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32墓穴を掘る令嬢たち
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「アン、なに?あの一個連隊」
「確か本日はマリアンヌ嬢主催のお茶会がありましたので、お帰りになるところかと」
「そうなんだ。それにしても、みんな気合が入っているわね」
これでもかと着飾った令嬢たちが付けている香水が入り混ざり、離れていても臭ってくる。
近づいて来た集団がユリカたちの前でピタリとまった。
「これは異世界人様、ご機嫌麗しゅうございますこと。本日のお茶会にご招待させて頂きましたが、良いお返事がいただけませんでしたのに何故この様なところでウロウロされていらっしゃるのかしら?」
嫌味たらしく扇を口に充て言ってきたのは婚約者筆頭と言われていたエドモンド侯爵家の令嬢のマリアンヌだった。
「えっ、招待?私は別に……」
――そんな話聞いてないし
「ユリカ様はたった今、陛下とお茶をご一緒され、戻られるところでございます」
すかさず令嬢とユリカの間に入り、冷ややかに告げるメアリーアン。
「陛下とお茶を……」
小さく呟いたのはマリアンヌ。
取り巻き令嬢たちは少し動揺しながら彼女の色を伺っている。
――うわぁー、何なのこの雰囲気……
「ユリカ様のへのお茶会へのお誘いは陛下と女官長が吟味され、お二方の了承を得た場所にしか出席されません」
「わたくしたちのお茶会は外されたと言うの?」
「そんな、酷いですわ!」
十人ほどいる令嬢が口々に文句を言い出した。
「陛下が決められたことでございます。何か問題でも?」
「っ……」
表情を変えずに告げるメアリーアンに、令嬢たちは言葉を詰まらせる。
――なるほど、前に女官長が言ってたわ。招待状はふるいに掛けるって。だからこの人たち主催のお茶会は私に知らせられなかったのか。
その時友梨香は斜め前に立っている令嬢に目がいく。
――貴族令嬢だと言って偉そうにしているけど、大抵十六から八ぐらいで考えてみたら殆どが私より年下でしょう?
虚勢を張っている姿が見ていると面白いけど、あら、この子、一人だけ申し訳なさそうな顔してる。ちょっとおどおどした感じね。仕方なくこの取り巻きの中にいるって風なのかな。
「もう宜しいでしょうか。ユリカ様はこの後もご予定がございますので、失礼させて頂きます」
メアリーアンが頭を令嬢たちに下げて「ユリカ様参りましょう」と声を変えて先頭を歩き始めた。
「な、なんですの!偉そうにっ」
令嬢たちが一斉に歩き出したメアリーアンとまだ立ち止まっていた友梨香にキツイ視線を送って来た。
「あっ、アン!待って。そ、それでは皆様ごきげんよう」
友梨香は作り笑いをし軽く会釈をしてメアリーアンを追うために足を踏み出した。
ドンっ!!!
「えっ?」
「あっ!」
友梨香の半歩先にいたおどおど令嬢が、よろめきぶつかって来た。
「ユリカ様!」
よろけた友梨香はルードウィックに引き寄せられ無事だったが、ぶつかって来た令嬢はそのまま床に倒れてしまう。
「だ、大丈夫?」
友梨香がルードウィックの腕から抜け、倒れている令嬢に手を差し伸べる。
「も、申し訳ございません」
令嬢が頭を床に付ける勢いで謝罪する。
「大丈夫よ、ほら掴まって」
「あっ、ありがとうございます」
差し出された友梨香の手を取ろうと腕を伸ばした同時に、マリアンヌ嬢の隣にいたスザンヌ嬢が転んだ令嬢の手首をつかんだ。
「足がもつれてしまったのかしら?みっともございませんわね」
そう言いながらグイッと彼女を引き起こす。
――あらまっ、結構力が強いのねぇ。
友梨香がそう思いながら唖然として見ていると
「異世界人様はお怪我が無くて何よりですわ。皆様行きますわよ」
マリアンヌ嬢は捨て台詞を吐いてその場を後にすると、スザンヌ嬢は転んだ令嬢の腕をグイグイと引っ張りながら彼女の後に続き他の令嬢たちもこちらに挨拶もなしに慌ててその後を追っていった。
「大丈夫かしら、彼女」
「転んだ痛みより、腕を引っ張られている方が痛そうに見えますね」
呆れた様にルードウィックが言う。
「全く礼儀を弁えないご令嬢たちですね。ユリカ様が巻き込まれなくて良かったですわ」
メアリーアンも心配そうに駆け寄って来た。
「ええ、ルードさんが支えてくれてたから転ばずに済んだわ」
「あれは態とですね。私の目からは横の令嬢が彼女を押し出すのが見えましたから」
「えっ、ホントに?」
「はい、私からはハッキリと」
「全くなんていう人達でしょう。後ほど陛下に報告いたします」
「だ、大丈夫よ。大したことじゃないし。ほら、陛下も忙しいからこんな事で煩わせちゃ申し訳ないでしょう?」
友梨香が慌ててメリーアンを止めとするも、
「いえ、ユリカ様にあったことはどんな小さなことでも報告せよときつく言われておりますので」
「……」
この事は直ぐにシリウスの耳に入った。
次の夜会でも問題を起こす可能性があると判断され、彼女たちは翌日から夜会終了まで自宅謹慎を命ぜられたのだった。
それにしてもアンは凄い。
十数人いた令嬢の名前を全部覚えているなんて。
「城務めの侍女としては当然の事です」
と、すました顔で言われてしまったのだった(汗)
「確か本日はマリアンヌ嬢主催のお茶会がありましたので、お帰りになるところかと」
「そうなんだ。それにしても、みんな気合が入っているわね」
これでもかと着飾った令嬢たちが付けている香水が入り混ざり、離れていても臭ってくる。
近づいて来た集団がユリカたちの前でピタリとまった。
「これは異世界人様、ご機嫌麗しゅうございますこと。本日のお茶会にご招待させて頂きましたが、良いお返事がいただけませんでしたのに何故この様なところでウロウロされていらっしゃるのかしら?」
嫌味たらしく扇を口に充て言ってきたのは婚約者筆頭と言われていたエドモンド侯爵家の令嬢のマリアンヌだった。
「えっ、招待?私は別に……」
――そんな話聞いてないし
「ユリカ様はたった今、陛下とお茶をご一緒され、戻られるところでございます」
すかさず令嬢とユリカの間に入り、冷ややかに告げるメアリーアン。
「陛下とお茶を……」
小さく呟いたのはマリアンヌ。
取り巻き令嬢たちは少し動揺しながら彼女の色を伺っている。
――うわぁー、何なのこの雰囲気……
「ユリカ様のへのお茶会へのお誘いは陛下と女官長が吟味され、お二方の了承を得た場所にしか出席されません」
「わたくしたちのお茶会は外されたと言うの?」
「そんな、酷いですわ!」
十人ほどいる令嬢が口々に文句を言い出した。
「陛下が決められたことでございます。何か問題でも?」
「っ……」
表情を変えずに告げるメアリーアンに、令嬢たちは言葉を詰まらせる。
――なるほど、前に女官長が言ってたわ。招待状はふるいに掛けるって。だからこの人たち主催のお茶会は私に知らせられなかったのか。
その時友梨香は斜め前に立っている令嬢に目がいく。
――貴族令嬢だと言って偉そうにしているけど、大抵十六から八ぐらいで考えてみたら殆どが私より年下でしょう?
虚勢を張っている姿が見ていると面白いけど、あら、この子、一人だけ申し訳なさそうな顔してる。ちょっとおどおどした感じね。仕方なくこの取り巻きの中にいるって風なのかな。
「もう宜しいでしょうか。ユリカ様はこの後もご予定がございますので、失礼させて頂きます」
メアリーアンが頭を令嬢たちに下げて「ユリカ様参りましょう」と声を変えて先頭を歩き始めた。
「な、なんですの!偉そうにっ」
令嬢たちが一斉に歩き出したメアリーアンとまだ立ち止まっていた友梨香にキツイ視線を送って来た。
「あっ、アン!待って。そ、それでは皆様ごきげんよう」
友梨香は作り笑いをし軽く会釈をしてメアリーアンを追うために足を踏み出した。
ドンっ!!!
「えっ?」
「あっ!」
友梨香の半歩先にいたおどおど令嬢が、よろめきぶつかって来た。
「ユリカ様!」
よろけた友梨香はルードウィックに引き寄せられ無事だったが、ぶつかって来た令嬢はそのまま床に倒れてしまう。
「だ、大丈夫?」
友梨香がルードウィックの腕から抜け、倒れている令嬢に手を差し伸べる。
「も、申し訳ございません」
令嬢が頭を床に付ける勢いで謝罪する。
「大丈夫よ、ほら掴まって」
「あっ、ありがとうございます」
差し出された友梨香の手を取ろうと腕を伸ばした同時に、マリアンヌ嬢の隣にいたスザンヌ嬢が転んだ令嬢の手首をつかんだ。
「足がもつれてしまったのかしら?みっともございませんわね」
そう言いながらグイッと彼女を引き起こす。
――あらまっ、結構力が強いのねぇ。
友梨香がそう思いながら唖然として見ていると
「異世界人様はお怪我が無くて何よりですわ。皆様行きますわよ」
マリアンヌ嬢は捨て台詞を吐いてその場を後にすると、スザンヌ嬢は転んだ令嬢の腕をグイグイと引っ張りながら彼女の後に続き他の令嬢たちもこちらに挨拶もなしに慌ててその後を追っていった。
「大丈夫かしら、彼女」
「転んだ痛みより、腕を引っ張られている方が痛そうに見えますね」
呆れた様にルードウィックが言う。
「全く礼儀を弁えないご令嬢たちですね。ユリカ様が巻き込まれなくて良かったですわ」
メアリーアンも心配そうに駆け寄って来た。
「ええ、ルードさんが支えてくれてたから転ばずに済んだわ」
「あれは態とですね。私の目からは横の令嬢が彼女を押し出すのが見えましたから」
「えっ、ホントに?」
「はい、私からはハッキリと」
「全くなんていう人達でしょう。後ほど陛下に報告いたします」
「だ、大丈夫よ。大したことじゃないし。ほら、陛下も忙しいからこんな事で煩わせちゃ申し訳ないでしょう?」
友梨香が慌ててメリーアンを止めとするも、
「いえ、ユリカ様にあったことはどんな小さなことでも報告せよときつく言われておりますので」
「……」
この事は直ぐにシリウスの耳に入った。
次の夜会でも問題を起こす可能性があると判断され、彼女たちは翌日から夜会終了まで自宅謹慎を命ぜられたのだった。
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