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第6章*聖女の派遣と新婚旅行
62*解術まであと一歩
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「残りの二つは一晩一つが限界ね」
「かなり巧妙に作られているからな」
「その内一つは呪い迄入れてあるんだもん、時間が掛かるわ。それにナリスにの身体にも負担が掛かるだろうし」
ビオラの顔が曇ります。
「出来るまで頑張りましょう、何としてもナリス様と陛下を救ってあげたいもの」
「そうね」
「うむ」
皇妃ナリスの解術を始めて三晩目。
三人は彼女を一番苦しめてきた術二つに対峙しているところでした。
そこへサミュエルが姿を現しました。
「今宵は私もいていいだろうか?」
三人は顔を見合わせて頷きます。
「ここでこれから見る事は口外しないと約束して下されば。今回解く術は難しい物なのでもしかしたらナリス様に少し苦しい思いをさせてしまうかも知れません。どうぞお傍についていて差し上げて下さい」
「分かった」
ナリスの足元にビオラが立ち、左右にサミュエルとアンナが座る。そして頭上にバージルが立ち四人がナリスを四方から囲む形となった。
「それでは始めますね」
アンナが彼女の手を握り力を注いでゆくと数秒もしない内にナリスは意識を飛ばし眠りについた。
次にビオラが両手を翳すと光の粒がナリスを包んでいく。
サミュエルは驚き声を出しそうになるのを必死で堪えた。
段々とナリスの上に術式が浮かんできました。
「やはり厄介ね」
「どっちから行くか?」
「そうねぇ、先に厄介な呪いの付いている右のどす黒い赤の方からやりましょう」
「分かった、やってみよう」
ビオラとバージルの会話を聞きながら癒しの力を調整し流していくアンナ。
バージルはいつものように空中で手を動かしながら術式を入れ替えていきます。その作業はかなりの時間続けられどす黒い術式が歪み始めると突然ナリスが顔をしかめ苦しそうに眉間に皺を寄せました。
「ナリス大丈夫か!」
サミュエルは彼女の手を握り心配そうに顔を色をうがいます。
「ナリス様も戦っておられるのです。心中で頑張れと声を掛けてあげて下さい」
アンナの言葉に頷きナリスを見つめるサミュエル。
バージルも額に汗を掻き始めかなり体力を消耗しているように見える。
アンナは片方の手をナリスから離しバージルに差し出すと手の平を彼に向けました。
するとその手からビオラとは違うオレンジ色の光が出てバージルを包み込みます。
・・・何が起きているのだ・・・
サミュエルは目の前で起きている光景を見て息を呑んだ。
「アンナありがとう、もう大丈夫だ」
アンナの力で体力を回復させたバージルがアンナに微笑みます。
「はい、バージル」
「術式はもう少しで解けそうだが、呪いの方が」
バージルは苦戦している。
「この呪い術師のモノではないわね。誰かが術と一緒に掛けるように術師に頼んで入れたんだわ。なんて事をしてくれちゃってるのよ!」
ビオラも怒りをあらわにする。
「術の中に靄っているのはそれか」
とバージルは頭を悩ませます。
もう解術を始めてから三時間は超えている。
「バージル何とか術式を解いて。後は私が呪いを祓い浄化するわ」
「心得た」
アンナの言葉にバージルが解術に集中する。
バージルが必死に解いている間ビオラからの光の粒は部屋全体を包むまでに広がりアンナが送っている癒しの力はアンナの手からナリスの身体中を巡りその一部がナリスのもう片方の手を握るサミュエルの身体にも流れている。
・・・この三人は何者なのだ?
サミュエルは困惑しながらも成り行きを見守るしかなかった。
「解けた!《汝の術は我が開放し解き放つ》」
バージルが唱えるとその歪んだ術式はパリンと音を立て粉々になり後にはモヤモヤと渦巻く物がナリスの胸の上でうごめいている。
「大丈夫なのか?」
サミュエルがアンナの顔を見る。
「大丈夫です。これから呪いを祓い浄化するので陛下も離れて下さい」
アンナが椅子から立ち上がった。
それと同時にビオラからの光の粒も消え、バージルがサミュエルを促し寝台から離れて行きます。
アンナは立ち上がると深呼吸をして呼吸を整え、両手を寝ているナリスに向けて差し出します。
アンナの身体が金色の光に包まれその光がナリスの身体全体を覆いました。
数分すると苦しんでいたナリスの表情が穏やかにな表情に変わっていき薄っすらと目を開けました。それと同時に金色の光が消え、アンナがよろめきそれをバージルが駆け寄り支えます。
「ありがとうバージル、私は平気。
陛下、ナリス様のところへ行っても大丈夫ですよ」
サミュエルもナリスに駆け寄り抱き締めます。
「あなた」
「大丈夫かい、身体は痛くないか?気分は?」
「ええ、悪夢から覚めたみたいでスッキリとしています」
「そうか・・・」
「あっ、足に少し力が・・・」
そう言うとナリスは起こした上半身の向きを変え両足を寝台から床に降ろしサミュエルの肩に掴まりながら自力で立ち上がります。
「ナリス。。。なんて事だ!自分で立てるのか・・・」
サミュエルも立ち上がり彼女の事を抱き締め涙します。
「ええ、自分でも信じられません」
一年の間自力で立つことも出来なかった足に今は力が入りしっかりと自分の体重を支えている事に感情が高ぶり涙がこみ上げてきます。
「良かった。でもまだ完全に修復されていませんので無理なさらないでください」
バージルの腕の中らアンナがナリスに微笑みながら忠告します。
「はい、わかりました。有難うございます「有難うございます」」
涙を滲ませ何度も礼を言うサミュエルとナリス。
「まだ身体の内側の組織を蝕んでいる術が残っているけど今日の程難しくはないわ。それが解術されればもう心配はないわよ」
ビオラも微笑みながら二人を見て言いました。
「流石に今夜は無理だけどね」
バージルがウィンクします。
「聖女様から頂いている力と同じ力を毎夜ジュリアンナ妃の手から感じておりました。でも聖女様と比べ物ならないくらいもっと強くそして穏やかで」
「ナリス様、それ以上は」
と、アンナが口に人差し指を当てて制しました。
「こんなことが出来るなんて本当に貴方達は何者なのだ?そしてジュリアンナ妃の力は・・・」
「隣国の王子とその妃、そして妃の大事な侍女ですよ」
バージルがアンナとビオラを見て笑います。
「そ、そうか、そうなのだな、うん」
「なんですの、あなた?えっ、もしかして」
「いいんだ、うん。」
サミュエルは今夜最初に言われたことを思い出し自分を納得させたのでした。
気付けば深夜をとうに超えています。
「今夜は疲れたでしょう。ナリスもこれだけ元気になった。明日一日皆ゆっくりと休んで欲しい。残りは明後日にお願いしたいと思う」
「宜しいのですか?」
「ああ、勿論だ。明日は例の魔術大会についてデオドール殿と話を詰めようと思っている」
そうよね、それもあったわ。こちらも作戦会議をしなくちゃ。
「では明日はゆっくりさせて頂きます」
バージルが頭を下げます。
退出しようとする三人の後ろ姿に
「ジュリアンナ妃」
とナリスが声を掛けサミュエルに支えられながらアンナの所まで自力で歩みを進めアンナの手を両手で包み込みました。
「ありがとう聖女ジュリアンナ様」
小さな声で微笑みを浮かべアンナに感謝の言葉を伝えるナリスに否定する事もなく微笑み返し頷くアンナでした。
「かなり巧妙に作られているからな」
「その内一つは呪い迄入れてあるんだもん、時間が掛かるわ。それにナリスにの身体にも負担が掛かるだろうし」
ビオラの顔が曇ります。
「出来るまで頑張りましょう、何としてもナリス様と陛下を救ってあげたいもの」
「そうね」
「うむ」
皇妃ナリスの解術を始めて三晩目。
三人は彼女を一番苦しめてきた術二つに対峙しているところでした。
そこへサミュエルが姿を現しました。
「今宵は私もいていいだろうか?」
三人は顔を見合わせて頷きます。
「ここでこれから見る事は口外しないと約束して下されば。今回解く術は難しい物なのでもしかしたらナリス様に少し苦しい思いをさせてしまうかも知れません。どうぞお傍についていて差し上げて下さい」
「分かった」
ナリスの足元にビオラが立ち、左右にサミュエルとアンナが座る。そして頭上にバージルが立ち四人がナリスを四方から囲む形となった。
「それでは始めますね」
アンナが彼女の手を握り力を注いでゆくと数秒もしない内にナリスは意識を飛ばし眠りについた。
次にビオラが両手を翳すと光の粒がナリスを包んでいく。
サミュエルは驚き声を出しそうになるのを必死で堪えた。
段々とナリスの上に術式が浮かんできました。
「やはり厄介ね」
「どっちから行くか?」
「そうねぇ、先に厄介な呪いの付いている右のどす黒い赤の方からやりましょう」
「分かった、やってみよう」
ビオラとバージルの会話を聞きながら癒しの力を調整し流していくアンナ。
バージルはいつものように空中で手を動かしながら術式を入れ替えていきます。その作業はかなりの時間続けられどす黒い術式が歪み始めると突然ナリスが顔をしかめ苦しそうに眉間に皺を寄せました。
「ナリス大丈夫か!」
サミュエルは彼女の手を握り心配そうに顔を色をうがいます。
「ナリス様も戦っておられるのです。心中で頑張れと声を掛けてあげて下さい」
アンナの言葉に頷きナリスを見つめるサミュエル。
バージルも額に汗を掻き始めかなり体力を消耗しているように見える。
アンナは片方の手をナリスから離しバージルに差し出すと手の平を彼に向けました。
するとその手からビオラとは違うオレンジ色の光が出てバージルを包み込みます。
・・・何が起きているのだ・・・
サミュエルは目の前で起きている光景を見て息を呑んだ。
「アンナありがとう、もう大丈夫だ」
アンナの力で体力を回復させたバージルがアンナに微笑みます。
「はい、バージル」
「術式はもう少しで解けそうだが、呪いの方が」
バージルは苦戦している。
「この呪い術師のモノではないわね。誰かが術と一緒に掛けるように術師に頼んで入れたんだわ。なんて事をしてくれちゃってるのよ!」
ビオラも怒りをあらわにする。
「術の中に靄っているのはそれか」
とバージルは頭を悩ませます。
もう解術を始めてから三時間は超えている。
「バージル何とか術式を解いて。後は私が呪いを祓い浄化するわ」
「心得た」
アンナの言葉にバージルが解術に集中する。
バージルが必死に解いている間ビオラからの光の粒は部屋全体を包むまでに広がりアンナが送っている癒しの力はアンナの手からナリスの身体中を巡りその一部がナリスのもう片方の手を握るサミュエルの身体にも流れている。
・・・この三人は何者なのだ?
サミュエルは困惑しながらも成り行きを見守るしかなかった。
「解けた!《汝の術は我が開放し解き放つ》」
バージルが唱えるとその歪んだ術式はパリンと音を立て粉々になり後にはモヤモヤと渦巻く物がナリスの胸の上でうごめいている。
「大丈夫なのか?」
サミュエルがアンナの顔を見る。
「大丈夫です。これから呪いを祓い浄化するので陛下も離れて下さい」
アンナが椅子から立ち上がった。
それと同時にビオラからの光の粒も消え、バージルがサミュエルを促し寝台から離れて行きます。
アンナは立ち上がると深呼吸をして呼吸を整え、両手を寝ているナリスに向けて差し出します。
アンナの身体が金色の光に包まれその光がナリスの身体全体を覆いました。
数分すると苦しんでいたナリスの表情が穏やかにな表情に変わっていき薄っすらと目を開けました。それと同時に金色の光が消え、アンナがよろめきそれをバージルが駆け寄り支えます。
「ありがとうバージル、私は平気。
陛下、ナリス様のところへ行っても大丈夫ですよ」
サミュエルもナリスに駆け寄り抱き締めます。
「あなた」
「大丈夫かい、身体は痛くないか?気分は?」
「ええ、悪夢から覚めたみたいでスッキリとしています」
「そうか・・・」
「あっ、足に少し力が・・・」
そう言うとナリスは起こした上半身の向きを変え両足を寝台から床に降ろしサミュエルの肩に掴まりながら自力で立ち上がります。
「ナリス。。。なんて事だ!自分で立てるのか・・・」
サミュエルも立ち上がり彼女の事を抱き締め涙します。
「ええ、自分でも信じられません」
一年の間自力で立つことも出来なかった足に今は力が入りしっかりと自分の体重を支えている事に感情が高ぶり涙がこみ上げてきます。
「良かった。でもまだ完全に修復されていませんので無理なさらないでください」
バージルの腕の中らアンナがナリスに微笑みながら忠告します。
「はい、わかりました。有難うございます「有難うございます」」
涙を滲ませ何度も礼を言うサミュエルとナリス。
「まだ身体の内側の組織を蝕んでいる術が残っているけど今日の程難しくはないわ。それが解術されればもう心配はないわよ」
ビオラも微笑みながら二人を見て言いました。
「流石に今夜は無理だけどね」
バージルがウィンクします。
「聖女様から頂いている力と同じ力を毎夜ジュリアンナ妃の手から感じておりました。でも聖女様と比べ物ならないくらいもっと強くそして穏やかで」
「ナリス様、それ以上は」
と、アンナが口に人差し指を当てて制しました。
「こんなことが出来るなんて本当に貴方達は何者なのだ?そしてジュリアンナ妃の力は・・・」
「隣国の王子とその妃、そして妃の大事な侍女ですよ」
バージルがアンナとビオラを見て笑います。
「そ、そうか、そうなのだな、うん」
「なんですの、あなた?えっ、もしかして」
「いいんだ、うん。」
サミュエルは今夜最初に言われたことを思い出し自分を納得させたのでした。
気付けば深夜をとうに超えています。
「今夜は疲れたでしょう。ナリスもこれだけ元気になった。明日一日皆ゆっくりと休んで欲しい。残りは明後日にお願いしたいと思う」
「宜しいのですか?」
「ああ、勿論だ。明日は例の魔術大会についてデオドール殿と話を詰めようと思っている」
そうよね、それもあったわ。こちらも作戦会議をしなくちゃ。
「では明日はゆっくりさせて頂きます」
バージルが頭を下げます。
退出しようとする三人の後ろ姿に
「ジュリアンナ妃」
とナリスが声を掛けサミュエルに支えられながらアンナの所まで自力で歩みを進めアンナの手を両手で包み込みました。
「ありがとう聖女ジュリアンナ様」
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