4 / 60
第一章末っ子王女の婚姻
4/リディアの事情(前)
しおりを挟む
※数話説明的な話が続きますが、お付き合いくださいませ。
――――――――――――――――――――――――――――――――
「暁の間」には、何故かリディアの侍女リール―も呼ばれており、オーレア王は二人に彼女を紹介した。
リールーは口元をきりりと結んだままゆっくりと頭を下げる。
池で面識のあったレオナルドは、確かハーフエルフと言っていたが、何故彼女がこの場にと不思議に思っていた。
オーレアはため息を一つ吐いてから、城内にいるものは皆知っておる事だがと、リディアの抱える事情を語った。
「リディアは今は幼い姿だが、実際は十五の王女なのだ」
最初の言葉でレオナルドとサミュエルは「えっ」と声を出したまま固まってしまう。
「リディは十三の時に王妃と池の近くを散歩している時に、突然現れた妖精に導かれるように池に沈んだのだ。あっという間の出来事で、お付きの者も成す術がなかったという。すぐに護衛の騎士が池に飛び込んだが、リディアを見つける事は出来なかった。
その後何度も池を攫ったが、リディアの亡骸さえ出て来なかったのだ。
目の前で愛娘を失ったアリスティアは、遺体も見つからない状態で、リディアの死を認めることが出来ずに病に伏せてしまった。
私たちも同じだった。気持ちの整理が付くまで王女は病にかかり、眠ったままだと云う事にした。
そのような状態が一年ほど続いたある日、一人の娘が幼子を抱えて儂の前に現れた。
その娘が抱えていたのは、一年前に水底に消えたリディアの幼い頃の姿そのままだった。私は妻から聞いた夢の話を思い出し、その幼子を抱くとすぐに妻の元へ走った。
アリスティアは信じられないと喜び、リディアを抱き締め乍ら水の精霊に感謝の言葉を言い続けていた。
なぜ、このような姿で戻って来たのかは分からなかったが、そんな事はどうでも良かった。死んだと思っていた娘が家族の元に帰って来たのだからな」
「信じられない……」
サミュエルが呟く横で、レオナルドは黙ったままだ。
「リディアを連れ戻してくれた娘は、エルフの子でリールーと名乗った。この先は彼女の話を聞いて欲しい」
侍女の名前が出て、二人は思わずリールーを見る。
侍女は伏せていた目を開き頷いた。
「私はエルフの父親の住むエルフの森と、人族の母親の住む城下を行き来しながら育ちました。
一年ほど前のことです。十才から貴族の家にメイドとして働き、十八になり奉公を終えて家に戻って来ました。そして、母と父に会いにエルフの森に行ったのでございます。その時エルフたちから、池の妖精たちが人の子を水の中に引き入れ遊んでいるという話を聞きました。
妖精たちは気まぐれで、悪戯好きです。
王女を見つけ気に入ってしまった妖精は、一緒に遊ぼうと母親の目の前で池の中に連れ去った。しかも、それが一年も続いている。飽きっぽいと思われている妖精たちは、よほど王女の事が気に入ったのだろうと仲間のエルフは話してくれました。
人族である母親はその話を聞いて、大そう悲しみました。
「王妃様は目の前で我が子を攫われて、どれ程悲しまれておられるのか……
一年経った今でもとてもお辛い思いをされているに違いない」と、涙を流しました。
母の悲しむ姿を見た私は、そのエルフにその子はまだ生きてるのかと聞きました。エルフは笑いながら、生きていて池の中の妖精の国で遊んでいるよと教えてくれたのです。
王女をこちらに戻すことが出来るのは、水の精霊しかいないということでした。
私は全く知らない王女のために、どうして自分は動こうと思ったのかも分からないままに、水の精霊に会うため、森の奥深くにある泉に向いました。
精霊が自分の頼みを聞いてくれるとは限らないけれど、やれるだけやってみようと思ったのです。
丸一日かけて泉に着き、二日間祈り続けた三日目の朝、泉から精霊が姿を現してくれました。私は王女を妖精の国から戻して貰えるように必死に願いました。
精霊は妖精たちの悪戯にも程があるといい、私の願いを聞き入れると言ってくれたのです。ただ一つ問題があるとも言いました。
『妖精の世界で暮らしていた王女は、妖精と遊ぶために幼児の姿になっているのだ。体は五才児の姿なのだぞ。そんな体で戻って本当に喜ばれるのか?』
精霊の問いに私は戸惑いましたが、でも生きているなら会いたいはずだと思ったのです。
精霊はこう言いました。
『なら我が確かめて来よう。エルフの娘こよ、もう一日ここでお前は待てるか?』
「はい、何日でも」『分かった』
そして精霊は水の中に消えて行きました。
一気にここまで話したリールーが一息ついた。
すると今度は王妃アリスティアが、言葉を繋いだ。
「多分その時、水の精霊様はわたくしのところへ来ていたのです。
私は夢の中で精霊様に声を掛けられました。
『王妃アリスティアよ』
わたくしが目を開けると、そこに透き通るような人が立っていました。
あなたは?と聞くと、
『我は水の精霊だ。其方に聞きたい。一年前に失った娘に会いたいか?』
と、聞かれたのです。
もうこの世にはいないと思っていた娘です。でも、会わせて下さるのならこの胸に抱き締めたい。それが夢の中だったとしても、もう一度この腕に抱きたいとお答えしました。
『我は娘をここへ戻すことが出来る』
私は半信半疑で尋ねました。リディはまだ生きているというのですか?と。
『ああ、妖精とともに水の中で生きておる』
涙があふれ、言葉を失っている私に、
『お前の元に戻すことは出来るが、娘は妖精の世界で五才児の姿になっておる。徐々に成長はするだろうが、すぐには元の姿には戻れないだろう。いや、戻る事は出来ないかも知れぬ。それでも戻ったら嬉しいか?』
私の気持ちを試す様に聞かれ、五才の姿でも構いません。リディが私達の元へ戻ってくれるのならと、涙ながらに答えると
『分かった』
そう一言い残して精霊様は姿を消されたのです。
目が覚めた時、私は夢の中の出来事だと思っていました。けれど、何故、一年経ってこのような夢を見たのか。
不思議に思いながら夢の話を夫に話しました。
オーレアは私を抱き締めながら、夢の中でもリディに会えたら良いなと優しく言ってくれました。
その数日後、夢が現実となりました。リールーのお陰で、リディアが私の元へと帰って来てくれたのです」
泣き出した王妃の手を王が握り締め、リールーが話を続ける。
泉で待っていた私の前に、水の精霊がまた姿を現してこう告げました。
『エルフの娘こよ、おまえの願いを叶えてやることにしたぞ。ただし条件がある。王女は今の姿から実年齢の姿にいつ戻れるのかも分からない。突然戻るのか、そのまま戻れないのか我にも分からない。しかし、妖精の国にいても元の世界の事は妖精の鏡を見て知っており、十四才の心を持っているのだ。人の世界に戻ったら、さぞ暮らし難かろう。我を呼びだしたお前が、王女のそばで世話をするというのが、我の出す条件だがどうする?』
問われた私は、自分が勝手に願い出た事で、その責任は取らなくてならない。王女が元の体に戻る迄、自分が責任を持ってお世話をするしかないと思ったのです。そして、王女様のお傍に居る事をお約束いたしますと答えたのです。
『分かった。我も王女が元の姿になれるよう、何かしらの手伝いはする。では、王城へ行き、池の淵で待て』
と言われ、精霊は泉の中へと消えて行きました。
私は急ぎエルフの里にいる両親の元へと戻ると、この六日間の事を話しました。
エルフである父も人である母も、私の行動に驚きはしましたが、叱る事はありませんでした。
そして私の意志が固い事を知り、二人で見送ってくれたのです。
私は見張りの目を盗み、王城内に潜り込むと目的の池に向かいました。城の中など入った事もなかったのに、不思議と池の場所は分かったのです。
やっとの思いで池に着くと、既に精霊が女の子を抱いて待っていました。
『確かに連れ戻したぞ。約束を忘れるな』
精霊の言葉に力強く頷いて、王女を受け取ると直ぐに王の元へと向かったのです。
私の話を聞いた陛下は、愛娘リディを戻してくれたお礼に褒美を与えてくだると言ってくださいました。ならばと私は水の精霊との約束を守り、リディア様の侍女になる事を願い出たのです。
そうして今、リディア様のお傍に仕えさせて頂いている次第でございます」
――――――――――――――――――――――――――――――――
「暁の間」には、何故かリディアの侍女リール―も呼ばれており、オーレア王は二人に彼女を紹介した。
リールーは口元をきりりと結んだままゆっくりと頭を下げる。
池で面識のあったレオナルドは、確かハーフエルフと言っていたが、何故彼女がこの場にと不思議に思っていた。
オーレアはため息を一つ吐いてから、城内にいるものは皆知っておる事だがと、リディアの抱える事情を語った。
「リディアは今は幼い姿だが、実際は十五の王女なのだ」
最初の言葉でレオナルドとサミュエルは「えっ」と声を出したまま固まってしまう。
「リディは十三の時に王妃と池の近くを散歩している時に、突然現れた妖精に導かれるように池に沈んだのだ。あっという間の出来事で、お付きの者も成す術がなかったという。すぐに護衛の騎士が池に飛び込んだが、リディアを見つける事は出来なかった。
その後何度も池を攫ったが、リディアの亡骸さえ出て来なかったのだ。
目の前で愛娘を失ったアリスティアは、遺体も見つからない状態で、リディアの死を認めることが出来ずに病に伏せてしまった。
私たちも同じだった。気持ちの整理が付くまで王女は病にかかり、眠ったままだと云う事にした。
そのような状態が一年ほど続いたある日、一人の娘が幼子を抱えて儂の前に現れた。
その娘が抱えていたのは、一年前に水底に消えたリディアの幼い頃の姿そのままだった。私は妻から聞いた夢の話を思い出し、その幼子を抱くとすぐに妻の元へ走った。
アリスティアは信じられないと喜び、リディアを抱き締め乍ら水の精霊に感謝の言葉を言い続けていた。
なぜ、このような姿で戻って来たのかは分からなかったが、そんな事はどうでも良かった。死んだと思っていた娘が家族の元に帰って来たのだからな」
「信じられない……」
サミュエルが呟く横で、レオナルドは黙ったままだ。
「リディアを連れ戻してくれた娘は、エルフの子でリールーと名乗った。この先は彼女の話を聞いて欲しい」
侍女の名前が出て、二人は思わずリールーを見る。
侍女は伏せていた目を開き頷いた。
「私はエルフの父親の住むエルフの森と、人族の母親の住む城下を行き来しながら育ちました。
一年ほど前のことです。十才から貴族の家にメイドとして働き、十八になり奉公を終えて家に戻って来ました。そして、母と父に会いにエルフの森に行ったのでございます。その時エルフたちから、池の妖精たちが人の子を水の中に引き入れ遊んでいるという話を聞きました。
妖精たちは気まぐれで、悪戯好きです。
王女を見つけ気に入ってしまった妖精は、一緒に遊ぼうと母親の目の前で池の中に連れ去った。しかも、それが一年も続いている。飽きっぽいと思われている妖精たちは、よほど王女の事が気に入ったのだろうと仲間のエルフは話してくれました。
人族である母親はその話を聞いて、大そう悲しみました。
「王妃様は目の前で我が子を攫われて、どれ程悲しまれておられるのか……
一年経った今でもとてもお辛い思いをされているに違いない」と、涙を流しました。
母の悲しむ姿を見た私は、そのエルフにその子はまだ生きてるのかと聞きました。エルフは笑いながら、生きていて池の中の妖精の国で遊んでいるよと教えてくれたのです。
王女をこちらに戻すことが出来るのは、水の精霊しかいないということでした。
私は全く知らない王女のために、どうして自分は動こうと思ったのかも分からないままに、水の精霊に会うため、森の奥深くにある泉に向いました。
精霊が自分の頼みを聞いてくれるとは限らないけれど、やれるだけやってみようと思ったのです。
丸一日かけて泉に着き、二日間祈り続けた三日目の朝、泉から精霊が姿を現してくれました。私は王女を妖精の国から戻して貰えるように必死に願いました。
精霊は妖精たちの悪戯にも程があるといい、私の願いを聞き入れると言ってくれたのです。ただ一つ問題があるとも言いました。
『妖精の世界で暮らしていた王女は、妖精と遊ぶために幼児の姿になっているのだ。体は五才児の姿なのだぞ。そんな体で戻って本当に喜ばれるのか?』
精霊の問いに私は戸惑いましたが、でも生きているなら会いたいはずだと思ったのです。
精霊はこう言いました。
『なら我が確かめて来よう。エルフの娘こよ、もう一日ここでお前は待てるか?』
「はい、何日でも」『分かった』
そして精霊は水の中に消えて行きました。
一気にここまで話したリールーが一息ついた。
すると今度は王妃アリスティアが、言葉を繋いだ。
「多分その時、水の精霊様はわたくしのところへ来ていたのです。
私は夢の中で精霊様に声を掛けられました。
『王妃アリスティアよ』
わたくしが目を開けると、そこに透き通るような人が立っていました。
あなたは?と聞くと、
『我は水の精霊だ。其方に聞きたい。一年前に失った娘に会いたいか?』
と、聞かれたのです。
もうこの世にはいないと思っていた娘です。でも、会わせて下さるのならこの胸に抱き締めたい。それが夢の中だったとしても、もう一度この腕に抱きたいとお答えしました。
『我は娘をここへ戻すことが出来る』
私は半信半疑で尋ねました。リディはまだ生きているというのですか?と。
『ああ、妖精とともに水の中で生きておる』
涙があふれ、言葉を失っている私に、
『お前の元に戻すことは出来るが、娘は妖精の世界で五才児の姿になっておる。徐々に成長はするだろうが、すぐには元の姿には戻れないだろう。いや、戻る事は出来ないかも知れぬ。それでも戻ったら嬉しいか?』
私の気持ちを試す様に聞かれ、五才の姿でも構いません。リディが私達の元へ戻ってくれるのならと、涙ながらに答えると
『分かった』
そう一言い残して精霊様は姿を消されたのです。
目が覚めた時、私は夢の中の出来事だと思っていました。けれど、何故、一年経ってこのような夢を見たのか。
不思議に思いながら夢の話を夫に話しました。
オーレアは私を抱き締めながら、夢の中でもリディに会えたら良いなと優しく言ってくれました。
その数日後、夢が現実となりました。リールーのお陰で、リディアが私の元へと帰って来てくれたのです」
泣き出した王妃の手を王が握り締め、リールーが話を続ける。
泉で待っていた私の前に、水の精霊がまた姿を現してこう告げました。
『エルフの娘こよ、おまえの願いを叶えてやることにしたぞ。ただし条件がある。王女は今の姿から実年齢の姿にいつ戻れるのかも分からない。突然戻るのか、そのまま戻れないのか我にも分からない。しかし、妖精の国にいても元の世界の事は妖精の鏡を見て知っており、十四才の心を持っているのだ。人の世界に戻ったら、さぞ暮らし難かろう。我を呼びだしたお前が、王女のそばで世話をするというのが、我の出す条件だがどうする?』
問われた私は、自分が勝手に願い出た事で、その責任は取らなくてならない。王女が元の体に戻る迄、自分が責任を持ってお世話をするしかないと思ったのです。そして、王女様のお傍に居る事をお約束いたしますと答えたのです。
『分かった。我も王女が元の姿になれるよう、何かしらの手伝いはする。では、王城へ行き、池の淵で待て』
と言われ、精霊は泉の中へと消えて行きました。
私は急ぎエルフの里にいる両親の元へと戻ると、この六日間の事を話しました。
エルフである父も人である母も、私の行動に驚きはしましたが、叱る事はありませんでした。
そして私の意志が固い事を知り、二人で見送ってくれたのです。
私は見張りの目を盗み、王城内に潜り込むと目的の池に向かいました。城の中など入った事もなかったのに、不思議と池の場所は分かったのです。
やっとの思いで池に着くと、既に精霊が女の子を抱いて待っていました。
『確かに連れ戻したぞ。約束を忘れるな』
精霊の言葉に力強く頷いて、王女を受け取ると直ぐに王の元へと向かったのです。
私の話を聞いた陛下は、愛娘リディを戻してくれたお礼に褒美を与えてくだると言ってくださいました。ならばと私は水の精霊との約束を守り、リディア様の侍女になる事を願い出たのです。
そうして今、リディア様のお傍に仕えさせて頂いている次第でございます」
43
あなたにおすすめの小説
【完結】2番目の番とどうぞお幸せに〜聖女は竜人に溺愛される〜
雨香
恋愛
美しく優しい狼獣人の彼に自分とは違うもう一人の番が現れる。
彼と同じ獣人である彼女は、自ら身を引くと言う。
自ら身を引くと言ってくれた2番目の番に心を砕く狼の彼。
「辛い選択をさせてしまった彼女の最後の願いを叶えてやりたい。彼女は、私との思い出が欲しいそうだ」
異世界に召喚されて狼獣人の番になった主人公の溺愛逆ハーレム風話です。
異世界激甘溺愛ばなしをお楽しみいただければ。
【完結】番(つがい)でした ~美しき竜人の王様の元を去った番の私が、再び彼に囚われるまでのお話~
tea
恋愛
かつて私を妻として番として乞い願ってくれたのは、宝石の様に美しい青い目をし冒険者に扮した、美しき竜人の王様でした。
番に選ばれたものの、一度は辛くて彼の元を去ったレーアが、番であるエーヴェルトラーシュと再び結ばれるまでのお話です。
ヒーローは普段穏やかですが、スイッチ入るとややドS。
そして安定のヤンデレさん☆
ちょっぴり切ない、でもちょっとした剣と魔法の冒険ありの(私とヒロイン的には)ハッピーエンド(執着心むき出しのヒーローに囚われてしまったので、見ようによってはメリバ?)のお話です。
別サイトに公開済の小説を編集し直して掲載しています。
何年も相手にしてくれなかったのに…今更迫られても困ります
Karamimi
恋愛
侯爵令嬢のアンジュは、子供の頃から大好きだった幼馴染のデイビッドに5度目の婚約を申し込むものの、断られてしまう。さすがに5度目という事もあり、父親からも諦める様言われてしまった。
自分でも分かっている、もう潮時なのだと。そんな中父親から、留学の話を持ち掛けられた。環境を変えれば、気持ちも落ち着くのではないかと。
彼のいない場所に行けば、彼を忘れられるかもしれない。でも、王都から出た事のない自分が、誰も知らない異国でうまくやっていけるのか…そんな不安から、返事をする事が出来なかった。
そんな中、侯爵令嬢のラミネスから、自分とデイビッドは愛し合っている。彼が騎士団長になる事が決まった暁には、自分と婚約をする事が決まっていると聞かされたのだ。
大きなショックを受けたアンジュは、ついに留学をする事を決意。専属メイドのカリアを連れ、1人留学の先のミラージュ王国に向かったのだが…
旦那様、政略結婚ですので離婚しましょう
おてんば松尾
恋愛
王命により政略結婚したアイリス。
本来ならば皆に祝福され幸せの絶頂を味わっているはずなのにそうはならなかった。
初夜の場で夫の公爵であるスノウに「今日は疲れただろう。もう少し互いの事を知って、納得した上で夫婦として閨を共にするべきだ」と言われ寝室に一人残されてしまった。
翌日から夫は仕事で屋敷には帰ってこなくなり使用人たちには冷たく扱われてしまうアイリス……
(※この物語はフィクションです。実在の人物や事件とは関係ありません。)
夫に顧みられない王妃は、人間をやめることにしました~もふもふ自由なセカンドライフを謳歌するつもりだったのに、何故かペットにされています!~
狭山ひびき
恋愛
もう耐えられない!
隣国から嫁いで五年。一度も国王である夫から関心を示されず白い結婚を続けていた王妃フィリエルはついに決断した。
わたし、もう王妃やめる!
政略結婚だから、ある程度の覚悟はしていた。けれども幼い日に淡い恋心を抱いて以来、ずっと片思いをしていた相手から冷たくされる日々に、フィリエルの心はもう限界に達していた。政略結婚である以上、王妃の意思で離婚はできない。しかしもうこれ以上、好きな人に無視される日々は送りたくないのだ。
離婚できないなら人間をやめるわ!
王妃で、そして隣国の王女であるフィリエルは、この先生きていてもきっと幸せにはなれないだろう。生まれた時から政治の駒。それがフィリエルの人生だ。ならばそんな「人生」を捨てて、人間以外として生きたほうがましだと、フィリエルは思った。
これからは自由気ままな「猫生」を送るのよ!
フィリエルは少し前に知り合いになった、「廃墟の塔の魔女」に頼み込み、猫の姿に変えてもらう。
よし!楽しいセカンドラウフのはじまりよ!――のはずが、何故か夫(国王)に拾われ、ペットにされてしまって……。
「ふふ、君はふわふわで可愛いなぁ」
やめてえ!そんなところ撫でないで~!
夫(人間)妻(猫)の奇妙な共同生活がはじまる――
【完結】お前を愛することはないとも言い切れない――そう言われ続けたキープの番は本物を見限り国を出る
堀 和三盆
恋愛
「お前を愛することはない」
「お前を愛することはない」
「お前を愛することはない」
デビュタントを迎えた令嬢達との対面の後。一人一人にそう告げていく若き竜王――ヴァール。
彼は新興国である新獣人国の国王だ。
新獣人国で毎年行われるデビュタントを兼ねた成人の儀。貴族、平民を問わず年頃になると新獣人国の未婚の娘は集められ、国王に番の判定をしてもらう。国王の番ではないというお墨付きを貰えて、ようやく新獣人国の娘たちは成人と認められ、結婚をすることができるのだ。
過去、国の為に人間との政略結婚を強いられてきた王族は番感知能力が弱いため、この制度が取り入れられた。
しかし、他種族国家である新獣人国。500年を生きると言われる竜人の国王を始めとして、種族によって寿命も違うし体の成長には個人差がある。成長が遅く、判別がつかない者は特例として翌年の判別に再び回される。それが、キープの者達だ。大抵は翌年のデビュタントで判別がつくのだが――一人だけ、十年近く保留の者がいた。
先祖返りの竜人であるリベルタ・アシュランス伯爵令嬢。
新獣人国の成人年齢は16歳。既に25歳を過ぎているのに、リベルタはいわゆるキープのままだった。
最初で最後の我儘を
みん
恋愛
獣人国では、存在が無いように扱われている王女が居た。そして、自分の為、他人の為に頑張る1人の女の子が居た。この2人の関係は………?
この世界には、人間の国と獣人の国と龍の国がある。そして、それぞれの国には、扱い方の違う“聖女”が存在する。その聖女の絡む恋愛物語。
❋相変わらずの、(独自設定有りの)ゆるふわ設定です。メンタルも豆腐並なので、緩い気持ちで読んでいただければ幸いです。
❋他視点有り。
❋気を付けてはいますが、誤字脱字がよくあります。すみません!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる