フェアリーゲート

第８章 久し振りの日本

ゴブリンの巣窟 ２

　ウチが連絡を取れた同業者だけで９件もあった。

　しかも、６件はウチと同じで焦燥感に駆られており、３件はどうして良いか分から

ない状態だった。

　そこで、ウチのガ一ディアンが先頭を切りまとめあげ、救出部隊の第２陣となるこ

とを協会に認めさせた。

　ウチを含めた部隊は日の変わらない内に集結した。

　「これより、遺跡内部に侵入し、先発部隊の援護をする。討伐が順調なら良し、我

々は笑い者になるだろう。しかし、協会によると先発部隊との無線連絡は途絶してい

るとのことだ！！仲間を要救助者を救うぞ、適合者、前進！！」



　適合者とその支援者約３０人の第２陣が遺跡のアトラクションは入るとそこは地獄

だった。
　
　先発した部隊は、要救助者の居ると思われる遺跡の半ばもいけない内に足止めを食

っていた。

　アトラクションの物陰からは次々と矢が飛んで来て、避けた先の物陰にもゴブリン

が居て白兵戦になった。

　既に息が無さそうな同業者も片手では足りそうに無かった。

　唯一、まとまった集団戦をしていたのは例の侍と数チ一ムだった。

　柊は侍の代表のところへと飛び込んだ。

　「どうして、こうなった！？」

　すると、侍の代表は、

　「奴らゴブリンじゃない！！ゴブリンキングとその親衛隊とホブゴブリン共だ！」

　最悪だった。侍の代表の見立てでは、ゴブリンキング、ゴブリンナイトが３０匹、

ゴブリンア一チャーが２０匹、あとはゴブリンから進化したホブゴブリンが１００か

ら２００匹とのことだ。

　柊は言った。

　「空爆でも要請するレベルだな！！」

　侍の代表も言い返す。

　「しようと、思ったが無線を殺られた！！」

　柊は考えた。

　「支援者で怪我人を後送させる。で、事態を伝えて空爆を要請させる！」

　侍の代表が言い返す。

　「自衛隊の治安維持活動ってレベルじゃない。奴ら飲むか？」

　「駄目なら、残った適合者で万歳突撃して、要救助者を救う。伝説になるぞ！！」

　侍の代表が呆れたように言う。

　「俺は、国会議員共の話をしていたつもり何だが。」

　柊は言い返す。

　「俺達で、結果を出さないとこれからの活動がヤバいのは確かだ。空爆は最後の

希望だ。」

　侍の代表は、手近な部下達に後送の準備をさせ始めた。

　柊は残った適合者と支援者達に突撃の話をまとめていった。

　そして、準備が整うと、侍の代表と柊とで、命令を下す！！

　顔を見合せて笑うと、

　「突撃に！前へ！！」

　飛び道具を持つ者が、前後に射撃して、後送部隊と突撃部隊とに別れた。

　後送部隊はただひたすら、外へと向かう。突撃部隊は、待ち構えるゴブリンナイ

ト共に体当たりする勢いで切りかかる。

　この時点で、適合者、支援者連合４６名。対するはゴブリンキング、ゴブリンナ

イト２１匹、ゴブリンア一チャー９匹、ホブゴブリン１２４匹であった。