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第3章*婚約期
◆ダニエル◆
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今夜2投稿目 バージルに続きダニエルの心情です。
++++++++++
バージル・・・
自分は幼い頃から彼の側近になるべく一緒に育てられた。
元々明るくて茶目っ気のあるやつだったが魔力が強くなり始めてから自分を抑えるようになりあまり感情を出さなくなっていた。
あの冷静な王子がここまで動揺して落ち着かなくなるなんて信じがたい光景だ。
お嬢の事をどれだけ溺愛しているんだか。
ちなみに俺はバージルとアンナ嬢そしてビオラの四人の時はお嬢と呼び名を変えた。
アンナと云うのは特に親しい間柄での呼び名だと知ったからだ。
今更ジュリアンナ嬢と言いにくいので公の場以外はお嬢と呼ばせて貰っている。
あの日バージルは息を切らしながら自分の元へやって来た。
「ダニエルやったぞ!ついに私の唯一を見つけたっ!」
彼は顔を赤く高揚させ俺に抱き付いてきた。
あんなに嬉しそうな彼を見たのはいつ振りだっただろう。
王城で開かれた少女たちのデビューの日に彼は一人の少女と出会ったのだ。
バージルの魔力に酔わない娘がいるなんて。それを聞いた時最初は魔力酔いを気にせず触れることが出来れば誰でもよくて婚約したいと言い出したのだと思っていた。
だが違った「一目惚れ」というのは本当だったんだな。
プラチナピンクの髪と瞳を持つ少女。
確かに俺から見ても妖精の様で眩しく可愛らしい。
あのままバージルが声を掛けなければ今頃はあちこちの貴族から求婚されていたと思う。
お嬢とバージルに対して驚いた事が二つある。
一つ目は彼女のいつも傍にいるメイドが光の精霊で彼女と契約を結び加護をしているという事だった。
精霊ビオラは彼女の事を「愛し子」だと言った。
癒しの力でマリーの負の力を抑えたり、バージルの魔力を安定させたり終いには聖獣まで引き連れて来た。
普通の男爵の娘がだぞ、あり得ないだろう。。。
俺の父親は神官だった。もうこの世にはいないが、親父から子供のころ寝物語で聞いたことがある話を思い出す。
神官たちに語り継がれる話で、数百年に一度、聖女とは別に大聖女と呼ばれる者が誕生すると。
その大聖女は万物の力を持ち世界を救うが、誰もその存在に気が付かない。
大聖女は神のような存在だが神ではない。
何故ならその者は人であり寿命があるからだ。
その事が刻まれた古代の石板は神殿の地下に今も祀られているが、現在に至るまで大聖女が存在したという記載のある書物は出てきてはいない。きっと聖女の力を持ってもどうにもならなかった時、人々の願望が生み出した架空の人物ではないかと父は話した。
でももし本当の事だとしたら・・・
聖女マリーの元へは行かなかった精霊と聖獣に選ばれし者のお嬢はもしかしたら父の云う「大聖女」なのかも知れないと俺は思った。
二つ目は本人はまだ気付いていないようだが、時々バージルの瞳の色が僅かに変わる時がある。
十五の頃まで彼の瞳は金色だった。
それが魔力暴走し始めた頃からだんだん暗くなり始め深い藍色と変化していった。
それがお嬢と知り合い触れ合うようになってからだんだん色が薄くなっているように見える。
色の変化が魔力の暴走からと考えれば今はお嬢のお陰で魔力が安定してきて元の色に戻って来ているのかも知れない。
特にいちゃついて来たと思われる時は一瞬だが元の金色になっている時があるのだ。
だとしたらいつかは元に戻るのではないかと思ってしまう。お嬢の魔力は底が知れない。
精霊ビオラからお嬢が聖女だと聞いてもバージルの態度は変わることは無かった。
渡り廊下で彼女を見つけた時のあの喜びよう。
馬車の中で膝に乗せ優しく包み込むようにしている姿。
「アンナ馬車を降りたら私の事は『ジル』と呼びなさい」
『ジル』って誰だよ(笑)そんな呼び名で嬉しいのか?
髪を上げさせ後ろからチョーカーを結んでいるとき、明らからに動揺していただろう。
それをお嬢に悟られないように隠し冷静を保っていたようだが俺には分かるんだよバージル。
バージルの行動がどれ一つとっても申し訳ないが笑えてしまう。
そして先日のランチ会。
もう見ていられなかったぞ。
怪我や火傷を心配している姿までは微笑ましかったが、俺たちが付く直前にお嬢に対して不意打ちで口づけしたのも俺は見逃していない。
その時も一瞬だが瞳が金色に輝いていた。
そしてハンバーガーとやらを食べて口元に着いたソースをペロリと舐めたのを見た時のバージル。
いや、あれは確かに男ならドキッとするよな。実際俺も目を奪われたのだから人の事はいえないがバージルは固まり過ぎだ。
何を想像したんだかきっとどこかも疼いたに違いない(笑)
我慢だバージル。
俺は初恋とも言えるバージルの恋を微笑ましく見守ることにした。
でも最近の彼は少し焦っているようにも見える。
そろそろ抱きしめて口づけをするだけでは物足りなくなっているのだろう。
男だからその気持ちも良く判る。
でもまだ成人前の十五歳の少女だ。
あと数か月、お嬢が成人するまで魔力を暴走させることなく理性を失わずに耐えてくれ!
友よ。
++++++++++
お読み頂きありがとうございます。
次回から新たな展開となります。
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バージル・・・
自分は幼い頃から彼の側近になるべく一緒に育てられた。
元々明るくて茶目っ気のあるやつだったが魔力が強くなり始めてから自分を抑えるようになりあまり感情を出さなくなっていた。
あの冷静な王子がここまで動揺して落ち着かなくなるなんて信じがたい光景だ。
お嬢の事をどれだけ溺愛しているんだか。
ちなみに俺はバージルとアンナ嬢そしてビオラの四人の時はお嬢と呼び名を変えた。
アンナと云うのは特に親しい間柄での呼び名だと知ったからだ。
今更ジュリアンナ嬢と言いにくいので公の場以外はお嬢と呼ばせて貰っている。
あの日バージルは息を切らしながら自分の元へやって来た。
「ダニエルやったぞ!ついに私の唯一を見つけたっ!」
彼は顔を赤く高揚させ俺に抱き付いてきた。
あんなに嬉しそうな彼を見たのはいつ振りだっただろう。
王城で開かれた少女たちのデビューの日に彼は一人の少女と出会ったのだ。
バージルの魔力に酔わない娘がいるなんて。それを聞いた時最初は魔力酔いを気にせず触れることが出来れば誰でもよくて婚約したいと言い出したのだと思っていた。
だが違った「一目惚れ」というのは本当だったんだな。
プラチナピンクの髪と瞳を持つ少女。
確かに俺から見ても妖精の様で眩しく可愛らしい。
あのままバージルが声を掛けなければ今頃はあちこちの貴族から求婚されていたと思う。
お嬢とバージルに対して驚いた事が二つある。
一つ目は彼女のいつも傍にいるメイドが光の精霊で彼女と契約を結び加護をしているという事だった。
精霊ビオラは彼女の事を「愛し子」だと言った。
癒しの力でマリーの負の力を抑えたり、バージルの魔力を安定させたり終いには聖獣まで引き連れて来た。
普通の男爵の娘がだぞ、あり得ないだろう。。。
俺の父親は神官だった。もうこの世にはいないが、親父から子供のころ寝物語で聞いたことがある話を思い出す。
神官たちに語り継がれる話で、数百年に一度、聖女とは別に大聖女と呼ばれる者が誕生すると。
その大聖女は万物の力を持ち世界を救うが、誰もその存在に気が付かない。
大聖女は神のような存在だが神ではない。
何故ならその者は人であり寿命があるからだ。
その事が刻まれた古代の石板は神殿の地下に今も祀られているが、現在に至るまで大聖女が存在したという記載のある書物は出てきてはいない。きっと聖女の力を持ってもどうにもならなかった時、人々の願望が生み出した架空の人物ではないかと父は話した。
でももし本当の事だとしたら・・・
聖女マリーの元へは行かなかった精霊と聖獣に選ばれし者のお嬢はもしかしたら父の云う「大聖女」なのかも知れないと俺は思った。
二つ目は本人はまだ気付いていないようだが、時々バージルの瞳の色が僅かに変わる時がある。
十五の頃まで彼の瞳は金色だった。
それが魔力暴走し始めた頃からだんだん暗くなり始め深い藍色と変化していった。
それがお嬢と知り合い触れ合うようになってからだんだん色が薄くなっているように見える。
色の変化が魔力の暴走からと考えれば今はお嬢のお陰で魔力が安定してきて元の色に戻って来ているのかも知れない。
特にいちゃついて来たと思われる時は一瞬だが元の金色になっている時があるのだ。
だとしたらいつかは元に戻るのではないかと思ってしまう。お嬢の魔力は底が知れない。
精霊ビオラからお嬢が聖女だと聞いてもバージルの態度は変わることは無かった。
渡り廊下で彼女を見つけた時のあの喜びよう。
馬車の中で膝に乗せ優しく包み込むようにしている姿。
「アンナ馬車を降りたら私の事は『ジル』と呼びなさい」
『ジル』って誰だよ(笑)そんな呼び名で嬉しいのか?
髪を上げさせ後ろからチョーカーを結んでいるとき、明らからに動揺していただろう。
それをお嬢に悟られないように隠し冷静を保っていたようだが俺には分かるんだよバージル。
バージルの行動がどれ一つとっても申し訳ないが笑えてしまう。
そして先日のランチ会。
もう見ていられなかったぞ。
怪我や火傷を心配している姿までは微笑ましかったが、俺たちが付く直前にお嬢に対して不意打ちで口づけしたのも俺は見逃していない。
その時も一瞬だが瞳が金色に輝いていた。
そしてハンバーガーとやらを食べて口元に着いたソースをペロリと舐めたのを見た時のバージル。
いや、あれは確かに男ならドキッとするよな。実際俺も目を奪われたのだから人の事はいえないがバージルは固まり過ぎだ。
何を想像したんだかきっとどこかも疼いたに違いない(笑)
我慢だバージル。
俺は初恋とも言えるバージルの恋を微笑ましく見守ることにした。
でも最近の彼は少し焦っているようにも見える。
そろそろ抱きしめて口づけをするだけでは物足りなくなっているのだろう。
男だからその気持ちも良く判る。
でもまだ成人前の十五歳の少女だ。
あと数か月、お嬢が成人するまで魔力を暴走させることなく理性を失わずに耐えてくれ!
友よ。
++++++++++
お読み頂きありがとうございます。
次回から新たな展開となります。
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