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1「俺は金なんて欲しくねぇの!レオさんのセックスが欲しかったの!」
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俺は、その日誰よりも浮かれていたと自負している。なぜなら…あの、あの…人気俳優に抱かれるビッグチャンスだからだ。
東京一等地の看板もないダイニングバー。
入るとアイランドキッチンでシェフがお辞儀をし、真ん中にはデカイテーブルを囲うL字ソファ2つが置かれていた。
もう数人が疎らに来ているようで、そわそわとおめかしをするオメガ達が妙に痛々しい。
そう、俺は……有名俳優の集まる飲み会に呼ばれていた。主催したのは一世を風靡する芸人で、俺は頑張って仕入れたツテで、どうにか繋がれた…下心満載の俳優ファン。
全員が集まる と、人数は芸能人が十人、呼ばれたオメガが十人といったところか。
芸能人達の間に、俺達が座らせられ…普段から気を張っている演者さん達のヤレる合コンという雰囲気を、まざまざと感じる。
俺の狙いは、絶対に絶対にレオさん。
最近では舞台上がりながら、クズな間男としてドラマ出演や映画も決まっているという有名俳優だ。
ちらりと周りを見渡すと、もっと有名な俳優がゴロゴロいるようで…特に、事務所の社長と俳優を兼任する荒木という男の周りには、遠くからでも話しかけようと画策するオメガ達の姿があった。
俺は、すぐにレオさんの隣を陣取ると太ももに手を置く。相手も満更ではないようで、その手を握り返してくれる。
すぐに運ばれた大量の酒や料理達を頬張りながら、俺はレオさんに対する賛美を語った。
あくまで…過激なファンだとは思われない程度かつ、作品を見て素敵だと思った事はしっかりと伝える。
今日はこれからレオさんに抱いて貰えるかもしれないと思うと、今にも勃起しそうだ。
飲み会は盛り上がり、大体誰がどのオメガと帰るのかが決まってきたようで、二人のペアが出来つつある。
だが、あの社長さんのせいで諦めきれないオメガ達がペアを作ろうとしない。
社長さんからしたら、接待の意味合いが強い飲み会だろうに…選ばれていないアルファ達がつまらなそうにしている。
「えーっと、じゃあ時間も時間ですし…荒木社長には一番可愛かった子、決めてもろてもええですか?」
主催の芸人さんが助け舟を出し、自然な形で社長のお持ち帰り相手を選ばせる流れになった。
そうだ、早く俺とレオさんを帰らせろ……と思っていたのも束の間。
「あいつ……」
その整った顔の社長が指を指したのは、対角線上にいる訳でもない…俺の様な気がした。
隣のオメガか……?と困惑していると、社長がまた口を開く。
「そこの、黒と金の…長髪の彼だ」
隣のオメガを見るが茶髪、ぐるりと見渡しても……そんなアホみたいな可愛いロン毛は俺だけだ。
「っえええ…!」
レオさんをちらりと見たが、残念……と眉毛を下げ、溢れたオメガの隣に移動する。
芸人がニヤニヤと笑いながら俺に手招きをして、そのまま入口まで呼びつけた。
「いや~良かった、社長はこういう生意気げなのが好きとは、はい、これタク代」
手に握らされた三万を持ったまま…俺は憤る…あの社長に興味は無いし…レオさんの事が好きだから来たというのに。
だが、ぴったりと折り目の付いたスラックスがコツコツと階段を上がってきて…初めて近くで見る、荒木という俳優の姿に息を飲む。
整っているのはもちろん、立ち振る舞いからスーツの足先まで…全てが凛とオーラを放っている。
「……あの!」
「……ああ、君か。車代を渡す、もう遅いから帰りなさい」
俺の頭に困惑が占めた…レオさんから俺を引き離した挙句、帰れとはあまりに冗談がすぎる。
「は?」
俺は今日、遊ぶ気満々でどれだけ着飾って来たと思ってるのだろう…何よりも、見向きもしないのなら、なぜレオさんと帰らせてくれなかったのだ。
「だから、帰りなさい」
「……っはぁ~~?なんで俺を選んだんだよ!俺はレオさんに会う為だけに…どれだけ頑張ったと思って……」
帰りたさそうにそわそわしている、社長のその手を掴むと恨み言をぶつけた。
「っ、離せ……こんな所、誰かに見られたらどうする!」
「だーから、なんで俺を選んだの?お前が余計な事言わなきゃ俺は今頃レオさんと……」
「…レオは私の事務所だ、レオと仲良くしていた君を選べば角が立たないだろうと……」
そんな理由の為に、俺の努力は水泡と化した?
「ふーざけんなーーー!レオさんとセックスする為に、俺は!」
俺は社長の手を掴みあげ叫ぶと、流石に上品な見た目の通行人たちもこちらを見ている。
「…本当に黙ってくれ…金ならやる」
「俺は金なんて欲しくねえの!レオさんのセックスが欲しかったの!」
とうとう痺れを切らしたのか、社長は俺の手を引いて歩き始め…その辺のタクシーに乗り込むと急いでドアを閉めさせた。
「…っはぁ…たく……私だって、健全なイメージの為にどれだけ気を張っていると思っている……」
とりあえず走ってくれ…と運転手に言うと、運転手は怪訝そうにアクセルを踏んだ。
「じゃあ来なきゃいいじゃん、あんな明らかセックス相手探す為の飲み会」
「付き合いだよ……芸能人は、どちらも必要なんだ、健全さも……裏の顔も。……で?君の望みはなんだ?レオは呼んでやれないぞ」
そんなに嫌そうにするのなら、俺をタクシーから叩き出せばいいのに…と思った俺に降ってくる天啓。
そうか、俺をタクシーから叩きだせばこの男の嫌う醜聞に繋がるかもしれないからある程度リターンを与えてから精算したいのか…と納得した。
レオさんとセックス出来なくなった今、別に望む事はない。だが今、ある意味での弱みを握っているのは俺なのだから、何か求めないともったいない気もした。
「ん~じゃあ社長ん家、一晩泊めて」
社長は、嫌そうに俺を見る。
「…はぁ、何故?!ホテルに泊まればいいだろ」
「俺、体質で一人じゃ寝られないし…もう深夜だぜ?誰も今から掴まんねーよ、本当はレオさんと寝るつもりだったのに、お前が邪魔したんだから責任取れよ~」
今自分に一番都合のいい願いを選んだのだが、社長にとっては心底都合が悪い様で、わなわなと震えた。
別に俺はこの人の家の住所など、さらさら興味が無いが、それが懸念点の様でぶつぶつと悩んでいる。
「……分かった、どうせ熱狂的なファンは私のマンションを知っているし、私がいないとエントランスにも入れない最高級マンションだから…別にデメリットは少ないだろう。その代わり、絶対にセックスはしないし、なるべく話しかけるな、触るな」
何様のつもりだ、と言いたがったがもう関わり合いになりたくないのは俺も同じだったので、はいはいと軽く受け流した。
タクシーに目的地を伝えると、着いたのはより一等地に建つ高層マンションだった。
流石、社長で有名俳優ともなれば段違いの所に住んでいるらしい。エントランスも仰々しく…住民の後ろに付いてそそくさと入る…などとセコい事は出来ない作りだ。
「部屋番号を記憶するな」
「無理言うなよ」
言わなきゃすぐに忘れるのに、余計な事を言ったせいで入る時につい目に入れてしまう、それでもすぐに忘れるだろうけど。
中は想像通り広く……一番驚いたのは、同じ女の写真が所狭しと飾ってある事だった。
どれも…先程まで仏頂面だった荒木の印象とは大きく違う、楽しげに観光地を回る写真たち。
「彼女?」
ダイニングテーブルに座らせられ、社長は冷蔵庫を何やら漁り飲み物を用意している様だ。
「……婚約者、来年には結婚する」
「へ~なんか悪いな、オメガの俺を部屋に入れさせちゃって…しかも、何枚飾ってんだよ、どれだけ好きなの?」
ことり、と置かれたのは水だった。
「写真は、役者を呼んだパーティで気を持たせない様にする為だ。それでも……彼女は、私が付き合いで…誰かと関係を持つ可能性があるのも把握している」
恋人の写真を大量に飾っている事は…少しだけ意外だった。付き合いで身体を重ねるのも、その彼女の為だと言うのなら……芸能界という特殊な環境下では耐えなければいけないのかもしれない。
「んじゃ、風呂借りたら寝るよ。俺誰かと一緒じゃないと寝れないから…くっつかなくてもいいから後で来てよ、本当に寝れないから俺」
嘘をつくなと言われそうだったのでそう、釘を刺す。
そこからはほとんど話す事もなく……風呂に入り、置いてあった部屋着を着させてもらいベッドに寝転んでいたら、少しして男がベッドに入り込んできた。
静寂な暗闇の中、十数分が経つ。
「…てっきり襲われると思っていた」
面倒くさいので無視を決め込む事にした。
むしろ荒木の思考は一般的なのかもしれない、相手は知らない人など居ない俳優、同じベッドに寝転がったらセックスを期待するのだろう。
俺は……セックスに重きはないし…相手が望んでもないのに身体を求める程卑しくもない。
ただ…遠くで香る荒木の匂いは……悪くないな、落ち着く。
そして……そのうちに眠り込んでいたらしく…目を開けばカーテンの隙間からは、朝日が差し込んでいる。
「すっげー綺麗」
隣に転がる、あまりの綺麗な寝顔に少しだけ見とれるが、あんな嫌な奴…思い出にだってキスもしてやらない。そんな強がりを言いたくなるくらい、かっこいい男だ。
五時間程は寝られたらしい、社長は不用心にも俺が起き上がっても眠り込んでいたので、そのまま部屋から出る事にした。
広い部屋、お洒落な家具、俺とはまるで住む世界が違う。あの、荒木と眠る事が出来たなどと誰に言っても信じて貰えないだろう。
さようなら、二度と会う事はない人。
そして多分レオさんとも…会えないんだろうな。
一度社長に持ち帰られたとあっては、レオさんには抱かれる事は出来ないだろう。
東京一等地の看板もないダイニングバー。
入るとアイランドキッチンでシェフがお辞儀をし、真ん中にはデカイテーブルを囲うL字ソファ2つが置かれていた。
もう数人が疎らに来ているようで、そわそわとおめかしをするオメガ達が妙に痛々しい。
そう、俺は……有名俳優の集まる飲み会に呼ばれていた。主催したのは一世を風靡する芸人で、俺は頑張って仕入れたツテで、どうにか繋がれた…下心満載の俳優ファン。
全員が集まる と、人数は芸能人が十人、呼ばれたオメガが十人といったところか。
芸能人達の間に、俺達が座らせられ…普段から気を張っている演者さん達のヤレる合コンという雰囲気を、まざまざと感じる。
俺の狙いは、絶対に絶対にレオさん。
最近では舞台上がりながら、クズな間男としてドラマ出演や映画も決まっているという有名俳優だ。
ちらりと周りを見渡すと、もっと有名な俳優がゴロゴロいるようで…特に、事務所の社長と俳優を兼任する荒木という男の周りには、遠くからでも話しかけようと画策するオメガ達の姿があった。
俺は、すぐにレオさんの隣を陣取ると太ももに手を置く。相手も満更ではないようで、その手を握り返してくれる。
すぐに運ばれた大量の酒や料理達を頬張りながら、俺はレオさんに対する賛美を語った。
あくまで…過激なファンだとは思われない程度かつ、作品を見て素敵だと思った事はしっかりと伝える。
今日はこれからレオさんに抱いて貰えるかもしれないと思うと、今にも勃起しそうだ。
飲み会は盛り上がり、大体誰がどのオメガと帰るのかが決まってきたようで、二人のペアが出来つつある。
だが、あの社長さんのせいで諦めきれないオメガ達がペアを作ろうとしない。
社長さんからしたら、接待の意味合いが強い飲み会だろうに…選ばれていないアルファ達がつまらなそうにしている。
「えーっと、じゃあ時間も時間ですし…荒木社長には一番可愛かった子、決めてもろてもええですか?」
主催の芸人さんが助け舟を出し、自然な形で社長のお持ち帰り相手を選ばせる流れになった。
そうだ、早く俺とレオさんを帰らせろ……と思っていたのも束の間。
「あいつ……」
その整った顔の社長が指を指したのは、対角線上にいる訳でもない…俺の様な気がした。
隣のオメガか……?と困惑していると、社長がまた口を開く。
「そこの、黒と金の…長髪の彼だ」
隣のオメガを見るが茶髪、ぐるりと見渡しても……そんなアホみたいな可愛いロン毛は俺だけだ。
「っえええ…!」
レオさんをちらりと見たが、残念……と眉毛を下げ、溢れたオメガの隣に移動する。
芸人がニヤニヤと笑いながら俺に手招きをして、そのまま入口まで呼びつけた。
「いや~良かった、社長はこういう生意気げなのが好きとは、はい、これタク代」
手に握らされた三万を持ったまま…俺は憤る…あの社長に興味は無いし…レオさんの事が好きだから来たというのに。
だが、ぴったりと折り目の付いたスラックスがコツコツと階段を上がってきて…初めて近くで見る、荒木という俳優の姿に息を飲む。
整っているのはもちろん、立ち振る舞いからスーツの足先まで…全てが凛とオーラを放っている。
「……あの!」
「……ああ、君か。車代を渡す、もう遅いから帰りなさい」
俺の頭に困惑が占めた…レオさんから俺を引き離した挙句、帰れとはあまりに冗談がすぎる。
「は?」
俺は今日、遊ぶ気満々でどれだけ着飾って来たと思ってるのだろう…何よりも、見向きもしないのなら、なぜレオさんと帰らせてくれなかったのだ。
「だから、帰りなさい」
「……っはぁ~~?なんで俺を選んだんだよ!俺はレオさんに会う為だけに…どれだけ頑張ったと思って……」
帰りたさそうにそわそわしている、社長のその手を掴むと恨み言をぶつけた。
「っ、離せ……こんな所、誰かに見られたらどうする!」
「だーから、なんで俺を選んだの?お前が余計な事言わなきゃ俺は今頃レオさんと……」
「…レオは私の事務所だ、レオと仲良くしていた君を選べば角が立たないだろうと……」
そんな理由の為に、俺の努力は水泡と化した?
「ふーざけんなーーー!レオさんとセックスする為に、俺は!」
俺は社長の手を掴みあげ叫ぶと、流石に上品な見た目の通行人たちもこちらを見ている。
「…本当に黙ってくれ…金ならやる」
「俺は金なんて欲しくねえの!レオさんのセックスが欲しかったの!」
とうとう痺れを切らしたのか、社長は俺の手を引いて歩き始め…その辺のタクシーに乗り込むと急いでドアを閉めさせた。
「…っはぁ…たく……私だって、健全なイメージの為にどれだけ気を張っていると思っている……」
とりあえず走ってくれ…と運転手に言うと、運転手は怪訝そうにアクセルを踏んだ。
「じゃあ来なきゃいいじゃん、あんな明らかセックス相手探す為の飲み会」
「付き合いだよ……芸能人は、どちらも必要なんだ、健全さも……裏の顔も。……で?君の望みはなんだ?レオは呼んでやれないぞ」
そんなに嫌そうにするのなら、俺をタクシーから叩き出せばいいのに…と思った俺に降ってくる天啓。
そうか、俺をタクシーから叩きだせばこの男の嫌う醜聞に繋がるかもしれないからある程度リターンを与えてから精算したいのか…と納得した。
レオさんとセックス出来なくなった今、別に望む事はない。だが今、ある意味での弱みを握っているのは俺なのだから、何か求めないともったいない気もした。
「ん~じゃあ社長ん家、一晩泊めて」
社長は、嫌そうに俺を見る。
「…はぁ、何故?!ホテルに泊まればいいだろ」
「俺、体質で一人じゃ寝られないし…もう深夜だぜ?誰も今から掴まんねーよ、本当はレオさんと寝るつもりだったのに、お前が邪魔したんだから責任取れよ~」
今自分に一番都合のいい願いを選んだのだが、社長にとっては心底都合が悪い様で、わなわなと震えた。
別に俺はこの人の家の住所など、さらさら興味が無いが、それが懸念点の様でぶつぶつと悩んでいる。
「……分かった、どうせ熱狂的なファンは私のマンションを知っているし、私がいないとエントランスにも入れない最高級マンションだから…別にデメリットは少ないだろう。その代わり、絶対にセックスはしないし、なるべく話しかけるな、触るな」
何様のつもりだ、と言いたがったがもう関わり合いになりたくないのは俺も同じだったので、はいはいと軽く受け流した。
タクシーに目的地を伝えると、着いたのはより一等地に建つ高層マンションだった。
流石、社長で有名俳優ともなれば段違いの所に住んでいるらしい。エントランスも仰々しく…住民の後ろに付いてそそくさと入る…などとセコい事は出来ない作りだ。
「部屋番号を記憶するな」
「無理言うなよ」
言わなきゃすぐに忘れるのに、余計な事を言ったせいで入る時につい目に入れてしまう、それでもすぐに忘れるだろうけど。
中は想像通り広く……一番驚いたのは、同じ女の写真が所狭しと飾ってある事だった。
どれも…先程まで仏頂面だった荒木の印象とは大きく違う、楽しげに観光地を回る写真たち。
「彼女?」
ダイニングテーブルに座らせられ、社長は冷蔵庫を何やら漁り飲み物を用意している様だ。
「……婚約者、来年には結婚する」
「へ~なんか悪いな、オメガの俺を部屋に入れさせちゃって…しかも、何枚飾ってんだよ、どれだけ好きなの?」
ことり、と置かれたのは水だった。
「写真は、役者を呼んだパーティで気を持たせない様にする為だ。それでも……彼女は、私が付き合いで…誰かと関係を持つ可能性があるのも把握している」
恋人の写真を大量に飾っている事は…少しだけ意外だった。付き合いで身体を重ねるのも、その彼女の為だと言うのなら……芸能界という特殊な環境下では耐えなければいけないのかもしれない。
「んじゃ、風呂借りたら寝るよ。俺誰かと一緒じゃないと寝れないから…くっつかなくてもいいから後で来てよ、本当に寝れないから俺」
嘘をつくなと言われそうだったのでそう、釘を刺す。
そこからはほとんど話す事もなく……風呂に入り、置いてあった部屋着を着させてもらいベッドに寝転んでいたら、少しして男がベッドに入り込んできた。
静寂な暗闇の中、十数分が経つ。
「…てっきり襲われると思っていた」
面倒くさいので無視を決め込む事にした。
むしろ荒木の思考は一般的なのかもしれない、相手は知らない人など居ない俳優、同じベッドに寝転がったらセックスを期待するのだろう。
俺は……セックスに重きはないし…相手が望んでもないのに身体を求める程卑しくもない。
ただ…遠くで香る荒木の匂いは……悪くないな、落ち着く。
そして……そのうちに眠り込んでいたらしく…目を開けばカーテンの隙間からは、朝日が差し込んでいる。
「すっげー綺麗」
隣に転がる、あまりの綺麗な寝顔に少しだけ見とれるが、あんな嫌な奴…思い出にだってキスもしてやらない。そんな強がりを言いたくなるくらい、かっこいい男だ。
五時間程は寝られたらしい、社長は不用心にも俺が起き上がっても眠り込んでいたので、そのまま部屋から出る事にした。
広い部屋、お洒落な家具、俺とはまるで住む世界が違う。あの、荒木と眠る事が出来たなどと誰に言っても信じて貰えないだろう。
さようなら、二度と会う事はない人。
そして多分レオさんとも…会えないんだろうな。
一度社長に持ち帰られたとあっては、レオさんには抱かれる事は出来ないだろう。
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