何を販売していたんだ?」
炎さんの疑問は最もだ。
「はい。僕はイタリア料理を専門にしてまして、パスタとかピッツァを提供していました」
イタリア料理、僕も大好きだ。屋台が壊れてなければ味見できたのに。
「ん…?まさか君は…」
炎さんが固まる。どうしたんだろう?
「君はマモリくんか?」
彼がニコッと笑った。僕もその名前を聞いて、ようやくピンときた。
鉄人の一人、マモリ・ミヤビ。
イタリアンを作らせたら右に出るものはいないといわれているすごい人だ。
マモリさんは立ち上がって服をはたいている。
「片付けないといけませんね」
その声には泣き声が混じっていて、僕も泣きそうになった。もし僕が同じ目に遭ったらわんわん泣いてしまうと思う。
「僕もお手伝いさせてください!」
「ありがとう」
今日のフードバトルは午後からの予定だったから時間にゆとりもあったし、ここで一人にさせたらなんだか危ないような気がした。
炎さん、マモリさん、僕の三人で壊れた屋台を少しずつばらしていく。
ばらしさえすれば大きな屋台も車に載せて運べる。
マモリさんは軽トラックで来たようだからなお良さそうだ。
「ありがとうございます。カルマくん、でしたね?」
マモリさんが僕の目をじっと見つめた。
綺麗な瞳の色に僕は見入ってしまった。
「フードバトル、頑張ってくださいね」
マモリさんに僕は頷いた。
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