2 / 11
2「っはぁ…はぁ…嫌なら逃げろと言った」
しおりを挟む
だが、トラブルというのは俺を離してはくれないらしい。
いつもの日常に戻り…俺はバイトやギャラ飲み、ゲイバーのサクラ、パパ活……と大忙しかつ怠惰な生活を送っていた。
これからセフレと飯でも食べようかと思っていた時だ。
携帯のディスプレイに写るのは知らない番号。
俺は知らない番号には基本出ないので無視したが、何十回も鳴らしてくるコールは流石に無視しきれるものではない。
恐る恐る通話ボタンを触る。
「…」
「………すまない、名前を知らない」
俺は知っていた、その声を。
「……荒木さん?」
「……ああ」
切ってしまおうかと迷ったが、荒木さんのその声は明らかに苦しそうで…尋常ではない。
何故電話番号を?とも聞きたかったがそれどころではなさそうだ。
「…なんすか」
「頼む、君しか頼れない。今すぐ家に来て欲しい、どうせ部屋番号も覚えているだろう」
「……は?いや、本当に忘れましたけど」
「……4401だ」
社長の必死すぎる声色……興味が勝ったのか、親切心が勝ったのか……俺は、あの日のマンションに向かい教えられた通りに部屋に入室した。
部屋は遠隔で開けられたらしく、入室するとアルファのグレアに似たフェロモンが立ち込める。
オメガには毒だが、必死に抑え込もうとしているのは明白で…悪意はないらしい。
「……社長?」
「……すまない、これから言う事…嫌なら今すぐに帰ってくれ。とりあえず、タオルで片腕を括りつけているから、今すぐに襲う事はない」
社長はソファの足にタオルを巻き付け、自分の片腕を縛り上げている。最初は、傷まみれで縛られている姿を見て、そういう趣味かと思った程だ。
「……ラットすか」
「ああ、ヒートのオメガに迫られ……抑制剤の効かない何らかの薬を打たれたようで……何も効かない…五時間後には撮影がある、頼む……」
「抱かせてくれって?」
美しい砂糖の溶けたミルクティー色の髪の毛は汗で張り付き、眼鏡は今にも落ちそうに項垂れているのが何とも麗しい。
「……都合がいい事は分かっている、金は渡す、私ができる事なら何でも協力する……」
「てか、なんで俺?」
「私の…っはぁ、マンションを知っているオメガなどお前しかいない」
聞きたい事が多すぎるのに、俺のフェロモンにも過敏に反応し、タオルから引き抜こうとする手は赤く鬱血している。
片手で結んだ結び目が解けるのも時間の問題だろう。
「……彼女は?」
「…っ、アメリカ暮らしで、半年に一度程しか会わない」
「電話番号はどうして知ってる?」
「あの芸人に…聞いた…アテンドした、男なら知ってるだろうと思って」
そして……ラットのアルファを抑えておくには何とも心許ないタオルはとうとう弾け飛んだ。
「っはぁ、はぁ嫌なら逃げろと言った」
「この間は、触るなとか散々言ってたくせに、俺みたいなオメガに発情してるあんたがちょっと面白くてさ、ごめんね?」
玄関先で立っていた俺の後頭部を強く引き寄せると、躊躇もなく口付けをする。
「っはぁ、抱いてもいいか……」
「聞くなよ、帰らないのが答えだろ」
その言葉を聞ききらないうちに、俺の服はアルファの力によってただの布切れに変わっていた。
いきなり持ち上げられると、あの日俺達が寝たベッドに投げ飛ばされ、高いブランドの服が雑に脱ぎ捨てられる。鍛え上げられたデカい筋肉は流石にちょっと怖い。
だが、やはりド美形の容貌とラットで我を失い性欲と劣情に顔を歪ませる有名俳優と……ヤレるのは悪くない。
レオさんは単純に好みだったが、この人はナンチャラ賞を取るような有名俳優だ。
子宮に繋がっている排出口からは、彼を受け入れたがる浸出液が溢れ出して来るのを感じる。
ヒートじゃないから妊娠はしないが、身体がこの美しく著名なアルファを求めている。
信じ難い事だが、セックスはそこまで慣れていない様だった。それか、ラットでうまく出来ないのか、強く掴まれて身体中が痛い。
自分でもそれが分かっているようで、秘部の周りを触る手が震えていて、力加減が分からないみたいだ。
「はは、ちんこバキバキ、あんたちんこもいい。自分でやるから…キス、して」
そんなに激しいのはいらない…と言いたい程に口の中に舌を押し込められる。
「ん、む」
そして、自分の指を秘部に押し入れ、あのデカすぎる物をちゃんと受け入れられる様にナカを慣らした。
「っ、かわいい、お前」
熱に浮かされた荒木さんの顔。
この男には初めて褒められた気がする。自分で慣らしている指を思い切り抜かれ、両腕をベッドに縫い付けると、またしても口付けを落とした。
長い舌が俺の舌を吸い、ざらざらと絡ませられ…乳首もしつこい程に吸われて痛い。
「っ、オメガとは初めてで…もう、いいか、」
慣らしている指を無理やり抜いたくせに……まだ、と言わせない程荒い息を吐き出しながら、一応そう聞いてきた。
「……うん」
あの大きさだと、まだ…少し早いけど、俺ももう…最奥が疼いて仕方がない。
両腕を有り得ない程強い力で押さえつけれたまま、秘部に彼の物が押し付けられた。
ぬぷ、ぬぷ…と入り込んでくる大きすぎる質量。苦しみが先ん立つが、熱すぎるそれが俺のナカを擦るとゾワゾワと快楽が産まれる。
そして、奥まで無理やりに推し進め入ってきて、一番奥に入れたまま俺の身体を抱き締めると、耳元では、ふーふーという息遣いが俺の耳さえも犯す。
俺は、自分でも驚く程に口からは嬌声をとめどなく発した。
ナカの一番深いところに、自分を覚えさせるようにぐちゃぐちゃと動かされ、たまに意地悪するみたいに入り口だけで扱かれたり。
そして、浅い所まで抜くと一気に最奥まで突き抜けられる。その度に、どんなに我慢しても身体がビクビクと震えて、情けない命乞いみたいな嬌声をあげた。
俺が、止まって…と何度も静止してもやめるつもりは無いようで、むしろ快楽から逃げようとする俺をさらに快楽の海に落としては気を良くしている様だ。
「なぜこんなに熱い」
そりゃ、こんな美形の巨根でナカを散々犯されて…前立腺押し潰されて、散々イかされてんだから、熱くなって当然だろう。
「このオメガは、私が好きなのか」
頭沸いてる~とかどこか冷静な俺が静観している中、俺は巨根にド敗北しているので嬌声を垂れ流す。もちろん好きとは言わないが、気になったのはオメガ…という部分だった。
こいつは俺の名前を知らない。
なのにこんなにもいい様にされ、俺の気持ちいい部分を散々虐められ、大きすぎる快楽に身を委ねる事しか出来ないのは、あまりに惨めだ。
「~っ、、ぁ、ああ、あ、ぅ、はるか……遥だっ」
「…っはぁ、遥……?」
「ぁ、あ、あぁ、それっ、むり…ああ、ぁ」
「はるか…はるか、遥」
俺の名前を呼ばれると、余計に腰はへこへこと持ち上がり快楽を求め男の頭に腕を回す。
どちゅどちゅと俺の可愛い子宮が虐められていて、目の前がクラクラするくらいに気持ちよかった。
「っ、はるか、精を、出す」
今日一番強く押し潰されると、脚を折れるほどに持ち上げられ潰れたカエルの様に固定されて苦しいのすらも気持ちいい。
無遠慮に突き上げられ、唇に唇を重ねられ、舌を吸われながら深い所を抉ると、俺の最奥には温かいものが広がった。
この男は、数分経っても俺の身体を抱き締めたままだ。というよりも、抜いてすらくれず……俺を抱き竦め、ナカに精子を散々マーキングして…唇をまた重ねては、顔を掴んでまで舌と舌を絡めた。
女なら嬉しいのだろうが……散々犯されて、身体は無理に折られて、筋肉に潰され、手も身体も痣だらけ。
早く離して欲しいこの上ないのだが…この男は俺が退いて?という間ずっと舌を吸っていた。
「申し訳ない」
風呂を借りて、唾液と精子を落とすと身体の痛みはあれどサッパリとはする。
「うん、いてー」
だが、俺も男だし…何より半端なくセックスは良かった。別に怒ったり呆れたりはしていないのだが、流石にラットにいきなり呼びつけて犯し尽くしたのだから申し訳なさは感じて然るべきだ。
そして、どこかに行ったと思えば手には帯の付いた金。
名刺を渡す様に美しい所作で俺に渡してきたが、流石にセックスへの対価は受け取れない。
「それ犯罪。別にいいよ気にしないで」
「……でも」
破り散らかした服の代わりに、新品のブランド服を貰えただけで十分だ。
「ん~腹減ったから、キッチン借りていい?」
俺は外食が得意では無いので、肯定も聞かぬまま冷蔵庫を開ける。
なんとか、チャーハンくらいは作れそうな具材達。
「別にいいが…大したものはないぞ、それならフードデリバリーを……」
「ん~いいのいいの、キッチン借りるね」
じゅわ、といい匂いが立ち込めると荒木さんが不思議そうに見ている。
フライパンやキッチンは妙に真新しく、この男があまり料理はしないという事は明白だった。
そして……部屋もどことなく汚い。
風呂を借りた時にも思ったが、清掃をした形跡がない。
炒め上がる頃には、この男の生活力の無さに気づいてしまい、俳優…社長、完璧なアルファの苦手分野を見つけ少し微笑んだ。
「はい」
「……え」
「食べれなかったら持って帰るからいいよ」
「あ…いや、食べていいのか」
一応多めに作っておいたチャーハンを二つに盛ると、ダイニングテーブルに着く。
人の作った飯など食えるかと一蹴されるかと思ったが、意外と逆の事を口にした。
「……私は、外食やデリバリー、コンビニも苦手なんだ」
なのに、このキッチンは料理をしている人の物では無いが。
「料理すんの?」
「…しない、正直…久々に人の作ったご飯を食べる」
一口チャーハンを口に運ぶと、咀嚼して静かに飲み込んだ。
「美味しい?」
「………美味い」
聞かなくても分かる程に冷徹な表情が緩まり、またすぐにもう一口を放り込む。
すぐに皿の中のチャーハンは無くなって、少し寂しげに皿を見た。
「外食苦手なのに料理もしないって矛盾してない?」
「……だから、いつも食事が苦痛だった」
俺も外食は苦手だが、その分料理は多分主婦くらいには上手い。いつも食事が苦痛なんて可哀想なやつだ。
「……遥、本当にすまない。以前は失礼な態度をとった挙句、勝手に呼びつけた。それでもお前は来てくれて……その、性交渉にも応じて……こうして料理まで作ってくれた、どうにか…厚意に応えたいが……」
この男は、俺が来た事やら色んな事をやたらと重く捉えている節がある。来たのはただの興味だし、抱かれたのは満更じゃなかった。
だから俺は、にっこりと笑うとこう言ってやった。
「じゃあさ、雇って!ハウスキーパーとして、そしたら、また料理してやるし」
俺の金欠も解消されるし…食事が嫌いだというこの人の腹も満たされる、汚い部屋もこの人に見合うくらい綺麗にしてやれる。
セックスの対価に金を貰うつもりはないが、このお金持ちから食事のお礼を受け取らない理由はないので……俺にとって都合のいい提案をこのアルファに持ちかけたのだ。
いつもの日常に戻り…俺はバイトやギャラ飲み、ゲイバーのサクラ、パパ活……と大忙しかつ怠惰な生活を送っていた。
これからセフレと飯でも食べようかと思っていた時だ。
携帯のディスプレイに写るのは知らない番号。
俺は知らない番号には基本出ないので無視したが、何十回も鳴らしてくるコールは流石に無視しきれるものではない。
恐る恐る通話ボタンを触る。
「…」
「………すまない、名前を知らない」
俺は知っていた、その声を。
「……荒木さん?」
「……ああ」
切ってしまおうかと迷ったが、荒木さんのその声は明らかに苦しそうで…尋常ではない。
何故電話番号を?とも聞きたかったがそれどころではなさそうだ。
「…なんすか」
「頼む、君しか頼れない。今すぐ家に来て欲しい、どうせ部屋番号も覚えているだろう」
「……は?いや、本当に忘れましたけど」
「……4401だ」
社長の必死すぎる声色……興味が勝ったのか、親切心が勝ったのか……俺は、あの日のマンションに向かい教えられた通りに部屋に入室した。
部屋は遠隔で開けられたらしく、入室するとアルファのグレアに似たフェロモンが立ち込める。
オメガには毒だが、必死に抑え込もうとしているのは明白で…悪意はないらしい。
「……社長?」
「……すまない、これから言う事…嫌なら今すぐに帰ってくれ。とりあえず、タオルで片腕を括りつけているから、今すぐに襲う事はない」
社長はソファの足にタオルを巻き付け、自分の片腕を縛り上げている。最初は、傷まみれで縛られている姿を見て、そういう趣味かと思った程だ。
「……ラットすか」
「ああ、ヒートのオメガに迫られ……抑制剤の効かない何らかの薬を打たれたようで……何も効かない…五時間後には撮影がある、頼む……」
「抱かせてくれって?」
美しい砂糖の溶けたミルクティー色の髪の毛は汗で張り付き、眼鏡は今にも落ちそうに項垂れているのが何とも麗しい。
「……都合がいい事は分かっている、金は渡す、私ができる事なら何でも協力する……」
「てか、なんで俺?」
「私の…っはぁ、マンションを知っているオメガなどお前しかいない」
聞きたい事が多すぎるのに、俺のフェロモンにも過敏に反応し、タオルから引き抜こうとする手は赤く鬱血している。
片手で結んだ結び目が解けるのも時間の問題だろう。
「……彼女は?」
「…っ、アメリカ暮らしで、半年に一度程しか会わない」
「電話番号はどうして知ってる?」
「あの芸人に…聞いた…アテンドした、男なら知ってるだろうと思って」
そして……ラットのアルファを抑えておくには何とも心許ないタオルはとうとう弾け飛んだ。
「っはぁ、はぁ嫌なら逃げろと言った」
「この間は、触るなとか散々言ってたくせに、俺みたいなオメガに発情してるあんたがちょっと面白くてさ、ごめんね?」
玄関先で立っていた俺の後頭部を強く引き寄せると、躊躇もなく口付けをする。
「っはぁ、抱いてもいいか……」
「聞くなよ、帰らないのが答えだろ」
その言葉を聞ききらないうちに、俺の服はアルファの力によってただの布切れに変わっていた。
いきなり持ち上げられると、あの日俺達が寝たベッドに投げ飛ばされ、高いブランドの服が雑に脱ぎ捨てられる。鍛え上げられたデカい筋肉は流石にちょっと怖い。
だが、やはりド美形の容貌とラットで我を失い性欲と劣情に顔を歪ませる有名俳優と……ヤレるのは悪くない。
レオさんは単純に好みだったが、この人はナンチャラ賞を取るような有名俳優だ。
子宮に繋がっている排出口からは、彼を受け入れたがる浸出液が溢れ出して来るのを感じる。
ヒートじゃないから妊娠はしないが、身体がこの美しく著名なアルファを求めている。
信じ難い事だが、セックスはそこまで慣れていない様だった。それか、ラットでうまく出来ないのか、強く掴まれて身体中が痛い。
自分でもそれが分かっているようで、秘部の周りを触る手が震えていて、力加減が分からないみたいだ。
「はは、ちんこバキバキ、あんたちんこもいい。自分でやるから…キス、して」
そんなに激しいのはいらない…と言いたい程に口の中に舌を押し込められる。
「ん、む」
そして、自分の指を秘部に押し入れ、あのデカすぎる物をちゃんと受け入れられる様にナカを慣らした。
「っ、かわいい、お前」
熱に浮かされた荒木さんの顔。
この男には初めて褒められた気がする。自分で慣らしている指を思い切り抜かれ、両腕をベッドに縫い付けると、またしても口付けを落とした。
長い舌が俺の舌を吸い、ざらざらと絡ませられ…乳首もしつこい程に吸われて痛い。
「っ、オメガとは初めてで…もう、いいか、」
慣らしている指を無理やり抜いたくせに……まだ、と言わせない程荒い息を吐き出しながら、一応そう聞いてきた。
「……うん」
あの大きさだと、まだ…少し早いけど、俺ももう…最奥が疼いて仕方がない。
両腕を有り得ない程強い力で押さえつけれたまま、秘部に彼の物が押し付けられた。
ぬぷ、ぬぷ…と入り込んでくる大きすぎる質量。苦しみが先ん立つが、熱すぎるそれが俺のナカを擦るとゾワゾワと快楽が産まれる。
そして、奥まで無理やりに推し進め入ってきて、一番奥に入れたまま俺の身体を抱き締めると、耳元では、ふーふーという息遣いが俺の耳さえも犯す。
俺は、自分でも驚く程に口からは嬌声をとめどなく発した。
ナカの一番深いところに、自分を覚えさせるようにぐちゃぐちゃと動かされ、たまに意地悪するみたいに入り口だけで扱かれたり。
そして、浅い所まで抜くと一気に最奥まで突き抜けられる。その度に、どんなに我慢しても身体がビクビクと震えて、情けない命乞いみたいな嬌声をあげた。
俺が、止まって…と何度も静止してもやめるつもりは無いようで、むしろ快楽から逃げようとする俺をさらに快楽の海に落としては気を良くしている様だ。
「なぜこんなに熱い」
そりゃ、こんな美形の巨根でナカを散々犯されて…前立腺押し潰されて、散々イかされてんだから、熱くなって当然だろう。
「このオメガは、私が好きなのか」
頭沸いてる~とかどこか冷静な俺が静観している中、俺は巨根にド敗北しているので嬌声を垂れ流す。もちろん好きとは言わないが、気になったのはオメガ…という部分だった。
こいつは俺の名前を知らない。
なのにこんなにもいい様にされ、俺の気持ちいい部分を散々虐められ、大きすぎる快楽に身を委ねる事しか出来ないのは、あまりに惨めだ。
「~っ、、ぁ、ああ、あ、ぅ、はるか……遥だっ」
「…っはぁ、遥……?」
「ぁ、あ、あぁ、それっ、むり…ああ、ぁ」
「はるか…はるか、遥」
俺の名前を呼ばれると、余計に腰はへこへこと持ち上がり快楽を求め男の頭に腕を回す。
どちゅどちゅと俺の可愛い子宮が虐められていて、目の前がクラクラするくらいに気持ちよかった。
「っ、はるか、精を、出す」
今日一番強く押し潰されると、脚を折れるほどに持ち上げられ潰れたカエルの様に固定されて苦しいのすらも気持ちいい。
無遠慮に突き上げられ、唇に唇を重ねられ、舌を吸われながら深い所を抉ると、俺の最奥には温かいものが広がった。
この男は、数分経っても俺の身体を抱き締めたままだ。というよりも、抜いてすらくれず……俺を抱き竦め、ナカに精子を散々マーキングして…唇をまた重ねては、顔を掴んでまで舌と舌を絡めた。
女なら嬉しいのだろうが……散々犯されて、身体は無理に折られて、筋肉に潰され、手も身体も痣だらけ。
早く離して欲しいこの上ないのだが…この男は俺が退いて?という間ずっと舌を吸っていた。
「申し訳ない」
風呂を借りて、唾液と精子を落とすと身体の痛みはあれどサッパリとはする。
「うん、いてー」
だが、俺も男だし…何より半端なくセックスは良かった。別に怒ったり呆れたりはしていないのだが、流石にラットにいきなり呼びつけて犯し尽くしたのだから申し訳なさは感じて然るべきだ。
そして、どこかに行ったと思えば手には帯の付いた金。
名刺を渡す様に美しい所作で俺に渡してきたが、流石にセックスへの対価は受け取れない。
「それ犯罪。別にいいよ気にしないで」
「……でも」
破り散らかした服の代わりに、新品のブランド服を貰えただけで十分だ。
「ん~腹減ったから、キッチン借りていい?」
俺は外食が得意では無いので、肯定も聞かぬまま冷蔵庫を開ける。
なんとか、チャーハンくらいは作れそうな具材達。
「別にいいが…大したものはないぞ、それならフードデリバリーを……」
「ん~いいのいいの、キッチン借りるね」
じゅわ、といい匂いが立ち込めると荒木さんが不思議そうに見ている。
フライパンやキッチンは妙に真新しく、この男があまり料理はしないという事は明白だった。
そして……部屋もどことなく汚い。
風呂を借りた時にも思ったが、清掃をした形跡がない。
炒め上がる頃には、この男の生活力の無さに気づいてしまい、俳優…社長、完璧なアルファの苦手分野を見つけ少し微笑んだ。
「はい」
「……え」
「食べれなかったら持って帰るからいいよ」
「あ…いや、食べていいのか」
一応多めに作っておいたチャーハンを二つに盛ると、ダイニングテーブルに着く。
人の作った飯など食えるかと一蹴されるかと思ったが、意外と逆の事を口にした。
「……私は、外食やデリバリー、コンビニも苦手なんだ」
なのに、このキッチンは料理をしている人の物では無いが。
「料理すんの?」
「…しない、正直…久々に人の作ったご飯を食べる」
一口チャーハンを口に運ぶと、咀嚼して静かに飲み込んだ。
「美味しい?」
「………美味い」
聞かなくても分かる程に冷徹な表情が緩まり、またすぐにもう一口を放り込む。
すぐに皿の中のチャーハンは無くなって、少し寂しげに皿を見た。
「外食苦手なのに料理もしないって矛盾してない?」
「……だから、いつも食事が苦痛だった」
俺も外食は苦手だが、その分料理は多分主婦くらいには上手い。いつも食事が苦痛なんて可哀想なやつだ。
「……遥、本当にすまない。以前は失礼な態度をとった挙句、勝手に呼びつけた。それでもお前は来てくれて……その、性交渉にも応じて……こうして料理まで作ってくれた、どうにか…厚意に応えたいが……」
この男は、俺が来た事やら色んな事をやたらと重く捉えている節がある。来たのはただの興味だし、抱かれたのは満更じゃなかった。
だから俺は、にっこりと笑うとこう言ってやった。
「じゃあさ、雇って!ハウスキーパーとして、そしたら、また料理してやるし」
俺の金欠も解消されるし…食事が嫌いだというこの人の腹も満たされる、汚い部屋もこの人に見合うくらい綺麗にしてやれる。
セックスの対価に金を貰うつもりはないが、このお金持ちから食事のお礼を受け取らない理由はないので……俺にとって都合のいい提案をこのアルファに持ちかけたのだ。
30
あなたにおすすめの小説
オメガはオメガらしく生きろなんて耐えられない
子犬一 はぁて
BL
「オメガはオメガらしく生きろ」
家を追われオメガ寮で育ったΩは、見合いの席で名家の年上αに身請けされる。
無骨だが優しく、Ωとしてではなく一人の人間として扱ってくれる彼に初めて恋をした。
しかし幸せな日々は突然終わり、二人は別れることになる。
5年後、雪の夜。彼と再会する。
「もう離さない」
再び抱きしめられたら、僕はもうこの人の傍にいることが自分の幸せなんだと気づいた。
彼は温かい手のひらを持つ人だった。
身分差×年上アルファ×溺愛再会BL短編。
プリンなんだから食えばわかる
てぃきん南蛮
BL
海外で定食屋を開くことを夢見て、留学をした董哉。
留学先の紹介で軍事食堂の手伝いをしているが、
アジア人嫌いのオメガ嫌いであるフレッドという兵士から嫌がらせを受ける。
ある日、初めてメイン料理を提供した董哉だったが、フレッドに何癖を付けられる。
料理を貶された董哉は流石に腹が立ち、フレッドに対して────……
後日、流石に後悔した董哉だったが、
何故かその日からフレッドの態度が軟化し始めて……?
最悪な印象から始まる、偏見持ち海外軍人のα×軍人食堂の日本人バイト留学生Ω
勘違いへたれアルファと一途つよかわオメガ──ずっと好きだったのは、自分だけだと思ってた
星群ネオン
BL
幼い頃に結婚の約束をした──成長とともにだんだん疎遠になったアルファとオメガのお話。
美しい池のほとりで出会ったアルファとオメガはその後…。
強くてへたれなアルファと、可愛くて一途なオメガ。
ありがちなオメガバース設定です。Rシーンはありません。
実のところ勘違いなのは二人共とも言えます。
α視点を2話、Ω視点を2話の後、その後を2話の全6話完結。
勘違いへたれアルファ 新井裕吾(あらい・ゆうご) 23歳
一途つよかわオメガ 御門翠(みがと・すい) 23歳
アルファポリス初投稿です。
※本作は作者の別作品「きらきらオメガは子種が欲しい!~」や「一生分の恋のあと~」と同じ世界、共通の人物が登場します。
それぞれ独立した作品なので、他の作品を未読でも問題なくお読みいただけます。
運命の番は僕に振り向かない
ゆうに
BL
大好きだったアルファの恋人が旅先で運命の番と出会ってしまい、泣く泣く別れた経験があるオメガの千遥。
それ以来、ずっと自分の前にも運命の番があらわれることを切に願っていた。
オメガひとりの生活は苦しく、千遥は仕方なく身体を売って稼ぐことを決心する。
ネットで知り合った相手と待ち合わせ、雑踏の中を歩いている時、千遥は自分の運命の番を見つけた。
ところが視線が確かに合ったのに運命の番は千遥を避けるように去っていく。彼の隣には美しいオメガがいた。
ベータのような平凡な見た目のオメガが主人公です。
ふんわり現代、ふんわりオメガバース、設定がふんわりしてます。
恋が始まる日
一ノ瀬麻紀
BL
幼い頃から決められていた結婚だから仕方がないけど、夫は僕のことを好きなのだろうか……。
だから僕は夫に「僕のどんな所が好き?」って聞いてみたくなったんだ。
オメガバースです。
アルファ×オメガの歳の差夫夫のお話。
ツイノベで書いたお話を少し直して載せました。
ビジネス婚は甘い、甘い、甘い!
ユーリ
BL
幼馴染のモデル兼俳優にビジネス婚を申し込まれた湊は承諾するけれど、結婚生活は思ったより甘くて…しかもなぜか同僚にも迫られて!?
「お前はいい加減俺に興味を持て」イケメン芸能人×ただの一般人「だって興味ないもん」ーー自分の旦那に全く興味のない湊に嫁としての自覚は芽生えるか??
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる