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逃走
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真尋にあんな事してから1週間経つのにまだまともに話出来てないな…話どころか顔も見れない…親友で居て欲しいなんて言われてもやっぱ気まずさしか無いな…真尋の気持ちも考えないで理性吹っ飛ばした俺が悪いんだけど…どうすっかな…
何処までも追って来る…このままじゃ追いつかれてあの人達の所に連れ戻されちゃう…
ドン!
「い…痛っ」
「あ…いたた……悪い大丈夫か?ちょっとぼーっとして歩いてて君に気づかなかった…」
「う…うん、こっちこそごめんなさい、いきなり飛び出したの僕の方だから…」
「あっ!手怪我してる…結構擦りむいてるな、俺の家まで来てくれないか?救急箱あるから手当するよ」
「だ、大丈夫だよ、これくらい」
「駄目だって!バイ菌入っても駄目だし、傷残っても困るだろ?」
あー久しぶりにまともな人間と喋ってる気がする…あの人達から逃げ出して3日になるけど周りの人間がみんな怖い人なんじゃ無いかって凄く怖かった…怖くて怖くて…
「お、おい!泣いてるのか?!そんなに痛むのか?おぶって行こうか?」
「ごめん…痛くないよ、そうじゃないんだ…」
「そうじゃない?まあ良い!俺の家まで歩けるか?とりあえず手当てしよう」
「うん、分かった、ありがとう」
「これで良い、消毒もしたし、絆創膏も貼ったよ……それでどうしたんだ?凄く急いでる感じだし、それに…何か怯えてる?」
「言ってもきっと信用して貰えない…だからもう行くよ…手当てしてくれて有難う…」
「何で信用されないって思うんだ?何か事情があるんだろ?話してみろよ、聞くぐらいなら良いだろ?君が嘘つくようには見えないし…」
「……逃げてきたんだ……僕を10年間育ててくれた血は繋がってないけど施設に居た僕を引き取って今まで大事に育ててくれた父さんと母さんから…逃げてる……」
「育ての親から…?どうして?喧嘩とかじゃ無いよな…そんな感じでは無い」
「あの二人は僕が17歳になるのを待ってたんだ…あのお方とやらに食わせる為に…」
「食わせる?!…どういう事?まさかそんな事……」
「ほら、信じない…そうやって誰にも信じて貰えず家出したと思われて、見つかったらあの人達の元に送り届けられて…終わりだよ」
「終わりって……」
「僕が食われて終わり」
「分かった…何故そう思ったのかを聞く前に名前聞いて良い?俺は木戸咲夜だ!君は?」
「僕は川上美麗…もう川上は名乗りたくないから死んだ父さんと母さんの苗字で良い?本当の苗字は黒川だよ」
「美麗か綺麗な名前だな美麗って呼んで良いか?俺の事は咲夜で良いぞ…それで…食われるって思ったのは何でだ?」
「2人が話してるのを聞いたからだよ…2人は僕がまだ学校から帰ってないって思ってたみたいだけど、その日は体調も悪くて学校を早退したんだよ」
「それで?」
「2人とも共働きだから母さんが帰ってくるのは18時で父さんは20時頃、昼間に2人が家に居る事なんて無いと思ってた…でもその日は2人が居て寝室で何か話してるみたいだった」
「そこに美麗が帰ってきたんだな?」
「うん、でも僕が帰った事に2人は気付いてなかったんだ、寝室から聞いた事ない罵声が聞こえて来たんだ…夫婦喧嘩なんてした事無かったから驚いてドアのそばまで気づかれないように行ったんだ…そしたら…僕の…僕の親友を…アイツらは…」
「親友?」
「ケンジを殺して空き地に放置した!あの二人はその事で言い争いしてたんだ!」
「えっと…待ってくれ…頭が追いつかねえ…」
「ケンジは僕が施設から今の家に来た時に初めて出来た友達でいつも一緒に遊んでた…あの日もケンジは僕と一緒に僕の部屋でゲームしてたんだ…でもあの日は少しケンジの様子が変だった…」
「変?」
「うん、ケンジが急に…キスしてきた…」
「キス……?」
「ケンジの目が凄く真剣で苦しそうで……僕はケンジを突き放す事も出来ずに受け入れたんだ…親友なのに…そこに母さんが入ってきてキスしてる所を見られて…すぐに引き離された…」
「それでどうなったんだ?」
「僕は次の日学校に行くとケンジは休んでてケンジの家に寄ったらケンジのお母さんが出てきて昨日の夜から戻ってないって…捜索願いを出して探してるんだって…僕もすぐにケンジを探しに行ったよ…それで見つけたんだ2人しか知らない秘密基地だって小さい頃遊んでた空き地にケンジは居た…2人で集めた椅子とかテーブルがそのまま残ってて懐かしかった…その椅子にケンジは座ってた…自分の頭をボールを持つみたいに両手で持ってたんだ…」
「はあ?自分の首を…?」
「僕は目の前が真っ暗になってそのまま気を失った…」
「一体…誰がそんなむごい事を…」
「ひと月経っても僕はあの日の光景を忘れられずずっと体調も崩したままだった、そして早退したあの日2人が話してるのを聞いてしまったんだ…父さんが母さんにあまり目立った殺し方をするなって…そしたら母さんがこれまで傷1つつけずに育ててやったのに、あんなガキとキスなんて!あのお方に綺麗な体でお渡しし食して頂かないとって……」
「マジかよ…」
「この10年はあの方とやらに渡す為の餌を育ててたって事なんだ…10年もあの二人を親のように思っていたのに…俺の親友をあんなむごいやり方で…すぐに逃げ出そうと思ったけどケンジを殺した証拠を見つけたくてしばらくは気づいてない振りをして過ごしてた…」
「嘘だろ…!」
そんな怖い思いをしてその場所に居続けるなんて普通じゃできねーだろ…そこまでケンジって奴の事が…
「あの二人が出掛けたのを見計らって寝室を調べようと部屋に入ったんだけど…そこで寝ている形跡が無かったんだ、服も1、2枚置いてあるだけでクローゼットの中もガラッとしてた荷物が無いんだ…おかしいだろ?あの二人は食事の時だけこの家に居たとしか思えない、後は仕事と夜中は家を出て行ってたんだ…多分…夫婦じゃないと思う」
「分かった…美麗を信じるよ、これからどうする?もう家を出てきたんだろ?証拠は見つけたのか?」
「証拠は何も無いのが証拠だよ、生活の痕跡が無い事…でもそれだけで殺人の証拠にはならないけど、それでも僕がもう少しで殺される事は確かなようだから逃げて来たんだ…僕が死んだら仇を取れないから…」
「仇って…そんな危ない事するな!誰か信用できる大人を味方に出来れば…」
「咲夜君には迷惑かけないよ、もう自分のせいで誰も死んで欲しくない!」
「駄目だ!俺が何とかするから…とりあえずは俺の両親に…いや全部言うのは駄目だから俺が何か理由考えてここに居れるようにしてやる!だから1人でどうにかしようとか考えるな! 」
このまま美麗を出ていかせる訳には行かない、こんな話を聞いてほっとけないし、でも父さんと母さんには殺人の事は黙っておこう…でも美麗は真尋とよく似た境遇だよな…
「1つ聞きたいんだけど…言いたくなかったらこれ以上は聞かないけど少し気になって…美麗の両親の死の原因って事故か何かか?」
「僕を発見した刑事さんは2人とも寝室で殺されていたって…死体は見せて貰えなかったよ」
それも真尋と同じって事か…まさか…
「ごめんな、辛いこと思い出させて」
偶然なのか…?真尋と同じ歳で両親が誰かに殺害されて施設に送られ、親戚では無い誰かに引き取られた…とにかく美麗は守ってやらないと真尋にも聞いてみないとだな…
何処までも追って来る…このままじゃ追いつかれてあの人達の所に連れ戻されちゃう…
ドン!
「い…痛っ」
「あ…いたた……悪い大丈夫か?ちょっとぼーっとして歩いてて君に気づかなかった…」
「う…うん、こっちこそごめんなさい、いきなり飛び出したの僕の方だから…」
「あっ!手怪我してる…結構擦りむいてるな、俺の家まで来てくれないか?救急箱あるから手当するよ」
「だ、大丈夫だよ、これくらい」
「駄目だって!バイ菌入っても駄目だし、傷残っても困るだろ?」
あー久しぶりにまともな人間と喋ってる気がする…あの人達から逃げ出して3日になるけど周りの人間がみんな怖い人なんじゃ無いかって凄く怖かった…怖くて怖くて…
「お、おい!泣いてるのか?!そんなに痛むのか?おぶって行こうか?」
「ごめん…痛くないよ、そうじゃないんだ…」
「そうじゃない?まあ良い!俺の家まで歩けるか?とりあえず手当てしよう」
「うん、分かった、ありがとう」
「これで良い、消毒もしたし、絆創膏も貼ったよ……それでどうしたんだ?凄く急いでる感じだし、それに…何か怯えてる?」
「言ってもきっと信用して貰えない…だからもう行くよ…手当てしてくれて有難う…」
「何で信用されないって思うんだ?何か事情があるんだろ?話してみろよ、聞くぐらいなら良いだろ?君が嘘つくようには見えないし…」
「……逃げてきたんだ……僕を10年間育ててくれた血は繋がってないけど施設に居た僕を引き取って今まで大事に育ててくれた父さんと母さんから…逃げてる……」
「育ての親から…?どうして?喧嘩とかじゃ無いよな…そんな感じでは無い」
「あの二人は僕が17歳になるのを待ってたんだ…あのお方とやらに食わせる為に…」
「食わせる?!…どういう事?まさかそんな事……」
「ほら、信じない…そうやって誰にも信じて貰えず家出したと思われて、見つかったらあの人達の元に送り届けられて…終わりだよ」
「終わりって……」
「僕が食われて終わり」
「分かった…何故そう思ったのかを聞く前に名前聞いて良い?俺は木戸咲夜だ!君は?」
「僕は川上美麗…もう川上は名乗りたくないから死んだ父さんと母さんの苗字で良い?本当の苗字は黒川だよ」
「美麗か綺麗な名前だな美麗って呼んで良いか?俺の事は咲夜で良いぞ…それで…食われるって思ったのは何でだ?」
「2人が話してるのを聞いたからだよ…2人は僕がまだ学校から帰ってないって思ってたみたいだけど、その日は体調も悪くて学校を早退したんだよ」
「それで?」
「2人とも共働きだから母さんが帰ってくるのは18時で父さんは20時頃、昼間に2人が家に居る事なんて無いと思ってた…でもその日は2人が居て寝室で何か話してるみたいだった」
「そこに美麗が帰ってきたんだな?」
「うん、でも僕が帰った事に2人は気付いてなかったんだ、寝室から聞いた事ない罵声が聞こえて来たんだ…夫婦喧嘩なんてした事無かったから驚いてドアのそばまで気づかれないように行ったんだ…そしたら…僕の…僕の親友を…アイツらは…」
「親友?」
「ケンジを殺して空き地に放置した!あの二人はその事で言い争いしてたんだ!」
「えっと…待ってくれ…頭が追いつかねえ…」
「ケンジは僕が施設から今の家に来た時に初めて出来た友達でいつも一緒に遊んでた…あの日もケンジは僕と一緒に僕の部屋でゲームしてたんだ…でもあの日は少しケンジの様子が変だった…」
「変?」
「うん、ケンジが急に…キスしてきた…」
「キス……?」
「ケンジの目が凄く真剣で苦しそうで……僕はケンジを突き放す事も出来ずに受け入れたんだ…親友なのに…そこに母さんが入ってきてキスしてる所を見られて…すぐに引き離された…」
「それでどうなったんだ?」
「僕は次の日学校に行くとケンジは休んでてケンジの家に寄ったらケンジのお母さんが出てきて昨日の夜から戻ってないって…捜索願いを出して探してるんだって…僕もすぐにケンジを探しに行ったよ…それで見つけたんだ2人しか知らない秘密基地だって小さい頃遊んでた空き地にケンジは居た…2人で集めた椅子とかテーブルがそのまま残ってて懐かしかった…その椅子にケンジは座ってた…自分の頭をボールを持つみたいに両手で持ってたんだ…」
「はあ?自分の首を…?」
「僕は目の前が真っ暗になってそのまま気を失った…」
「一体…誰がそんなむごい事を…」
「ひと月経っても僕はあの日の光景を忘れられずずっと体調も崩したままだった、そして早退したあの日2人が話してるのを聞いてしまったんだ…父さんが母さんにあまり目立った殺し方をするなって…そしたら母さんがこれまで傷1つつけずに育ててやったのに、あんなガキとキスなんて!あのお方に綺麗な体でお渡しし食して頂かないとって……」
「マジかよ…」
「この10年はあの方とやらに渡す為の餌を育ててたって事なんだ…10年もあの二人を親のように思っていたのに…俺の親友をあんなむごいやり方で…すぐに逃げ出そうと思ったけどケンジを殺した証拠を見つけたくてしばらくは気づいてない振りをして過ごしてた…」
「嘘だろ…!」
そんな怖い思いをしてその場所に居続けるなんて普通じゃできねーだろ…そこまでケンジって奴の事が…
「あの二人が出掛けたのを見計らって寝室を調べようと部屋に入ったんだけど…そこで寝ている形跡が無かったんだ、服も1、2枚置いてあるだけでクローゼットの中もガラッとしてた荷物が無いんだ…おかしいだろ?あの二人は食事の時だけこの家に居たとしか思えない、後は仕事と夜中は家を出て行ってたんだ…多分…夫婦じゃないと思う」
「分かった…美麗を信じるよ、これからどうする?もう家を出てきたんだろ?証拠は見つけたのか?」
「証拠は何も無いのが証拠だよ、生活の痕跡が無い事…でもそれだけで殺人の証拠にはならないけど、それでも僕がもう少しで殺される事は確かなようだから逃げて来たんだ…僕が死んだら仇を取れないから…」
「仇って…そんな危ない事するな!誰か信用できる大人を味方に出来れば…」
「咲夜君には迷惑かけないよ、もう自分のせいで誰も死んで欲しくない!」
「駄目だ!俺が何とかするから…とりあえずは俺の両親に…いや全部言うのは駄目だから俺が何か理由考えてここに居れるようにしてやる!だから1人でどうにかしようとか考えるな! 」
このまま美麗を出ていかせる訳には行かない、こんな話を聞いてほっとけないし、でも父さんと母さんには殺人の事は黙っておこう…でも美麗は真尋とよく似た境遇だよな…
「1つ聞きたいんだけど…言いたくなかったらこれ以上は聞かないけど少し気になって…美麗の両親の死の原因って事故か何かか?」
「僕を発見した刑事さんは2人とも寝室で殺されていたって…死体は見せて貰えなかったよ」
それも真尋と同じって事か…まさか…
「ごめんな、辛いこと思い出させて」
偶然なのか…?真尋と同じ歳で両親が誰かに殺害されて施設に送られ、親戚では無い誰かに引き取られた…とにかく美麗は守ってやらないと真尋にも聞いてみないとだな…
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