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第四章・それぞれのプライドを賭けた真剣勝負
第1試合/団体の顔、崩れる
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「第1戦、ブレバリーズ・新崎仁志 対 拳激・鬼塚了!」
観客のざわめきが止まらない。
先鋒戦に出場するのは――ブレバリーズの社長であり、団体の顔でもある、新崎仁志。
1戦目に勝利を固く奪い取ることが必須と考え、沙也加はブレバリーズの現チャンピオンである仁志に、託していた。
対するは拳激の中堅・鬼塚了。
ベアナックル出身の、試合中に笑いながら殴る狂気の男だ。
「お前がチャンピオンさんか。いい顔してるな、壊し甲斐がありそうだ」
鬼塚が舌を出して唸るように笑った。
試合前、観客のブーイングすら笑い飛ばしている。
ゴングが鳴る。
仁志は落ち着いた立ち上がり。
本来なら、老練な試合運びで相手の勢いを殺すタイプだ。
だが、この日は違った。
拳激ルール――一発の暴力で、すべてが終わる。
仁志が組み合いに行った瞬間、鬼塚の頭突きが眉間を打った。
バチン!という音が場内に響く。
血が噴き出す。
「反則じゃないよなぁ、沙也加プロデューサー!」
リング下から桐生が叫ぶ。
沙也加は黙って見つめていた。
仁志は歯を食いしばり、ショルダーで押し返す。
しかし次の瞬間、鬼塚の肘が顔面を捕らえる。
さらに金的、膝蹴り、ナックル。
容赦のないラッシュ。
観客が悲鳴を上げる中、仁志はフラフラになりながらも意地で立つ。
最後の力を振り絞り、渾身のブレーンバスター――
が、鬼塚に裏を取られ、首にDDT。
仁志の身体がマットに突き刺さる。
レフェリーがカウントを始めた。
「ワン……ツー……スリー!」
終了のゴングが鳴る。
拳激、先取。
---------------------------------------------
**月**日、〇〇体育館、ブレバリーズvs拳激、第1戦
●[ブレバリーズ]新崎仁志
(07分20秒、体固め)
〇[拳激]鬼塚了
王者・新崎選手が相手に翻弄され、まさかの敗北。ブレバリーズは初戦で痛い星を落とす。
---------------------------------------------
仁志は動けなかった。
倒れたまま、視界の端に映るのは沙也加の横顔。
その瞳に怒りも悲しみもなかった――ただ、静かな覚悟だけ。
「……沙也加、すまねぇ」
かすれた声を漏らし、仁志は力なくリングから離れて行った。
リングサイドでは女子選手たちが、拳を握りしめていた。
仁志のまさかの敗北、対抗戦は最悪の出だし。
それは団体の男子選手凋落を象徴する、現実でもあった。
しかし、炎はここから燃え始める。
観客のざわめきが止まらない。
先鋒戦に出場するのは――ブレバリーズの社長であり、団体の顔でもある、新崎仁志。
1戦目に勝利を固く奪い取ることが必須と考え、沙也加はブレバリーズの現チャンピオンである仁志に、託していた。
対するは拳激の中堅・鬼塚了。
ベアナックル出身の、試合中に笑いながら殴る狂気の男だ。
「お前がチャンピオンさんか。いい顔してるな、壊し甲斐がありそうだ」
鬼塚が舌を出して唸るように笑った。
試合前、観客のブーイングすら笑い飛ばしている。
ゴングが鳴る。
仁志は落ち着いた立ち上がり。
本来なら、老練な試合運びで相手の勢いを殺すタイプだ。
だが、この日は違った。
拳激ルール――一発の暴力で、すべてが終わる。
仁志が組み合いに行った瞬間、鬼塚の頭突きが眉間を打った。
バチン!という音が場内に響く。
血が噴き出す。
「反則じゃないよなぁ、沙也加プロデューサー!」
リング下から桐生が叫ぶ。
沙也加は黙って見つめていた。
仁志は歯を食いしばり、ショルダーで押し返す。
しかし次の瞬間、鬼塚の肘が顔面を捕らえる。
さらに金的、膝蹴り、ナックル。
容赦のないラッシュ。
観客が悲鳴を上げる中、仁志はフラフラになりながらも意地で立つ。
最後の力を振り絞り、渾身のブレーンバスター――
が、鬼塚に裏を取られ、首にDDT。
仁志の身体がマットに突き刺さる。
レフェリーがカウントを始めた。
「ワン……ツー……スリー!」
終了のゴングが鳴る。
拳激、先取。
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**月**日、〇〇体育館、ブレバリーズvs拳激、第1戦
●[ブレバリーズ]新崎仁志
(07分20秒、体固め)
〇[拳激]鬼塚了
王者・新崎選手が相手に翻弄され、まさかの敗北。ブレバリーズは初戦で痛い星を落とす。
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仁志は動けなかった。
倒れたまま、視界の端に映るのは沙也加の横顔。
その瞳に怒りも悲しみもなかった――ただ、静かな覚悟だけ。
「……沙也加、すまねぇ」
かすれた声を漏らし、仁志は力なくリングから離れて行った。
リングサイドでは女子選手たちが、拳を握りしめていた。
仁志のまさかの敗北、対抗戦は最悪の出だし。
それは団体の男子選手凋落を象徴する、現実でもあった。
しかし、炎はここから燃え始める。
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