るくNote（るくのおと）

無問題

無問題②健康診断

　健康診断に行ってきた。振り返れば、この5年間、毎年違うところで健康診断を受けている。詳細は控えるが――理由を端的に述べるなら、「加入している健康保険組合が違うから」かな。
　で、この直近３年間は、同じ健保（健康保険組合）に入っていて、そこはファンタジー界でいうギルドのようなもの？呉越同舟みたいな感じで、同業者は、そこに加入できるのかな？多分。何故って、健保主催の運動会は、会社ごとにテントが立ち並ぶと聞いたから。楽しそうだね。行く気ないけど。
　そう、で、この健保の提携しているクリニックで年に一回、健康診断が受けられるのだが、提携先が多く、リストから選び放題。と思いきや、春先に電話しても、秋以降しかとれなかったりして、タイミングが難しい。初年度は、リストアップした中から順番に電話し、三軒目で決めた。初めての土地だったので、当日、スマホの地図アプリを使ったら逆に道に迷い、通行人にスマホを渡して調べてもらった。あざっす！
　次年度は、職場の人たちから情報を得て、自宅から歩いて行けるところにした。楽ではあった。だが、今年度は、違うところにしようと思い、初年度、二番目にあたったところに電話したら、予約が取れたので、行ってきた。ちなみに、次年度のところの何が嫌だったのかって？だって、マンモ（マンモグラフィー）だったんだもん。電話も繋がりにくいし、問診のじーちゃん先生、終わってるし……。喫茶店のモーニング無料券もらったくらいでは、納得しない。
　健康診断で瑠紅を震え上がらせる三大メニューは、マンモグラフィー、採血、胃部X線撮影である。マンモグラフィーは、乳房のレントゲン検査のことだが、乳房を透明の板で上下から押さえ込んでイカせんべいみたいに伸して撮影する。乳房をひっぱられ、ぺたんこにされるだけならまだしも、装置を抱え込むようにして顎を上げ、一定の方向を見ないといけない。これが、首に負担が掛かって、辛い。それをこらえて、無事、撮影が終わり、やれやれと思って部屋を出たら、呼び止められ、「上手く写っていなかったからもう一度」と言われた時の衝撃は、トラウマとまでは行かないが、記憶から生涯、消えないであろうレベルだ。が、世の中には、これではなく、追加料金なしでエコー（超音波エコー診断）を選択できるクリニックがある。
　初年度のクリニックで、それを知った瑠紅は、次年度のクリニックがマンモで、やっぱり嫌だったため、今年度は、エコーが選択できるところにした。初年度のところにしなかったのは、新しいところを開拓したかったからかな。だって、初年度のところは、混んでいて、各検査部屋の前での待ち時間も長かったしね。最後に、ジュースがもらえたけど、それくらいでは、瑠紅の心は動かない。
　で、今年度のところで受けたエコー検査はといえば……適温に温められたゼリーが、気持ちよかった。また、やたら「きれいですね」（注：呼吸音の話）を連発する愛想の良い女性医師に触診と聴診を、内診も人柄の良さを感じる女性医師にしてもらい、不快感を覚えることなく終わった。
　次に、瑠紅の苦手な採血だが、いつもベッドに横たわってしてもらう。今回も、そうだったが、サクッと採血されて、嫌な思いは、しなかった。そして、そして、最大のイベント、胃部X線撮影に至っては―――、超苦手なバリウムの香りが選べるということに驚き（瑠紅は、オレンジにした）、その量も少なめで、検査台で体位を変えるのも頻繁ではなく、ストレス無く終わった。あとは、お土産だが……何がもらえるのか期待して待っていたら、手渡されたのは、下剤と受診者向けのチラシ一枚だけ。あら？
　でも、よく考えたら、健康診断にジュースやら食事券やら、期待する方がおかしいよね。ということで、何もおまけはなかったが、無問題もうまんたい。来年も、予約の際、今年度のところを一番にあたることだろう。