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10年前の事件
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10年前、俺は刺され瀕死の状態だったと医師から聞いた。何故俺はとどめを刺されなかったのか…いや…とどめを刺されなかった訳じゃない…先生達には黙っているが俺は刺された時の記憶は少し残っている。背中を刺され激痛が走った後、喉を切られてる。息をするのが苦しくてもがいた記憶がある。本当なら即死か生きれても数分…おかしいのは俺の本体を見た時、首に傷が無かったこと。記憶違いな訳が無い、でもそこからの記憶が無く気がついたら病院のベッドだった。あの後誰かが俺を助けない限り生存は難しいはずだ。たとえ誰かが助けてくれたとしても手遅れになっていてもおかしくないのだ。そしてもう1つ分からない事が有る。あの事件から10年経ってるのに俺は10年前の姿のままだ…歳をとってない。当時26歳の俺は本当なら36歳になってるはず…それなのにあの当時のまま…俺だけ時間が止まったように思えてならない。とりあえずは真尋も眠ったようだし先生に報告しに行かないとだな…遅くなっちまった。それに聞きたい事も有る…
「先生、今日はちょっと遅くなったけど報告には来たぞ」
文字で伝えるのは面倒だな…
「来たね、零くん、調子はどうだ?何か変化は無いか?」
「ああ、特には…先生に聞きたいことあるんだけど」
「何だい?」
「俺がここに運ばれてきた時俺の首に切られたよう深い傷は無かったか?それと…俺は当時のまま歳とって無いんだけど何故か分かる?」
「はぁ……やっぱり気付くよな?」
「何か知ってるのか?!」
「まだ黙ってるようにあいつには言われてるんだけどな…自分で色々整理ついてきたんなら話さないとだな……」
「あいつ…?」
「君をここに連れてきた男だよ、沢北オビト…ある組織の人間でね、まぁ人間でも…無いんだけどね…」
「はあ?人間じゃないって…どういう意味?」
「簡単に言えば不老不死、本人は勿論、死人じゃ無い限り深手を負った人間を不老不死に変える事も出来る。君はここに運ばれる前にオビトによって不老不死にされたって訳だ。」
何だよ…それ…映画か何かかよ…
「だから切られたって言う君の首も刺されたって言う背中も傷あとすら残ってないんだ。」
ちょっと待ってくれ…頭が追いつかねえ…
「信じられないと思う、俺も初めてオビトに会った時は君と同じリアクションだったよ、だけどこれはドラマや映画なんかじゃなく本当の話だ。時間はかかるだろうけど納得してくれないか?」
「そのオビトって人は今何処に?何で俺は目を覚まさない?何故俺に会いに来ない?」
「待て待て!質問多いな今日は…オビトは今10年前に起きたもう1つの事件も追っている。君が目を覚まさないのは俺たちが薬を使って君をあえて眠らせてるからだ、悪いな…君には黙ってて、でもそれは君の安全の為でもあるんだ」
「安全って…」
「君は奴らによって始末された事になっている。その方が安全だろ?それもオビトに頼まれてやっている。」
「10年前のもう1つの事件って何だよ」
「10年前殺されたのは真尋君の両親だけじゃない、後2人殺されている…真尋君と同じ歳の男の子の両親だよ」
どういう事だ…恭二さんと奥さんだけじゃ無いって…真尋と同じ歳の男の子…?
「その男の子はどうなった?真尋みたいに里親に育てられてるのか?まさか…そいつらも…?」
「それはまだ分からない、オビトとはここ1週間ほど連絡が取れてないからな、まぁでも恐らくは…と思っている」
嘘だろ…何なんだ、何のためにそんな残酷な事を…ただのサイコパスじゃないのか?それに俺はもう人間でも無いって…色々あり過ぎて思考が追いつかねえ…
「あの事件からもう10年経つんだ、何で10年も眠らされてた?どうして早く事件を解決しない?!」
「それは…オビトの調べた結果らしいが真尋君が17歳そしてもう1人の少年も同じく17歳になった時事が動くとの事だよ、それがどういう意味なのかまでは俺には分からんがな…」
「それまで泳がせてたって事かよ?悪魔みたいな奴らの事を真尋は慕ってるんだぞ!」
「オビト達が長年追っている事件との関わりもあるらしい…それに何も真尋君を放ったらかしにしていた訳じゃ無いぞ、ちゃんと敵さんにバレないように護衛もつけてる、今もだ」
「見張らせてるって事か…?」
俺があんなに傍に居たのに全く気付かなかった
オビトって一体どんな奴なんだ…
「ああ、この10年毎日交代で見張りをつけてるな…オビトの仲間はみんな手だればかりだ、だから少しで良い信用してやれ…」
「………又明日報告に来る」
「分かった…気をつけろよ」
真尋の他にも居たんだな、同じように両親を殺され、殺したかもしれない奴らを父親や母親として慕ってる…何も知らずに…許せねえ
俺は暫くこのままの方が都合が良いかもしれない敵に姿が見えない分動きやすい。絶対に真尋は守る俺が…
「先生、今日はちょっと遅くなったけど報告には来たぞ」
文字で伝えるのは面倒だな…
「来たね、零くん、調子はどうだ?何か変化は無いか?」
「ああ、特には…先生に聞きたいことあるんだけど」
「何だい?」
「俺がここに運ばれてきた時俺の首に切られたよう深い傷は無かったか?それと…俺は当時のまま歳とって無いんだけど何故か分かる?」
「はぁ……やっぱり気付くよな?」
「何か知ってるのか?!」
「まだ黙ってるようにあいつには言われてるんだけどな…自分で色々整理ついてきたんなら話さないとだな……」
「あいつ…?」
「君をここに連れてきた男だよ、沢北オビト…ある組織の人間でね、まぁ人間でも…無いんだけどね…」
「はあ?人間じゃないって…どういう意味?」
「簡単に言えば不老不死、本人は勿論、死人じゃ無い限り深手を負った人間を不老不死に変える事も出来る。君はここに運ばれる前にオビトによって不老不死にされたって訳だ。」
何だよ…それ…映画か何かかよ…
「だから切られたって言う君の首も刺されたって言う背中も傷あとすら残ってないんだ。」
ちょっと待ってくれ…頭が追いつかねえ…
「信じられないと思う、俺も初めてオビトに会った時は君と同じリアクションだったよ、だけどこれはドラマや映画なんかじゃなく本当の話だ。時間はかかるだろうけど納得してくれないか?」
「そのオビトって人は今何処に?何で俺は目を覚まさない?何故俺に会いに来ない?」
「待て待て!質問多いな今日は…オビトは今10年前に起きたもう1つの事件も追っている。君が目を覚まさないのは俺たちが薬を使って君をあえて眠らせてるからだ、悪いな…君には黙ってて、でもそれは君の安全の為でもあるんだ」
「安全って…」
「君は奴らによって始末された事になっている。その方が安全だろ?それもオビトに頼まれてやっている。」
「10年前のもう1つの事件って何だよ」
「10年前殺されたのは真尋君の両親だけじゃない、後2人殺されている…真尋君と同じ歳の男の子の両親だよ」
どういう事だ…恭二さんと奥さんだけじゃ無いって…真尋と同じ歳の男の子…?
「その男の子はどうなった?真尋みたいに里親に育てられてるのか?まさか…そいつらも…?」
「それはまだ分からない、オビトとはここ1週間ほど連絡が取れてないからな、まぁでも恐らくは…と思っている」
嘘だろ…何なんだ、何のためにそんな残酷な事を…ただのサイコパスじゃないのか?それに俺はもう人間でも無いって…色々あり過ぎて思考が追いつかねえ…
「あの事件からもう10年経つんだ、何で10年も眠らされてた?どうして早く事件を解決しない?!」
「それは…オビトの調べた結果らしいが真尋君が17歳そしてもう1人の少年も同じく17歳になった時事が動くとの事だよ、それがどういう意味なのかまでは俺には分からんがな…」
「それまで泳がせてたって事かよ?悪魔みたいな奴らの事を真尋は慕ってるんだぞ!」
「オビト達が長年追っている事件との関わりもあるらしい…それに何も真尋君を放ったらかしにしていた訳じゃ無いぞ、ちゃんと敵さんにバレないように護衛もつけてる、今もだ」
「見張らせてるって事か…?」
俺があんなに傍に居たのに全く気付かなかった
オビトって一体どんな奴なんだ…
「ああ、この10年毎日交代で見張りをつけてるな…オビトの仲間はみんな手だればかりだ、だから少しで良い信用してやれ…」
「………又明日報告に来る」
「分かった…気をつけろよ」
真尋の他にも居たんだな、同じように両親を殺され、殺したかもしれない奴らを父親や母親として慕ってる…何も知らずに…許せねえ
俺は暫くこのままの方が都合が良いかもしれない敵に姿が見えない分動きやすい。絶対に真尋は守る俺が…
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