5 / 5
第1章 魔法と科学が紡ぐ世界
4 ペイントレイン商店街
しおりを挟む
「どうしたものか」
軽はずみな行動ではあるが、お金を持って試しに外へ出てみた。窓から見た時点で分かってはいたが、俺がいた場所は現世で言うマンションだった。ちゃんと警備兵も居て、エントランスと思われる場所は噴水のオブジェクトが浮いていた。その辺は異世界感が漂うんだよな。
とか言っている場合じゃない。その後、俺はマンションから少し離れたペイントレイン商店街という表通りに来た。問題はそこで起きたのだ。俺はお金の単位を少し間違えていたらしい。日本で言えば2万くらいだと思って紙幣を2枚だけ持ったつもりだったが、紙幣1枚だけでとんでもない価値があるらしく、それを見られてチンピラに絡まれたって訳だ。
「おい、坊主。その紙幣を早く渡しな」
「そんなに価値があるんですかこれ」
「こいつどんだけ金持ちなんだ?」
こっちのお金単位を知らないんだから仕方ないだろ。まあいいや、早く魔法を使って切り抜けるか。
いや待てよ、これって暴力沙汰とかになって入学が除籍処分なんてこととかにならないよな? 純粋に日本でやったら確実にアウトだけど・・・・・・。
「さっさとその金を置いて立ち去りな!」
「はあ・・・・・・まあ仕方ない。魔法を使うか」
『風魔法・エアロ!』
「誰の声だ?」
周囲の枯葉が吹き荒れるような風、旋風とでも言うべきだろうか。その風は俺を避けて絡んできた男へ一直線に命中した。途端、男が空中に舞上がる。風によって地面に叩き落とされると男は意識を失った。
あれがエアロか。やはり使い勝手がいい魔法だったな。それで魔法の発動した主はどこだ。
「あなた大丈夫だった?」
「君は誰だ?」
「わたしはシエル、魔法学園の生徒よ」
「ほう。俺はユウトよろしく頼む、というか助けてくれてありがとう」
なんかラノベでよくある展開になってきたぞ。助けてくれたのが転校先の美少女でそこから恋に発展なんてことも・・・・・・。
助けてくれたのは茶色の長い髪に薄白の肌を持った目が蒼い美少女。黄金比とやらを保っていて美少女というのにはふさわしいほどのルックスだろう。
「この辺は危ない人が多いから気をつけてね~」
そう言い残して彼女は表通りの方へスキップして行った。風のように現れて風のように去っていく、まさに風魔法の似合う子だったな。
「家に帰るか」
帰ってきた俺は早速ベッドでくつろぐ。外に出ても収穫は何もなし・・・・・・か。入学は明後日か、それまで何しよう。
本棚に置いてあった本を端から徹底的に読み込んで、異世界の事についての知識を深めようとした。
「メルヘン王国についての本がある」
まずメルヘン王国は5つの地域に分かれているらしい。
・俺が今いる首都のペイントレイン地区。
・比較的昔ながらの街並み残るナインテッツ地区。
・森林や山など緑溢れるガルシア地区。
・工業都市として発展した科学の都市アースト地区。
・海と隣接していて貿易港として盛んなマリクワ地区。
学園があるのもペイントレイン地区だから案外近いらしいな。俺が召喚された場所はメルヘン王国では無い別の場所だからここから離れていることは容易に推測できる。
そうなるとこの世界は相当な広さって事になるぞ。もしかすると地球と同じか、それ以上かもしれない。ただ太陽があるということは宇宙の何処かということか? そもそもあれが太陽なのかもわからないけど。
あの眩い光と言い、カラッとする暖かさに大きさ。太陽と言われれば信じてしまうレベルだけれど・・・・・・。
そんな事を考えている内に日が暮れてきたな。そろそろシャワーでも浴びて寝よう。
「浴槽が恋しくなるな」
温かいお湯が滝のように吐き散らす。この家には浴槽という概念がないらしく、風呂場は綺麗ではあるものの、こじんまりとしている。
石鹸のような物をタオルで泡立てて体を洗う。簡単な生活様式は現世と大差変わりない。
浴槽と言えど、欧州やアメリカでは風呂に浸かるという文化すら無かったし、無いのも理解はできるかな。
シャワーを止めて短い髪にびっしょり付いた水滴を十分にタオルで拭き取る。パンツを履いて服を着る。こうしていると本当に異世界感はしないものだ。
「ほんとセンス無い服だな・・・・・・」
緑色のヒラヒラが首元についている青のぶかぶかTシャツ。色合いと言えヒラヒラをつけるセンスと言え、こちらのファッションセンスというものがよく分からない。
ベッドに大の字になって飛び込み、背伸びをする。
「学校って何するんだよ・・・・・・」
現世に帰りてぇ、とつくづく思った異世界の夜。
軽はずみな行動ではあるが、お金を持って試しに外へ出てみた。窓から見た時点で分かってはいたが、俺がいた場所は現世で言うマンションだった。ちゃんと警備兵も居て、エントランスと思われる場所は噴水のオブジェクトが浮いていた。その辺は異世界感が漂うんだよな。
とか言っている場合じゃない。その後、俺はマンションから少し離れたペイントレイン商店街という表通りに来た。問題はそこで起きたのだ。俺はお金の単位を少し間違えていたらしい。日本で言えば2万くらいだと思って紙幣を2枚だけ持ったつもりだったが、紙幣1枚だけでとんでもない価値があるらしく、それを見られてチンピラに絡まれたって訳だ。
「おい、坊主。その紙幣を早く渡しな」
「そんなに価値があるんですかこれ」
「こいつどんだけ金持ちなんだ?」
こっちのお金単位を知らないんだから仕方ないだろ。まあいいや、早く魔法を使って切り抜けるか。
いや待てよ、これって暴力沙汰とかになって入学が除籍処分なんてこととかにならないよな? 純粋に日本でやったら確実にアウトだけど・・・・・・。
「さっさとその金を置いて立ち去りな!」
「はあ・・・・・・まあ仕方ない。魔法を使うか」
『風魔法・エアロ!』
「誰の声だ?」
周囲の枯葉が吹き荒れるような風、旋風とでも言うべきだろうか。その風は俺を避けて絡んできた男へ一直線に命中した。途端、男が空中に舞上がる。風によって地面に叩き落とされると男は意識を失った。
あれがエアロか。やはり使い勝手がいい魔法だったな。それで魔法の発動した主はどこだ。
「あなた大丈夫だった?」
「君は誰だ?」
「わたしはシエル、魔法学園の生徒よ」
「ほう。俺はユウトよろしく頼む、というか助けてくれてありがとう」
なんかラノベでよくある展開になってきたぞ。助けてくれたのが転校先の美少女でそこから恋に発展なんてことも・・・・・・。
助けてくれたのは茶色の長い髪に薄白の肌を持った目が蒼い美少女。黄金比とやらを保っていて美少女というのにはふさわしいほどのルックスだろう。
「この辺は危ない人が多いから気をつけてね~」
そう言い残して彼女は表通りの方へスキップして行った。風のように現れて風のように去っていく、まさに風魔法の似合う子だったな。
「家に帰るか」
帰ってきた俺は早速ベッドでくつろぐ。外に出ても収穫は何もなし・・・・・・か。入学は明後日か、それまで何しよう。
本棚に置いてあった本を端から徹底的に読み込んで、異世界の事についての知識を深めようとした。
「メルヘン王国についての本がある」
まずメルヘン王国は5つの地域に分かれているらしい。
・俺が今いる首都のペイントレイン地区。
・比較的昔ながらの街並み残るナインテッツ地区。
・森林や山など緑溢れるガルシア地区。
・工業都市として発展した科学の都市アースト地区。
・海と隣接していて貿易港として盛んなマリクワ地区。
学園があるのもペイントレイン地区だから案外近いらしいな。俺が召喚された場所はメルヘン王国では無い別の場所だからここから離れていることは容易に推測できる。
そうなるとこの世界は相当な広さって事になるぞ。もしかすると地球と同じか、それ以上かもしれない。ただ太陽があるということは宇宙の何処かということか? そもそもあれが太陽なのかもわからないけど。
あの眩い光と言い、カラッとする暖かさに大きさ。太陽と言われれば信じてしまうレベルだけれど・・・・・・。
そんな事を考えている内に日が暮れてきたな。そろそろシャワーでも浴びて寝よう。
「浴槽が恋しくなるな」
温かいお湯が滝のように吐き散らす。この家には浴槽という概念がないらしく、風呂場は綺麗ではあるものの、こじんまりとしている。
石鹸のような物をタオルで泡立てて体を洗う。簡単な生活様式は現世と大差変わりない。
浴槽と言えど、欧州やアメリカでは風呂に浸かるという文化すら無かったし、無いのも理解はできるかな。
シャワーを止めて短い髪にびっしょり付いた水滴を十分にタオルで拭き取る。パンツを履いて服を着る。こうしていると本当に異世界感はしないものだ。
「ほんとセンス無い服だな・・・・・・」
緑色のヒラヒラが首元についている青のぶかぶかTシャツ。色合いと言えヒラヒラをつけるセンスと言え、こちらのファッションセンスというものがよく分からない。
ベッドに大の字になって飛び込み、背伸びをする。
「学校って何するんだよ・・・・・・」
現世に帰りてぇ、とつくづく思った異世界の夜。
0
この作品の感想を投稿する
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる
よっしぃ
ファンタジー
コミカライズ企画進行中です!!
2巻2月9日電子版解禁です!!
紙は9日に配送開始、12日発売!
【書籍版 大ヒット御礼!オリコン18位&2巻出版!】
皆様の熱狂的な応援のおかげで、書籍版『45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる』が、コミカライズ決定いたしました!現在企画進行中!!そしてオリコン週間ライトノベルランキング18位、そしてアルファポリス様の書店売上ランキングでトップ10入りを記録しました!
12日には、楽天koboにおいてファンタジー5位となりました!皆様のおかげです!
本当に、本当にありがとうございます!
皆様の応援が、最高の形で「続刊(2巻)」へと繋がりました。
市丸きすけ先生による、素晴らしい書影も必見です!
【作品紹介】
欲望に取りつかれた権力者が企んだ「スキル強奪」のための勇者召喚。
だが、その儀式に巻き込まれたのは、どこにでもいる普通のサラリーマン――白河小次郎、45歳。
彼に与えられたのは、派手な攻撃魔法ではない。
【鑑定】【いんたーねっと?】【異世界売買】【テイマー】…etc.
その一つ一つが、世界の理すら書き換えかねない、規格外の「便利スキル」だった。
欲望者から逃げ切るか、それとも、サラリーマンとして培った「知識」と、チート級のスキルを武器に、反撃の狼煙を上げるか。
気のいいおっさんの、優しくて、ずる賢い、まったり異世界サバイバルが、今、始まる!
【書誌情報】
タイトル: 『45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる』
著者: よっしぃ
イラスト: 市丸きすけ 先生
出版社: アルファポリス
ご購入はこちらから:
Amazon: https://www.amazon.co.jp/dp/4434364235/
楽天ブックス: https://books.rakuten.co.jp/rb/18361791/
【作者より、感謝を込めて】
この日を迎えられたのは、長年にわたり、Webで私の拙い物語を応援し続けてくださった、読者の皆様のおかげです。
そして、この物語を見つけ出し、最高の形で世に送り出してくださる、担当編集者様、イラストレーターの市丸きすけ先生、全ての関係者の皆様に、心からの感謝を。
本当に、ありがとうございます。
【これまでの主な実績】
アルファポリス ファンタジー部門 1位獲得
小説家になろう 異世界転移/転移ジャンル(日間) 5位獲得
アルファポリス 第16回ファンタジー小説大賞 奨励賞受賞
復活の大カクヨムチャレンジカップ 9位入賞
オリコンランキングライトノベル 週間BOOKランキング 18位(2025年9月29日付)
転生貴族の領地経営〜現代日本の知識で異世界を豊かにする
初
ファンタジー
ローラシア王国の北のエルラント辺境伯家には天才的な少年、リーゼンしかしその少年は現代日本から転生してきた転生者だった。
リーゼンが洗礼をしたさい、圧倒的な量の加護やスキルが与えられた。その力を見込んだ父の辺境伯は12歳のリーゼンを辺境伯家の領地の北を治める代官とした。
これはそんなリーゼンが異世界の領地を経営し、豊かにしていく物語である。
クラス転移したら種族が変化してたけどとりあえず生きる
アルカス
ファンタジー
16歳になったばかりの高校2年の主人公。
でも、主人公は昔から体が弱くなかなか学校に通えなかった。
でも学校には、行っても俺に声をかけてくれる親友はいた。
その日も体の調子が良くなり、親友と久しぶりの学校に行きHRが終わり先生が出ていったとき、クラスが眩しい光に包まれた。
そして僕は一人、違う場所に飛ばされいた。
1×∞(ワンバイエイト) 経験値1でレベルアップする俺は、最速で異世界最強になりました!
マツヤマユタカ
ファンタジー
23年5月22日にアルファポリス様より、拙著が出版されました!そのため改題しました。
今後ともよろしくお願いいたします!
トラックに轢かれ、気づくと異世界の自然豊かな場所に一人いた少年、カズマ・ナカミチ。彼は事情がわからないまま、仕方なくそこでサバイバル生活を開始する。だが、未経験だった釣りや狩りは妙に上手くいった。その秘密は、レベル上げに必要な経験値にあった。実はカズマは、あらゆるスキルが経験値1でレベルアップするのだ。おかげで、何をやっても簡単にこなせて――。異世界爆速成長系ファンタジー、堂々開幕!
タイトルの『1×∞』は『ワンバイエイト』と読みます。
男性向けHOTランキング1位!ファンタジー1位を獲得しました!【22/7/22】
そして『第15回ファンタジー小説大賞』において、奨励賞を受賞いたしました!【22/10/31】
アルファポリス様より出版されました!現在第四巻まで発売中です!
コミカライズされました!公式漫画タブから見られます!【24/8/28】
マツヤマユタカ名義でTwitterやってます。
見てください。
アラフォーおっさんの週末ダンジョン探検記
ぽっちゃりおっさん
ファンタジー
ある日、全世界の至る所にダンジョンと呼ばれる異空間が出現した。
そこには人外異形の生命体【魔物】が存在していた。
【魔物】を倒すと魔石を落とす。
魔石には膨大なエネルギーが秘められており、第五次産業革命が起こるほどの衝撃であった。
世は埋蔵金ならぬ、魔石を求めて日々各地のダンジョンを開発していった。
『異世界味噌料理人』〜腹を満たす一杯から、世界は動き出す〜
芽狐@書籍発売中
ファンタジー
事故をきっかけに異世界へ転移した料理人タクミ。流れ着いた小さな村で彼が目にしたのは、味も栄養も足りない貧しい食事だった。
「腹が満ちれば、人は少しだけ前を向ける。」
その思いから、タクミは炊事場を手伝い、わずかな工夫で村の食卓を変えていく。やがて彼は、失われた発酵技術――味噌づくりをこの世界で再現することに成功する。
だが、保存が利き人々を救うその技術は、国家・商人・教会までも動かす“戦略食料”でもあった。
これは、一杯の料理から始まる、食と継承の長編異世界物語。
【更新予定】
現在ストックがありますので、しばらくの間は毎日21時更新予定です。
応援いただけると更新ペースが上がるかも?笑
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる