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市長! お仕事です!
さあ、人口50万を超え、上位貴族の仲間入りです!
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――ザップーン。ザップーン。
薄暮れの港湾施設の岸壁に波の音が打ち付ける音がとても叙情を誘う。
伯爵になってから9ヶ月。俺は今、アレクサンドラと1の5地区の海にいる。
新年の時に約束していたっけ。一応、1の4地区の海も見たよ。夏の時に。
アレクサンドラは砂浜で「ヘルイェス様! これが海っていうものなのですね!」とはしゃいでたっけな。「舐めてみな!」と言って、海水を舐めさせたら「あ! とってもしょっぱい……」と口を尖らせていたけどな。その後、現地で釣れた魚を2人で焼いて食べたのはいい思い出だったな。
そして、5月には1の5地区には人口40万突破の記念に丁度いい岸壁があったので港湾施設を作った。
そう。人口40万を突破すると港か空港を配置できるとアレクサンドラが言っていた。あれだ。国外だったりからの人員や貨物を輸送するための施設が港か空港らしい。海に面していない所は空港が主要設備らしいがな。
そうそう。もちろん3月のデートもバッチリしたよ。今回は動物園と植物園と市民公園だったな。とても可愛い動物たちの姿に目を輝かせていたり、綺麗な花を咲かせた植物にうっとりしていたアレクサンドラの姿は今にも目を焼き付いている。当然、公園の芝生でアレクサンドラが作ってくれたランチを楽しむというのもとても良かった。
今年の宝石の贈り物交換はコラール、つまり珊瑚のネクタイピンとイヤリングだったんだ。
聞いて驚け! このコラール、我が都市の1の4地区で採れたコラールなんだ。
ああ、そろそろ、寒くなってきたか……。9月の終わりになると夜風もまた冷たくなり始めるからな。そろそろ戻るか?
「アレクサンドラ! 戻るぞ!」
「はい! ヘルイェス様!」
こうして、俺たちは屋敷に戻ったわけだが……。
さて、そろそろ50万人を超えるというのは知っているんだがな……。それが何時になるのかは読めてない……。
どれ、執務室の机に座って状況を確認するか!
「って……。アレクサンドラ! とうとう人口が50万人を超えたぞ!」
「はい! 私も確認しました! 折角だから、今のうちに地区を買ってしまいましょうよ! 今買っておかないと、値上がりしますよ!」
「あ! ということは……。あれか! 陞爵か!」
「はい! それです! だから今のうちに買っておきましょう!」
ふむ。魔導地図を見るか……。
「アレクサンドラ? 資金にどれくらい余裕がある? この際だから買えるだけ買っておきたい」
「そうですね。魔銀貨10枚程度なら行けるんじゃないですかね?」
「そうか! ならば! 1の7地区から12の7地区含めて、それより西は全部買ってしまおう!」
「2地区分は無料ですから、それで計算しますね。ええっと魔銀貨10枚金貨27枚くらいですね!」
「よし! これで購入だ!」
こうして、俺は1の7地区から12の7地区含めて、それより西の合計39地区を新たに所有することになった。買った地区で特筆すべき点といえば……。あ!
「そういえば、5の5地区、5の6地区、6の5地区、6の6地区にはダンジョンがあるんだったか?」
「そうですね! それがありましたね!」
「なあ? ダンジョンから生み出される利益ってどれくらいわかるか?」
「うーん。この屋敷がある7の4地区って6の5地区に近いじゃないですか? ダンジョンから帰ってきた人たちはそれなりに良いものを獲得して、それを売って生計を立てているんですよね。だから、この地区に住んでても困らないくらいの稼ぎはあるはずです」
「とりあえず、この魔導地図の範囲を開発し終えるのに、どれだけかかるかわからないけど、10年以内には終えるつもりだ。その10年を頑張ってもらったら税金は安くするという約束のもとに、来月からのまたの大増税、いずれ来るだろう更なる増税に耐えられるだろうか?」
「大丈夫だと思いますよ! そう言えば……、たった今大規模に地区を購入したんですけど、まだ所有していない7の8地区に不穏な噂があるんですよね?」
なんだ? その不穏な噂というのは……。とても気になるじゃないか!
「5の5地区、5の6地区、6の5地区、6の6地区のダンジョンを冒険者の市民は56ダンジョンとか雑な名付けで読んでるんですけど、その7の8地区にある湖に56ダンジョンと似たような魔力の高まりを見せ始めているらしいです……」
「それは穏やかではないな……。ダンジョンの誕生か……」
でも待てよ? そうであるならば、これはチャンスでもあるかも知れない!
「ああ! 神は俺をまだまだ助けてくれているらしいな! アレクサンドラ! 君の情報はとてもとても有意義な情報だ!」
「っ! 確かに! そうですね! 湖のダンジョンが誕生したとなれば、そこから収益が得られた冒険者が税金を沢山納めてくれますものね! それに侯爵になれば魔銀貨250枚貰えますから! もちろん、地区の無料購入権利も貰えますからね!」
うん。そういうことなのだ! ならば大増税をしても行けるということだ! よし! 希望の光が見えてきたぞ!
薄暮れの港湾施設の岸壁に波の音が打ち付ける音がとても叙情を誘う。
伯爵になってから9ヶ月。俺は今、アレクサンドラと1の5地区の海にいる。
新年の時に約束していたっけ。一応、1の4地区の海も見たよ。夏の時に。
アレクサンドラは砂浜で「ヘルイェス様! これが海っていうものなのですね!」とはしゃいでたっけな。「舐めてみな!」と言って、海水を舐めさせたら「あ! とってもしょっぱい……」と口を尖らせていたけどな。その後、現地で釣れた魚を2人で焼いて食べたのはいい思い出だったな。
そして、5月には1の5地区には人口40万突破の記念に丁度いい岸壁があったので港湾施設を作った。
そう。人口40万を突破すると港か空港を配置できるとアレクサンドラが言っていた。あれだ。国外だったりからの人員や貨物を輸送するための施設が港か空港らしい。海に面していない所は空港が主要設備らしいがな。
そうそう。もちろん3月のデートもバッチリしたよ。今回は動物園と植物園と市民公園だったな。とても可愛い動物たちの姿に目を輝かせていたり、綺麗な花を咲かせた植物にうっとりしていたアレクサンドラの姿は今にも目を焼き付いている。当然、公園の芝生でアレクサンドラが作ってくれたランチを楽しむというのもとても良かった。
今年の宝石の贈り物交換はコラール、つまり珊瑚のネクタイピンとイヤリングだったんだ。
聞いて驚け! このコラール、我が都市の1の4地区で採れたコラールなんだ。
ああ、そろそろ、寒くなってきたか……。9月の終わりになると夜風もまた冷たくなり始めるからな。そろそろ戻るか?
「アレクサンドラ! 戻るぞ!」
「はい! ヘルイェス様!」
こうして、俺たちは屋敷に戻ったわけだが……。
さて、そろそろ50万人を超えるというのは知っているんだがな……。それが何時になるのかは読めてない……。
どれ、執務室の机に座って状況を確認するか!
「って……。アレクサンドラ! とうとう人口が50万人を超えたぞ!」
「はい! 私も確認しました! 折角だから、今のうちに地区を買ってしまいましょうよ! 今買っておかないと、値上がりしますよ!」
「あ! ということは……。あれか! 陞爵か!」
「はい! それです! だから今のうちに買っておきましょう!」
ふむ。魔導地図を見るか……。
「アレクサンドラ? 資金にどれくらい余裕がある? この際だから買えるだけ買っておきたい」
「そうですね。魔銀貨10枚程度なら行けるんじゃないですかね?」
「そうか! ならば! 1の7地区から12の7地区含めて、それより西は全部買ってしまおう!」
「2地区分は無料ですから、それで計算しますね。ええっと魔銀貨10枚金貨27枚くらいですね!」
「よし! これで購入だ!」
こうして、俺は1の7地区から12の7地区含めて、それより西の合計39地区を新たに所有することになった。買った地区で特筆すべき点といえば……。あ!
「そういえば、5の5地区、5の6地区、6の5地区、6の6地区にはダンジョンがあるんだったか?」
「そうですね! それがありましたね!」
「なあ? ダンジョンから生み出される利益ってどれくらいわかるか?」
「うーん。この屋敷がある7の4地区って6の5地区に近いじゃないですか? ダンジョンから帰ってきた人たちはそれなりに良いものを獲得して、それを売って生計を立てているんですよね。だから、この地区に住んでても困らないくらいの稼ぎはあるはずです」
「とりあえず、この魔導地図の範囲を開発し終えるのに、どれだけかかるかわからないけど、10年以内には終えるつもりだ。その10年を頑張ってもらったら税金は安くするという約束のもとに、来月からのまたの大増税、いずれ来るだろう更なる増税に耐えられるだろうか?」
「大丈夫だと思いますよ! そう言えば……、たった今大規模に地区を購入したんですけど、まだ所有していない7の8地区に不穏な噂があるんですよね?」
なんだ? その不穏な噂というのは……。とても気になるじゃないか!
「5の5地区、5の6地区、6の5地区、6の6地区のダンジョンを冒険者の市民は56ダンジョンとか雑な名付けで読んでるんですけど、その7の8地区にある湖に56ダンジョンと似たような魔力の高まりを見せ始めているらしいです……」
「それは穏やかではないな……。ダンジョンの誕生か……」
でも待てよ? そうであるならば、これはチャンスでもあるかも知れない!
「ああ! 神は俺をまだまだ助けてくれているらしいな! アレクサンドラ! 君の情報はとてもとても有意義な情報だ!」
「っ! 確かに! そうですね! 湖のダンジョンが誕生したとなれば、そこから収益が得られた冒険者が税金を沢山納めてくれますものね! それに侯爵になれば魔銀貨250枚貰えますから! もちろん、地区の無料購入権利も貰えますからね!」
うん。そういうことなのだ! ならば大増税をしても行けるということだ! よし! 希望の光が見えてきたぞ!
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