異世界結婚

candy

文字の大きさ
10 / 10

10話 思い

しおりを挟む
「ティーナ。僕達の事すき?」

「ええ。もちろんです」

「じゃあ~将来は僕達と結婚しようね」


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

眩しい太陽の光がカーテンの隙間から射し込み 眩しくて目が覚めた。
フィオレンティーナは、起き上がろうとしたが味わった事のない疲労感と下腹部の痛みで顔を歪め目を閉じて起き上がる事を諦めてもう一度横になった。

痛い…ってもんじゃない…前世の知識って役に立たないわ…

そんな事を思いながら少し肌寒かったので腰まで掛かっていた毛布を引っ張ると毛布の中でモゾモゾと動いた。
な!何か居るわ!
ビックリして中を覗くと二人の美男子が寝ていて思わず声をあげそうになり 手で口を押さえた。
私 大変な事をしてしまったわ!!
起こさないように近くにあったシーツを引っ張り体に巻きつけ、下腹部の痛みを我慢しながらゆっくりとベットから降りようと床に足をつけた瞬間、手首を捕まえられ後ろに引っ張られた。

「きゃ!!」

「…何処に行くのかな?」

「ファミール!!いえ…あの…私………きゃ!!」

ファミールから逃げるように後退りをすると今度は腰を捕まえられた。

「ラル!!?」

「…どこ行くんだ」

「!!…わ、私は…ちょっと…」

「いいから…こっちに来い。まだねみぃ~」

腰を引かれ、ファミールとラルの間に倒れた。

「ラル!!急に引っ張ったら危ないでしょ!!」

「あ~うるせ~よ。少し黙れ」

「!!」

突然唇を奪われビックリしていると、口の中に舌を入れられ甘い声がもれてしまった。
恥ずかしくなり胸を思い切り押したが、逆にフィオレンティーナが後ろに倒れる事となった。
仰向けに倒れたフィオレンティーナをファミールとラルは押さえつけ悪魔の笑みを見せた。

「まだ、俺たちから逃げようと思ってんのか?絶対に逃がさねぇぞ」

「まだまだ、教える必要がありそうだね?」

「ち…違う!そうじゃなくって……きゃ!!」

普段の二人の笑顔が怖いと思った。
どうにか逃れる言い訳を考えたが全く思いつかず、あたふたとしているとファミールが目元に優しいキスをした。

「…ティーナ。お願いだから何処にも行かないでくれ…」

2人は顔を見せたくないかのように横を向いた。
初めて見せる表情を見た瞬間、何かを思い出せそうなところで阻むかのように頭に痛みが走った。

「っつ!!」

「「大丈夫か?!!!」」

痛みは一瞬だけで、すぐに収まった。
心配顔の二人に笑顔で大丈夫と、答えた。


「ごめんね。初めてだから加減したつもりだったんだけど。ちょっと無理させたかな?主治医を呼ぼう。」

何となく恥ずかしくって咄嗟に無理してないとよく考えずに叫んでしまった。 
顔を真っ赤にしてると後ろからラルが優しく毛布をかけてくれた。

「顔が赤いぞ?熱か?お前は昔から無理をするとすぐ熱が出るからな。…ほら!布団に入ってゆっくり休め」

「そうだね。昔からティーナはがんばり屋だからね」

優しい二人の笑みにドキッとして、ますます顔が赤くなったが毛布に隠れて小さい声でお礼を告げた。

「じゃあ~僕達は……」

やっと一人になれると思っていたら 両サイドからドサッっと音がした。

「!!!」

恐る恐る毛布から顔を覗かせるとフィオレンティーナを囲むように大量のクッションが置かれた。

「ここから降りたら駄目だよ。降りたら」
「「犯す」」

二人の揃った声が怖くなり また毛布を被ったフィオレンティーナを見た二人は脱ぎ散らかしていた服を拾い着た。

「側に居たいけど、僕達は仕事があるか行かなくっちゃならない。だけど部屋を出たら駄目だよ?
何か用がある時は、今からくる者に言ってね。」
「大人しく帰りを待ってろよ。土産を買ってくるからな。」

毛布を被っているフィオレンティーナの頭をポンとして 二人は出て行った。

パタン!!ガチャ!と、ドアが閉まる音と鍵がかかる音がして 顔を出すとフィオレンティーナは、天井を見つめた。

「…鍵が…どうすれば、いいの…」

二人から離れなければいけないのに、初めてを捧げてしまった。
…そう、捧げてしまったのだ…拒否の言葉や態度をとっていても心の中は、他の人など考えられなくって…最低かもしれないが同じくらい二人を好き…いや、愛しているのだ。
秘めていたのに、求められ、愛を囁かれて二人に捧げてしまった。
本気で拒んでいたら…でも、これで良かったと、最後の思い出を胸の奥底にしまい。将来は、二人ではない男性と結婚をしその男性との授かる子供を大事に育てようと決心をした。
自分の肩をギュッと抱き締め二人の温もりを思いだしながらしまい込もうとした時だった。

トン、トン、トン。

「…フィオレンティーナ様。お目覚めでございましょうか?」

フィオレンティーナは、待つよう言ってから急いで起き上がり一人でも着れる服を着用し声をかけた。
入室したのは、前世では見なれている漆黒色の髪を綺麗にまとめ上げたあどけない小柄の子供だった。

「この度、フィオレンティーナ様のお世話係に任命されました『イチカ』と申します。よろしくお願い致します。」
「よろしくね。珍しい綺麗な髪色ね…何処の国の方なの?」

イチカはビクッとし黙ってしまった。

「…ごめんなさい。聞いちゃいけなかったかしら…」

「いいえ!違います。この髪を誉めていただいたのが初めてで……遠い所にある『京東国』と、いう所から来ました。」

笑顔で答えたイチカは頬を染めながらお辞儀をした。そして…小さな声で言った

「…この髪が怖くないのですか?」
しおりを挟む
感想 0

この作品の感想を投稿する

あなたにおすすめの小説

「婚約破棄された転生令嬢ですが、王城のメイド五百人に慕われるメイド長になりました。なお元婚約者は私のメイドに土下座中です」

まさき
恋愛
社畜OLとして過労死した私は、異世界の令嬢・アリア・ヴェルナーに転生した。 目が覚めたら、婚約破棄されていた。 理由は「地味で面白みがない」から。 泣く暇もなかった。翌朝、王城のメイド採用面接に向かった。 最初は鼻で笑われた。雑用係からのスタートだった。 でも——前世で叩き込まれた仕事術と、一人ひとりの話を聞く姿勢で、少しずつメイドたちが集まってきた。 厨房が変わった。リネンが変わった。王城全体が変わっていった。 そして就任スピーチで宣言した。 「500人全員の名前を、覚えます」 冷酷と噂される王太子は、静かに見ていた。 悪役令嬢は妨害を仕掛けてきた。 元婚約者は——後悔し始めていた。 婚約破棄された令嬢が、500人に慕われるメイド長になるまでの物語。 なお元婚約者は、私のメイドたちの前で土下座中です。

おばさんは、ひっそり暮らしたい

蝋梅
恋愛
30歳村山直子は、いわゆる勝手に落ちてきた異世界人だった。 たまに物が落ちてくるが人は珍しいものの、牢屋行きにもならず基礎知識を教えてもらい居場所が分かるように、また定期的に国に報告する以外は自由と言われた。 さて、生きるには働かなければならない。 「仕方がない、ご飯屋にするか」 栄養士にはなったものの向いてないと思いながら働いていた私は、また生活のために今日もご飯を作る。 「地味にそこそこ人が入ればいいのに困るなぁ」 意欲が低い直子は、今日もまたテンション低く呟いた。 騎士サイド追加しました。2023/05/23 番外編を不定期ですが始めました。

【本編完結】伯爵令嬢に転生して命拾いしたけどお嬢様に興味ありません!

ななのん
恋愛
早川梅乃、享年25才。お祭りの日に通り魔に刺されて死亡…したはずだった。死後の世界と思いしや目が覚めたらシルキア伯爵の一人娘、クリスティナに転生!きらきら~もふわふわ~もまったく興味がなく本ばかり読んでいるクリスティナだが幼い頃のお茶会での暴走で王子に気に入られ婚約者候補にされてしまう。つまらない生活ということ以外は伯爵令嬢として不自由ない毎日を送っていたが、シルキア家に養女が来た時からクリスティナの知らぬところで運命が動き出す。気がついた時には退学処分、伯爵家追放、婚約者候補からの除外…―― それでもクリスティナはやっと人生が楽しくなってきた!と前を向いて生きていく。 ※本編完結してます。たまに番外編などを更新してます。

とっていただく責任などありません

まめきち
恋愛
騎士団で働くヘイゼルは魔物の討伐の際に、 団長のセルフイスを庇い、魔法陣を踏んでしまう。 この魔法陣は男性が踏むと女性に転換するもので、女性のヘイゼルにはほとんど影響のない物だった。だか国からは保証金が出たので、騎士を辞め、念願の田舎暮らしをしようとしたが!? ヘイゼルの事をずっと男性だと思っていたセルフイスは自分のせいでヘイゼルが職を失っただと思って来まい。 責任を取らなければとセルフイスから、 追いかけられる羽目に。

三十年後に届いた白い手紙

RyuChoukan
ファンタジー
三十年前、帝国は一人の少年を裏切り者として処刑した。 彼は最後まで、何も語らなかった。 その罪の真相を知る者は、ただ一人の女性だけだった。 戴冠舞踏会の夜。 公爵令嬢は、一通の白い手紙を手に、皇帝の前に立つ。 それは復讐でも、告発でもない。 三十年間、辺境の郵便局で待ち続けられていた、 「渡されなかった約束」のための手紙だった。 沈黙のまま命を捨てた男と、 三十年、ただ待ち続けた女。 そして、すべてを知った上で扉を開く、次の世代。 これは、 遅れて届いた手紙が、 人生と運命を静かに書き換えていく物語。

転生後はゆっくりと

衣更月
ファンタジー
貧しい集落で生まれたリリは、生まれた瞬間から前世の記憶があった。 日本人特有の”配慮”に徹した赤ん坊を演じていたことで、両親から距離を置かれた挙句、村人からも「不気味な子」として敬遠されることに…。 そして、5才の誕生日に遠くの町に捨てられた。 でも、リリは悲観しない。 前世の知識チートは出来ないけど、大人メンタルで堅実に。 目指すは憧れのスローライフが出来るほど、ほどほどの守銭奴としてリリは異世界人として順応していく。 全25話(予定)

【完結】番としか子供が産まれない世界で

さくらもち
恋愛
番との間にしか子供が産まれない世界に産まれたニーナ。 何故か親から要らない子扱いされる不遇な子供時代に番と言う概念すら知らないまま育った。 そんなニーナが番に出会うまで 4話完結 出会えたところで話は終わってます。

女の子がほとんど産まれない国に転生しました。

さくらもち
恋愛
何番煎じかのお話です。 100人に3~5人しか産まれない女の子は大切にされ一妻多夫制の国に産まれたのは前世の記憶、日本で亭主関白の旦那に嫁いびりと男尊女卑な家に嫁いで挙句栄養失調と過労死と言う令和になってもまだ昭和な家庭!でありえない最後を迎えてしまった清水 理央、享年44歳 そんな彼女を不憫に思った女神が自身の世界の女性至上主義な国に転生させたお話。 当面は2日に1話更新予定!

処理中です...