大丈夫だよ おばあちゃん

大丈夫だよ おばあちゃん

葵ちゃんが
「無視しちゃってごめんね、もうしないから」
と話しかけてきた、他の子達も同様の事を言いに来た。
体の大きい山川君が
「これから、いじめっ子とか居たらみんなで倒そうぜ」と、みんなに呼びかけた。
五人の男の子が勇敢な声で呼応し、
「悪者はみんなで協力して倒す」という意識が、
みんなに芽生えていくのが分かった。
山川君が呼応した五人に
「あいつらに、次いじめとかしたら全員でぶっ飛ばしてやるって言いに行こうぜ」と声をかけ、
まだ泣きじゃくっている、いじめっ子達の所に向かった、その時、山川君が目の前に来て、
私の目を真剣な目で、真っ直ぐ見つめて
「助けなくてごめんな、これからお前にひどい事する奴が居たら、すぐ言え、みんなでぶっ飛ばしてやるから」と言ってくれた。
この山川君の言葉を聞いた瞬間、全身熱くなって、
「ホワッ」と浮くような感覚になった事は今でも忘れない。
真っ直ぐ見つめて、全身を安心感で包んでくれた。
好きになった衝撃で、
正確な時間は覚えてないが、
この後私は二時間以上は、
こんなに音がして大丈夫かなと思う程、
心臓の音が、山川君の事を考えると共に高まり、
山川君の事を考えているのが、なぜか、
急に叫んで逃げ出したくなる程、恥ずかしくなり、
考えるのを止めようとするが、出来なくて、
余計に堪らなくなるという事を繰り返した。
山川君に呼応した五人の男の子も
「ごめんな」「もう、させねえから」などと
言ってくれたが、殆ど認識できていなかった。