異世界で王城生活~陛下の隣で~

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8二日目の朝

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 んー――ん。

 ふかふかベッドで気持ち良く目覚めた。
 旅行に出て、三日間はキャンちゃんのベッドでしたからね。
 温泉にも入って身体も解れたわ。

「おはようございます。ユリカ様」

 おお、朝から美人で可愛い侍女さんズ。

「こちらでお顔をお拭きください」
 ワゴンの上には陶器に入った水?からタオルを出すと絞って手渡してくれた。
 人肌に温められたタオル。
 拭けば気持ち良いけれど、やっぱり洗顔フォームを付けて洗いたい。

「質問していいかな?」
「はい、何なりと」
「このお湯ってどうやって用意するの?」
「は?どうやってと言われましても……」

 クローディアさんが困った顔をして、私の事を見て来る。

「うんと、何処から持って来たの?」

「浴室のお湯は温泉ですので、お顔を洗われる湯はこのお部屋の反対側に水場が御座いますのでそちらから汲んでまいりました」
「えっ、昨日気付かなかった。ちょっと見に行っていい?」
「はい、構いませんが……お客様が見るような場所ではございませんよ?」
「うん、いいの。見たい!」
「そうですか、ではこちらへどうぞ」
 メアリーアンさんが、不思議そうな顔をしながら案内してくれる。
 私はネグリジェの上にガウンを羽織った。

 寝室から客間に行き廊下に出て向かいの部屋の扉を開けくれた。
 そこは給湯室を兼ねたユーティリティースペースで、コンパクトなタイル貼りの流しがあり、可愛いミニキッチンとリネン類などがきちんと整理され置かれた小部屋だった。

「ここは使用人達しか入りません。リネン類の収納とランドリーの回収、簡単なお茶のご用意などする場所になっております」
「ほー、じゃぁ、侍女さんズしか使わないのね」
「この階の使用人達がお客様ために使います。今はお客様がユリカ様だけですので」
「そうなんだ。ねねっ、流しのコックが二つあるけど、お水とお湯が出るの?」
「はい」

「うん、分かった。明日から朝、寝室にお湯を持って来なくていいよ」

「えっ、何故ですか?」
「だって、ここから汲んで持ってくるんでしょう?だったら私がここへ来て顔を洗うわ」
「えっ、ユリカ様はお客様でございます。お湯をお持ちするのはわたくしたちの仕事なのです」
「だって、拭くだけでは何となくさっぱりしないし、あのお部屋で洗面器でぴちゃぴちゃ洗うのはちょっと抵抗があるの。思いっきり洗いたいのに寝室だとねぇ……だからこうしてここで」

 私は流しに付いているコックを開けて水を流し、腰を屈めてバシャバシャと顔を洗った。

「まぁ、何てことを!」
「あっ、タオル持ってくるの忘れた」
「あっ、はい。ただいま」
 クローディアさんが、後ろの棚から取ってくれたふわふわタオルで顔を拭く。

「ん-ん、気持ちいい。サッパリしたわ」
 侍女さんズはポカンと口を開けたまま私の事を見ていた。

「こういう事だから、明日からお湯の用意は要りません!」
「…………」

「ねっ!」

 もう一度駄目押しをすると二人は「はい」と小さな声で返してきた。
 そういえば夕べ疲れ切って歯も磨かず寝ちゃったんだ。確かコップの水で濯いだだけ。なんて事だ!口は濯ぐだけみたいだから、あとでキャンちゃんから歯ブラシを持ってこよう。
 でも不思議、渡してくれたお水何かさっぱりすたのよ。何か入っているんだろうか?

 その後部屋に戻り着替えを済ませる。ドレスと迄はいかないワンピースを着せられたわ。
 それでもやっぱり窮屈に感じるな。歯ブラシを取りに行くついでに着替えちゃおう。
 
「朝食は、陛下がご一緒されるそうですので、ご案内いたします」
「はーい、分かりました」

「そうだ、昨日聞き忘れたんだけど、二人はおいくつなの?」
「あっ、はい。私は二十三で、妹のクローディアは十六でございます」
「えっ、二人って姉妹だったの?」
「はい、妹は父の後妻の連れ子でございます。血は繋がっておりませんがわたくしたちは仲が良くて。わたくしの傍にいたいとこうして侍女見習いとしてお城に参りましたのです」
「へぇー、そうなんだ。お姉さんの事が大好きなのね」

 クローディアはメアリーの顔を見て恥ずかしそうに頷いたのだった。
 若く見えるメアリーアンさんはきっと、年をとっても美魔女とばれるタイプだわ。

「一つお願いがあるんだけど、私は二十歳でメアリーアンさんよりちょっとだけ年下。もうすぐ二十一になるの。異世界人でこの国の客人と認められました。だけど、私は貴族のお嬢様でも何でもない。だから、貴女たちともっと砕けで仲良くなりたいの。主従関係ではなく、お友達になりたいと思うの」
 私は二人に笑顔でお願いしてみる。

「そ、そんな。お友達だなんて……」
「だって、年を聞いたせいもあるけど、貴女達を見ていると姉と妹が出来たみたいで嬉しいんだもん」
 二人の頬がぽっとピンクに染まった。

 メアリーアンは暫く考えて納得したのか、一つ頷く。

「ありがとうございます。ユリカ様のお気持ち大変うれしく思います。その方がユリカ様のお心が休まるのでございますね。では、お言葉に甘えてさせて頂き、私の事はアン、妹はディアとお呼びください」

「うん、ありがとう。言葉遣いも、もっと緩くていいからね」

「はい、これでもわたくしたちは伯爵令嬢なので、言葉遣いは厳しく育てられました。でも、ちょっと砕けた言葉にも憧れておりましたので、頑張ってみます。ねっ、ディア?」
「はい、お姉さま。ユリカお姉さま宜しくお願い致します」
「あっ、こら!クローディア。ユリカ様をいきなりお姉さまなんてお呼びして失礼ですよ!」
「わっ、ユリカお姉さまなんて嬉しいなー。私ね、兄しかいなかったから今、めちゃくちゃ嬉しい♪ありがとう、ディア」

「はい!」

 ふふふ、なんか侍女さんズとはいい関係が作れそうだわ。
 でも二人が伯爵令嬢だったなんて驚いた(汗)



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