せっかく転生したので思いきってブランド起業してみました!

はやしかわともえ

文字の大きさ
21 / 22

戦場

しおりを挟む
「おはようございます!」

僕はレイチェルとふくふくにゃんこの店舗に来ている。

「おはよう、マオレイさん、レイチェルちゃん」

茜さんは既に僕が作った制服を身に着けていた。茜さんが着るとやっぱり可愛いな。良かったと僕はホッとしている。

「じゃあ更衣室は向こうだから」

案内されて僕たちも着替えることになった。そう、僕の2度目の人生、初の接客業務だ!楽しんでやろう、と茜さんに言われて、その通りだなと僕は思っていた。

着替えを済ませて、僕たちは店舗に向かった。既に開店準備は済んでいるようだ。異次元飛躍装置の待機人数を見たら30と書かれていた。ふくにゃんの人気、恐るべし。

いよいよ開店だ!ということで、お客様が来店してくる。今日の僕の仕事はお客様の反応を視察するというものだ。でもさすがに視察だけでは申し訳ないので、こうしてお手伝いをすることにしたわけである。お客様は猫ちゃんにおやつをあげたり、おもちゃで遊んでいる。

(うん、しっかり内装を見てくれる人もいるな)

僕は感想のメモを取った。

「わ、可愛い!予約しておいて良かった」

こんな声が聞こえてきて、僕はコップにお水を注ぎながら耳をそばだてた。

「こちらでお間違えなかったでしょうか?」

茜さん、ハキハキしてて好印象。

「はい!あの、ここで開けてもいいですか?お店と写真撮りたくて」

お客様のお願いキター!!茜さん、どうするんだろう?

「マオ、水がこぼれそうだぞ」

僕はハッとなった。いけない、自分の仕事もちゃんとしなくちゃな。レイチェルにお礼を言う。僕は新しく来店されたお客様にお冷やを配ったのだった。



「はい、チーズ!!!」

この掛け声は異世界でも通用するのか…と僕は驚いていた。現実世界でも死語に近いような?
写真は無事に撮れたらしい。ふくにゃんとローズキャットのコラボ記念だ。しばらくお店の壁に飾ってもらえるらしい。この後はスタッフの皆さんと打ち上げらしい。さすがルナリア、お金持ってるー!



「マオレイさん、今日は視察ありがとうございました」

「いえ、大変勉強になりました。あの、本当に異次元飛躍装置を無料で貸してもらえるんですか?」

「今日、受注限定のクッションを受け取ったお客様はみんな嬉しそうでしたよ」

茜さんの言葉に僕はドキッとなった。そうやって評価をダイレクトに頂けるのは有り難い。

「良かったです。ありがとうございます」

「マオレイさん、今後も末永いお付き合いをよろしくお願いします。ウチは定期的にコラボカフェも開催しているので」

イブ社長が手を差し出してきたので、僕は握り返した。

「こちらこそよろしくお願いします」

さぁ、やっと自分の店を持てそうだぞ。僕の胸は高鳴っている。

しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

主人公の恋敵として夫に処刑される王妃として転生した私は夫になる男との結婚を阻止します

白雪の雫
ファンタジー
突然ですが質問です。 あなたは【真実の愛】を信じますか? そう聞かれたら私は『いいえ!』『No!』と答える。 だって・・・そうでしょ? ジュリアーノ王太子の(名目上の)父親である若かりし頃の陛下曰く「私と彼女は真実の愛で結ばれている」という何が何だか訳の分からない理屈で、婚約者だった大臣の姫ではなく平民の女を妃にしたのよ!? それだけではない。 何と平民から王妃になった女は庭師と不倫して不義の子を儲け、その不義の子ことジュリアーノは陛下が側室にも成れない身分の低い女が産んだ息子のユーリアを後宮に入れて妃のように扱っているのよーーーっ!!! 私とジュリアーノの結婚は王太子の後見になって欲しいと陛下から土下座をされてまで請われたもの。 それなのに・・・ジュリアーノは私を後宮の片隅に追いやりユーリアと毎晩「アッー!」をしている。 しかも! ジュリアーノはユーリアと「アッー!」をするにしてもベルフィーネという存在が邪魔という理由だけで、正式な王太子妃である私を車裂きの刑にしやがるのよ!!! マジかーーーっ!!! 前世は腐女子であるが会社では働く女性向けの商品開発に携わっていた私は【夢色の恋人達】というBLゲームの、悪役と位置づけられている王太子妃のベルフィーネに転生していたのよーーーっ!!! 思い付きで書いたので、ガバガバ設定+矛盾がある+ご都合主義。 世界観、建築物や衣装等は古代ギリシャ・ローマ神話、古代バビロニアをベースにしたファンタジー、ベルフィーネの一人称は『私』と書いて『わたくし』です。

お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます

菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。 嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。 「居なくていいなら、出ていこう」 この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし

妻からの手紙~18年の後悔を添えて~

Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。 妻が死んで18年目の今日。 息子の誕生日。 「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」 息子は…17年前に死んだ。 手紙はもう一通あった。 俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。 ------------------------------

国外追放だ!と言われたので従ってみた

れぷ
ファンタジー
 良いの?君達死ぬよ?

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

一家処刑?!まっぴらごめんですわ!!~悪役令嬢(予定)の娘といじわる(予定)な継母と馬鹿(現在進行形)な夫

むぎてん
ファンタジー
夫が隠し子のチェルシーを引き取った日。「お花畑のチェルシー」という前世で読んだ小説の中に転生していると気付いた妻マーサ。 この物語、主人公のチェルシーは悪役令嬢だ。 最後は華麗な「ざまあ」の末に一家全員の処刑で幕を閉じるバッドエンド‥‥‥なんて、まっぴら御免ですわ!絶対に阻止して幸せになって見せましょう!! 悪役令嬢(予定)の娘と、意地悪(予定)な継母と、馬鹿(現在進行形)な夫。3人の登場人物がそれぞれの愛の形、家族の形を確認し幸せになるお話です。

【完結】兄の事を皆が期待していたので僕は離れます

まりぃべる
ファンタジー
一つ年上の兄は、国の為にと言われて意気揚々と村を離れた。お伽話にある、奇跡の聖人だと幼き頃より誰からも言われていた為、それは必然だと。 貧しい村で育った弟は、小さな頃より家の事を兄の分までせねばならず、兄は素晴らしい人物で対して自分は凡人であると思い込まされ、自分は必要ないのだからと弟は村を離れる事にした。 そんな弟が、自分を必要としてくれる人に会い、幸せを掴むお話。 ☆まりぃべるの世界観です。緩い設定で、現実世界とは違う部分も多々ありますがそこをあえて楽しんでいただけると幸いです。 ☆現実世界にも同じような名前、地名、言葉などがありますが、関係ありません。

処理中です...