僕の死亡日記

はやしかわともえ

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十四話・協力

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次の日、僕は獅子王をリュックの横ポケットに入れて出掛けた。顔がひょっこり覗いている。苦しくないか心配だったけど、獅子王は早く行きたいと催促してきた。目当てはお弁当だ。
お母さんがたっぷりおかずの入ったお弁当を作ってくれた。今日は僕の大好きな鶏の唐揚げが入っている。朝、味見させてもらった。お母さんの作る鶏の唐揚げ好きなんだよな。マザコンなんだろうか、僕。お母さんは大人だけど、まだ信じられる。それはお父さんもだ。他人の大人が僕は正直に言って怖い。

「おーい!」

向こうからブンブン手を振りながらやってきたのは空だった。よかった、すぐに合流できて。

「詩史、こっちだ」

図書館にいくのだとばかり思っていたから、僕は驚いた。空の後をついていくと、綺麗な建物がある。エレベーターに乗りながら空が説明してくれた。

「ここ、皆勉強しにくんの。電源も取れるしめちゃくちゃ助かるんだ。しかも綺麗だし」

「すごいね。知らなかったよ」

「詩史はなんで学校に来ないんだ?」

空に問われて、僕はうつむいた。

「友達が出来なくて…多分、僕が悪いんだけど」

空に両肩を掴まれて揺さぶられる。

「そんなわけない!みんな詩史が元気で良かったって言ってたよ!」

「え?」

僕は驚いていた。皆が僕を覚えていてくれていたの?

「詩史は知らないかもだけど、合唱会や体育祭の係は詩史の分の係も決めてたんだ!詩史がいつでも来れるようにって」 

そんなの全然知らなかった。僕は涙を止められなかった。

「詩史、こっち」

僕たちは壁際の席に座った。泣いている僕を空は心配そうに見つめている。彼が僕の方に身を乗り出す。

「詩史は辛いんだよな。現在進行形で」

「それもよく分からなくて」

「辛いから泣くんだろ?詩史は自分を傷付け過ぎだよ」

僕はその言葉にドキッとなった。自分を傷付けている自覚なんてなかったからだ。

「詩史ってさ、周りにすげえ優しいじゃん?でも自分にはめちゃくちゃ厳しいよなって思った」

「そ…そんなことは…」

「あると思うぞ」

ぴょこりと出てきたのはもちろん獅子王だ。机にちんまりと胡座をかく。空がめちゃくちゃ驚いているな。

「ぬ、ぬいぐるみが喋った」

「俺は獅子王!主人の刀剣なんだぜ!」

「え?刀剣?もしかしてこれが?」

僕は彼に向かって頷いた。

「僕は刀剣使いなんだ」

明るくて人懐こい空は獅子王とすぐに打ち解けた。コミュ強っていいよね、羨ましい。

「そうかあ。詩史たちは鵺を倒そうとしているのか。なら、俺も手伝うよ!」

「空を危ない目には遭わせられないよ」

空が笑う。

「確かに俺は戦えないかもしれない。でも詩史たちの何か手助けは出来るかもしれない」

その言葉が嬉しくて僕はまた泣いてしまった。
空を全力で守らなくちゃ。

「空、これをやる」

獅子王が紫色の小さな巾着を空に渡していた。確か兄さんにも渡していたな。

「それは鏡だ。鵺は鏡や反射するものを嫌う。それはお前を守る」

「ありがとう!獅子王!」

鵺は絶対に倒さなきゃいけないんだ。誰かの悲しい顔なんて見たくない。僕たちと同じ思いはさせない。それが僕に出来ること、そう信じている。
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