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番外編/陰の聖女はまったりを所望中ですが。
◇歓迎会
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「ナターシャ嬢の歓迎会しましょう」
アンナの一言で準備は進められます。
買い物に同行したいと言っていたバージルは政務の都合が付かずに書類の山を見て『のけ者かよ』とひとりごちていたのでした。
「メニューは決まった?」
「ええ、モチロン」
ビオラの問い掛けに微笑むアンナ。
「今回はおコメと魚メインでいくわよ」
ドルチェ帝国と王太子であるデオドール殿下が交易をしっかりと結んでくれたお陰で今は帝国のマーカス領から米も輸入されアンナの所へは定期的に届けて貰っている。
「まずはチラシ寿司、マローンの炊き込みご飯」
「パエリアはないの?」
「そうねドルチェの港町で食べた漁師のパエリアかぁ~懐かしいわね。あの店主のおじさん元気かしら?」
ビオラは帝国の事を思い出して懐かしんでいますね。
「うん、での今回は季節を意識してマローンにするわ」
献立は決まった。
ビュッフェスタイルにするので大皿で並べ各自で取ってもらう。
■魚介類
・マグロのサイコロステーキニンニク醤油
・白身魚と鱒のフライ タルタルソース掛け
・ムール貝のワイン蒸し
・白身魚のカルパッチョ
■肉料理
・豚肉の野菜巻き ポン酢ソース
・肉じゃが
■ご飯もの
・ちらし寿司
・マローン(栗)の炊き込みご飯
■サラダ・ミソシル
別に難しい物も凝った料理もない。
只貴族たちは魚よりも肉を好む傾向があるので少しでも魚に馴染んで貰いたいと思った。
料理長たちもこの一年でアンナが作る和食の家庭料理にも精通してきたので任せられる部分が多いので楽だ。
招待客は 主役のナターシャ嬢。
前回アンナの料理が食べらずいじけていた義父の陛下は勿論義母の王妃。
デオドールお兄様は公務の関係で欠席。めっちゃ悔しがっていた(笑)
あとはバージルを含むいつもメンバー。
そして『換気扇』でいろいろ動いてくれた両親であるオレガノ男爵夫妻。
その他を含め十五名程だ。
前々日からマローンは桶に水張り浸してある。虫が中にいれば出て来るだろう。
当日に栗の皮を浮くのは手間が掛かるので前日に茹でて皮を剥き冷蔵庫に保管して置く。
当日塩のみの味付けで炊き上げる。
チラシ寿司は刺身用をさいの目に切る。港町の市民は生でも魚を食べるが王宮では火を通すのが常識なのでなるべく小さめに切って違和感を無くすつもりだ。
生で手に入ったのはマグロとヒラメそして鮭だった。
イクラの醤油漬けを作ろうと生の筋子を取り出した時には料理人たちはこんな卵を食べるのかと全員が腰を引いた。
アンナは筋子をぬるま湯で丁寧に洗い綺麗に処理をしながら卵をばらしていく。
そしてざるにあげられたイクラを見たスタッフたちはオレンジ色に輝くイクラに目を輝かせました。
後は醤油・酒・水を一度沸かして覚まして置いた調味液に付け込んで保存して置く。
異世界にも東洋チックな島国ありコメは勿論大豆も栽培している。日本酒ぽい酒、醤油に味噌、穀物酢なども作っている事が分かり試しにオレガノ商会に取り寄せて貰ったところ、アンナが自己流で作った醤油や味噌と比べ物にならないくらい美味しかったのだ。
当然こちらも価格が高くつくが定期的にお取り寄せさせて貰っている。
すし酢を作り炊きあがったご飯に混ぜる。団扇がなくとも風魔法で仰ぐことが出来るのは便利ね。
細かく切った刺身とキュウリをトッピングし最後にイクラを散らしてバラチラシの完成です。
こちらは取り易さを考えて大皿ではなく小ぶりのガラス容器に入れて並べました。
肉じゃがも良い感じ。(ただ白滝が無いけどね)
さぁ、準備は整いました。
オレガノ王国は一年を通して安定した気候が保たれている。
春夏秋冬はあるもののそれ程気温差は無いのだ。
勿論山沿いに行けば雪も降るし海沿いは気温も高い。
そんな穏やかな陽の中ビュッフェスタイルのパーティーはベイベリー邸のバーベキューの時と同じく中庭で開かれました。
「ここが殿下ご夫婦のお住まいなのですね。可愛いくて素敵です!」
初めて訪れたナターシャは辺りを見回し感動しています。
「畏まらずゆっくりとしてね」
邸にいれば動きやすいようにひざ下丈のワンピースにエプロン姿で町娘というか普通の主婦となるアンナにも驚くナターシャ嬢でした。
少し遅れて登場した両陛下を迎えそれぞれが好きな飲み物を持って乾杯しパーティーが始まりました。
両陛下は昔なじみのアンナの両親と楽しそうにお喋りしながらアンナの料理を楽しんでいる。
「これ全部ジュリアンナ様のお料理ですか?」
ナターシャがテーブルに並ぶ数々の料理を見て目を丸くします。
「そうよ、うちの邸のシェフたちも覚えてくれたから一人で作った訳ではないけれどね」
「見た事も無いお料理が並んでいてどれから食べて良いのか迷いますね」
「ふふ、どれからでもどうぞ。でも迷っていると直ぐにお皿が開いちゃいますよ」
「きゃぁ、それは大変!ではまず、これとこれと・・・」
少し大きめで仕切りのあるプレートをアンナから渡されたナターシャは大皿からサラダと魚のフライ二種、カップに入ったバラちらしをチョイスしました。
「あっ、サラダにはこのドレッシングで、お魚のフライにはタルタルソースを」
アンナが彼女のプレートの乗った料理にそれぞれのソース等を掛けてあげる。
「このガラスの器のバラチラシ?ですか?キラキラ輝いて宝石みたいですね」
想像していた通りの言葉が出て来てアンナはにんまりとします。
「生のお魚は馴染みがないと思いますがご飯にビネガー(お酢)が混ぜ込んあるのでサッパリと美味しく戴けると思いますよ。良かったらこのお醤油も少し垂らしてみてね」
不思議そうにスプーンで一口すくい口の中へ
「あっ、ほんのりビネガーが聞いていてお魚の生臭さも全くないです・・・んんん?プチっと?」
「それはイクラです。食感が面白いでしょう」
「ええ、中はとろっと。わぁー面白い♪」
どうやら喜んで貰えたようです。
その他の料理に興味津々のナターシャ嬢をビオラに任せアンナは陛下と両親の元へ向かうとバージルもやってきました。
「やぁ、アンナ。今日は招待有難う。やっと可愛い義娘の料理を食べることが出来て嬉しいよ」
「お義父様もお義母様もお忙しい中ありがとうございます」
陛下の念願だったパエリアも堪能されたようで大満足と言ったところでしょうか。
「アンナ今度オレガノ邸に帰って来たあのエビフライが父は食べたい」
アンナの父アドルフが娘に甘えるように縋って来ます。
「エビフライのプリプリは絶品よね」
食感を思い出したかのようにクリスティーナ王妃もうっとりと表情をしています。
「なに?エビフライとな。アンナ今日はあるのか?」
陛下自ら料理の並ぶテーブルへと急ぎ足で向かっていく姿を見て慌てて追いかけるアンナ。
料理に向かって突進してくる陛下の姿に驚く参加者たち。
「お義父様、今日はエビフライはございません」
アンナの言葉にガックリと肩を落とす陛下。
「でもこちらの白身魚とサーモンのフライにエビフライに使ったのと同じタルタルソースを掛けて召し上がってみてください」
「おお、これが例のタルタルソースか」
アンナに盛り付けて貰ったフライにたっぷりとタルタルソースを付けて口の中へ。
「美味い!おかわりだアンナ」
「はい、嬉しいですお義父様」
そんな陛下の姿を見て呆れる王妃と息子のバージル。
「また父上はアンナを独り占めして」
と陛下とアンナの方へと駆け寄るバージルの後ろ姿をみて
「はぁ、我が息子ながらアンナちゃんに対してはちっさい男ね」とため息を吐く王妃クリスティーナ。
後ろではマリアンヌ婦人が夫アドルフを窘めているところです。
「エビフライのレシピはアンナが置いて行ってくれて料理長が何度も出してくれてるしょうに」
「私はアンナの料理が食べたいんだよ~」
「まったく実家に帰った時くらいゆっくりさせてあげようとは思いませんの?」
「だって~」
そんな喧騒を横目にテーブルの下で久しぶりのアンナの料理を堪能するドロップ。
猫の姿をしていても普通に人の食べる物を食する精霊。
そしてその横では同じく猫の姿の聖獣フォルヴァがドロップの食べっぷりに目を丸くしている。
ふと、ドロップが顔を上げてバージルの後ろ姿に見つめます。
『以前よりオーラの光が輝きを増して来たみたいね』
『それがどうかしたのか?』
『うふ、内緒よフォルちゃん』
『何だそれは。つまらん』
ドロップだけに見える人のオーラ。
バージルのオーラがもっと輝いたらお楽しみって何でしょうね?
アンナの一言で準備は進められます。
買い物に同行したいと言っていたバージルは政務の都合が付かずに書類の山を見て『のけ者かよ』とひとりごちていたのでした。
「メニューは決まった?」
「ええ、モチロン」
ビオラの問い掛けに微笑むアンナ。
「今回はおコメと魚メインでいくわよ」
ドルチェ帝国と王太子であるデオドール殿下が交易をしっかりと結んでくれたお陰で今は帝国のマーカス領から米も輸入されアンナの所へは定期的に届けて貰っている。
「まずはチラシ寿司、マローンの炊き込みご飯」
「パエリアはないの?」
「そうねドルチェの港町で食べた漁師のパエリアかぁ~懐かしいわね。あの店主のおじさん元気かしら?」
ビオラは帝国の事を思い出して懐かしんでいますね。
「うん、での今回は季節を意識してマローンにするわ」
献立は決まった。
ビュッフェスタイルにするので大皿で並べ各自で取ってもらう。
■魚介類
・マグロのサイコロステーキニンニク醤油
・白身魚と鱒のフライ タルタルソース掛け
・ムール貝のワイン蒸し
・白身魚のカルパッチョ
■肉料理
・豚肉の野菜巻き ポン酢ソース
・肉じゃが
■ご飯もの
・ちらし寿司
・マローン(栗)の炊き込みご飯
■サラダ・ミソシル
別に難しい物も凝った料理もない。
只貴族たちは魚よりも肉を好む傾向があるので少しでも魚に馴染んで貰いたいと思った。
料理長たちもこの一年でアンナが作る和食の家庭料理にも精通してきたので任せられる部分が多いので楽だ。
招待客は 主役のナターシャ嬢。
前回アンナの料理が食べらずいじけていた義父の陛下は勿論義母の王妃。
デオドールお兄様は公務の関係で欠席。めっちゃ悔しがっていた(笑)
あとはバージルを含むいつもメンバー。
そして『換気扇』でいろいろ動いてくれた両親であるオレガノ男爵夫妻。
その他を含め十五名程だ。
前々日からマローンは桶に水張り浸してある。虫が中にいれば出て来るだろう。
当日に栗の皮を浮くのは手間が掛かるので前日に茹でて皮を剥き冷蔵庫に保管して置く。
当日塩のみの味付けで炊き上げる。
チラシ寿司は刺身用をさいの目に切る。港町の市民は生でも魚を食べるが王宮では火を通すのが常識なのでなるべく小さめに切って違和感を無くすつもりだ。
生で手に入ったのはマグロとヒラメそして鮭だった。
イクラの醤油漬けを作ろうと生の筋子を取り出した時には料理人たちはこんな卵を食べるのかと全員が腰を引いた。
アンナは筋子をぬるま湯で丁寧に洗い綺麗に処理をしながら卵をばらしていく。
そしてざるにあげられたイクラを見たスタッフたちはオレンジ色に輝くイクラに目を輝かせました。
後は醤油・酒・水を一度沸かして覚まして置いた調味液に付け込んで保存して置く。
異世界にも東洋チックな島国ありコメは勿論大豆も栽培している。日本酒ぽい酒、醤油に味噌、穀物酢なども作っている事が分かり試しにオレガノ商会に取り寄せて貰ったところ、アンナが自己流で作った醤油や味噌と比べ物にならないくらい美味しかったのだ。
当然こちらも価格が高くつくが定期的にお取り寄せさせて貰っている。
すし酢を作り炊きあがったご飯に混ぜる。団扇がなくとも風魔法で仰ぐことが出来るのは便利ね。
細かく切った刺身とキュウリをトッピングし最後にイクラを散らしてバラチラシの完成です。
こちらは取り易さを考えて大皿ではなく小ぶりのガラス容器に入れて並べました。
肉じゃがも良い感じ。(ただ白滝が無いけどね)
さぁ、準備は整いました。
オレガノ王国は一年を通して安定した気候が保たれている。
春夏秋冬はあるもののそれ程気温差は無いのだ。
勿論山沿いに行けば雪も降るし海沿いは気温も高い。
そんな穏やかな陽の中ビュッフェスタイルのパーティーはベイベリー邸のバーベキューの時と同じく中庭で開かれました。
「ここが殿下ご夫婦のお住まいなのですね。可愛いくて素敵です!」
初めて訪れたナターシャは辺りを見回し感動しています。
「畏まらずゆっくりとしてね」
邸にいれば動きやすいようにひざ下丈のワンピースにエプロン姿で町娘というか普通の主婦となるアンナにも驚くナターシャ嬢でした。
少し遅れて登場した両陛下を迎えそれぞれが好きな飲み物を持って乾杯しパーティーが始まりました。
両陛下は昔なじみのアンナの両親と楽しそうにお喋りしながらアンナの料理を楽しんでいる。
「これ全部ジュリアンナ様のお料理ですか?」
ナターシャがテーブルに並ぶ数々の料理を見て目を丸くします。
「そうよ、うちの邸のシェフたちも覚えてくれたから一人で作った訳ではないけれどね」
「見た事も無いお料理が並んでいてどれから食べて良いのか迷いますね」
「ふふ、どれからでもどうぞ。でも迷っていると直ぐにお皿が開いちゃいますよ」
「きゃぁ、それは大変!ではまず、これとこれと・・・」
少し大きめで仕切りのあるプレートをアンナから渡されたナターシャは大皿からサラダと魚のフライ二種、カップに入ったバラちらしをチョイスしました。
「あっ、サラダにはこのドレッシングで、お魚のフライにはタルタルソースを」
アンナが彼女のプレートの乗った料理にそれぞれのソース等を掛けてあげる。
「このガラスの器のバラチラシ?ですか?キラキラ輝いて宝石みたいですね」
想像していた通りの言葉が出て来てアンナはにんまりとします。
「生のお魚は馴染みがないと思いますがご飯にビネガー(お酢)が混ぜ込んあるのでサッパリと美味しく戴けると思いますよ。良かったらこのお醤油も少し垂らしてみてね」
不思議そうにスプーンで一口すくい口の中へ
「あっ、ほんのりビネガーが聞いていてお魚の生臭さも全くないです・・・んんん?プチっと?」
「それはイクラです。食感が面白いでしょう」
「ええ、中はとろっと。わぁー面白い♪」
どうやら喜んで貰えたようです。
その他の料理に興味津々のナターシャ嬢をビオラに任せアンナは陛下と両親の元へ向かうとバージルもやってきました。
「やぁ、アンナ。今日は招待有難う。やっと可愛い義娘の料理を食べることが出来て嬉しいよ」
「お義父様もお義母様もお忙しい中ありがとうございます」
陛下の念願だったパエリアも堪能されたようで大満足と言ったところでしょうか。
「アンナ今度オレガノ邸に帰って来たあのエビフライが父は食べたい」
アンナの父アドルフが娘に甘えるように縋って来ます。
「エビフライのプリプリは絶品よね」
食感を思い出したかのようにクリスティーナ王妃もうっとりと表情をしています。
「なに?エビフライとな。アンナ今日はあるのか?」
陛下自ら料理の並ぶテーブルへと急ぎ足で向かっていく姿を見て慌てて追いかけるアンナ。
料理に向かって突進してくる陛下の姿に驚く参加者たち。
「お義父様、今日はエビフライはございません」
アンナの言葉にガックリと肩を落とす陛下。
「でもこちらの白身魚とサーモンのフライにエビフライに使ったのと同じタルタルソースを掛けて召し上がってみてください」
「おお、これが例のタルタルソースか」
アンナに盛り付けて貰ったフライにたっぷりとタルタルソースを付けて口の中へ。
「美味い!おかわりだアンナ」
「はい、嬉しいですお義父様」
そんな陛下の姿を見て呆れる王妃と息子のバージル。
「また父上はアンナを独り占めして」
と陛下とアンナの方へと駆け寄るバージルの後ろ姿をみて
「はぁ、我が息子ながらアンナちゃんに対してはちっさい男ね」とため息を吐く王妃クリスティーナ。
後ろではマリアンヌ婦人が夫アドルフを窘めているところです。
「エビフライのレシピはアンナが置いて行ってくれて料理長が何度も出してくれてるしょうに」
「私はアンナの料理が食べたいんだよ~」
「まったく実家に帰った時くらいゆっくりさせてあげようとは思いませんの?」
「だって~」
そんな喧騒を横目にテーブルの下で久しぶりのアンナの料理を堪能するドロップ。
猫の姿をしていても普通に人の食べる物を食する精霊。
そしてその横では同じく猫の姿の聖獣フォルヴァがドロップの食べっぷりに目を丸くしている。
ふと、ドロップが顔を上げてバージルの後ろ姿に見つめます。
『以前よりオーラの光が輝きを増して来たみたいね』
『それがどうかしたのか?』
『うふ、内緒よフォルちゃん』
『何だそれは。つまらん』
ドロップだけに見える人のオーラ。
バージルのオーラがもっと輝いたらお楽しみって何でしょうね?
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