フェアリーゲート

第８章 久し振りの日本

ゴブリンの巣窟 ３

　適合者の一群とゴブリンキングの軍団が衝突していた頃、対策本部では後退して来

た部隊の収容が行われていた。

　死者は５名、重軽傷者は２１名にも及んだ。

　対策本部には、警察、消防、適合者協会、市、県の職員が詰めていた。

　「では、何か？中に居るのは、ただのゴブリンでは無くてゴブリンキングとホブゴ

ブリンとゴブリンの上位種が２００近くだと？」協会の職員が絶句した。

　警察の代表の警部が、尋ねる。

　「それは、具体的にどのくらいの脅威何ですか？」

　「私も詳しいことは言えませんが、武装したテロリストが爆弾を仕掛けて２００人

立て籠ってるいるようなものかと。」協会の職員が説明する。

　「しかも、ガチガチの原理主義者に率いられているようなものです。」


　「現場からは、施設ごと吹き飛ばして欲しいとのことですが？」警部が協会の職員

に聞いた。

　「私からは、何とも言い難いですな。」

　「貴方も言ったでしょう。２００人ものテロリストが立て籠ってるような場所に今　

も民間人が５０人と人質が１００人近くいる！！それを見棄てるのですか？」

　「私にもできることとできないことが、あります。」

　「自衛隊の出動は無理ですか？」

　「自衛隊の治安維持活動の前例になるとして、野党は反対するでしょう。警察の部

隊では無理ですか？」

　「命令とあれば、しかし、今居る部隊だけでは、現場の封鎖だけで手一杯です。」

　「すると、中に居る適合者達に任せるしかない。上に問い合わせはするがね。」




　「・・・・なんて、外の奴らは言っているんだろうなぁ！！」

　「ああ！？何だって？」　

　「何でも無い。」

　「お前ら、口より先に手を動かせ！！」

　『オ一エス！！、オ一エス！！』
　
　適合者が第１の壁となり、ホブゴブリン達の数を削り、取りこぼしを支援者達が大

楯をかざして第２の壁を築き隙間から、錬金術師製のボウガンで、狙撃していた。

　「ヴギャギャギャギャギャ！！」

　ゴブリンキングが、ゴブリン達を鼓舞する。

　ゴブリンナイト達も前に出て来た。

　適合者達とも更に乱戦に持ち込まれた。

　終始、人類側が圧されていた。

　


　東京　協会本部　某室内

　
　「今、あそこには、日本に居る戦闘職の適合者の半分が居る。応援はこれ以上出せ

無い。」

　「では、どうする？自衛隊のモンスター対策特別班を出す訳には行くまい。」

　「あそこには、他にも１００人近くの民間人が居る可能性がある始めて起こった下

関の事件以来の惨事となる。」

　「では、警察の銃器特殊対策班を投入するか？」

　「それが、今取りうる最善の策かな？」　

　「警察の銃器対策班から、錬金術師の作った弾丸で武装した銃器特殊対策班なら、

何とか戦力になり得るだろう。」

　「自衛隊の対策特別班も一緒に投入することはできないのか？」

　「協会としても、協力したいが、今はできない。」

　「では、そういうことで、警視庁、大阪府警、福岡県警から、銃器特殊対策班を

かき集め、現場に投入するということで。」　

　「それで、話を付けましょう。」