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第5章*成人と婚姻
47/慌ただしく時は過ぎて
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成人を祝うパーティーのあとウェディングドレスの仮縫いやら式の準備やらで王城を行き来日が続いています。
残り僅かな日々を家族で過ごそうと兄さまイーサンは泊りの仕事以外は家で私にべったりで家族に鬱陶しがられたりしています。
母さまと姉さまとは一緒に買い物へ行ったり観劇を見に行ったり女同士で楽しんでいるのですが、問題は父さまです。
式が近くなるにつれ無口になり急に抱きしめて来たかと思うと、何も言わず涙ぐんだりで家族も呆れる程落ち込んでいるのでした。
「あなたいい加減になさい。そんなにめそめそしていたらアンナがお嫁に行けないでしょう?」
「行かなくていい・・・だってさ、殿下の元に行ったらそう簡単に会えなくなるんだよ」
「はぁ、情けないわねー。みんなアンナが嫁いで寂しいと思う気持ちは一緒なの。それでもアンナが笑顔でこの家から殿下の所へ行けるようにって頑張っているんでしょ。泣くのは送り出すその日だけにして下さい」
母さまと父さまの会話がドアの向こうから聞こえてきて胸がじーんと熱くなります。
普通の結婚と違って王族に嫁いだら好きな時に実家に帰る事も出来なるのよね。私だって大好きなバージル様の所へお嫁に行くからと浮かれてばかりいる訳じゃないのよ父さま。
堪え切れなくなりノックもせずにドアを開き父さまに抱き付いてしまいました。
「私の可愛いアンナ・・・」
「父さま、愛しています。バージル様の所へ嫁いでもアンナはずっと父さまの娘ですから」
父さまの胸で泣く私の背中を後ろから母さまが摩ってくれます。
「アンナちゃん、貴方は私達たちの大事な大事な娘よ。アナタが結婚して子供を産んで母親になってもそれは変わらない。家族なんですもの。ねえアナタ」
「ああ、そうともマリアンヌの云う通りだ。悪かったアンナ情けない父さまを許しておくれ」
「父さま、母さま」
三人で抱き合いひとしきり泣いて落ち着くと父は笑顔をになっていました。
それから残りのひと月は父さまとデートをしたり食事に出掛けたりして残り少ない実家での生活を家族に感謝しながら過ごしたアンナでした。
◆◆◆
新年を迎え国中が喜びに満ちていた。
そしてアデライト王国第二王子バージルとオレガノ男爵家次女ジュリアンナの結婚式が盛大に行われました。
純白のウェディングドレスに身を包み大聖堂のバージンロードを父さまと歩きます。
長い赤の絨毯の先には一週間ぶりに逢うバージル様が白の正装姿でこちら向いて待っていてくれています。
遠くからでも分かりました。バージルの胸にはアンナの瞳と同じ色のチーフがチラリとみえて。控えめに出しているにもかかわらず存在感をはっきりと主張しているかのようでした。
「アンナ綺麗だ」アンナは緊張と恥ずかしで顔を上げてバージルの顔を見ることが出来ません。
誓いの言葉を交わし、指輪の交換をしてベールを上げるバージル。
「愛してる」
顔を上げてこの日初めてバージル様の顔を見て私は驚きを隠せませんでした。
「バージル様瞳の色が・・・」
「そうだよ、元に戻った」
「綺麗・・・です」
優しく微笑む笑顔に涙がこみ上げてきました。
「ほら、みんな待ってるから目を閉じて」
優しく口づけをされ指で涙を拭ってくれると聖堂内に鐘が鳴り響き参列者の拍手の音もそれに負けないくらい響き渡り永遠に止むことは無いのではないかと思うほど続いたのでした。
お色直しをして披露宴的なパーティーは続きます。
「バージルに先を越されたのは悔しいな」
冗談めかして言うデオドールに
「兄上は遊び過ぎです。どこぞの姫の様な被害者は作らないように気を付けて下さい」
「おいおい、どういう事だよ~」
「お二人とも!」
アンナの一言でしゅんとする二人。
「アンナちゃん、我は君のような可愛い妹が出来て本当に嬉しく思っているよ。バージルにとって君は唯一らしいからこれからもコイツの魔力の暴走を抑えてやってね」
相変わらず誑し笑顔で顔を近づけて来るデオドール。
「兄上近づきすぎです!」
血相を変える弟にハイハイと呆れる兄。
「デオドール殿下」
「お義兄さまだよ、アンナちゃん」
「あっ、はい。デオドールお義兄様にもきっと唯一の女性が見つかりますよ」
デオドールは破顔しアンナを抱きしめる。
「ありがとう、可愛い義妹よ」
そしてバージルが引き離す前にアンナの頬にキスをしていつものように手を振り去って行きました。
「アンナ」
振り向くと金色に戻った瞳が怒っているのが判りました。
あわわ、機嫌損ねちゃったみたいです。
「今のは不可抗力です。アンナはバージル様の妻になったのですから安心してください」
にーっこりと笑顔を作りバージルに寄り添い頬にキスをすると、彼もまた頬を緩める。
父さまとバージル様は似てると思っていたけど一緒ね。こちらから甘えられるのに弱いのはもう十分承知ですわよ。
アンナはバージルの腕の中でやっぱり私も母さまの血を引いてるんだわと可愛い赤い舌を出していたのでした。
長い長いパーティーの中盤を過ぎた頃先に部屋に戻る様に告げられる。やっとドレスから解放されたアンナ。
三か月前に一週間過ごした部屋の浴室でビオラを筆頭に五人の侍女たちに湯あみとマッサージをされプラチナピンクの髪も肌もピカピカに磨き上げられていました。
湯あみを終え着せられた寝着を見て真っ赤になるアンナ。
そうでした・・・すっかり忘れておりましたよ(汗)
一大イベントがこの後待っているという事を。
「それでは明日はお呼びになるまでお部屋に参りませんので殿下とごゆるりとお過ごし下さませ」
そう言いながら寝室の扉を開くと・・・
なんと後から来る筈の殿下がカウチに座って寛いでいる。
これにはアンナは勿論、侍女達も驚き一瞬自分たちの目を疑った。
しかしそのあとはそれぞれ含みを持たせて少し口元に笑いを浮かべ一斉に頭を下げて部屋から退出していきます。残ったビオラに助けを求めますが
「いい加減覚悟を決めなさい。バージルがどれだけ待ったか分かってるでしょう!」
「で、でも~」
「大丈夫よ、アイツはアンナを溺愛しているから優しくしてくれるわ。じゃぁね~」
そう言い残し出て行ってしまいました。
恐る恐るカウチに座ったバージルを見ると前と同じように両腕を広げ、おいでと呼んでいます。
ええい、もう!やけくそだとばかりにバージル様の膝の上に飛び乗りました。
「アンナ、やっと私のお嫁さんになってくれた」
「バージル様」
「いつの間にかジルから戻ってるね。まぁいいや、今夜から二人の時はバージルと呼んで欲しい」
「様抜きですか?」
「ああ、夫婦になったのだからね」
「ちょっとそれは・・・」
「ほら。呼んでアンナ」
バージルはアンナの髪を撫でながら甘く切ない声で囁いてきます。
「バー・・・ジル」
「アンナ。愛してる」
いつもより熱い口づけをされ、そのまま寝台へと運ばれてしまうアンナ。
「アンナ何度言っても足りたい・愛してる」
「バー・・・ジル私も愛しています。大好きです」
唇から首筋に落ちてゆく口づけに翻弄されながら甘い夜は過ぎて行きました。
バージルの一年の思いがやっと叶えられた初夜となったのでした。
◆◆◆
「おはようアンナ」
昨日よりももっと金色に輝くバージルの瞳に見つめられ思わず彼の胸に顔を埋めてしまいます。
うわっ、裸のままだ!昨夜のことを思い出し真っ赤になるアンナ。
「身体は大丈夫?」
「あっ、はい大丈夫です」
「そうか、シーツも取り換えて身体は昨夜の内に拭いてあげたからサッパリしてるだろう?」
ぎょえ~~!!!まさか致した後寝落ちした私の身体をバージル様が!?
穴があったら入りたいとは正にこの状態のことを言うんだわ。
恥かしさでシーツを頭から被りジタバタする私に
「それだけ元気があったらまだ大丈夫そうだね」
と被っていたシーツを引っぺがし組敷かれて・・・・・・・。
目覚めたら昼近くになっていて。
湯あみの手伝いに来てくれた侍女たちの視線が前回と違います。
みんな頬を染めニコニコしながら世話をしてくれています。
「殿下の独占欲の証ね」
ビオラに言われ身体を見るとあちこちに赤い痣が付いているではありませんか!
俗にいうキスマークってやつですよね?
これを見てみんな嬉しそうだったのかと思うと、もう一つ穴を掘って入ってしまいたいと思うアンナでした。
着替えて部屋に戻るとブランチの支度が整いバージルがアンナはまだかとコーヒーを飲みながら待ち構えています。
やっぱりこうなりますよね。
膝の上に座らせられ餌付けするようにパンやスープを甲斐甲斐しく運ぶバージルにアンナは諦めの境地に至ったのでありました。
この先どれだけバージルに甘やかされ続けてるのか。
アンナと出会ってから一年以上我慢したバージルの愛は半端ない事だけは確かです。
残り僅かな日々を家族で過ごそうと兄さまイーサンは泊りの仕事以外は家で私にべったりで家族に鬱陶しがられたりしています。
母さまと姉さまとは一緒に買い物へ行ったり観劇を見に行ったり女同士で楽しんでいるのですが、問題は父さまです。
式が近くなるにつれ無口になり急に抱きしめて来たかと思うと、何も言わず涙ぐんだりで家族も呆れる程落ち込んでいるのでした。
「あなたいい加減になさい。そんなにめそめそしていたらアンナがお嫁に行けないでしょう?」
「行かなくていい・・・だってさ、殿下の元に行ったらそう簡単に会えなくなるんだよ」
「はぁ、情けないわねー。みんなアンナが嫁いで寂しいと思う気持ちは一緒なの。それでもアンナが笑顔でこの家から殿下の所へ行けるようにって頑張っているんでしょ。泣くのは送り出すその日だけにして下さい」
母さまと父さまの会話がドアの向こうから聞こえてきて胸がじーんと熱くなります。
普通の結婚と違って王族に嫁いだら好きな時に実家に帰る事も出来なるのよね。私だって大好きなバージル様の所へお嫁に行くからと浮かれてばかりいる訳じゃないのよ父さま。
堪え切れなくなりノックもせずにドアを開き父さまに抱き付いてしまいました。
「私の可愛いアンナ・・・」
「父さま、愛しています。バージル様の所へ嫁いでもアンナはずっと父さまの娘ですから」
父さまの胸で泣く私の背中を後ろから母さまが摩ってくれます。
「アンナちゃん、貴方は私達たちの大事な大事な娘よ。アナタが結婚して子供を産んで母親になってもそれは変わらない。家族なんですもの。ねえアナタ」
「ああ、そうともマリアンヌの云う通りだ。悪かったアンナ情けない父さまを許しておくれ」
「父さま、母さま」
三人で抱き合いひとしきり泣いて落ち着くと父は笑顔をになっていました。
それから残りのひと月は父さまとデートをしたり食事に出掛けたりして残り少ない実家での生活を家族に感謝しながら過ごしたアンナでした。
◆◆◆
新年を迎え国中が喜びに満ちていた。
そしてアデライト王国第二王子バージルとオレガノ男爵家次女ジュリアンナの結婚式が盛大に行われました。
純白のウェディングドレスに身を包み大聖堂のバージンロードを父さまと歩きます。
長い赤の絨毯の先には一週間ぶりに逢うバージル様が白の正装姿でこちら向いて待っていてくれています。
遠くからでも分かりました。バージルの胸にはアンナの瞳と同じ色のチーフがチラリとみえて。控えめに出しているにもかかわらず存在感をはっきりと主張しているかのようでした。
「アンナ綺麗だ」アンナは緊張と恥ずかしで顔を上げてバージルの顔を見ることが出来ません。
誓いの言葉を交わし、指輪の交換をしてベールを上げるバージル。
「愛してる」
顔を上げてこの日初めてバージル様の顔を見て私は驚きを隠せませんでした。
「バージル様瞳の色が・・・」
「そうだよ、元に戻った」
「綺麗・・・です」
優しく微笑む笑顔に涙がこみ上げてきました。
「ほら、みんな待ってるから目を閉じて」
優しく口づけをされ指で涙を拭ってくれると聖堂内に鐘が鳴り響き参列者の拍手の音もそれに負けないくらい響き渡り永遠に止むことは無いのではないかと思うほど続いたのでした。
お色直しをして披露宴的なパーティーは続きます。
「バージルに先を越されたのは悔しいな」
冗談めかして言うデオドールに
「兄上は遊び過ぎです。どこぞの姫の様な被害者は作らないように気を付けて下さい」
「おいおい、どういう事だよ~」
「お二人とも!」
アンナの一言でしゅんとする二人。
「アンナちゃん、我は君のような可愛い妹が出来て本当に嬉しく思っているよ。バージルにとって君は唯一らしいからこれからもコイツの魔力の暴走を抑えてやってね」
相変わらず誑し笑顔で顔を近づけて来るデオドール。
「兄上近づきすぎです!」
血相を変える弟にハイハイと呆れる兄。
「デオドール殿下」
「お義兄さまだよ、アンナちゃん」
「あっ、はい。デオドールお義兄様にもきっと唯一の女性が見つかりますよ」
デオドールは破顔しアンナを抱きしめる。
「ありがとう、可愛い義妹よ」
そしてバージルが引き離す前にアンナの頬にキスをしていつものように手を振り去って行きました。
「アンナ」
振り向くと金色に戻った瞳が怒っているのが判りました。
あわわ、機嫌損ねちゃったみたいです。
「今のは不可抗力です。アンナはバージル様の妻になったのですから安心してください」
にーっこりと笑顔を作りバージルに寄り添い頬にキスをすると、彼もまた頬を緩める。
父さまとバージル様は似てると思っていたけど一緒ね。こちらから甘えられるのに弱いのはもう十分承知ですわよ。
アンナはバージルの腕の中でやっぱり私も母さまの血を引いてるんだわと可愛い赤い舌を出していたのでした。
長い長いパーティーの中盤を過ぎた頃先に部屋に戻る様に告げられる。やっとドレスから解放されたアンナ。
三か月前に一週間過ごした部屋の浴室でビオラを筆頭に五人の侍女たちに湯あみとマッサージをされプラチナピンクの髪も肌もピカピカに磨き上げられていました。
湯あみを終え着せられた寝着を見て真っ赤になるアンナ。
そうでした・・・すっかり忘れておりましたよ(汗)
一大イベントがこの後待っているという事を。
「それでは明日はお呼びになるまでお部屋に参りませんので殿下とごゆるりとお過ごし下さませ」
そう言いながら寝室の扉を開くと・・・
なんと後から来る筈の殿下がカウチに座って寛いでいる。
これにはアンナは勿論、侍女達も驚き一瞬自分たちの目を疑った。
しかしそのあとはそれぞれ含みを持たせて少し口元に笑いを浮かべ一斉に頭を下げて部屋から退出していきます。残ったビオラに助けを求めますが
「いい加減覚悟を決めなさい。バージルがどれだけ待ったか分かってるでしょう!」
「で、でも~」
「大丈夫よ、アイツはアンナを溺愛しているから優しくしてくれるわ。じゃぁね~」
そう言い残し出て行ってしまいました。
恐る恐るカウチに座ったバージルを見ると前と同じように両腕を広げ、おいでと呼んでいます。
ええい、もう!やけくそだとばかりにバージル様の膝の上に飛び乗りました。
「アンナ、やっと私のお嫁さんになってくれた」
「バージル様」
「いつの間にかジルから戻ってるね。まぁいいや、今夜から二人の時はバージルと呼んで欲しい」
「様抜きですか?」
「ああ、夫婦になったのだからね」
「ちょっとそれは・・・」
「ほら。呼んでアンナ」
バージルはアンナの髪を撫でながら甘く切ない声で囁いてきます。
「バー・・・ジル」
「アンナ。愛してる」
いつもより熱い口づけをされ、そのまま寝台へと運ばれてしまうアンナ。
「アンナ何度言っても足りたい・愛してる」
「バー・・・ジル私も愛しています。大好きです」
唇から首筋に落ちてゆく口づけに翻弄されながら甘い夜は過ぎて行きました。
バージルの一年の思いがやっと叶えられた初夜となったのでした。
◆◆◆
「おはようアンナ」
昨日よりももっと金色に輝くバージルの瞳に見つめられ思わず彼の胸に顔を埋めてしまいます。
うわっ、裸のままだ!昨夜のことを思い出し真っ赤になるアンナ。
「身体は大丈夫?」
「あっ、はい大丈夫です」
「そうか、シーツも取り換えて身体は昨夜の内に拭いてあげたからサッパリしてるだろう?」
ぎょえ~~!!!まさか致した後寝落ちした私の身体をバージル様が!?
穴があったら入りたいとは正にこの状態のことを言うんだわ。
恥かしさでシーツを頭から被りジタバタする私に
「それだけ元気があったらまだ大丈夫そうだね」
と被っていたシーツを引っぺがし組敷かれて・・・・・・・。
目覚めたら昼近くになっていて。
湯あみの手伝いに来てくれた侍女たちの視線が前回と違います。
みんな頬を染めニコニコしながら世話をしてくれています。
「殿下の独占欲の証ね」
ビオラに言われ身体を見るとあちこちに赤い痣が付いているではありませんか!
俗にいうキスマークってやつですよね?
これを見てみんな嬉しそうだったのかと思うと、もう一つ穴を掘って入ってしまいたいと思うアンナでした。
着替えて部屋に戻るとブランチの支度が整いバージルがアンナはまだかとコーヒーを飲みながら待ち構えています。
やっぱりこうなりますよね。
膝の上に座らせられ餌付けするようにパンやスープを甲斐甲斐しく運ぶバージルにアンナは諦めの境地に至ったのでありました。
この先どれだけバージルに甘やかされ続けてるのか。
アンナと出会ってから一年以上我慢したバージルの愛は半端ない事だけは確かです。
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