僕の死亡日記

はやしかわともえ

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二十二話・眠る

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「!!」

飛び起きると僕はベッドに寝転んでいた。獅子王は約束通り、僕を家まで連れ帰ってくれたらしい。でも肝心の獅子王の姿はなかった。

「獅子王?獅子王、どこにいるの?」

声を掛けても返事はなかった。そんな、会えないままお別れなんて絶対にやだよ。
あちこち獅子王を探す。でも彼はどこにもいなかった。なんで急にいなくなっちゃうんだよ。
僕は悲しくてわんわん泣いた。獅子王ともっと一緒にいたいだけなのに、何でそれが叶わないんだよ。獅子王だって、僕と一緒にいるって言っていたじゃないか。

「詩史!どうしたんだ?」

僕があまりに大泣きしていたせいか、兄さんが慌てた様子で部屋にやってきた。

「獅子王が…獅子王がいないんだよ!」

兄さんがため息をついて僕の目の前に手のひらを広げる。そこには小さくなった獅子王が眠っていた。

「獅子王!なんで…」

「昨日祭りの打ち上げでチョコがあってさ、貰って帰ってきたんだけど、酒入りだったらしい。欲しがったから、獅子王に食べさせたらこいつ、めちゃくちゃ酔ったんだ」

「獅子王って酔っ払うとどうなるの?」

「あぁ。笑い上戸になる」

僕は気が抜けて笑ってしまった。

「とりあえず、二日酔いになってるだろうから、このしじみのサプリを飲ませてやれ。父さんの棚から拝借した。父さんには絶対に言うなよ?」

「は、はーい」

獅子王、大丈夫かな?とりあえずお別れじゃなくてよかったけれど。ホッとした僕は課題を始めた。夏休みが終わったら学校に行こうかななんて僕は思っていたりする。大人に対して不信感を抱いている僕だけど、それは大人を知ろうとしない僕にも非があるんじゃないかって思うようになっている。おじいちゃんの遺言が僕に回ってくるのは、しっかり遺言が受け継がれた証拠だ。僕にという名前をくれたおじいちゃんと、それを受け継いでくれた大人たち。そして実際に名付けてくれたお父さんとお母さん。僕は一人じゃない。
それが分かっただけでもふにゃふにゃしていた僕はピシッとなった気がする。獅子王は僕のベッドに寝かせた瞬間、元のサイズに戻った。

「ん…詩史。頭痛い…」

「獅子王、これ飲んで。はいお水」

獅子王がサプリメントを飲んでふう、と息をついた。

「チョコ美味かったのに」

なんだか恨めしそうだな。

「多分獅子王はお酒に弱いんだよ。これからコンビニ行く?」

「行く!!」

獅子王がわあっと両手を広げる。この調子なら、毎日、死亡日記に書けるなぁ。本当に僕が死ぬ、その日まで。

おわり
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