異世界の魔法学園〜女神の居ない異世界召喚は正直不安である〜

霧島紫苑

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第1章 魔法と科学が紡ぐ世界

3 炎と氷の異世界交響曲

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 目覚めるとさっきとはガラリと印象いんしょうの変わった部屋のベッドで寝ていた。まさか夢が覚めて現世に戻ってきたとか?
 そう思った俺はベッドから起き上がり、カーテンを開けて窓の外を見てみる。しかし、外は以前、現世では無い。
 部屋に入り込む日差ひざしのはしらを眺め、混濁こんだくとしていた意識を起こそうと、頭を前後に振り、両手でほおを軽く叩き、目を大きく開く。
「やあ、起きたかい」
 おはよう、とコーヒーを持ったリヒトさんが笑いかけてきた。どうやらすでに帰ってきていたらしい。
「あれ、入学手続きは?」
「ちゃんとしてきたよ、昨日」
「え? 今昨日って?」
「そうだよ?」
 まさか俺は1日近く寝ていたって言うのか。確かに相当そうとう疲れはまっていたけど、そんなに寝過ごしているとは・・・・・・。
「あ! あと家具とかも全部新品にして僕の私物は全部無くなってるからあとは自由に使うといい。もうこの家にあるのは君の物だ、パソコンもテレビも使い方が分かるかは知らないけどその辺は何とかしてくれ」
「そ、そうですか。ありがとうございます」
「それじゃあ君が起きた事だし、僕は長旅ながたび出掛でかけるよ。あとは任せたよ」
 そう言い残して、リヒトさんは瞬間移動しゅんかんいどうかなにかで何処かへ行ってしまった。
 とは言えな、学校に入学すると言っても何処にあるかも分からないし、まずこの王国とやらも出歩いた事が無いのに無理があるんじゃないか。
「来た時とはだいぶ家具の配置レイアウトが変わってるな、ソファーも机も本棚もカーペットも全部新しくなってる」
 とりあえずソファーに座ってテレビのリモコンらしき物があるから付けてみた。現世のリモコンとは違い、チャンネルという概念がいねんはなく、1つしか放送局がないらしい。
速報そくほうでございます。本日、ゲルデ王国の国王と、メルヘン王国の王女が対面式たいめんしきを行いました』
 なんか案外あんがいと普通のニュースだな・・・・・・。
 映し出されたのは角が生えていて緑色の肌を持ったオジサンと、普通の人間と大差たいさ変わらない女性の対面式だった。見ている限りだと色んな種族しゅぞくが住んでいるらしい。
「それより学校についてだよ! 書類しょるいか何かないのか?!」
 ふとデスクの上を見ると、入学書類にゅうがくしょるい堂々どうどう書かれた封筒ふうとうが置いてあり、中にはカレンダーらしき物と、持ち物などが記載きさいされた紙が入っている。
 なんだこれは、と読んでみる。俺は転校として入学するらしく、日時は五月四日の朝八時。カレンダーを見れば、日付ひづけや時間の周期しゅうきは現世と変わらないらしく、天文学的てんもんがくてきにも同じらしい。テレビを見ると今日は五月一日と言っているため明明後日しあさっての事だろう。
「あと三日かよ・・・・・・」
 あまりに早すぎる日付けに戸惑とまどう俺は、一刻も早く攻撃魔法を会得しようと覚えられそうな魔法を探すために、本を漁る。
「これなんかいいんじゃないか」
 表紙には魔法入門と書かれている。
 中を開いてみると、初心者向けと書かれた魔法がズラリ、氷魔法こおりまほう炎魔法ほのおまほう雷魔法いかづちまほう砂魔法すなまほう興奮こうふんするくらいのカッコイイ魔法が沢山たくさんあった。
「ただな、魔法を試す場所が・・・・・・」
「あったわ」
 トレーニングルームと書かれた部屋。中は全面鋼鉄製ぜんめんこうてつせいでどんな事をしても壊れなさそうだ。ここなら思う存分ぞんぶん練習出来るだろう。
「ファイアからやってみるか」
 まずは習得しゅうとくから、炎を出すイメージか。目を瞑り、炎を出すイメージ。集中して、イメージ。何度も言うがイメージ・・・・・・。

『魔法・《 ファイア 》を習得しました』

 頭に浮かぶ文字。前から思っていたがこれは誰の言葉なんだろうか。天の声的な?
 まあいい、ファイアを試してみよう。
 本に書いてある通りに、手をじゅうのようにしてみる。
「いでよファイア!」
 人差ひとさゆびから炎のたまが飛び出した。かべに当たった瞬間、爆発ばくはつする。威力いりょくもなかなかのようだ。
 次はブリザードってのをやってみよう。
 今度は手を振り払うかのようにして、地面から氷が突き出る氷属性の魔法。氷のイメージをしっかりとして・・・・・・。
『魔法・『ブリザード』を習得しました』
 すぐに手を振り払う動作どうさをして試す。すると地面からいくつもの氷のはりのような突起物とっきぶつが飛び出してきた。これも強そうな魔法だな。
 次はエアロとやらを習得しようかな。
 風属性の魔法で相手をき飛ばすのに使うらしい。何かと便利べんりそうだ。
『今の貴方にはこれ以上他属性たぞくせいの魔法を覚えることは出来ません』
「どういう事だ?」
 俺は今、火属性と氷属性を覚えた。要するに今覚えられるのは2属性までってことか。たしかに全属性ぜんぞくせい覚えられたらチートだもんな。
つかれたし今日はこの位にしておくか」
 トレーニングルームを出て、シャワールームに入り軽くシャワーをびる。それからクローゼットを確認して着れそうな服を着る。どれも貴族きぞくっぽい服で、リッチな感じだ。ファッションセンスは何とも言えないけど、こちらの世界じゃこれが普通なのだろうか。
 冷蔵庫れいぞうこらしき箱から、見たことの無いフルーツを取り出してかじってみる。見た目はドラゴンフルーツとレモンを足したような見た目だが、味はメロンのような甘みがして美味しい。
「異世界も悪くは無いな・・・・・・」
 窓を見ると、外で大きなわしのような鳥が飛んでいた。
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