ウルヴズ・ナイト 〜狼の愛は血の香り〜

鳳梨

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2.いけない一人遊び

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 月夜の晩、遠吠えと共に再び魔狼達が村にやって来た。
 昨晩の死体は生き残った者達が倒壊した家に集めたが、埋めるまでの時間は無く、私以外の村人はもう誰もいない。火を点けるべきだったのだろうか、魔狼達はまずそこを漁っているようだった。
 私は家の中で恐怖に震えながらも秘所を自分で弄っていた。腹の奥に出された精液が垂れて来ているが、それとは別の透明な液も漏れている。こんな状況なのに私の身体はどういう訳か燃えていた。
 魔狼は食事を終えた後も帰ろうとはしなかった。生き残りを探しているのか、散らばって家々の周りを見て回っている。
 やがて私の家の扉を爪で引っ掻く音が聞こえた。低い唸り声や、臭いを嗅ぐような荒い呼吸も聞こえる。私は必死に息を殺していたが臭いは漏れてしまっているのだろう。ドアの向こうには複数の魔狼が集まっている気配がした。
 魔狼は焦ったくなったか扉に体当たりし始めた。大きな獣がぶつかる衝撃で掛け金が悲鳴を上げている。壊れるのは時間の問題であり、私の恐怖と欲は限界に達した。

「開けます、開けますから……!」

 私がそう言うと、魔狼はドアへの攻撃をやめた。
 私はそっとドアの方へと歩んだ。迷いもあったがそもそも選択肢は多くなかった。私は震える手で扉を開いた。
 目の前には、私の腰丈ほどもある魔狼が屯していた。彼らは私の狂った臭いを早速の嗅ぎ付けたのだろうか、尻尾を振り赤い瞳に欲望を見せた。私は彼らの前で震え上がっていたが、同時に私の秘所はじっとりと濡れていた。
 私は下着を下ろすとスカートを捲り上げ、尻を突き出して家の壁に手を着いた。魔物に向かってなんてことをしているのだろうと思ったが、身体がそれを求めていた。

「あっ……んんっ……♡」
ピチャピチャ……クチュッ……

 魔狼が私の秘所にマズルを近付けて臭いを嗅ぐ。熱い吐息が掛かって身体が震えた。魔狼の舌が私の会陰を撫で回すと、その感触は思わず声を出す程に快感に満ちていた。私の肌に触れる舌先は柔らかく、優しく、そして情熱的だった。私は彼の愛撫に身を任せ、いつの間にか自分からも腰を揺らして快感を高めた。

「あっ……♡」

 やがて魔狼は私の腰に両手を置いて体重を掛けた。彼の硬いものが私の中に入り、私は彼の力強い動きに身を委ねた。
 魔狼は私を犯し始めた。彼の大きな手が私の腰を掴み、ゆっくりと深く突き入れるたびに私は喘ぎ声を上げた。私は彼の動きに応えるように、無意識に腰を振り返した。
 気持ちいい。魔物と、しかも屋外でセックスしてしまっているというのに、私は快感を得てしまっていた。
 でもどうせ村にはもう誰もいない。私は恥辱と禁忌を感じながらも、それを破る快感に震えていた。私は感じるままに身を委ね、彼に自分を完全に支配されていた。
 獣と人の合いの子のような魔狼の大きな手が私の乳房を服の上から揉みしだく。乱暴な手付きだが、私はそれをも快感に感じてしまった。

「ああ、すごい……もっと、もっとぉ……♡」
ジュプンジュプン……パンパンッ!

 彼の肉棒が私の中を貫くたびに、私は悶え声を漏らした。やがて私の中でそれが脈動するのを感じ、彼の精液が私の中に注がれるのを受け止めた。たっぷりと時間を掛けて膣内を白く染め上げられる感覚に、私の頭の中も真っ白に爆ぜた。

「あっ……あああぁぁッ♡ ダメ、それダメぇっ♡」
ビューッビューッビュルルルル……ビクンビクンッ!

 魔狼が射精している間、私は腰をくねらせていたがそれだけではない快感に思わず叫んだ。1匹目が私を犯す間、他の魔狼たちも私に群がっていた。彼らは私の服を剥ぎ取り、身体の各所を舐め始めた。膨らんだ乳首や淫芽、接合部やお尻の穴、尻尾の付け根や耳に魔狼の舌が這い、私は頭を振り乱して叫んだ。
 それでも私は魔狼達に貪り尽くされることでしか快楽を得られない存在になってしまっていた。彼らは私の中にある獣の本能を呼び覚まし、私を満たしてくれた。私は彼らに服従していた。

「う……ああ……待って、まだ……あんっ♡」
ブシュッ、ドポドポ……ドチュッ!

 魔狼の大量の精液が長時間私の中に流れ込み、ようやくそれが終わってもまた別の魔狼に犯される。私の中に差し込まれる肉棒が変わる僅かな合間に、栓を引き抜かれた私の秘所は濃厚な白濁液を漏らした。こんなこと、苦しく恐ろしいはずなのに私はそれを求めてしまっていた。
 私は疲労と快楽のあまりその場に膝を付いたが新たな魔狼が許してくれるはずもなかった。身体の疼きはまだ残っており、恐怖と快感が入り混じった感情が私を支配していた。
 魔狼は私を後ろから抱きしめた。私は彼の熱い息を感じ、彼の舌が私の首筋を舐めるのを感じる。鋭い爪が私の肌を掠める度に噛み殺されるのかと恐怖したが、私の中で彼の大きな物が奥まで突き込まれ、私は甘い悲鳴を上げた。

「ひんっ♡ イく、もうイっちゃう……♡」

 魔狼の荒々しい動きが私を刺激し、私は何度も何度も絶頂に達した。獣の大量の精液が私の中に流れ込む度に、私は自分自身が何をしているのかと疑問を持った。それでも私は彼に身を任せ、私を犯すことを求めた。私は理性を失い、この状況に溺れていた。


 ◆


 そんな夜が三日三晩続いた。
 私の身体は夜になると熟した果実のように官能を求めた。魔狼達は最早私を目的としているかのように毎晩村にやって来た。私は彼らの肉欲に応えるどころか、自分からそれを欲しがっていた。
 こんなことばかりしてはいけない。私は必死にそう思おうとしたが、ひとりきりの村では他に気を紛らわすようなことも無かった。

 それでも私は太陽が高く昇る中、畑仕事に取り掛かっていた。
 村人達が残してくれた分の干し肉や乾燥パンはまだあるものの、保存がきかない野菜は自分で育てなければならない。元は他所様の畑も使い、土を耕して種を蒔き水を撒いた。
 けれど雑草を取り除く最中、私の身体が疼く感覚が増していった。私は自分の中の欲望を必死で抑えていたが、どうにも我慢しきれなくなってしまった。
 私は誰もいないと知りながらも周囲を見回してから、畑の隅で自分に触れ始めた。

「んっ……ん……♡」

 最初は服の上から優しく胸を撫でる。指先が軽く乳首を掠めると、思わず吐息を漏らしてしまった。私は魔狼の激しい手付きを思い出しながら次第に揉む手の力を強めていった。私は元々胸が大きい方で、思春期の頃はそれが恥ずかしくもあったのだが、最近は特に張って下着が苦しい時もあった。
 きっと魔狼のせいだ。私の身体はあの日からどんどんえっちになってしまっており。屋外で自慰に耽るなどいけないことだと思いながらも手が止まらない。次第に興奮が高まり、私は股間がムズムズとしていた。
 裾を捲り上げ、スカートの中に手を入れると、そこは既に蒸し熱く湿っていた。下着の上から指でなぞって擽るだけでも呼吸が荒くなってしまう。私は指先で淫芽を撫でながら、声を殺して快楽に溺れた。

「はぁっ、あっ、んっ……ふぅっ……♡」
クチュクチュクチュ……

 私は下着の隙間から指を入れ、熱い割れ目に直接触れた。そこは漏れ出す愛液でびしょびしょになっていた。
 私は浅く指を挿れてその場所を掻き回した。腰や頭が痺れる感覚があるがまだ足りない。私は次第に激しく自分の中で指を動かした。
 気持ちいい、けれど足りない。全然足りない。もっと太い物が欲しい。太くて硬くて長い物で奥までゴリゴリ突いてほしい。
 私は熱に浮かされたまま周囲に視線を彷徨わせた。そしてさっき収穫して洗った人参が近くにあるのが目に留まった。平たい籠に並べられたそれは太さも長さも形もバラバラだが非常に“丁度良く”見えた。

「で、でも……そんな……」

 それでも私はまだ理性を失い切っていなかった。だってあれは食べ物だ。さっき反射的に思い浮かべた使い方なんてしてはいけない。
 大切な収穫物を私の中に挿し込むなんて——そんなことしたら、どれだけ気持ちいいんだろう。

「ちょっとだけ……誰も見てないから……」

 私は存在しないはずの誰かに言い訳をしながら震える手で1本を取った。先が丸くて太めで少しだけ曲がったそれは、普通なら美味しそうとしか思わなかっただろうが、今は心臓がバクバクと激しく脈打っていた。
 少しだけ試してすぐにやめよう。私はそう思いながら下着を下ろし、秘所に人参を当てがった。先端で縁を撫でながら愛液を塗り付ける間、私は一体何をしているのだろうかという羞恥心で顔が熱くなる。だが横にして淫芽も巻き込みながら前後に動かすと気持ちいいことに気付いてしまうともう止まらなかった。

「はぁっ、はぁっ……んッ……♡」
ジュプッ……! ビクッビクッ……!

 私が人参をゆっくりと押し込んでいくと、甘い雷が下半身から脳天まで貫く。私は身体を震わせながら更に奥を目指した。
 魔狼の物程長くはないが、指よりも強い異物感に私の蜜壺がキュンキュン締まって痙攣する。私は先程自分で決めたことをもう忘れ、人参を出し入れし始めた。
 硬さと滑らかさが私の中を刺激し、私は食べ物で快楽を得ていることに罪悪感を感じた。しかし、その背徳感が逆に興奮を煽ってもいた。

「ウソ、ウソ、こんなの……ああっ♡ ひあぁっ♡」
ジュプジュプジュプ……ズンッズンッ! ビクビクッ!

 私はいつしか腰を振り、人参をピストン運動させることに没頭していた。抑えていた声が勝手に迫り上がって漏れてしまう。
 やがて私は絶頂した。甘い興奮が全身を包んで何も考えられなくなる。
 その熱が去った後、私は畑を区切る石垣に寄り掛かってずるずると座り込んだ。自分が何をしたのか改めて理解したのだ。

「違う……違うの……」

 私は自己嫌悪に苛まれながらも、快楽を求めることを抑えることができなかった。人参を引き抜いたが、魔狼達との行為は私の中に根付いてしまっていると強く実感した。私は、この背徳的な快楽から逃れることができないことを知った瞬間、絶望に打ちひしがれた。
 しかし、同時に私の肉体はもっと強い刺激を求めていた。自慰での快感と絶頂は心地良いものだったが、魔狼達に犯された時とは比べ物にならなかった。私の中に、まだ満たされていない欲望が残っていたのだ。
 私は再び魔狼達に身を任せ、彼らの欲望の捌け口となるしかない。そう悟った時、私は自分の不甲斐無さに涙すると共に、夜を心待ちにしていた。

 だがその日、魔狼は村にやって来なかった。
 夜が更けても遠吠えすら聞こえず、私は寂しさと焦りに苛まれた。窓から外を見ると、雲が広がっているのだろう、空は暗く星も月も見えない。静かな夜の中で私は自分と戦い、深い絶望に包まれた。
 私の身体は疼き、自分自身で弄っても満足できない。自分がどれだけ背徳的な行為をしているかは理解していても、このままでは私が壊れてしまうのではないかと思った。身体は自分でコントロールできず、魔狼の肉棒への欲求が侵食していく。
 私は結局一睡も出来なかった。夜が明ける頃には、自分に対してもうどうしようもなくなっていた。背徳的な欲求に押し潰され、どうしていいかわからないままベッドに横たわっていた。
 私はきっとこのまま誰もいない村で、1人きりで狂っていくのだ。
 涙が勝手に幾つも零れ落ち、それから私は声を上げて泣いた。


 ◆


「…………。……か、……いらっ…………」

 遠くから誰かの声がした気がする。
 そんなことはあり得ないと思いながら私は重い瞼を上げた。寝室は今朝から何も変わらないが、窓から差し込む光の角度で正午をとうに過ぎていると悟った。
 結局泣き疲れて眠ってしまったらしい。こんな時でもお腹は空くのが悲しい。私が渋々起き上がると、窓の外から再び声がした。

「どなたか……ませんか? 私は……」

 夢じゃない。私はそこでようやく気付いた。
 思わず私は外に駆け出した。起きたばかりのボサボサ頭な上に、寝巻きであるネグリジェ姿のままだということに、その人物の前に飛び出してから気付いた。だが再度引き返す気もかき消える程、彼に見惚れてしまった。
 まず馬が鼻を鳴らし、その傍らに立つ軽鎧を身に付けた男が振り返る。彼は私を見てまず眼を丸くして、それから優しく微笑んだ。

「ああ良かった。生きておられたのですね」

 彼の鎧の胸元には王家の紋章とそれを守る剣と盾——騎士団のマークが刻まれていた。


〈続く〉
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