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第四章・それぞれのプライドを賭けた真剣勝負
第2試合/逆転の柔道魂
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「第2戦、ブレバリーズ・環 対 拳激・力王!」
場内アナウンスが響く。
リングに上がった環は、明るい笑顔を浮かべながらも、指の先が微かに震えていた。
対する力王――元力士、190cm、160kg。
大相撲時代には幕下まで上ったものの、素行不良が指摘されて引退に至ったという、いわく付きの人物。
巨大な体に全身タトゥー、鋭い眼光。
「悪いな、柔道のお嬢ちゃん。五秒で終わらせてやる」
観客がざわつく。
沙也加はリングサイドから、環に呟く。
「環、恐れないで。あなたには柔道という、確固たる芯があるのよ」
ゴング。
環はすぐに組みに行く――だが、力王の張り手が顔面を打つ。
ドシュッ!と乾いた音。
鼻血が飛ぶ。
さらに、力王は環の髪を掴み、コーナーポストへ叩きつけた。
何度も引き起こし、叩き付け、そのたびに鈍い音が会場に響いた。
環の顔面には、おびただしく流血が走り出した。
これはもう、暴力そのものである。
力王は反則技のオンパレードを繰り出す。
体格差にものを言わせ、全体重を浴びせるかのように環にのしかかり、体力を奪っていく。
「環――っ!」
直美が叫ぶ。
力王は笑いながら、環の背中にヒザを落とす。
倒れた環に対し、再び何度も顔面をマットに叩き付ける
環の額の傷口は、さらに深くなっていった。
柔道着が鮮血で染まっていた。
Satomiも志桜里も、会場からも、悲鳴が湧き出している。
「おい!ひどすぎるだろ!」
一方的に攻めこまれ、ボロボロになり血だらけになりながらも、環は必死に立ち上がった。
頬を拭い、力王を睨みつける。
「……私は、絶対、負けない」
次の瞬間、環は距離を詰め――
強烈な内股。
しかし体重差があり、技は崩れる。
逆に掴まれ、豪快にスラムされる。
会場が息を呑む。
力王が勝ち誇った笑みを浮かべ、こんどは顔面に頭突きを放つ。
六発、七発、八発...
「締めだ!」
と叫びながら、大きなモーションで止めの頭突きを放とうとした――その瞬間。
環は素早く身体を寄せて、懐に滑り込む。
そしてタイミング良く、相手の身体をふわっと持ち上げたのだった。
「裏投げ!!!」
巨大な体が宙を舞い、雷鳴のような衝撃音がマットと会場を響かせた。
力王は仰向け叩きつけられる。
世界選手権級の技が、見事にきれいに決まっていた。
会場が一瞬静まり、次の瞬間、爆発したような歓声。
「ワン!ツー!スリー!」
レフェリーの手がマットを叩く。
環、大逆転で勝利――。
---------------------------------------------
**月**日、〇〇体育館、ブレバリーズvs拳激、第2戦
〇[ブレバリーズ]リチャード環
(13分01秒、体固め)
●[拳激]力王
鮮血のリチャード環選手、瀕死の状態から電光石火の裏投げ炸裂、大逆転で勝利。
---------------------------------------------
彼女は血まみれの顔で立ち上がり、
両腕を広げて空を仰いだ。
女子選手たち全員がリングに上がり、環に抱き着いて歓喜した。
観客の女子たちが泣きながらコールする。
「カンちゃーん!」
直美も駆け寄り、環の手を高く掲げた。
力王はマットの上で動けず、担架で運ばれていく。
世界レベルの柔道技をまともに食らったうえ、受け身もろくに取れなかったと見られる。
彼を見送りながら、環は微笑んだ。
「やっぱり……柔道は、負けないんです」
沙也加は拳を握りしめた。
「これでいい。暴力に、理(ことわり)で勝つ。それが、私たちの闘い」
ブレバリーズは1勝1敗。
だが、空気は一変していた。完全にブレバリーズのものになっていた。
場内の熱は、これからさらに高まっていく――。
場内アナウンスが響く。
リングに上がった環は、明るい笑顔を浮かべながらも、指の先が微かに震えていた。
対する力王――元力士、190cm、160kg。
大相撲時代には幕下まで上ったものの、素行不良が指摘されて引退に至ったという、いわく付きの人物。
巨大な体に全身タトゥー、鋭い眼光。
「悪いな、柔道のお嬢ちゃん。五秒で終わらせてやる」
観客がざわつく。
沙也加はリングサイドから、環に呟く。
「環、恐れないで。あなたには柔道という、確固たる芯があるのよ」
ゴング。
環はすぐに組みに行く――だが、力王の張り手が顔面を打つ。
ドシュッ!と乾いた音。
鼻血が飛ぶ。
さらに、力王は環の髪を掴み、コーナーポストへ叩きつけた。
何度も引き起こし、叩き付け、そのたびに鈍い音が会場に響いた。
環の顔面には、おびただしく流血が走り出した。
これはもう、暴力そのものである。
力王は反則技のオンパレードを繰り出す。
体格差にものを言わせ、全体重を浴びせるかのように環にのしかかり、体力を奪っていく。
「環――っ!」
直美が叫ぶ。
力王は笑いながら、環の背中にヒザを落とす。
倒れた環に対し、再び何度も顔面をマットに叩き付ける
環の額の傷口は、さらに深くなっていった。
柔道着が鮮血で染まっていた。
Satomiも志桜里も、会場からも、悲鳴が湧き出している。
「おい!ひどすぎるだろ!」
一方的に攻めこまれ、ボロボロになり血だらけになりながらも、環は必死に立ち上がった。
頬を拭い、力王を睨みつける。
「……私は、絶対、負けない」
次の瞬間、環は距離を詰め――
強烈な内股。
しかし体重差があり、技は崩れる。
逆に掴まれ、豪快にスラムされる。
会場が息を呑む。
力王が勝ち誇った笑みを浮かべ、こんどは顔面に頭突きを放つ。
六発、七発、八発...
「締めだ!」
と叫びながら、大きなモーションで止めの頭突きを放とうとした――その瞬間。
環は素早く身体を寄せて、懐に滑り込む。
そしてタイミング良く、相手の身体をふわっと持ち上げたのだった。
「裏投げ!!!」
巨大な体が宙を舞い、雷鳴のような衝撃音がマットと会場を響かせた。
力王は仰向け叩きつけられる。
世界選手権級の技が、見事にきれいに決まっていた。
会場が一瞬静まり、次の瞬間、爆発したような歓声。
「ワン!ツー!スリー!」
レフェリーの手がマットを叩く。
環、大逆転で勝利――。
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**月**日、〇〇体育館、ブレバリーズvs拳激、第2戦
〇[ブレバリーズ]リチャード環
(13分01秒、体固め)
●[拳激]力王
鮮血のリチャード環選手、瀕死の状態から電光石火の裏投げ炸裂、大逆転で勝利。
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彼女は血まみれの顔で立ち上がり、
両腕を広げて空を仰いだ。
女子選手たち全員がリングに上がり、環に抱き着いて歓喜した。
観客の女子たちが泣きながらコールする。
「カンちゃーん!」
直美も駆け寄り、環の手を高く掲げた。
力王はマットの上で動けず、担架で運ばれていく。
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彼を見送りながら、環は微笑んだ。
「やっぱり……柔道は、負けないんです」
沙也加は拳を握りしめた。
「これでいい。暴力に、理(ことわり)で勝つ。それが、私たちの闘い」
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場内の熱は、これからさらに高まっていく――。
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