フェアリーゲート

護國鬼

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第8章 久し振りの日本

コボルトの精算

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 「こんにちはー!!ガ一ディアンです一!!」

 改造トラックの運転席から井上の元気な黄色い大きな声が協会の倉庫に響き渡る。

 「ハイハイ、ガ一ディアンさんね。今回は何の買い取りですか?」

 一時はエルフや金貨の件で揉めた協会だからといって、いつまでも仲違いしている

訳にもいかない。

 ましてや、適合者あっての協会、協会あっての適合者なのだから既に手打ち、水に

流して・・・・っということになっている。

 まあ、素材の買い取り等を行う現場の人間にまでは上の関係は、通じなかった。

 「今回の買い取りは生きてるモンスター何ですけど?」

 「生きてるモンスター?珍しいねぇ。」

 「実は、まだ協会に公式に登録されて無いモンスターで、コボルト何です。」

 「コボルト?私もこのモンスターの買い取りの仕事に就くようになってファンタジ

ー図鑑とか読むようになりましてね。2足歩行の方ですか?4足歩行の方ですか?」

 「2足歩行の方です。現地では犬人間って呼ばれてたみたいですよ。」

 言いながら顔馴染みの男性職員とトラックの後ろに回り、貨物スペースを開けると

久しぶりの日光にコボルト達が騒ぎ出した。

 「占めてコボルト10匹になります。イキが良いですよ!」
 
 「チョイとこれは私の裁量権を超えますねぇ。上役を呼びます。」

 ガ一ディアン一同嫌な顔をしたら、気付いたのか、手を横に振って、

 「以前此処に居た田上って上役なら、皆さんと揉めた後に異動になりました。今度

は少しはまともな筈ですよ。」

 男性職員が、事務所に戻ってしばらくすると、1人の40歳代の男性を連れて戻っ

て来た。

 「初めましてガ一ディアンの皆さん、川上と申します。お噂はかねがね。今日は新

種のモンスターの生きたままの買い取りとか?」

 「こちらこそ、初めまして、ガ一ディアン代表の柊と言います。私共ではコボルト

と呼称しているのですが。」

 「取り敢えず現物を拝見します。」

 柊と川上は連れ立って、開けっ放しになっている改造トラックの後部の貨物スペー

スに向かったが、人の気配を感じたか大人しくなっていたコボルトが再び騒ぎだした

 「こ、これは確かに協会で把握している特定未確認生物リストには載ってない生物

ですね。しかし、調査をきちんとする必要があるので、査定は後日になりますが、よ

ろしいでしょうか?」

 「はい、構いません。」

 柊が、答えると男性職員の同僚が10人単位で現れ、フォークリフト等を使いコボ

ルトの入った檻を施設の奥へと運び去った。

 「こちらが受け取り証になります。」

 「拝見します。」

 柊と松浦が書類上の確認を行い、コボルトの引き渡しは終了した。

 
 後日、新種の発見の報酬で500万円、1体に付き100万円の買い取りで生きて

いた為、1・5倍になると150万円10体で1500万円。

 合計2000万円が協会から振り込まれた。

 木口町からは、依頼書通り100万円が振り込まれていたことから、コボルトの件

では2100万円の収入となった。


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