末っ子第三王女は竜王殿下に溺愛される【本編完結】

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第一章末っ子王女の婚姻

19/二人の竜姫一度きりの閨*マゼンダの場合

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 赤竜姫マゼンダは今年十八になる赤竜の姫である。
 赤竜の長は娘のマゼンダを王家である黒竜に嫁がせ、妃の座を得て三竜の中で優位に立ちたいと考えていた。そして、自由奔放な娘が純潔の内にと離宮に送り出したのだった。
 
 入宮した時はやはり十五になる少し前だった。
 レオナルドの事はただ憧れていると言うだけで、シアンのような思いは抱いてはいなかった。王太子妃になれば自分は竜族の女性の中で高位になれる。そんな単純な思考でしかなかった。

 番はそう簡単に見つかるものでないと聞かされ、なんとしても他の姫よりも先に子を産み、妃の座を確保して置けと言われて来た。
 幸い自分より前に離宮入りしていた姫たちは、まだ子に恵まれてはいない。それなら自分がと意気揚々と入宮したのだった。
 女官は殿下の渡りについて説明をしますと言い、持っていた袋から茶色い小瓶と青い小瓶を取り出すと机の上にことんと置いた。
 そして今現在レオナルドが妃を迎える気持ちが無いと、シアンにも告げた説明をした後に、次の言葉が加えられてた。
「これは、番以外には気持ちが高ぶらないという殿下が事を成すために必要な薬です。
 姫君に女性として殿下のお気持ちが注がれれば、これは必要ありません。その後も殿下の寵愛を受ける事が出来れば側室として迎えられるでしょう。
 ですが、今おられる姫君たち全員に、殿下は薬を使われております。そして、残念なことにその後のお渡りは一度もありませんでした。ただ一度きり、それも薬を殿下が飲まれてまでとお思いなら、今すぐ離宮から去られる事をお勧めいたします」

 それを聞いてマゼンダは思った。
『先の姫たちは二年もここにいるのに、殿下のお渡りが一度だけってなに?よっぽど魅力がないのね。私にはこんな薬なんて必要ない。殿下は私が落として寵愛を受けてみせるわ』
 彼女は自分の赤い髪と、十五才には似つかわしくない肉体美に自信を持っていた。
 茶会ではシアンを押さえる役回りをしていたが、実際は気の強い姫であった。

 しかし、現実は思惑通りにはならなかった。
「其方が赤竜姫マゼンダか。女官から説明は聞いておるか?」
「はい、聞いております」
「私は義務で赤竜姫と閨を共にすることになる。やめたいと思うなら今からでも遅くない。実家に帰ってはどうかな?」

 レオナルドは渡る姫たち全員に問いかけていた。これにより辞退した姫も数人いたからだ。
 出来ればこんなことはしたくない。

「いいえ、殿下。わたくしはここへ残ると決めております」
「……なぜ、姫たちは皆分からぬのだろうか。聞いている通り私は番を求めている。今宵一度、決め事により其方と媾うまぐわとしても、他の姫と同じく二度とこの部屋を訪れる事はないのだぞ。それでも構わぬと言うのか?」
「それは、殿下のお気持ち次第だと思います。情を交わした後にお気持ちが変わるかも知れませんわ」
「……」
 レオナルドはマゼンダの寝着を脱がし、裸になった彼女の身体を暫し眺めていた。そして、諦めたかのように溜息を吐くと辺りを見回して何かを探す。

「薬の用意をして置くように言われなかったか?」
「渡されましたが、殿下とわたくしには必要ないかと」
「無理だな」
「そんな事はありませんわ」
 マゼンダは処女ではあるが、自由奔放な性格故、それに至るまでの行為は何度も経験していた。
 自分は他の姫と違うとばかりに、甘えるようにレオナルドに近づく。彼の胸のボタンを外し、逞しい胸板にすーっと指を這わせる。
 そして、胸に口づけたあと、片方の手を彼のトラウザーズの中に忍ばせた。手を伸ばし軽く握ってみる。普通なら自分に迫られれば、欲情してすぐに男は勃ち上がる筈なのだが。
 レオナルドのそれは一向に反応しない。跪き前を寛げた。これから自分の破瓜を散らすであろうそれを引き出し、唇を寄せようと顔を近づけた。

「余計な事はしなくて良い。薬が無いのなら私は帰る」
 無表情のレオナルドに体を引き離されてしまう。
 怒っているかのように突き放されたマゼンダは、慌てて枕の下から二つの小瓶を取り出し、レオナルドに手渡した。
 茶色の瓶の薬を飲み干したレオナルドは、少しの間椅子に座り俯いていた。

 暫くの間があり、レオナルドは立ち上るとマゼンダを押し倒す。両手で膝を押し開き、露わになった秘所を指で解し始めたのだった。
 口づけも乳房への愛撫という前戯もなく、突然始まった行為に戸惑うマゼンダ。
 そんな行為にすぐに秘所が潤う訳もなく、チリチリとした痛みが襲う。

「やはり無理があるな」
 レオナルドはもう一つの青い小瓶を手に取ると、中の液体を指で陰部に塗りつけた。
 塗られた途端にじわりと秘所が熱くなる。
「で、殿下?」
「もう少し待てば良くなる。破瓜の痛みも和らぐ」
「えっ?あっ、ぁぁ」
 それはすぐに訪れた。膣の中がジンジンと痺れて呼吸が荒くなってくる。
「ほんの少し、催淫効果もある。弱いものだから事が終われば消えるだろう」
 塗られた液体のせいか、指でまた解され刺激を受けると、身体の奥からとろりと露が出て来るのを感じた。
 ヒクヒクと蜜口の奥が動き雄が入って来るのを待っている。
 レオナルドはマゼンダの様子を確認し、薬により勃ち上がった己自身を掴むと彼女の蜜口に宛がい、そのまま一気に貫く。
「ああ……レオナルドさまぁ」
 レオナルドは冷めた目で腰を動かしながらマゼンダを見下ろしていた。
 シャツも脱がず、下はトラウザーズの前を寛げただけで、無表情なままズンズンと抽送を繰り返す。
 蜜口から溢れる蜜でじゅぼじゅぼと音が響き、膣の中では雄を逃すまいと襞と肉壁が絡むようにうねる。
 マゼンダが何度か絶頂を迎えた後、飛沫が膣奥に広がり雄のそれが脈を打った。
 初めての経験に、放心状態になるマゼンダとは反対に、レオナルドはずるりと男根を蜜口から抜くと、用意されていた布で自身の汚れをきれいに拭い、トラウザーズの中に収め前を閉じた。

「後は頼む」
 控えていた侍女に声を掛け、そのまま部屋を出て行くのだった。
 まだ放心状態のマゼンダは、侍女に体を拭かれて寝着を着せられた。
 侍女ラベンダーは殿下の子種を戴けて宜しゅうございましたと喜んでいる。体を起こすと股の間からは、レオナルドの白濁が流れ出てきた。

――いくら義務だからって、前戯もそこそこに事に及ぶって何よ。アレは媚薬? お陰で挿入されてからは気持ち良かったからいいけど。
 子種は頂けたわ。結果は分からないけれど、目的は果たした――

 とても十五になったばかりの少女は思えない。妃となり、王家の力を分けてもらうと言う父の意向の一歩は踏み出した。
 マゼンダは口元を緩ませ笑みを浮かべる。

◇◆◇

 あれから二年と少し経った。
 殿下の番は見つかっていない。
 シアンもマゼンダも懐妊する事もなく、殿下の渡りもないまま離宮での日々を過ごしていた。
 
 そして、ついに番が見つかったとの知らせを聞く事となる。
 竜王陛下が妖精妃と名付けた番は人族で六才の王女だった。
 二人の並ぶ姿を見て、離宮を去って行く姫たち。
 仲睦まじい姿を見せつけられ自分たちも引き際かと思うようになるが、
「妃が幼い故、身体を番うのはまだ先の事だ。それまでにまだお渡りの可能性はある。側室でも良いから何とか子を成して貰いたいものだ」
 
 大臣たちが話しているのを聞き思い止まる二人であった。

_________________________________________________________

※本日は朝からお騒がせして申し訳ありませんでした。
 本来なら
 17/「離宮のお茶会と二人の竜妃」
 18/「二人の竜妃一度きりの閨*シアンの場合」
 19/「二人の竜妃一度きりの閨*マゼンダの場合」
 となる予定でしたが、間違えて「二人の竜妃一度切りの閨*シアンの場合」を朝一投稿でしてしまいました。
 午前中に入れ替えを終了しております。
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